横河電機の採用面接前に知っておきたいこと
■社風への理解
石油・化学・鉄鋼産業のプラント、そして電力・ガス・水道などのインフラ施設まで、国内外の多数の制御事業、計測機器に関わる業務をおこなう横河電機。歴史は古く、前身は1915年に設立された電気計器研究所までさかのぼります。制御・計測メーカーでは国内トップシェアを誇り、世界的に見ても上位にランクインする大手企業です。
同社で勤務する方の口コミには、「大手企業ならではの」という意見が多く見られます。そこには良くも悪くもという両方の意味が含まれ、良い点では「給与面での待遇の良さ」「福利厚生・社内研修の充実度」「良い意味でのんびりとしている」、悪い点では「年功序列がいまだ残る」「保守的でリスクを恐れる」などがあげられています。
世界中のプラント制御に関わる事業ゆえか、「社会の発展に貢献している自負がある」といったやりがいを感じる声は多く、他にも「仲間同士での雰囲気がよく、相談をしながら業務をしていける」「意欲があれば若いうちからさまざまな仕事に挑戦させてもらえる」と、風通しの良い職場環境を評価する意見もあります。
一方、古い体質も残っているためか「年配の社員が多い」「業務を理解していない管理職が存在する」「学閥・スポーツ閥が根強い」「部署によって格差がある」という社内風土を問題視する声、また「今後国内での成長は見込めず、海外に進出するも競合多数」「戦略を持っていない」「業績悪化による大規模な人員整理の敢行」など将来性に不安を感じる意見も聞かれました。
「計測と制御と情報で、豊かな社会を実現」との企業理念を掲げる同社。わずかな異変が大きな事故へつながる可能性があるプラントやインフラ業務は、いかなる場合でも絶えず安全な状態を保たなければなりません。必要とされるのは、注意力、観察力、技術力、そして責任感です。同社は「失敗を恐れず自分から行動を起こす」「現状を良しとせず、常に自分を高めていく」人財を求めています(同社では人を財産と考え、人材を「人財」としています)。面接では、こういった理念と仕事に対する意欲を持った人物であるかを見極められます。
■選考は何次まで?
同社の入社までの選考過程を見ていきます。コーポレートサイトのキャリア採用情報によると、履歴書と職務経歴書をEメールにて応募→書類選考通過後に1次面接と適性検査→最終面接という流れで進み、その後人事面談がおこなわれ内定となります。以上は一例であるため、面接の回数など若干変更される場合があるようです。
面接官は、現場社員、部長、人事が担当し、選考期間はおおむね1週間〜1ヶ月を要します。
現在の募集職種は「ソフトウェアエンジニア」「セールスエンジニア」の2種類となり、それぞれ業務内容や求められる資格・経験が異なりますので、応募前にしっかりと確認をしておきましょう。
新卒採用サイトではありますが、社員紹介、社内制度・環境、育成プログラムなど、さまざまな情報が記載されていますので、それらにも目を通し、どういった会社であるかなど、雰囲気を知っておくことをおすすめします。
■面接内容の傾向は?
穏やかな雰囲気の中、ごく一般的な質問で進むという口コミが見られます。圧迫されるような空気や、意表をつくような質問はないですが、志望動機や経歴は、自己アピールの意味も含め、明確に説明できるようにしておきましょう。転職の理由も「消極的な印象を与えないよう注意が必要」との意見がありました。
仕事への意欲を強く見られているので、入社してからのはっきりとしたビジョンを持ち合わせているかがポイントとなります。同社の取り扱う製品、業務内容とともに、会社に対する思いを自分の言葉で伝えられるよう、しっかりと研究をしましょう。人間性重視な傾向にあるので、明るく元気な印象を与えられるように、身だしなみ、会話能力にも注意を払うことが肝心です。
日常目につくことのない事業が主なため、業務に関しての質問を受けても戸惑わず、はっきりと受け答えができるように、コーポレートサイトを熟読するなどして理解を深め、自分が同社にどのような形で貢献できるかを整理した上で面接に臨みましょう。
なお、同社は海外への業務展開をしており、今後さらに拡大していくことからも、「語学に堪能」「海外勤務希望」などは大きな評価項目となりますので、自信や興味がある場合は、ぜひアピールに盛り込んでみてください。
横河電機の面接攻略法(面接対策)
■横河電機の「Transformation 2020」を理解した上で自己分析をする
横河電機の面接を受ける際には、「Transformation 2020」と呼ばれる同社の中期経営計画を正確に理解することが必要となります。この項では、どのような方針であるかを読み解くとともに、自己分析に落とし込むための考察をしていきます。
