【20年3月期】リーガルテックAIのフロンテオ 「AI創薬」など新領域での応用に注目集まる

【20年3月期】リーガルテックAIのフロンテオ 「AI創薬」など新領域での応用に注目集まる

独自開発の自然言語解析AIエンジンで情報解析を支援するフロンテオ。国際訴訟の証拠発見や不正調査が主軸ですが、今後は広範囲の業界への応用が期待されています。減収赤字決算も21年3月期には黒字回復を予想。医療分野での新プロジェクトが相次ぎ株価も上昇しています。財務諸表などを基に会社の現状と課題を整理します。


損益計算書(PL):20年3月期は赤字決算、売上高は2期連続減少

フロンテオの2020年3月期決算は減収で赤字でした。売上高は前期比7.0%減の105億円、営業損益は8億4400万円の赤字で、前期の2億4400万円の黒字から赤字に転じています。

売上原価は前期比1.6%増の64億円と微増し、売上総利益は同18.1%減の40億円に減少。粗利率は同5.2pt減の38.6%に悪化しました。

販売費及び一般管理費は、前期比4.2%増の49億円と減収にもかかわらず増加。営業赤字の理由について決算短信は、利益率の高い事業(eディスカバリサービスのHosting)の売上高が減少したことに加え、「将来的な成長に向けたシニアマネジメント層の雇用投資を行ったことによる人件費の増加等」によるとされています。

このほか、営業外収益が前期比で6213万円減り、営業外費用が4415万円増えたほか、特別損失として米国子会社の構造改革費用1億8463万円を計上し、親会社株主に帰属する当期純損益は9億3000万円の最終赤字となっています。前期は5200万円の黒字でした。

なお、2020年3月期の第4四半期は、8月から実施した米国子会社のコスト構造改革により赤字幅が大幅に縮小し、4半期ぶりの営業黒字となっています。

2021年3月期の業績予想は、売上高は前期比5.1%増の110億円、前期では8億4400万円の赤字だった営業利益は2億円の黒字に改善、前期では9億2900万円の赤字だった当期純利益は1000万円の黒字となっています。

ただし、以上の業績予想は新型コロナウイルス感染拡大の影響が2020年9月までに収束すると仮定したものであり、実際の感染症の収束時期及び影響の範囲によって変動する可能性があるとしています。

 

セグメント分析:国際訴訟や不正調査における「リーガルテックAI」が主力

お読み頂きありがとうございます。続きで読めるコンテンツは

この記事の執筆者

興味深い財務分析ができるよう、日々勉強しています。

wiget_w300
wiget_w300
wiget_w300