ソニー銀行の採用面接前に知っておきたいこと
■社風への理解
2001年、ソニーや三井住友銀行などの出資により設立され、事業をスタートさせたソニー銀行。主に取引提供サイト「MONEY Kit(マネーキット)」を通じて金融サービスを提供する、インターネット専業銀行です。業界屈指の預金残高を有する同社は、個人向け資産運用銀行として合理性と利便性を追求したサービス内容に定評があり、顧客満足度はトップクラス。ソニー生命・ソニー損保とともに、ソニーフィナンシャルグループの中核企業として知られています。
そんなソニー銀行の社風は、口コミによるとフラットで穏やか。設立後約20年という新しい会社のため中途採用者が多いことに起因してか、年功序列の風潮や学閥は存在しない様子。「しっかり目標を立ててそれを達成できれば十分昇給昇進は可能」「新卒社員と中途入社社員との間にあまり差はない」といった口コミが散見され、公平な評価制度があることがうかがえます。また、「いろいろなバックグラウンドを持った方が在籍している」との口コミもあるように、社員には非金融業界出身者も少なくなく、それぞれの個性を尊重しながら業務を進められるフラットな企業風土があるようです。穏やかな人が多く、「意見も通りやすく風通しの良い職場」との声もあがるなど、働きやすい職場環境があります。
一方、こうした穏やかな社風を物足りなく感じる人も。「ガツガツしておらず、小さくまとまろうとしている」「前進する力に欠けるところがある」「退屈している人が多そう」と、厳しい声も見受けられます。成果を追い求めて精力的に仕事に励みたい人には向かない環境と言えそうです。
このように、フラットで良くも悪くも穏やかな社風が特色のソニー銀行。その社風にフィットしつつ業務に取り組むことができるかどうかは、応募者にとっても採用側にとっても重要なポイントです。自分の性格や志向に照らし合わせて対策をおこなう必要があるでしょう。
■選考は何次まで?
コーポレートサイトの採用情報ページによると、ソニー銀行の選考プロセスは、書類選考→面接および適性検査→内定、という流れになっています。口コミによると、面接回数は複数回であることが多いよう。1000字程度の小論文を課されたという人もおり、事前の対策が必要です。
2020年3月現在、ソニー銀行ではシステム開発・プロジェクトマネジメント職で中途採用の募集をおこなっています。業務内容や応募要件については採用情報ページ内に詳細が記載されていますので、必ず目を通し、自分のどのようなスキルや素養が活かせるのか、それを面接の場でどうアピールするのが効果的か、しっかり対策を立てるようにしましょう。また、新卒採用サイト内には「5つのポイント」「プロジェクト」といった項目ごとにソニー銀行の社風や業務内容などを紹介するコンテンツがあります。中途採用への応募者にも参考になる内容となっているため、ぜひ一読してみてください。
■面接内容の傾向は?
実際の面接においては、「ソニー銀行で成果を出せる人材なのか」が見極められます。「今までやってきたことと、今後やれること」について聞かれたり、「ソニーグループの技術力をどう活かして競合他社との差別化を図るべきか?」と問われたりすることがあるようです。自分のこれまでのキャリアを棚卸しし、それをベースに入社後のビジョンを説明できる準備をしておきましょう。企業研究を徹底的におこない、中期経営計画を理解しておくことはもちろん、「ソニー銀行の今後について」「自分はソニー銀行の成長にどのように寄与することができるか」など、戦略的見地から自分なりの考察をしてみると役立ちます。
「一人で多くの顧客対応をすることになるが仕事のスピードに自信はあるか?」と確認されたり、「完全な実力主義だが大丈夫か?」と聞かれたりすることも。「大丈夫です」という回答に終始せず、具体性を添えると面接官に安心感を与えられます。繁忙期を乗り切った経験や、実績を上げて評価された経験など、社風や職場環境になじみつつもしっかりと成果を出せる素地があるとアピールできるようなエピソードをピックアップしておくとよいでしょう。
また、自社商品や社訓について聞かれることもあります。企業研究の際に、こうした基本的な情報のチェックも漏らさずおこないましょう。
ソニー銀行の面接攻略法(面接対策)
■ソニーフィナンシャルグループの中期計画を理解した上で自己分析をする
面接に臨む前に必ずおさえておきたいのがソニーフィナンシャルグループの中期計画(FY18-20)です。グループの中核企業であるソニー銀行は、このグループ中期計画の中で策定された経営方針に沿って事業展開しています。
