サントリーの採用面接前に知っておきたいこと
■社風への理解
「水と生きる」をコーポレートメッセージに掲げ、おもに清涼飲料の製造・販売をおこなうサントリー。1899年に創業者である鳥井信治郎氏がぶどう酒を製造・販売したことから始まり、1923年には日本で初めて国産ウイスキー製造に名乗りをあげました。
現在では日本のみならず、ヨーロッパ・アメリカ・アジア・オセアニアでも飲料事業を展開し、国内外に約300社のグループ会社を抱えています。また、サントリー美術館やサントリーホールを運営するなど、芸術・文化振興にも注力することで、豊かな社会の実現を目指しています。
以下の図は同社の中核事業会社「サントリー食品インターナショナル株式会社」のものですが、サントリーグループ共通の基本理念として各種メディアでも親しまれていますので、押さえておきましょう。
そんな同社は社員からの評価も高く、非常に働きやすい企業といえそうです。「若手社員も自由に発言できる雰囲気」「日々の業務をこなす中で成長できる」といった声が上がっているとおり、若手でも積極的にプロジェクトに参加し成長していくことができます。給与については、飲料業界屈指の大手ということもあり、「満足している」という人がとても多いようです。また、同社では2015年頃から働き方改革が推進されており、残業や休日出勤は大幅に減ったとのこと。「他社と比較してもワークライフバランスは優れている」という社内からの声が目立ちます。
現場の社員からも「離職率が非常に低い」と評価されています。しかし離職率が低いということは、中途採用が募集されにくいということでもあります。中途採用は高倍率となることが予想されますので、万全に対策をしましょう。
「風通しのよい雰囲気の中で積極的に成長し、世界中の顧客に商品を届ける」。採用面接においては、こうした社風に馴染み、この会社で働き続けることができそうか見極められます。
■選考は何次まで?
2020年5月現在、同社では「外食コンサルタント」、8/1入社の「デザイン部門」にて中途採用をおこなっています。外食コンサルタントは、顧客の飲食店に対してメニュー提案や研修、ブランディングサポートなどをおこないます。こちらは飲食店における5年以上の現場経験が必須です。
コーポレートサイトによると、外食コンサルタント職は書類選考の後、1次選考(面接・試験)→2次選考(面接・実技)→最終選考(面接)と進み、この間のいずれかのタイミングでWEB適性検査を受検します。デザイン部門職では、新型コロナウイルスの状況を見ながら選考が進められます。採用担当者から連絡があった場合は、柔軟に対応できるとよいでしょう。
デザイン部門職を受けるのであれば、書類選考にてポートフォリオを提出できます。これは大きなアピールポイントとなることが考えられますので、できるだけ提出するようにしてください。
■面接内容の傾向は?
面接の雰囲気は和やかで、話を真摯に聞いてくれると感じた人が多いようです。また、「あなたのキャリアをキーワード3つでまとめると?」「好きな言葉は何か」といった質問から、同社は簡潔にコミュニケーションがとれる人を好む傾向があると考えられます。当日は肩ひじを張り過ぎず、しっかり会話のキャッチボールができるよう心がけましょう。
また、「サントリーで好きな製品は?」という質問は必ずといっていいほど聞かれます。同社の主力製品を一通り飲んでみて、他社製品との違いを明確に語れるようにしましょう。
さらに「前職で成長を実感できたこと」という質問によって、今後成長できる伸びしろがあるかどうかを見ていると考えられます。社員の成長を後押しする風土の同社。前職における具体的な体験と絡めて、サントリーの業務で生かせそうな点をアピールしてください。
サントリーの面接攻略法(面接対策)
■サントリーホールディングスの中期経営戦略を理解した上で自己分析をする
同社は、現在の社会情勢やニーズの変化を踏まえ、「次世代の飲用体験を誰よりも先に創造し、人々のドリンキングライフをより自然で、健康で、便利で、豊かなものにする」ことを基本方針としました。
これを念頭に、飲料業界においてトレンドの一歩先をいくユニークなポジションを確立すべく策定されたのが、この中期経営計画です。その柱は、以下の2点とされています。
ここから見えることは、同社は単に飲料を製造・販売するだけでなく、世相やトレンドを読み、その先の付加価値を求めているということでしょう。先述の基本方針において、サービスの軸を「次世代の飲用体験」と称していることからもそれがわかります。
日本における飲料のカテゴリー別構成比は、以下のグラフのようになっています。この日本市場の中で同社は、消費者層の健康志向の高まりなどのトレンドを押さえ、「水」「コーヒー」「無糖茶」を今後の成長カテゴリーと位置づけました。
面接では、日本のみならず世界のトレンドや情勢を把握していることや、それを先取りし、サントリー製品にどのように生かせると思うかをアピールしてください。
■「なぜサントリーに転職したいのか」の明確化には他社研究が必要
面接でよく聞かれる質問のひとつに「なぜサントリーなのか」というものがあります。面接官がこの質問を通して知りたいのは、「飲料業界に向いているか」「それまでの経験を同社で生かせるのか」といった点はもちろん、「同社にしかない特徴や強みを理解しているのか」ということです。
業界や職種の枠を超えてサントリーという企業について理解するためには、競合となりやすい企業についても調べておく必要があります。他社との違いを明らかにしたうえで、「なぜサントリーなのか」について、説得力のある答えを用意しておきましょう。例として、以下のような企業とサントリーとの違いを調べてみてください。
- キリン株式会社
- アサヒ飲料株式会社
- コカ・コーラ ボトラーズジャパン株式会社
サントリーの採用面接で実際に聞かれた質問内容
サントリーの社風や目指している方向性を理解することで、同社がどのような人材を求めているのか分かってきたのではないでしょうか。このように、サントリーの採用面接を受ける前には、前職での経験を振り返った自己分析や、他社研究を踏まえた志望動機の準備が大切です。
そして面接の場では、「風通しのよい雰囲気の中で積極的に成長し、世界中の顧客に商品を届ける」という社風を意識して、「トレンドを把握し飲用体験のサプライに生かせる」人材であると印象付けられるよう、さまざまなエピソードを準備してください。
面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。このような質問をされたらどのように答えるか、事前にシミュレーションしておき、実際の面接の際に落ち着いて話せるようにしましょう。
[30代前半・男性/管理関連職] 【結果:二次面接で不採用】
[10代後半・男性/企画営業] 【結果:二次面接で不採用】
[20代後半・女性/法人営業] 【結果:最終面接で不採用】
[20代後半・男性/法人営業] 【結果:結果待ち】
サントリーの採用面接に向けて
サントリーの採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
- 「風通しのよい雰囲気の中で積極的に成長し、世界中の顧客に商品を届ける」同社で、「トレンドを把握し飲用体験のサプライに生かせる」人材であることをアピールできるよう、具体的なエピソードを用意する。
- サントリーホールディングスの中期経営計画を理解し、これに沿った自己分析をして自己PRにつなげる。
- 競合他社についても研究し、「なぜサントリーなのか」に対する答えを明確にしておく。
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