サントリー食品インターナショナルの転職研究 2025年12月期3Q決算に見るキャリア機会

サントリー食品インターナショナルの転職研究 2025年12月期3Q決算に見るキャリア機会

サントリー食品インターナショナルの2025年12月期3Q決算は、日本・アジアの苦戦により通期予想を下方修正。一方で欧州事業の安定成長や、豪州でのRTD生産・販売開始など、攻めのグローバル展開も鮮明です。「なぜ今サントリー食品なのか?」、変革期の同社で転職者が担える役割を整理します。


0 編集部が注目した重点ポイント

2025年度の通期業績予想を下方修正する

主力のAPACおよび日本事業における販売数量が想定を下回ったことを受け、通期の売上収益を1兆7,210億円、営業利益を1,470億円へと下方修正しました。特にベトナム・タイでのマクロ経済低迷と競争激化が響いており、現場レベルでの抜本的な構造改革と、マーケティング戦略の再構築が急務となっています。

豪州でのRTD生産・販売を本格開始する

2025年度第3四半期(7-9月)より、オセアニア地域においてRTD(低アルコール飲料)の自社生産・販売を開始しました。既存の飲料事業に加え、新たな成長の柱としてRTDカテゴリーを強化しており、現地でのキャリア機会が大きく拡大しています。この構造的変化により、同セグメントの売上収益は為替中立ベースで前年同期比+20.7%と極めて高い成長を実現しています。

働き方の変革で外部環境の変化に対応する

インフレの継続や原材料コスト高騰などの複雑な外部環境に対応するため、全社的な「Way of Working」の変革を宣言しました。単なるコスト削減に留まらず、スピード感を持った意思決定体制への移行を推進しています。不透明な市場環境下でも持続的な成長を実現するため、変革をリードできる専門性の高い人材の重要性がこれまで以上に高まっています。

1 連結業績ハイライト

売上収益は前年並みを維持するも、日本・APACの苦戦により利益面では減益の着地となりました。
2025年度 第3四半期累計実績

出典:2025年度 第3四半期決算説明会 P.3

売上収益

1兆2,781億円

+0.0%

営業利益

1,266億円

-9.2%

既存事業ベース営業利益

1,293億円

-8.4%

※既存事業ベース営業利益 = 営業利益から非経常的要因により発生した要素及び譲渡事業の損益影響を控除した値

第3四半期累計の売上収益は1兆2,781億円と前年同期並みを維持しましたが、営業利益は1,266億円(前年同期比9.2%減)となりました。欧州事業が為替中立ベースで増収増益と健闘した一方、日本国内における天候不順やコスト高騰、およびアジア市場の消費低迷が大きく影響しています。親会社の所有者に帰属する四半期利益も754億円(同9.5%減)と、厳しい経営環境が数値に表れています。

修正後の通期予想に対する第3四半期末時点の進捗率は、売上収益で約74.2%、営業利益で約86.1%となっており、下方修正後の計画に対しては「順調」な進捗といえます。

2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド

地域ごとに明暗が分かれる中、欧州の安定成長とオセアニアの新規事業が注目されます。
日本事業の実績と要因

出典:2025年度 第3四半期決算説明会 P.5

日本事業

事業内容:「サントリー天然水」「BOSS」「伊右衛門」等の清涼飲料水の製造販売、および自動販売機事業の運営。

業績推移:売上収益は5,565億円(前年並み)、セグメント利益は415億円(前年同期比-12.3%※既存事業ベース)。

注目ポイント:価格改定やミックス改善による増収効果があったものの、8月の悪天候による販売数量減と、原材料・物流コストの高騰が利益を押し下げました。一方で、自販機アプリ「ジハンタ」が1,200万ダウンロードを突破するなど、デジタルを活用した顧客体験の変革が進んでいます。DXを通じた収益モデルの再構築に関わるチャンスが豊富です。

注目職種:デジタルマーケティング、サプライチェーン企画、自販機事業戦略

アジアパシフィック(APAC)事業

事業内容:ベトナム・タイ等での清涼飲料、およびタイ・インドシナでの健康食品事業、豪州での飲料・RTD事業。

業績推移:売上収益は2,827億円(同-3.8%)、セグメント利益は342億円(同-11.9%※既存事業ベース)。

注目ポイント:ベトナム・タイでの消費低迷が響く一方、オセアニア地域は為替中立ベースで20.7%の増収と極めて好調です。特に2025年7月から豪州で開始したRTDの自社生産・販売は、グループのポートフォリオを広げる重要な転換点です。グローバルな新市場開拓や、事業立ち上げのスキルを持つ人材への期待が高まっています。

