0 編集部が注目した重点ポイント
① 積極的な連結化で事業構造を大幅に刷新する
2025年度第2四半期において、BEENOS、LINE Bank Taiwan、LINE MANの3社を新規連結化しました。さらにPayPay証券やPayPay銀行の子会社化も完了しており、戦略事業の売上収益が前年比+35.0%と急成長しています。これらM&Aの完了により、金融・コマース・オンデマンドサービスの各領域でキャリア機会が大きく拡大するフェーズに突入しています。
② AIエージェント化へ向け人的資源を再配置する
全サービスのAIエージェント化を掲げ、既存領域から成長領域へ人員の50%をシフトする方針を明示しました。AI活用による業務効率化を進める一方で、LINE公式アカウントやミニアプリを中心とした新領域に人的資源を集中させています。エンジニアやプロダクト企画職にとって、AI技術の実装とサービス変革を主導できる稀有な環境が整っています。
③ 固定費150億円削減で筋肉質な経営へ転換する
LINEヤフー単体において、2026年度までに固定費150億円の削減を推進しています。これに伴い、収益性の高い公式アカウント・ミニアプリ事業の売上比率を約40%まで引き上げるポートフォリオ転換を加速させています。コスト構造の適正化と高付加価値サービスへの集中により、中長期的な利益成長に向けた基盤構築が着実に進んでいます。
1 連結業績ハイライト
出典:2025年度 第2四半期 決算説明会資料 P.5
売上収益
5,057億円
(前年同期比 +9.4%)
調整後EBITDA
1,254億円
(前年同期比 +11.3%)
調整後EPS
9.23円
(前年同期比 +41.1%)
※調整後EBITDA:営業利益に減価償却費、非経常・非現金取引(固定資産除却損、減損損失、株式報酬費用等)を調整した指標。事業の経常的なキャッシュ創出力を示す。
2026年3月期第2四半期累計の業績は、売上収益が過去最高の9,953億円(前年同期比+7.6%)に達しました。戦略事業におけるPayPayの連結取扱高が9.2兆円(+24.7%)と伸長したことに加え、ZOZOやアスクルの好調、さらに新規連結されたBEENOSの寄与が大幅な増収を牽引しています。営業利益についても、LINE MANの子会社化に伴う再測定益が計上され、前年比+24.2%の2,145億円と大きく伸長しました。
通期予想に対する進捗状況は、調整後EBITDAで49.3~50.3%、調整後EPSでは56.8~59.0%に達しており、業績はオントラック(計画通り)で推移しています。検索広告がガイダンスに対しやや遅れているものの、アカウント広告の成長と全社的なコスト削減により、利益面での進捗は非常に良好です。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2025年度 第2四半期 決算説明会資料 P.7
メディア事業
事業内容:検索広告、LINE公式アカウント等のアカウント広告、運用型・予約型のディスプレイ広告、スタンプ・マンガ等のコンテンツサービスを提供。
業績推移:売上収益1,798億円(前年比-0.3%)。検索広告が苦戦した一方、アカウント広告が前年比+16.1%と高成長を維持しています。
注目ポイント:「LINE公式アカウント」の有償アカウント数が46.9万件(グローバル)まで拡大しています。既存の検索・ディスプレイ広告から、顧客管理(CRM)を軸とした公式アカウント・ミニアプリ領域への「ポートフォリオ転換」が最優先事項となっており、BtoBマーケティングやDX支援の経験者が強く求められています。
コマース事業
事業内容:Yahoo!ショッピング、ZOZO、アスクル、ヤフオク!、Yahoo!フリマに加え、新規連結された越境ECのBEENOS等を運営。
業績推移:売上収益2,166億円(前年比+7.2%)。販促費増加により利益は減益となりましたが、取扱高は前年比+11.6%と成長を加速しています。
注目ポイント:Yahoo!ショッピングの再成長に加え、BEENOS(2025年5月連結化)やLyst(2025年4月完全子会社化)によるグローバル展開が加速しています。国内ECの深化と海外市場の開拓を並行して進めるため、データ分析やグローバルビジネス、物流・サプライチェーンの専門人材が必要不可欠な状況です。
