野村アセットの採用面接前に知っておきたいこと
■社風への理解
野村ホールディングスの中核子会社で、グローバルに資産運用ビジネスを展開する野村アセットマネジメント(以下、野村アセット)。世界で55.6兆円の運用資産残高を持つ、国内最大手の資産運用会社です。特に、ETF(上場投資信託)では国内市場45%のシェアを誇ります。
業務は大きく投資信託業務と投資顧問業務の二つに分かれ、「部署やポジションによって面白みややりがいは大きく異なる」とのこと。営業部隊は野村證券からの出向者も多く体育会系カラーが強めである一方、運用部隊はアセットマネジメント業界特有のおおらかな雰囲気だといいます。「概して言えば、リベラルな日本の大企業的な雰囲気」と評する口コミも見られ、外資系に比べて保守的な制度や風土が残っているようです。
過去の口コミには、「女性管理職を見かけたことはない」「女性は出世できない」といった投稿が多く見受けられます。しかし、同社は2019年に初の女性社長が誕生したことで話題になりました。この10年で環境は変わり、男性優位の体制はもはや過去のものになりつつあると言えるでしょう。
また、「若手にもスケールの大きな仕事に挑戦する機会が与えられる」「大半の社員は30歳で年収1000万円に到達する」といった口コミからは、若手がモチベーション高く仕事に取り組める環境であることがうかがえます。
このように、「証券会社とは違ったおおらかな社風」や「女性や若者にとっても働きやすい環境」が特徴の野村アセット。こうした社風が自分の考えや行動にフィットするかどうか、という視点で自己分析をおこなってみましょう。
■選考は何次まで?
2020年7月現在、コーポレートサイトでは中途採用を募集していないものの、転職エージェント経由で以下の職種が募集されています。
●機関投資家営業
●債券グループ(ポートフォリオマネージャー兼クレジットアナリスト)
●販売用資料作成業務/プロダクトチーム
●ITアーキテクト/データマネージメントエンジニア/機械学習エンジニア
●投信営業(ETF)
●アドバイザリー運用部(オルタナティブインベストメント・グループ)
●クオンツ運用者(日本株式、グローバル株式の計量的運用戦略の開発・運用)
選考プロセスに関する公式情報はありませんが、さまざまな口コミ情報等から、筆記試験・WEBテスト・適性検査 → 面接(2〜3回)という流れが想定されます。ただし、職種やポジション、扱う転職エージェントによって選考プロセスや内容は異なりますので注意してください。内定までの期間は1カ月程度であることが多いようです。
■面接内容の傾向は?
一般的な質問に対しては、あらかじめ考えを整理しておく必要があります。特に、「なぜ金融業界なのか」「なぜ資産運用会社なのか」という点はクリアにしておきましょう。
面接はおおむね和やかな雰囲気のなか進みますが、要所要所の質問では厳しい雰囲気となることもあるようです。そうした場合、面接官自身がその質問を重要視していると考えられますので、こちらもしっかりと向き合って回答することが大切です。
2001年に政府が「貯蓄から投資へ」という方針を掲げましたが、約20年経った今なお、貯蓄率が圧倒的に高い状況が続いています。そうしたなか、「貯蓄から投資へ」の流れをどう作っていくかは、この業界における最重要テーマだと言えるでしょう。過去の面接経験者も、「『貯蓄から投資へ』を促進するにはどうすればいいか」という質問をされています。こうした質問に対し、論理的に答えられるかどうかは、業界への関心度や問題意識を測る上で重要なポイントです。また、論理的思考力やプレゼン力を判断する上でも有力な手がかりとなります。日頃から自分の意見をしっかりとまとめておく必要があるでしょう。
野村アセットの面接攻略法(面接対策)
■野村アセットの企業理念を理解した上で自己分析をする
面接を受ける前に同社の企業理念を理解し、これに沿った自己分析をおこなう必要があります。同社が掲げる企業理念は下図のとおりです。
同社では「人材こそ最も重要な会社資産である」と考え、それぞれの業務分野において高度な専門性を有した人材を育成するとしています。同社の研修制度は充実しているといいますが、社員もそうした制度や自助努力によって、積極的に自己研鑽を積む必要があるでしょう。
また、資産運用会社として求められるのが高い倫理観です。ストックビジネスとしての健全な運営を指向することにより、広く社会の発展に貢献していく方針を掲げています。
こうした企業理念のもと、「最先端の投資技術を駆使し、顧客ニーズに応じた商品開発」「グローバルベースのリサーチと運用能力の強化」「リスク・マネジメントとコンプライアンスの徹底」「状況変化に応じたきめ細かなクライアントサービスの提供」などをおこなっていく考えです。
■「なぜ野村アセットに転職したいのか」の明確化には他社研究が必要
面接でよく聞かれる質問のひとつに「なぜ野村アセットなのか」というものがあります。面接官がこの質問を通して知りたいのは、「金融業界に向いているか」「それまでの経験を同社で生かせるのか」といった点はもちろん、「本当に同社の特色を理解しているか」という点です。
業界や職種の枠を超えて同社について理解するためには、競合企業についても調べておく必要があります。そうすることで、事業における強み・弱みのほかに、社風や目指す姿にも違いがあることがわかるでしょう。他社との違いを明らかにしたうえで、「なぜ野村アセットなのか」について自信を持って答えられる状態にしておくことが大切です。
他社研究の参考として、ここでは4社をご紹介します。
- アセットマネジメントOne株式会社(旧:DIAMアセットマネジメント)
- 大和アセットマネジメント株式会社
- 三井住友DSアセットマネジメント株式会社
- 日興アセットマネジメント株式会社
野村アセットの採用面接で実際に聞かれた質問内容
社風や企業理念などを理解することで、同社が求めている人物像がはっきりしてきたのではないでしょうか。面接を受けるにあたって重要なことは、同社が大切にしていることや競合他社との違いを明確にし、入社への熱意をしっかりと語ることです。特に同社では、一人ひとりの「WANT」が大切にされています。
アセットマネジメント業界特有のおおらかな社風の中で、プライドを持ちながらモチベーション高く仕事に取り組む意欲を伝えるために、いくつかのエピソードを用意しておくと効果的でしょう。
面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。これらの質問をされたらどのように答えるか、しっかりと考えながら面接対策しておきましょう。
[20代前半・男性/ファンドマネージャー] 【結果:四次面接以上で不採用】
[20代前半・男性/アナリスト] 【結果:入社】
[20代後半・男性/財務] 【結果:内定を辞退】
[50代前半・男性/経理] 【結果:一次面接で不採用】
野村アセットの採用面接に向けて
野村アセットの採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
- 業界特有のおおらかな社風の中で、日本最大の資産運用会社としてのプライドを持ちながらモチベーション高く仕事に取り組む意欲を伝える。
- 野村アセットの企業理念を理解し、これに沿って自己分析をおこなうことで有益な自己PRにつなげる。
- 競合他社についても研究し、「なぜ野村アセットなのか」に対する答えを明確にしておく。
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