カルビーの転職研究 2026年3月期2Q決算に見るキャリア機会

カルビーの転職研究 2026年3月期2Q決算に見るキャリア機会

カルビーの2026年3月期2Q決算は、原材料高騰や不作の影響で減益となるも、米国の豆腐メーカーHodo社のグループ会社化など新規領域を強化。「なぜ今カルビーなのか?」「転職希望者がどの事業で、どんな役割を担えるのか」を、将来に向けた投資とグローバル展開の加速という視点から整理します。


0 編集部が注目した重点ポイント

2025年8月に米Hodo社をグループ会社化

米国での「食と健康」事業拡大に向け、2025年8月に植物性タンパク質食品を展開するHodo, Inc.の株式を取得しました。同社を連結子会社化したことで、新規領域でのキャリア機会が拡大する可能性があります。前年同期は未連結のため単純比較は不可ですが、北米市場の基盤強化を加速させる戦略的な一手といえます。

原材料高騰と不作を受け通期予想を下方修正

今秋の北海道産ばれいしょが記録的な高温・干ばつにより過去不作時と同レベルの約1割減となる見通しです。これに伴い、通期の営業利益予想を期初計画から38億円引き下げの260億円に修正しました。調達不足への対応として輸入ばれいしょの活用や他素材製品の拡売、追加の価格改定などを下期に実施する方針です。

関東新工場の土地取得など将来投資を継続

構造改革の一環として、当中間期に関東新工場の土地取得を実行しました。せとうち広島工場の稼働に伴う減価償却費が利益を圧迫する局面ではありますが、中長期的な供給体制の最適化に向けた大規模投資を緩めていません。生産拠点刷新に伴うSCMや生産技術職種の重要性が、今後さらに高まっていくことが予想されます。

1 連結業績ハイライト

中間期は売上高が過去最高を更新するも、コスト高騰や不作の影響を受け、増収減益の着地となりました。
連結業績サマリ

出典:カルビーグループ決算説明会 P.2

売上高

1,657億円 (+5.5%)

営業利益

101億円 (Δ31.9%)

中間純利益

67億円 (Δ36.2%)

EBITDA

184億円 (Δ14.7%)

※EBITDA = 営業利益 + 減価償却費 + のれん償却額(キャッシュ創出力の指標)

売上高は国内・海外ともに販売数量が伸長し、中間期としての過去最高を更新しました。一方で営業利益は、せとうち広島工場の稼働に伴う減価償却費の増加や、インフレによる原材料費・物流費の上昇が利益を圧迫。特に国内では、コスト上昇分を価格・規格改定でカバーしきれず、大幅な減益を余儀なくされました。

通期予想に対する営業利益の進捗率は39.0%(修正後予想に対して)となっており、主要な原材料であるばれいしょの収穫不足も踏まえ、現時点では進捗が遅れていると評価せざるを得ません。下期におけるリカバリー策の徹底が、計画達成の鍵を握ります。

2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド

国内事業はブランド力を背景に数量伸長を維持。海外事業は地域ごとに課題があるものの、二桁の売上成長を継続しています。
国内事業の概況

出典:カルビーグループ決算説明会 P.11

国内スナック菓子

【事業内容】ポテトチップス、じゃがりこ、かっぱえびせん等の製造販売。国内シェア約5割を誇る基幹事業。

【業績推移】売上高:1,163億円(前年同期比+6.7%)。ポテトチップスやじゃがりこが定番品を中心に堅調に推移。

【注目ポイント】戦略的な価格・規格改定を実施しつつも、販売数量を前年比でプラスに維持している点が強みです。ばれいしょ不足という危機的状況下で、輸入ばれいしょの最大活用や新工場の安定稼働を担う生産管理・技術人材の役割が、安定供給の要として再認識されています。

注目職種:生産管理、SCM企画、設備導入エンジニア

国内シリアル食品・その他

【事業内容】「フルグラ」「マイグラ」等のシリアル製品およびBody Granola等の新規事業。

【業績推移】売上高:158億円(前年同期比+4.1%)。マイグラ等の定番品が成長を牽引。

【注目ポイント】健康意識の高まりを背景に市場シェアを1.2ポイント拡大。特にパーソナルフード「Body Granola」は、単なる菓子メーカーの枠を超えた「食と健康」領域への挑戦を象徴しており、サブスクリプション型サービスやデジタルマーケティングの知見を持つ人材への需要が高まっています。