(注:BEENOSは当期より連結のため前年比の単純比較不可)
戦略事業
事業内容:PayPay、PayPay銀行、PayPay証券等の金融サービスに加え、台湾やタイでの銀行・オンデマンド事業を展開。
業績推移:売上収益1,097億円(前年比+35.0%)。調整後EBITDAも前年比+52.1%の229億円と、利益貢献度が急上昇しています。
注目ポイント:PayPayの連結化に加え、LINE Bank Taiwan(2025年6月連結化)やLINE MAN(2025年9月連結化)など海外金融・生活プラットフォームの取り込みが進みました。PayPayエコシステムの更なる拡大と海外拠点の立ち上げが同時並行しており、金融実務とテックを融合できるFintech人材の需要が極めて高まっています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2025年度 第2四半期 決算説明会資料 P.23
中長期成長戦略として、「AIエージェント化」と「OA・ミニアプリの強化」を成長エンジンに据えています。2025年10月時点で860万DAU(日間アクティブユーザー)がAIサービスを利用していますが、これを1億DAUまで引き上げる意欲的な目標を掲げています。年内にはLINEの「新ホームタブ」のテストを開始予定であり、ユーザー体験を根本から変革するプロジェクトが進行中です。
ビジネスモデルの転換も鮮明です。公式アカウントを基盤としたミニアプリ事業やSaaS事業を立ち上げ、2028年度には現在の2倍となる約2,800億円の売上を目指しています。採用面では、大規模トラフィックを支えるAIエンジニアに加え、店舗DXや予約・顧客管理システムを開発・提供するSaaS関連職種の採用が強化される見込みです。また、出前館に係る持損の減損などリスク要因も開示されていますが、PayPayの繰延税金資産計上など財務基盤の健全化も進んでいます。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
「AIエージェント化」によるプラットフォーム変革にどう貢献できるかが鍵です。1億ユーザーの日常を変えるという壮大なミッションに対し、自身の専門性(技術力、企画力、営業力)をどう紐付けるかが重要です。また、公式アカウントやミニアプリを活用した「店舗・企業のDX支援」は今後の最注力領域であるため、SaaSやCRM領域での経験は非常に強力なアピール材料になります。
面接での逆質問例
・「全サービスのAIエージェント化において、担当部門のプロダクトには具体的にどのようなAI実装が計画されていますか?」
・「人的資源の成長領域への再配置が進んでいますが、社内の異動・教育体制はどのように変化していますか?」
・「ミニアプリやSaaS事業の拡大に向けた営業組織と開発組織の連携において、現在直面している課題は何ですか?」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
柔軟な働き方ができるのも魅力の一つ
リモートワークが可能で、フリーアドレス制を採用しているため、柔軟な働き方ができるのも魅力の一つです。 オフィス環境は自由度が高く、個々の働き方に合わせたスペースを選べるのが良い点です。
(40代後半・コンサルティング営業・女性) [キャリコネの口コミを読む]忙しさに対する覚悟も必要
業務量が多く、体力が求められる場面もあるため、健康管理には注意が必要です。全体として、働きやすい環境が整っていると感じますが、忙しさに対する覚悟も必要です。
(30代後半・システムエンジニア・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- LINEヤフー株式会社 2025年度 第2四半期 決算説明会資料
- 2026年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔IFRS〕(連結)



2019年より企業口コミサイト「キャリコネ」担当として、数多くの企業の口コミ情報、決算資料、中期経営計画を横断的に分析。現在はリサコ編集部長として、一次情報と現場の声を突き合わせた企業研究コンテンツの企画・編集・品質管理を統括し、転職希望者の意思決定に資する情報提供を行っている。