0 編集部が注目した重点ポイント
① 好調な3Q実績を受け通期計画を上方修正する
時計事業の年末商戦がグローバルで極めて好調に推移し、第3四半期累計の営業利益が前年同期比61.7%増と大幅な伸びを記録しました。これを受け、通期の営業利益予想を従来計画から10億円上乗せの220億円へ上方修正しており、通期での業績拡大への期待感が高まっています。
② セグメント再編と不採算事業の分離を断行する
2026年3月期より「システム」セグメントを廃止し「その他」へ統合しました。また、中小企業向け販売管理システム(SMB事業)などの売却を完了しています。構造改革によりコア事業へ経営資源を集中させており、今後のキャリア機会は時計や教育、新規AI領域へとシフトしていく可能性が高いと言えます。
③ 時計事業の2軸戦略でブランド価値を拡大する
G-SHOCKの高単価化と、若年層に人気のCASIO WATCH(カシオ・ヴィンテージ等)による2軸戦略が奏功しています。特に欧州や北米での現地通貨ベース成長率が20%を超えており、ブランドマーケティングやEC強化を担う専門人材の重要性がこれまで以上に高まっています。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年3月期第3四半期 決算概要 P.2
第3四半期(4月〜12月)累計の連結業績は、主力ブランドの伸長と構造改革の成果により、大幅な増益を達成しました。特に営業利益率は8.7%まで向上しており、収益性の高いビジネスモデルへの転換が進んでいます。前年のシステム障害による反動もありますが、それを差し引いても時計事業の新製品効果が強力に寄与しています。
通期営業利益計画220億円に対する第3四半期末時点の進捗率は約82.5%となっており、業績は極めて順調に推移しています。この好調な達成度を受け、期末に向けた投資やさらなる成長施策に弾みがつく展開となっています。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年3月期第3四半期 決算概要 P.5
時計事業
事業内容:G-SHOCKを中心とした腕時計、CASIO WATCHブランド、プレミアムラインMR-Gの展開。
業績推移:売上高1,390億円(前年比11.2%増)、営業利益211億円(同32.1%増)。利益率15.2%と高水準。
注目ポイント:メタルラインの新製品やヴィンテージモデルがグローバルでヒット中。特に直営ECの強化とブランドアンバサダーマーケティングにより、若年層のファン拡大に成功しています。デジタルマーケティングやグローバル供給網の最適化を担う人材には、非常にエキサイティングな環境です。
コンシューマ事業(EdTech・サウンド)
事業内容:関数電卓・電子辞書等の教育ツール(EdTech)および電子ピアノ等の楽器(サウンド)。
業績推移:売上高621億円(前年比1.6%増)、営業利益28億円(同49.9%増)。利益率の改善が進行中。
注目ポイント:EdTechはアジア等での駆け込み需要もあり堅調。楽器事業は市場環境の厳しさを受け、ラインアップの半減や不採算エリア撤退などの構造改革を推進しています。教育×ITの「ClassPad.net」等のアプリ開発や、収益性の抜本的改善を担う改革志向の人材が求められています。
その他事業(新規領域含む)
事業内容:AIペットロボット「Moflin(モフリン)」、旧システムセグメントの残存事業等。(注:SMB事業等は売却済)
業績推移:売上高70億円。非継続事業の影響もあり営業損失11億円(前年より赤字幅縮小)。
注目ポイント:AIペットのMoflinが国内で需要が供給を上回る大ヒットとなっており、2025年末から抽選販売を実施しています。2025年10月には米英での海外展開も開始。ハードウェアにAIと感性価値を融合させる、カシオの新たな成長エンジンの立ち上げフェーズに関われるチャンスがあります。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年3月期第3四半期 決算概要 P.11
2026年3月期の通期見通しは、3Qまでの絶好調な進捗を受け、全社で上方修正されました。特に時計事業では、彫金師とのコラボモデルなど「感性価値」を訴求する高価格帯戦略を加速させ、営業利益250億円(セグメント単体)を目指す計画です。これは従来比で大幅な成長を意味しており、高所得層向けのイベント運営やブランドコミュニケーションの強化が急務となっています。
また、キャピタルアロケーション方針として、3年間で300億円の事業成長投資枠を設定。Libry社やTie Ups社への出資など、教育やコミュニケーションテック領域でのアライアンスも積極化しています。単なるメーカーの枠を超え、スタートアップとの協業やM&Aを主導できる、ビジネスデベロップメント能力の高い人材への期待が高まっています。
4 求職者へのアドバイス
カシオは今、時計の「ハード売り」から、CASIO WATCHブランドの世界観を通じた「ライフスタイル提案」へと大きく舵を切っています。志望動機では、単に「製品が好き」だけでなく、SNSやコミュニティを活用したファンづくりや、ECとリアルを融合させた顧客体験の設計など、デジタル時代のブランド成長にどう貢献できるかを語るのが効果的です。
逆質問の際は、「時計事業の利益率をさらに高めるための、直営EC比率の目標値と課題」や、「Moflinの成功を他カテゴリーへ波及させるためのAI活用ロードマップ」など、好調な事業をさらに盤石にするための戦略について踏み込むと、高いビジネス意識をアピールできるでしょう。
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
休暇がしっかり取れ予定が立てやすいのが魅力
土日祝日や年末年始などの休暇がしっかり取れるため、プライベートの予定が立てやすいのが魅力です。
(40代前半・システムエンジニア・女性) [キャリコネの口コミを読む]育児休暇については長期的な視点の改善が求められる
男性社員が育休を希望する際には、周囲の視線が気になることもあるようです。ただし、産休中の代替スタッフに対する扱いが一時的なものとして捉えられがちで、長期的な視点での改善が求められます。
(40代前半・コンサルティング営業・女性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- カシオ計算機株式会社 2026年3月期 第3四半期 決算概要(2026年1月29日発表)
- カシオ計算機株式会社 2026年3月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)



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