カゴメの転職研究 2025年12月期3Q決算に見るキャリア機会

カゴメの転職研究 2025年12月期3Q決算に見るキャリア機会

カゴメの2025年12月期3Q決算は、国内事業が堅調な一方、国際事業のトマト市況下落により減収減益となりました。通期利益予想を下方修正したものの、利益進捗率は80%超と底堅く推移。「なぜ今カゴメなのか?」「転職希望者がどの事業で、どんな役割を担えるのか」を整理します。


0 編集部が注目した重点ポイント

国内加工食品事業はトータルで増収を確保する

主力の飲料カテゴリーにおいて、トマトジュースが血圧対策への訴求強化により新規ユーザーを獲得し好調を維持しています。原材料価格の上昇や広告宣伝費の戦略的投下により利益面は圧迫されていますが、2025年12月期3Q累計の国内売上収益は1,156億円と前年同期比で0.7%の増収を達成しており、底堅い需要が確認できます。

国際事業はトマト市況下落の影響で減収減益となる

世界的なトマトペーストの需給緩和に伴い販売価格を引き下げたことや、顧客による製品引き取りの遅延が響き、国際事業の売上収益は前年同期比14.8%減の948億円となりました。特に米国のIngomar社を中心とした一次加工領域での影響が大きく、市場環境の変化への対応が今後のキャリアにおける重要な課題となります。

通期利益予想を下方修正も進捗率は80%超と順調に推移する

国際事業の販売不振や製造工程の不具合による一時的損失を反映し、通期の事業利益予想を240億円から210億円へ下方修正しました。しかし、3Q時点での事業利益は174億円に達しており、修正後予想に対する進捗率は83.1%と、事業運営自体は概ね順調なペースで進んでいると評価できます。

1 連結業績ハイライト

国際事業におけるトマトペースト市況の下降と製品引き取り遅延が影響し、連結全体では減収減益の着地となりました。
2025年度上期連結業績概要

出典:2025年12月期上期決算 説明会資料 P.4

売上収益

2,163億円

(前年同期比 -4.4%)

事業利益

174億円

(前年同期比 -25.8%)

親会社帰属四半期利益

106億円

(前年同期比 -52.6%)

※事業利益 = 売上収益 - 売上原価 - 販売費及び一般管理費 + 持分法による投資損益(事業の経常的な業績を測る指標)

2025年12月期第3四半期の累計実績は、売上収益が2,163億円、事業利益が174億円となりました。前年同期比での大幅な減益要因には、前年に計上されたIngomar社の連結子会社化に伴う段階取得に係る差益(93億円)の反動が含まれています。国内事業は節約志向の中でも増収を維持しており、ブランド力が機能しています。

修正後の通期計画に対する事業利益の進捗率は83.1%に達しており、期末に向けての業績推移は順調と判断されます。

2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド

国内では「健康」をキーワードにした新領域への挑戦、国際では生産効率の徹底した改善が求められています。
セグメント別業績概況

出典:2025年12月期上期決算 説明会資料 P.5

飲料(国内)

事業内容:野菜生活100シリーズ、トマトジュース、野菜一日これ一本等の製造・販売。

業績推移:売上収益は628億円(前年同期比+0.8%)、事業利益は63億円(同-21.1%)。

注目ポイント:トマトジュースが新規ユーザー獲得により好調ですが、原材料コスト増が利益を圧迫しています。発売30周年の野菜生活100では「家族の健康」を軸にしたマーケティングを加速させており、消費者心理を捉える商品企画・プロモーション人材への期待が高まっています。

注目職種:ブランドマーケティング、商品開発、販売戦略立案

通販(国内)

事業内容:野菜飲料、サプリメント、スープ等の通信販売事業「健康直送便」の運営。

業績推移:売上収益は100億円(前年同期比+5.0%)、事業利益は7億円(同+20.8%)。

注目ポイント:戦略的な広告投資により、飲料やスープが好調に推移し、増収増益を達成。国内事業の中で唯一利益成長が加速している領域であり、デジタル広告の最適化やLTV(顧客生涯価値)向上を担える専門人材の活躍余地が非常に大きいです。

注目職種:ECマーケター、CRM担当、デジタル広告運用

食品他(国内)

事業内容:トマトケチャップ、調味料、ソース、業務用冷凍食品等の展開。

業績推移:売上収益は427億円(前年同期比-0.4%)、事業利益は42億円(同-5.0%)。

注目ポイント:家庭用では「ナポリタンスタジアム」等のメニュー提案によりトマトケチャップが堅調。一方、業務用の冷凍商品が苦戦しています。外食産業の人手不足に対応した調理の簡略化ソリューションの提案が求められており、BtoBセールスの経験者が活かせる場面が増えています。