注目職種:海外事業開発(RTD領域)、マーケティング・ディレクター(APAC地域)

欧州事業

事業内容:フランス、英国、スペイン等での「Lucozade」「Orangina」「Oasis」等の製造販売。

業績推移:売上収益は3,010億円(同+5.1%)、セグメント利益は539億円(同+8.3%※既存事業ベース)。

注目ポイント:全セグメントで唯一の増収増益を達成。英国でのマーケティング強化や、フランスでの売価改善が成果を上げています。砂糖税増税などの厳しい規制環境下でも利益を確保できる高度なプライシング戦略とコストマネジメントが強みです。成熟市場での質の高い成長を支える、戦略立案の専門性が求められます。

注目職種:FP&A(経営管理)、ブランディング、欧州各国のリージョナル・マネジャー

米州事業

事業内容:米国における「PEPSI」をはじめとする飲料製品の製造販売。

業績推移:売上収益は1,379億円(前年並み)、セグメント利益は173億円(同-1.8%※既存事業ベース)。

注目ポイント:主力ブランドの「PEPSI」は好調を維持していますが、水カテゴリーの一部縮小や人件費高騰により、利益面では微減となりました。一方で、エナジードリンクカテゴリーは引き続き堅調であり、市場シェアの拡大に向けた積極的な営業展開が続いています。北米市場での競争力強化に向けた現場のオペレーション改善スキルが重要視されています。

注目職種:営業推進、製造・物流オペレーション、人事労務

3 今後の見通しと採用の注目点

「Way of Working」の変革を軸に、逆風下での回復シナリオを描いています。
2025年度 修正予想

出典:2025年度 第3四半期決算説明会 P.12

サントリー食品インターナショナルは、2025年12月期の通期計画を下方修正しましたが、第4四半期以降に向けた早期回復に向けた施策を加速させています。特にAPAC地域では、ベトナムでの商品リニューアルや価格設定の最適化により、シェア回復に手応えを感じ始めています。

経営層は「急速かつ複雑に変化する外部環境を捉え、スピード感を持って変革を断行する」としており、今後はマクロ経済の影響を最小限に抑えるための強固なブランド戦略が鍵となります。インフレ下でのコストマネジメントや、豪州でのRTD事業の水平展開など、グローバル規模でのダイナミックな挑戦が続く見通しです。

4 求職者へのアドバイス

HINT

志望動機のヒント

下方修正という厳しい状況をポジティブに捉え、「構造改革(Way of Workingの変革)」という転換期において、自身のどのような経験がスピード感ある意思決定やコスト構造の改善に貢献できるかをアピールするのが有効です。また、豪州でのRTD新事業のように、飲料の枠を超えた成長領域に挑戦したいという意欲も高く評価されるでしょう。

Q&A

面接での逆質問例

「APAC事業におけるマクロ経済の影響を最小限にするための、現場レベルでの具体的な改革施策について教えてください」や、「オセアニア地域でのRTD生産・販売開始に伴い、今後グループ全体でどのようなシナジーを期待していますか?」といった質問は、決算資料を深く読み込んでいる姿勢を示すことができます。

5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)

決算資料や公式発表だけでは見えにくい、現場で働く社員・元社員の実体験(口コミ)を、転職判断の参考となるよう編集部で選定しています。
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やりがいがあり働きやすい環境

大変、やりがいがありました。

仲間と連携を進め、達成をした時は、大変嬉しく感じました!

積極的に海外展開を図っており、日本経済、世界経済の流れを直に感じることができます。

10代後半・代理店営業・男性 [キャリコネの口コミを読む]
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出産後も出産前と同じようにはいかない

出産後も出産前と同じようにはいかないと思いますが、多少工夫して働くことができると思います。

30代後半・研究開発・女性 [キャリコネの口コミを読む]

※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。

使用した主な公開資料

  • 2025年度 第3四半期決算説明会
  • 2025年12月期 第3四半期決算短信〔IFRS〕(連結)

この記事の執筆者

2019年より企業口コミサイト「キャリコネ」担当として、数多くの企業の口コミ情報、決算資料、中期経営計画を横断的に分析。現在はリサコ編集部長として、一次情報と現場の声を突き合わせた企業研究コンテンツの企画・編集・品質管理を統括し、転職希望者の意思決定に資する情報提供を行っている。


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