カシオ計算機の採用面接前に知っておきたいこと
■社風への理解
社名の通り、機械式計算機の製造からその歴史をスタートさせたカシオ計算機。創業当初に紙たばこを根元まで吸うための「指輪パイプ」を発売したように、独自色の強い製品づくりを強みとして事業展開してきました。電卓普及の波に乗って大きく成長し、電子辞書や電子楽器のほか、「G-SHOCK」に代表される時計、電子デバイスなどにも事業分野を拡大。ユニークなアイデアから生まれる製品群は、幅広い購買層から支持を得ています。
カシオ計算機の口コミには「オリジナリティのある製品が多く、営業がしやすい」「世の中にない新しい製品をつくるという意識が会社全体にある」「独創性を求められる」といった内容のものが目立ちました。よりよい製品を生み出すために独創的な発想を重んじる企業風土があることがわかります。
「いい意味で和気あいあい」「まったりして居心地が良い」などの声も挙がり、職場の雰囲気は穏やかなようです。ただ、「企業としてこれでよいのか不安になる」と疑問を呈する人も。社内の雰囲気になじめるかどうかは個人の性格や志向によるところも大きいでしょう。
また、「かつては実力・成果が明確に反映されない制度があった」(口コミより)ものの、現在は実力主義的な評価制度へと移行しつつあるとの口コミが散見されます。社内に変革が兆していることを感じる社員もおり、今後の動向に注意する必要がありそうです。
「穏やかで落ち着いた雰囲気のなか、よりよい製品をつくるために独創性を重んじる」。中途採用面接では、こうしたカシオ計算機の社風にフィットする人物かどうかが見極められます。これまでのキャリアはもちろん、自分の発想力や実行力、協調性までを含めて自己分析をおこないましょう。
■選考は何次まで?
2022年12月現在、カシオ計算機では、転職エージェント経由で中途採用をおこなっています(コーポレートサイト上の「キャリア採用」ページには障がい者採用のみ)。募集要項には採用背景や仕事を通じて得られるスキルなど、業務に従事するにあたって知っておきたい事項が明記されているため、自分のキャリアや志向に合致するか確認してから応募するようにしましょう。
選考フローの詳細については記載がありませんが、口コミによると2~3回程度の面接を経て内定が出るパターンが多いようです。選考の過程で筆記試験をはさむこともあり、「英文の売買契約レビューの筆記試験があった」(法務職)と言う人も。自分の専門分野に関する試験があるかもしれないことを想定のうえ、事前対策をしておくとよいでしょう。
■面接内容の傾向は?
口コミによると、カシオ計算機の面接では、業務に必要となる素養について問われる傾向が見られます。奇をてらった質問は少ない反面、「マネジメント経験の有無と、マネジメントの際に気をつけていたこと」「研究の概要」など、実際にカシオ計算機で仕事をするうえで必要な事項について深掘りされることが多いようです。自分のキャリアを洗い出し、どのような点が実務に活かせるかを言語化しておきましょう。
また、「10年後、当社でどんな仕事をしたいか」「将来どんな製品が実用化されると思いますか?」など、未来にフォーカスした質問をされることもあるとのこと。独創性を重視する社風があることを前提に、企業研究・自己分析には自分なりのビジョンをもって取り組むことが求められます。
さらに、清潔感のある装いやはきはきした態度が好まれると感じた人も散見されました。面接に臨む際には身だしなみに気を配り、覇気がありながらも落ち着いたふるまいを心がけましょう。
カシオ計算機の面接攻略法(面接対策)
■カシオ計算機の経営方針を理解した上で自己分析をする
カシオ計算機の面接を受ける前に、同社の経営方針を理解しておきましょう。
カシオ計算機は「統合報告書2022」の中で、2030年に向けた経営方針を発表しています。強みを持つ分野(時計・教育・楽器)の事業規模を拡大し、収益性の向上を狙うことで、成長を加速させたい考えの同社。これら主力事業への積極投資を進める一方、課題事業の再構築にも取り組み、成長が見込める領域に選択的に投資をおこなっていく方針です。事業戦略とサステナビリティ戦略を一体化して推進し、環境・社会課題にも注力するとしています。
また、この経営方針では、「5C」という価値観が打ち出されています。これは、ユーザーファーストの視点で開発に取り組むことで革新的な製品を生み出し、新しい価値や文化の創造に貢献する姿勢を示したものです。独創性を重んじ、人々の生活にとけこむ製品をつくり続けるカシオ計算機ならではのスタンスと言えます。
こうした経営方針のもと、カシオ計算機では、自身のアイデアを活かし、革新的な製品づくりに貢献するための素養が求められるでしょう。面接の際は、発想力の豊かさのほか、新奇なものに対するアンテナの高さをアピールできると有利です。
■「なぜカシオ計算機か」をはっきりさせるためには他社研究が必要
中途採用面接でよく登場する質問のひとつに、志望動機に関するものがあります。この「なぜ当社なのか」という質問は、企業理解の深度はもちろん、同業他社との違いをどのように理解しているかを問うものです。
面接を突破するためには、企業研究の際に他社研究もあわせておこない、説得力のある回答を用意しておくのがおすすめです。製品分野や事業内容において競合する、次のような企業についても研究しておきましょう。
- シチズン時計株式会社
- セイコーウオッチ株式会社
- シャープ株式会社
カシオ計算機の採用面接で実際に聞かれた質問内容
カシオ計算機の経営方針や求める人物像が企業研究を通じて理解できたのではないでしょうか。カシオ計算機の中途採用面接を受ける際には、「穏やかで落ち着いた雰囲気のなか、よりよい製品をつくるために独創性を重んじる社風」を意識して、「自身のアイデアを活かし、革新的な製品づくりに貢献できる人材」と印象づけられるよう、さまざまなエピソードを準備しておくとよいでしょう。
ここでは、面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。これらの質問にどう答えるか、ぜひシミュレーションしてみてください。
[30代後半・男性/マーケティング] 【結果:内定を辞退】
[・女性/法人営業] 【結果:内定を辞退】
[30代前半・女性/法務] 【結果:二次を辞退】
[20代前半・女性/法人営業] 【結果:入社】
カシオ計算機の採用面接に向けて
カシオ計算機の採用面接を受けるにあたって、その社風や経営方針、求められる素養など、事前に理解しておきたいことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
これらについてしっかりと準備をおこない、面接当日は入社にかける熱意を自分の言葉でアピールしましょう。
大阪大学文学部卒業後、インフラ系SIer、大手信用調査会社、製薬会社で総務畑を歩む。企業を俯瞰的に見るのが得意。