同社は2015年に「顧客との関係性重視」「ICT進展を見込んだ新たな価値創造」「グローバル企業への変革」を主とし、収益性向上を目指した経営計画「Transformation 2017」を策定しました。それは成果にもつながりましたが、原油価格低迷などによる経済環境の悪化、競争の激化に見舞われ、さらなる事業変化対策を練る必要に迫られていきます。
そこで新たに策定されたのが「Transformation 2020」であり、下図のようにデジタルトランスフォーメーションを中心とした、既存事業のさらなる改革と、新事業への挑戦です。
具体的には、「既存事業変革」「新事業とビジネスモデル変革」「生産性向上」の3項目に分別されており、グループ全体での収益性向上を図るとしています。どのような計画かをそれぞれ見ていきましょう。
- 既存事業変革(OPEXビジネスの拡大。競争力のある事業への集中)
- 新事業、ビジネスモデル変革(医薬品、食品産業の確立。売り切り型からリカーリング型への変革)
- 生産性向上(IT技術活用でのコスト競争力強化。人財力向上のため研修、訓練制度の整備)
これらを戦略の基盤とし、下図のように中長期的に成長と効率を高め収益につなげ、企業価値を向上させるとしています。
さらに同社は環境への貢献宣言として「Three goals」を掲げました。環境保護が叫ばれる中、プラント事業を抱える企業としては重要なことであり、豊かな未来社会を築こうとする強い意志も感じ取れます。
エネルギーを取り巻く世界的な事業変化の波は、大手といえど決して安穏としていられない状況にあります。既存事業の変革にとどまらず、環境に配慮した新たな事業の創出など、常に未来に目を向けた先見性も必要とされるでしょう。
以上から同社は「時代の転換期に遅れることなく、失敗を恐れず自ら考え挑戦・行動を起こし、社会貢献につなげる仕事ができる」人財を求めているといえます。面接では上記の経営計画を踏まえ、このような意欲を強く持ち合わせた人物であることをアピールしてみましょう。
■「なぜ横河電機に転職したいのか」の明確化には他社研究が必要
横河電機の面接では、「なぜ横河電機を選んだのか」という質問をされます。ここでは面接官が「今後の明確なビジョンを持っているか」「これまでの経歴が同社の戦力になり得るのか」といった点を見るだけではなく、「同社について本当に理解しているのか」を見極められているといえます。
業界や職種理解にとどまらず、横河電機という企業の経営理念、中期経営計画の「Transformation 2020」をしっかりと把握した上で、競合の比較としてあげられる他社を知り、研究をしていきましょう。一例として以下の企業をピックアップしますので、研究の参考にしてみてください。
- ABB株式会社
- シーメンス株式会社
- アズビル株式会社
横河電機の採用面接で実際に聞かれた質問内容
企業研究を通じて、横河電機の社風や経営方針、そしてどのような人物を欲しているかが分かってきたのではないでしょうか。面接の場では、同社の企業理念である「より豊かな社会の実現に貢献する」を意識し、「自分自身の成長と企業価値の向上を考え、よりよい未来社会へ貢献していける」人財であると印象づけられるよう、複数のエピソードを準備しておきましょう。
以下は、実際の面接の場で聞かれた質問内容です。これらに目を通した上で「こういった質問にはどう答えるべきなのか」「業務内容など聞かれた場合はこう答えていこう」など、シミュレーションしてみてください。
40代前半・女性/経理【結果:入社】
20代後半・男性/プロジェクトマネージャー【結果:最終面接を辞退】
20代後半・女性/海外営業【結果:面接中止】
30代後半・男性/プラント設計【結果:最終面接を辞退】
横河電機の採用面接に向けて
横河電機の採用面接を受けるにあたり、押さえておきたいポイントをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下となります。
- 「より豊かな人間社会の実現に貢献る」という社風を意識して、これにマッチした人財ということをアピールする。
- 横河電機の中期経営計画「Transformation 2020」を理解し、これに沿った自己分析をして自己PRにつなげる。
- 競合する他社についても研究し、「なぜ横河電機か」に対する答えを明確にしておく。
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「転職エージェントって何?」という方はこちらの記事をお読みください。