損益計算書(PL):コスト削減で赤字回避
鳥居薬品の2019年12月期決算は、売上高が前期比31.3%減の430億円、営業利益は同71.1%減の14億円で減収減益でした。営業利益率も同4.6pt減の3.3%となっています。
主な要因は、2019年1月に米ギリアド・サイエンシズとのライセンス契約解消に伴い、売上高の3分の1を占めていた抗HIV薬6品の販売権を失ったことです。
これを受けて2019年2月に発表された中期経営計画では、2019年12月期は32億円の営業赤字に転落すると予想され「2022年度の営業黒字化」が掲げられました。しかし、売上高は計画比113.2%、営業利益は黒字に転じており、予想より業績は悪化していません。
これはコストが減少したことによるもので、売上原価が前期比35.0%減の207億円、粗利率は同2.8pt増の51.9%に改善。特別転身支援制度(希望退職者の募集)の実施により販売費及び一般管理費も同19.0%減の209億円に減っています。
親会社株主に帰属する当期純利益は274億円で、前期の23.5倍に増えています。
これは、抗HIV薬6品の販売権の返還に係る譲渡益406億円を特別利益に計上したこと、および特別転身支援制度の実施による割増退職金等の費用45億円を事業構造改革費用として特別損失に計上したことによるものです。
なお、2020年12月期の連結業績予想は、売上収益が416億円(前期比3.3%減)、営業利益が30億円(同109.7%増)、当期純利益が21億円(同92.3%減)となっています。
コスト削減の内訳として、販売品目の構成変化(自社品比率の上昇)等による売上原価の減少や、特別転身支援制度などの事業構造改革の通年効果、研究開発費の減少による販売費及び一般管理費の減少が見込まれるとのことです。
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