この中期計画のテーマは「新たな成長へ向けた挑戦」。顧客本位の業務推進体制を整備し、そこから次の時代へ向けた成長基盤づくりのための変革へと繋げ、それがさらに顧客本位主義体制をブラッシュアップする……というサイクルを構築することを目指します。
住宅ローンや定期預金における新商品の取扱い開始やサービス拡充などにより、商品力を強化し、顧客へのコンサルティング力も向上させることで、ネット銀行としての競争優位性を維持したいソニー銀行。積極的なマーケティング活動により商品価値や利便性の向上に努め、ネットとリアルを融合させたデジタルコンサルティングを推進していくとしています。成長に向けた変革的施策としては、業務効率化を目的としたAI・RPAの活用、参照系APIを利用した新サービスの提供などを挙げています。
こうしたソニー銀行の戦略の根底にあるのが「公正」という価値観です。上図のように企業理念として「Be fair」を掲げる同社では、業務遂行に際しては公共性を意識した責任ある姿勢が要求されます。中途採用においても、この価値観は重視されると考えられます。面接では、実務能力だけでなく、誠実かつ公正な行動が取れる人物であることをアピールできれば有利でしょう。
■「なぜソニー銀行に転職したいのか」の明確化には他社研究が必要
ソニー銀行の面接では「なぜソニー銀行か」と聞かれる場面が多く見られます。この場合、志望動機を問うことで面接官は「これまで培ってきた見識や実務経験をどのように当社で活かすつもりなのか」といった入社後のビジョンと併せて、「当社のことをどれだけ理解しているか」「当社の理念や戦略を理解した上で、適切なアプローチで成果を出せる人物なのか」を見極めようとしています。
自分の希望する職種への理解だけでなく、ソニーフィナンシャルグループが掲げる中期計画とその実現に向けたソニー銀行の施策についてしっかりと理解した上での自己PRが必要です。そのためには、競合となりやすい企業の他社研究も忘れずにおこないましょう。「なぜ他社ではなくソニー銀行を志望するのか」というメッセージは、入社への熱意を面接官に伝えるための重要な役割を担います。具体的には、リテール内容において競合する、以下のようなネット銀行について調べておくことがおすすめです。
- 株式会社ジャパンネット銀行
- 住信SBIネット銀行株式会社
- 楽天銀行株式会社
ソニー銀行の採用面接で実際に聞かれた質問内容
ソニー銀行が目指している方向性や、どういった人材を欲しがっているのかが企業研究を通じて分かってきたのではないでしょうか。ソニー銀行の場合、グループの中期計画を理解した上で、企業理念に沿った公正な姿勢で業務に取り組める人物であるかどうかが重視されます。「フラットで良くも悪くも穏やかな社風」を意識して、「誠実かつ公正な行動によって成果が出せる人材」と印象づけられるよう、これまでのキャリアの中から適切なエピソードを準備しておくとよいでしょう。
以下に面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。自分がこれらの質問をされたらどのように答えるか、面接対策の一環としてぜひ質疑応答のシミュレーションをしてみてください。
[30代前半・男性/ファイナンシャルプランナー] 【結果:二次面接で不採用】
[30代前半・女性/金融関連職] 【結果:一次面接で不採用】
[20代後半・男性/代理店営業] 【結果:内定を辞退】
[30代前半・女性/金融関連職] 【結果:入社】
ソニー銀行の採用面接に向けて
ソニー銀行の採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
- 「フラットで良くも悪くも穏やかな社風」を理解し、それに合致した行動がとれる人材であることをアピールする。
- ソニーフィナンシャルグループの中期計画を理解して、これに沿った自己分析を行い、自己PRへとつなげる。
- 競合他社についての理解を深め、「なぜソニー銀行なのか」に対する答えを明確にしておく。
これらの要素についてしっかりと自分なりの考えを準備し、面接当日は分かりやすい言葉でアピールするよう心がけましょう。
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大阪大学文学部卒業後、インフラ系SIer、大手信用調査会社、製薬会社で総務畑を歩む。企業を俯瞰的に見るのが得意。