【19年2月期】業績悪化に苦しむ安川電機 カギは「米中貿易戦争」の行方

【19年2月期】業績悪化に苦しむ安川電機 カギは「米中貿易戦争」の行方

安川電機はサーボモータやインバータ、産業用ロボットなどを扱う電機メーカー。中国や先進国で工場自動化や半導体への投資の恩恵を受け、近年業績が大きく拡大しました。しかし米中の貿易摩擦や中国の景気減速を受け、2020年3月期は大幅減益となる見通しです。業績快復のカギはどこにあるのか。安川電機の現状と課題を整理します。


安川電機は2018年2月期から、決算期を3月から2月に変更しています。そのため、2018年2月期は約11ヶ月の変則決算となっており、2019年3月期との比較に注意が必要です。

たとえば2018年2月期の有価証券報告書には、平均年間給与について「決算期変更に伴う年間就業日数減少のため例年と比較し20日分減額になっております」と書かれています。したがって2019年3月期で前期比5.5%程度の増加だった場合、単純に日数の違いによるものである可能性があります。

損益計算書(PL):営業利益率が悪化傾向

2019年2月期決算の売上高は4746億円で前期比5.8%増。一方、営業利益は498億円で同8.1%減、営業利益率は同1.6pt減の10.5%となりました。

売上高の増加率は、就業日数の増加率とほぼ同じ。ただし、売上原価は前期比8.0%増、販売費及び一般管理費は同6.9%増と、これを上回る増加率になっています。

有価証券報告書には、売上原価の内訳は書かれていませんでしたが、販管費で最も増加しているのは「給料及び手当」で、2019年3月期は前期比9.9%に当たる47億800万円増えています。

なお、就業日数にはほぼ関係しない従業員数は、2018年2月期から2019年2月期にかけて連結で12449人→13139人へ5.5%増えています。

セグメント分析:モーションコントロールとロボットが2本柱

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この記事の執筆者

金融機関で債券畑を経験後、証券アナリストとして株式の調査に携わる。市場動向や株式を中心としたリサーチやレポート執筆などを業務としている。ファイナンシャルプランナー資格も取得し、現在はライターとしても活動中。株式個別銘柄、市況など個人向けのテーマを中心にわかりやすさを心がけた記事を執筆。


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