ローランド・ベルガーの採用面接前に知っておきたいこと
■社風への理解
1967年ドイツで設立され、現在では世界35か国に2400名のスタッフを擁するローランド・ベルガー・ストラテジー・コンサルタンツ。1991年に設立された日本法人は、国内外企業のみならず政府機関など多くのクライアントと信頼性のある関係を構築しています。
戦略コンサルが3C分析だけで生き残るのは難しい今、従来の垂直統合型ではなく水平協働型で結果を出せるコンサルタントが求められています。兼業が認められている唯一のコンサルティング・ファームである同社では、スタートアップ企業、ベンチャー企業のアドバイザーになることを推奨されています。また、同社ではスタートアップと業務提携した「和ノベーション」の取り組みを進めています。
「長年の功績を認められれば昇進できる」という話もあり、外資系でありながら日本企業のような雰囲気が感じられる同社。必ずしもUp or Outではないとの声も聞かれます。口コミでもっとも多かったのは少数精鋭ならではの風通しの良さ、仕事のやりがいと充実感、自己の成長性。とは言え、そこは外資系コンサルティング会社。「メンタル、体力、ともにタフさが求められる」ようです。
同社の「3つのコア・バリュー」は「Entrepreneurship」「Excellence」「Empathy」です。クライアントに寄り添いながら協調し、その価値を高める過程で自分自身を鍛え、さらに高い段階へと自分自身を成長させていく。こうした社風にフィットする人材かどうかを、採用面接では見極められます。
■選考は何次まで?
エントリー後、書類選考→筆記試験→複数回の面接がおこなわれます。エントリー時には、履歴書と職務経歴書のほかに「志望動機書」が必要です。
同社では経営コンサルタントを通年で募集しています。主にアントレプレナーシップを持った事業会社からの転職者(未経験者)、チャレンジ精神のあるコンサルタント経験者を募集しています。携わるプロジェクトによっては地方や海外での長期勤務も想定されます。また、海外居住者でMBA取得中の方を対象にした採用も実施しています。
■面接内容の傾向は?
志望動機を問われるオーソドックスな一般的な面接とケース面接があります。ケース面接では「日本のめがね市場規模」について説明を求められたという口コミがありました。論理的で明快な回答ができるよう研究し準備しておきましょう。
同社では社会経験を通して培った思考力、分析力、知識やノウハウを最大限に活用し、ビジネス経験者ならではの視点を持ち、自己の成長について貪欲で向上心があり、さらに柔軟性、スピード感のある人物を求めていると推測されます。このような人物像に当てはまることをエピソードも交えながら、的確に伝えられるよう準備しておきましょう。
ローランド・ベルガーの面接攻略法(面接対策)
■ローランド・ベルガーの世界観を理解した上で自己分析をする
面接を受ける上では、同社の世界観を理解しておくことが不可欠です。世界観を以下に示します。
体質を変えることで、日本企業を活性化・革新したいとする同社。そのためにイノベーションを創出する深化型クライアントと大手商社など業界全体を革新する俯瞰型クライアントを「ぴったり」とつなぐ「仲介者」として日本企業を支援する考えです。
さらに、俯瞰型クライアントと深化型クライアントとの協業を促進することで、日本のものづくり企業のプレゼンスをグローバルでも高めたいとしています。
前述の通り、同社ではオープンイノベーションとして、さまざまな技術を持つスタートアップ企業と連携し、創造性と生産性を高める「和ノベーション」の取り組みを進行中です。この取り組みは、個人や企業が持つノウハウや技術などの「暗黙知」を可視化していくもの。参画企業同士の対話を通じて仲間へと伝承し、最大限に活用することで異次元のスピードで新しい価値の創出を推進しています。仲間企業として13社(2020年4月現在)が参画しています。
こうした同社の世界観を理解し、自己分析に結びつけ、どのように活躍できるのか、具体的にアピールすることが重要です。
■「なぜローランド・ベルガーに転職したいのか」の明確化には他社研究が必要
面接でよく聞かれる質問のひとつに、「なぜ当社か」というものがあります。この質問を通して面接官が知りたいのは、さまざまな志望動機はもちろんですが、「当社を本当に理解しているのか」という観点からも尋ねています。そのためには明確に志望動機を伝える必要があります。
志望動機をはっきりさせるには、同社に関する多種多様な情報を収集・分析することはもとより、業界理解や職種理解の枠を超えた他社研究が重要です。他社研究を通して、ローランド・ベルガーという企業の輪郭がはっきりと見えてくるので、同社への理解が深まるでしょう。次にあげる戦略コンサル・ファームについて調べておくことをおすすめします。
- A.T.カーニー 株式会社
- 株式会社 ボストン・コンサルティング・グループ
- アクセンチュア 株式会社
- ベイン・アンド・カンパニージャパン・インコーポレイテッド
ローランド・ベルガーの採用面接で実際に聞かれた質問内容
同社が目指している方向性や、どういった人材が求められているのか、企業研究を通じて分かってきたのではないでしょうか。
このように、同社の採用面接を受ける前には、同社の持つ世界観に基づいた自己分析や他社研究を踏まえた志望動機の整理が大切です。そして面接の場では、「クライアントに寄り添いながら協調し、その価値を高める過程で自分自身を鍛え、さらに高い段階へと自分自身を成長させていく」人材であると印象付けられるよう、さまざまなエピソードを準備しておくとよいでしょう。
面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。このような質問をされたらどのように答えるか、しっかりと考えながら面接対策をしておきましょう。
[30代後半・男性/戦略コンサルタント] 【結果:内定を辞退】
[女性/経営コンサルタント] 【結果:入社】
[20代後半・男性/コンサルタント] 【結果:二次面接で不採用】
ローランド・ベルガーの採用面接に向けて
同社の採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
- 「クライアントに寄り添いながら協調し、その価値を高める過程で自分自身を鍛え、さらに高い段階へと自分自身を成長させていく」社風にフィットする人材であることをアピールする。
- 同社の世界観を理解し、これに沿った自己分析をして自己PRにつなげる。
- 競合他社についても研究し、「なぜ同社なのか」に対する答えを明確にしておく。
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