注目職種:デジタルマーケティング、新規事業開発、商品開発(健康機能)

海外事業(全地域網羅)

【事業内容】北米、欧州(英国)、アジア・オセアニア(中華圏、インドネシア、韓国等)での展開。

【業績推移】売上高:421億円(前年同期比+6.6%、現地通貨ベースでは+10.1%)。地域別に明暗分かれる。

【注目ポイント】欧米では新規連結されたHodo社の寄与とSeabrookブランドの伸長が追い風。アジアでは中華圏での「Jagabee」供給強化やインドネシアの販売強化が実を結んでいます。現地生産化(地産地消)とR&Dセンターの活用を加速させており、グローバル市場での競争力を高めるマネジメント人材が強く求められています。

注目職種:グローバル管理、海外マーケティング、R&D(海外拠点対応)

3 今後の見通しと採用の注目点

原材料の安定調達と、米国「食と健康」市場への本格参入が今後の再成長の鍵となります。
Hodo社株式取得の概要

出典:カルビーグループ決算説明会 P.24

通期ではばれいしょ調達不足の深刻な影響が懸念されますが、会社側は産地の分散化や新品種「ぽろしり」の普及といった構造的な対策を急いでいます。これは異常気象が常態化する中での生存戦略であり、調達から栽培支援までを担うフィールドマン機能の重要性が再定義されています。

また、2025年8月に実施した米国豆腐メーカーHodo社の株式取得は、単なるM&Aではなく、成長戦略「Change 2025」における「食と健康」領域の具体化を意味します。同国での豆系スナック「Harvest Snaps」とのシナジーを追求する過程で、クロスボーダーでのPMI(統合プロセス)や海外事業管理の経験を持つ専門人材の活躍機会が大幅に増加していくでしょう。

4 求職者へのアドバイス

HINT 志望動機のヒント

国内では「不作リスクを技術で乗り越えるサプライチェーンの強靭化」、海外では「Hodo社のM&Aを契機とした植物性タンパク市場への挑戦」を自身の経験と結びつけるのが有効です。既存のヒット商品に頼るだけでなく、不確実な外部環境下で「次の一手」を具現化できる当事者意識が評価されます。

Q&A 面接での逆質問例
  • 北海道産ばれいしょの調達減に対し、輸入原料の活用や産地分散化において、私の経験(生産管理等)をどのように活かせますか?
  • 米国のHodo社取得後のシナジー創出において、既存のグローバル拠点(マデラ工場等)との連携はどう進める計画でしょうか?
  • 「Change 2025」の達成に向けた新規領域売上比率5%の目標に対し、現在進行中のプロジェクトでどのような専門性が求められていますか?

5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)

決算資料や公式発表だけでは見えにくい、現場で働く社員・元社員の実体験(口コミ)を、転職判断の参考となるよう編集部で選定しています。
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職場の雰囲気は大変良い

何気ない会話や情報交換の中から新しい商品や企画のヒントが生まれることも多いです。

(30代後半・商品企画・男性) [キャリコネの口コミを読む]
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現状にあぐらをかいている

業績・将来性に問題を感じる。いかんせん現状にあぐらをかいていると感じる。売れる商品がいくつかあり、それを作っているだけで高い営業利益率を出しているので、楽な方へ楽な方へ、と考える社員が多い。

(20代後半・その他・男性) [キャリコネの口コミを読む]

※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。

使用した主な公開資料

  • 2026年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)
  • 2026年3月期 上期 カルビーグループ決算説明会資料

この記事の執筆者

2019年より企業口コミサイト「キャリコネ」担当として、数多くの企業の口コミ情報、決算資料、中期経営計画を横断的に分析。現在はリサコ編集部長として、一次情報と現場の声を突き合わせた企業研究コンテンツの企画・編集・品質管理を統括し、転職希望者の意思決定に資する情報提供を行っている。

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