注目職種:業務用食品営業(ソリューション型)、メニュー開発

トマト他一次加工(国際)

事業内容:米国Ingomar社等を通じたトマトペースト、ダイストマト等の製造・販売。

業績推移:売上収益は498億円(前年同期比-15.2%)、事業利益は45億円(同-28.7%)。

注目ポイント:世界的な市況下降による単価下落と、顧客側の引き取り遅延がダブルパンチとなっています。しかし、ダイストマトの自動選別機導入による原価低減など、生産現場のDX(デジタルトランスフォーメーション)が着実に進行中であり、グローバルな製造管理スキルを持つ人材が必要とされています。

注目職種:生産管理(グローバル)、プロセスエンジニア

トマト他二次加工(国際)

事業内容:ピザソース、バーベキューソース等のフードサービス向けソースの製造・販売。

業績推移:売上収益は473億円(前年同期比-12.5%)、事業利益は36億円(同-40.2%)。

注目ポイント:原材料高騰や製造工程の不具合により減益となりましたが、アジア諸国への展開強化を掲げています。顧客課題を解決するソリューション提案型のビジネスモデルへの転換を急いでおり、海外法人との連携や新規市場開拓を担える人材へのニーズが高まっています。

注目職種:海外営業・事業開発、グローバルSCM

3 今後の見通しと採用の注目点

国際事業の苦戦を受けつつも、植物性ミルクなどの新領域開拓と徹底したコスト削減で利益回復を目指します。
通期業績予想と下期施策

出典:2025年12月期上期決算 説明会資料 P.14

下期以降の戦略では、国内において「アーモンド・ブリーズ」等の植物性ミルク領域への挑戦を継続し、新たな収益の柱を育成する方針です。国際事業では、2025年クロップ(収穫)の加工用トマトが大幅減産となる見通しであり、需給バランスの改善を背景とした利益回復を狙います。また、製造工程の改善によるロス低減など、徹底したコスト競争力の強化を掲げています。採用面では、既存のトマトビジネスの枠を超えた新領域を開拓できる企画力と、グローバルな変動に対応できる強固なオペレーション能力を持つ人材が鍵となります。

4 求職者へのアドバイス

HINT 志望動機のヒント

同社は現在、トマトを核とした「加工食品メーカー」から、植物性ミルクやスープなど多様な健康価値を提供する「強い企業」への脱皮を図っています。面接では「健康寿命の延伸」という社会課題に対し、自身のスキルがどう貢献できるかを語るのが効果的です。特に「新領域への挑戦」や、国際事業で進む「生産効率のDX化」に具体的にどう関与できるかを強調しましょう。

Q&A 面接での逆質問例

・「国際事業におけるトマトペースト市況の変動に対し、中長期的にどのようなリスクヘッジ戦略を構築されていますか?」
・「植物性ミルク等の新領域において、中途採用者が早期に成果を出すために最も期待されている役割は何ですか?」
・「業務用領域での人手不足解消に向けたソリューション提案において、営業現場にはどのような裁量が与えられていますか?」

5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)

決算資料や公式発表だけでは見えにくい、現場で働く社員・元社員の実体験(口コミ)を、転職判断の参考となるよう編集部で選定しています。
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社員に非常に優しい会社なのでとても働きやすい

社員に非常に優しい会社なので、とても働きやすいです。女性には特に優しく、育休もとれますし、育休をとったからといって復帰しにくいとか仕事がしにくいということもありません。時短勤務も可能です。男性社員の理解もあります。キャリアアップの支援もあり、女性管理職を増やしたいと取り組んでいるようです。

20代後半・法人営業・男性 [キャリコネの口コミを読む]
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成果を残しても突出して評価されない

業績・将来性に問題を感じる。完全な年功序列。仕事はどれだけ成果を残しても、突出して評価をされるということはない。

20代・法人営業・男性 [キャリコネの口コミを読む]

※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。

使用した主な公開資料

  • 2025年12月期上期決算 説明会資料
  • 2025年12月期 第3四半期決算短信〔IFRS〕(連結)

この記事の執筆者

2019年より企業口コミサイト「キャリコネ」担当として、数多くの企業の口コミ情報、決算資料、中期経営計画を横断的に分析。現在はリサコ編集部長として、一次情報と現場の声を突き合わせた企業研究コンテンツの企画・編集・品質管理を統括し、転職希望者の意思決定に資する情報提供を行っている。


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