【20年1月期】「外資就活ドットコム」のハウテレビジョン 難関大生・社会人向けサービスを拡張できるか

【20年1月期】「外資就活ドットコム」のハウテレビジョン 難関大生・社会人向けサービスを拡張できるか

難関大生向け就活サービス「外資就活ドットコム」と若手社会人向けキャリアアップ支援サービス「Liiga」を運営するハウテレビジョン。売上は好調、上場による純資産の増加で財務安定性も十分ですが、21年1月期は新規事業投資のため大幅赤字の予想です。ターゲット拡大で財務諸表などを基に会社の現状と課題を整理します。


損益計算書(PL):売上順調も21年1月期は赤字予想

ハウテレビジョンの2020年1月期の決算は、売上高が前期比26.7%増で8億3500万円、営業利益は同26.4%増で9100万円と伸長し、売上と利益の両方で過去最高を更新しました。また、営業利益率は前期と変わらず10.9%となっています。

売上原価は前期比37.7%増で1億9000万円と大幅に増加しました。売上原価に含まれる人件費は9300万円で売上原価の約半分を占めています。

売上原価に含まれる人件費に注目すると、2020年1月期は前期比52.5%増となっています。ここからもわかるように、費用の主な増加要因は7名を増員したことに伴う人件費の増加であると説明されています。

ただし、売上高の増加が大きいために売上総利益は前期比23.8%増で6億4500万円と伸長しました。粗利率は同1.8pt減の77.2%です。

販売費及び一般管理費は前期比23.7%増で5億5400万円となりました。販管費に含まれる人件費は3億600万円で55.2%を占めています。販管費については売上原価と異なり、人件費の増加は前期比18.6%増にとどまっており、人件費以外のその他の費用の増加が大きいことがわかります。

親会社株主に帰属する当期純利益は前期比11.5%減で4600万円でした。営業利益が過去最高を更新したのにもかかわらず当期純利益が減少した理由は、法人税、住民税及び事業税の支出が前期比174.8%増で3100万円だったからです。

2021年1月期業績予想は、売上高が前期比16.5%増で9億7100万円、営業利益が9100万円のプラスだった前期から転じて3億7000万円のマイナス、当期純利益も4600万円のプラスから3700万円のマイナスに転じるとされています。

大幅赤字となる理由としては、新規事業への投資としての人件費が増加したり、新オフィス移転費用がかかったりすることが挙げられます。特に人件費の増加額は3億7600万円で、人材投資に対する積極的な姿勢がうかがえます。

セグメント分析:大学生・若手社会人向けのキャリアプラットフォーム事業を展開

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