【20年2月期】三陽商会、4期連続の最終赤字決算 資産売却や現預金の取り崩し続ける

【20年2月期】三陽商会、4期連続の最終赤字決算 資産売却や現預金の取り崩し続ける

総合ファッションアパレル企業を掲げる三陽商会。2015年に英国ブランド「バーバリー」のライセンス契約を失った後、業績が悪化。2020年2月期は4期連続の赤字決算となりました。株主からは現経営陣の退任を提案されていますが、赤字続きでなぜ会社は傾かないのでしょうか。財務諸表等を基に会社の現状と課題を整理します。


損益計算書(PL):4期連続の営業赤字

2020年2月期決算は、決算期変更に伴う14ヶ月の変則決算となっており、期間が16.7%長くなっている点に注意が必要です。

売上高は前期比16.5%増の689億円、本業の儲けを表す営業損益は29億円の赤字となりました。赤字は4期連続で、赤字額は前期比32.1%増です。

売上原価は前期比21.1%増の369億円で、値引き販売の拡大や過剰在庫の処分等により増えています。売上総利益は前期比11.7%増の319億円と増えていますが、これは期間が長くなった割合を下回っています。粗利率は前期比2.0pt悪化し46.4%でした。

販売費及び一般管理費は前期比13.2%増の348億円。希望退職の実施により人件費を前期比22.4%抑制しましたが、新ブランドの立ち上げやGINZA TIMELESS 8(旧三陽銀座タワー)の改装オープン、新規出店やブランドECサイト立ち上げ等の投資で諸経費が増加しました。

このほか、減損損失6億円あまりなども計上し、親会社株主に帰属する当期純損益は27億円の赤字に。赤字額は固定資産売却益のあった前期と比較すると3.3倍の金額に増えています。

なお、2021年2月期の連結業績予想は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、主な販路である百貨店、商業施設、自社直営店の大半が休業し、終息時期も不透明で不確定要素が多いことから、具体的な数値の算定が困難であるため未定としています。

セグメント分析:百貨店での販売が売上の62%占める

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この記事の執筆者

金融機関で法人融資に従事した後、ベンチャー企業で財務経理を経験。わかりやすく読みやすい記事になることを心がけます。


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