ソネットの採用面接前に知っておくべきこと
■社風への理解
ソニーネットワークコミュニケーションズ(以下、ソネット)は、インターネットの黎明期である1995年に創業したソニーグループの中では新しい会社。主力サービスはso-netとNURO光ですが、現在は新規事業開発に積極的です。ソニーならではの技術を活用したIoTビジネスに挑戦中。ミッションにも、「世の中に新しい価値を提供する」が掲げられています。
「決められたとおりにやりたい人には居心地がよくない」といった口コミからも、ベンチャー的な要素が感じられます。so-netという安定した収益源やソニーの技術・資金力を活用して新しいことができる点にはやりがいがあり、自分のペースで仕事ができる点も独立心の強い人にとっては働きやすい様子。「飲み会もほとんど皆無でドライ」という口コミからもその雰囲気が伝わってきます。しかし、大企業のため決定に時間がかかり、調整が大変で動きづらい点に対しては、物足りないと感じる人も。安定と冒険の間で揺れ動き、最後に退職を選ぶ人も見受けられます。
周りとの和を大切に、時間はかかっても高品質なサービスを生み出していく。こうした社風にフィットする人材かどうかを、採用面接では見極められます。
■選考は何次まで?
書類審査のあと、面接が基本3回行われます。選考期間は2週間から1カ月程度。企業の採用HPにはエントリー前のプロセスとして「まずはこのホームページを読んでじっくり企業研究してください」と書かれています。実際面接を受けた人の口コミにも「HPに掲載されている社員のコメントを読んでいる前提で話が進んでいった」「入手できる情報は全て目を通すべき」などとあります。課題として明記されているわけではありませんが、HPを隅々まで熟読して挑むべき。その中で自分の経験や目標と合致する部分を見つけ、手短に話せるようまとめておきましょう。
Q&Aには「最終学歴の制限はありません」「年齢の制限はなく個別に検討」「経験年数よりも得意分野を重視」「経験がなくても募集職種で活かせるスキルを持っていれば採用を検討」などと書かれており、企業としては採用するかはともかく、あまり選択肢を狭めずに間口を広く応募者を集めたいと考えている様子。「自分のスキルにぴったり」ではなくても応募してみてもいいかもしれません。
■面接内容の傾向は?
志望動機や前職の職務経歴をもとにした話など基本的な質問内容が多いものの、その中でも「入社して何がしたいか」が重視されている様子。答え方のポイントは「目標設定」と「やりたい理由」「それを実現できる根拠を盛り込むこと」です。
まず「目標設定」は企業研究をした上で、この会社でしか叶えられない目標設定をしましょう。たとえば「部署のスペシャリストになる」といった、「企業研究をしなくても言えるような目標」はNG。次にやりたい理由ですが、「●●といった経験から●●といった点を改善したいと思った」というように、経験を交えて具体性のある話に落とし込みましょう。「最後に実現できる根拠」については自分の強みをその目標の実現にどのように活かせるのか、そして目標として掲げたことを実現するために現在どのような努力をしているのかの2点を挙げられればベストです。
口コミでは「優秀さよりもコミュニケーション重視」「自分をしっかり持ちつつ穏やかな人を求めているのでは」などの意見が挙がっており、がつがつした自己アピールは嫌われる可能性があります。その場の会話を楽しみながら、自己アピールを織り交ぜていくとよいでしょう。
ソネットの面接攻略法(面接対策)
■ソネットの経営戦略を理解した上で自己分析をする
ソネットの面接を受ける上では、経営戦略を理解しておくことが不可欠です。主だった戦略には以下のようなものがあります。
今年度からの3年間において、金融分野を除いたベースで、2兆円以上の営業
キャッシュフローの創出を目指します。
ソネットの経営戦略は今後活躍する人材を採用する人事戦略にも影響します。しっかりと理解した上で自己分析に落とし込み、面接でこの経営戦略に合致する人材であることをアピールしましょう。
ソニーグループ全体では2兆円以上の営業キャッシュフローの創出(金融分野を除く)が目標。このグループ目標を実現するため、社内では新たな収益源の確保に向けて多角化が進められている最中で、2013年に始まった「NURO光」のプロモーション及び新規事業開発に力が注がれています。今立ち上げ最中の事業としてはソニーの最新技術を活用したヘルスケアシステム、AIを活用したビジネスソリューションの提供が挙げられ、企画・マーケティング・営業・技術と幅広い分野で採用活動も活発。新規サービスの立ち上げ経験や、チャレンジ精神をアピールできるエピソードがあればまとめておくといいでしょう。
また中期目標の説明会でソニーグループのミッションとして「感動」が掲げられました。採用HPにも「お客様に感動していただける環境を実現しましょう」とあることから、話の中に「感動」というキーワードを盛り込むことも効果がありそうです。
■「なぜソネットに転職したいのか」の明確化には他社研究が必要
ソネットの面接でよく聞かれる質問のひとつに「なぜソネットか」というものがあります。面接官がこの質問を通して知りたいのは、「この人は何をやりたいのか」「それが当社で可能なのか」「この人の経歴が当社でどう活かされるか」といった視点ももちろんですが、「本当に当社のことを理解しているか」という側面も合わせて見ています。
業界理解や職種理解の枠を超えて、ソネットという企業についてしっかり理解する。そのためには、競合となりやすい企業の他社研究も忘れないようにしましょう。具体的には、以下のような企業について調べておくことがおすすめです。
- 東日本電信電話株式会社
- 株式会社NTTドコモ
- KDDI株式会社
ソネットの採用面接で実際に聞かれた質問内容
このように、ソネットの採用面接を受ける前には、経営戦略に基づいた自己分析や他社研究を踏まえた志望動機の整理が大切です。そして面接の場では、「周りとの和を大切に、時間はかかっても高品質なサービスを生み出していく」という社風を意識して、新規サービスの立ち上げ経験や、チャレンジ精神を持った人材であると印象付けられるよう、さまざまなエピソードを準備しておくと良いでしょう。
人事部長からのメッセージには「新しい価値を生み出す」「スピードと行動を重視」「目標のために周りを巻き込む」「諦めずにやり抜く」などと書かれています。やりたいと思ったことを即行動に移した経験、リーダーとして周りの人をまとめた経験、失敗しても成功するまで諦めなかった経験などがあれば、手短に話せるようまとめておくとよいでしょう。
面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。これらの質問をされたらどのように答えるか、しっかりと考えながら面接対策しておきましょう。
30代前半・男性/マーケティング【結果:1次面接で不採用】
30代前半男性/サポートエンジニア【結果:1次面接で不採用】
30代前半女性/人事【結果:最終面接で不採用】
30代後半女性/Web関連職【結果:入社】
ソネットの採用面接に向けて
ソネットの採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の5つです。
- 「周りとの和を大切に、時間はかかっても高品質なサービスを生み出していく」という社風を理解して、これに合致した人材であることをアピールする。
- 「やりたいこと」を企業研究に基づいた目標・理由・実現できる根拠をセットで話せるようにしておく。
- ソネットの経営戦略を理解して、これに沿った自己分析をして自己PRにつなげる。
- 競合他社についても研究し、「なぜソネットか」に対する答えを明確にしておく。
- 人事部長からのメッセージに書かれたキーワードにあてはまるエピソードを用意し、自己PRに落とし込む。
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慶応義塾大学卒業後、大手ITメディア、出版社ライターを経て、旅行会社に勤務。新規事業企画に携わる。