0 編集部が注目した重点ポイント
① ABEMA開局10年目で初の黒字化を達成する
創業以来の悲願であったメディア事業の収益化が現実となりました。周辺事業の積み上げにより、2025年度はセグメント利益で72億円の黒字を計上しています。投資フェーズから収益化フェーズへ移行したことで、今後はメディア領域でのさらなる事業拡大や新規サービス開発に携わるキャリア機会が大きく広がっています。
② 複数の大型ヒットによりゲーム事業が大幅増益を記録する
2025年度は新規7タイトルをリリースし、複数が大型ヒットとなりました。外部決済への移行による利益率改善も寄与し、セグメント利益は前年比約2倍の600億円に到達しています。グローバル展開も加速しており、世界市場をターゲットとした大規模開発やマーケティングの経験を積みたい専門人材にとって、魅力的なフィールドが維持されています。
③ 創業以来初の社長交代による新体制へ移行する
2025年12月より、藤田晋氏が会長に、山内隆裕氏が社長に就任するサクセッション(経営継承)が実行されました。この構造的変化は当期より進められており、次世代リーダーによる持続的成長を目指すフェーズに入っています。経営体制の大幅刷新に伴い、新しい文化の構築や組織改革に貢献できる、意欲的なミドルマネジメント層への期待が高まっています。
1 連結業績ハイライト
出典:2025年度 通期決算説明資料 P.4
売上高
8,740億円
+9.1%
営業利益
717億円
+78.9%
当期純利益
316億円
+98.2%
2025年度通期連結業績は、売上高が前年比9.1%増の8,740億円、営業利益が同78.9%増の717億円と、過去最高水準の大幅増益を達成しました。特にメディア&IP事業の黒字化とゲーム事業の復調が大きく寄与しており、上方修正後の予想も上回る着地となっています。役職員数も8,284名まで拡大し、積極的な採用姿勢を維持しながらも高い生産性を確保しています。
通期予想に対する実績は、売上高・利益ともに当初計画および修正計画を上回っており、業績の進捗は極めて順調であると評価できます。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2025年度 通期決算説明資料 P.24
メディア&IP事業
事業内容:新しい未来のテレビ「ABEMA」や公営ギャンブル「WINTICKET」、IP(知的財産)関連事業を展開。当期より「その他事業」を統合しました。
業績推移:売上高2,315億円(前年比15.7%増)、営業利益72億円。開局10年目で悲願の黒字化を達成しています。
注目ポイント:10月には新アニメスタジオ「株式会社Studio Kurm」を設立。原作創出からアニメ制作、グローバル配信まで一気通貫で行う体制を構築しており、メディアミックスの専門家やスタジオ運営人材の需要が急増しています。
インターネット広告事業
事業内容:国内最大級のインターネット広告代理店業務。AI技術を活用した効果最大化と業務効率化を推進しています。
業績推移:売上高4,612億円(前年比6.1%増)、営業利益176億円。大型顧客の離脱影響を既存顧客のシェア拡大でカバーし、堅調な推移を見せています。
注目ポイント:「GEO Lab.」や「AIカスタマーサクセス本部」などAI関連の新組織を続々設立。広告手法そのものの構造変化を成長機会と捉えており、AI検索時代のマーケティングを自ら定義できる技術者やコンサルタントが不可欠となっています。
ゲーム事業
事業内容:Cygames等の子会社を通じ、スマートフォン向けゲームを開発・運営。海外売上高がYonYで6倍に急拡大しています。
業績推移:売上高2,167億円(前年比10.6%増)、営業利益600億円。ヒット率が非常に高く、大幅増益を牽引しました。
注目ポイント:「学園アイドルマスター」などの大型ヒット創出に加え、グローバル同時リリースのノウハウを蓄積。外部決済の導入による利益率向上で、再投資の余力が拡大しています。世界に通用するIP創出を目指す最高峰の開発環境が提供されています。
投資育成事業
事業内容:スタートアップ企業への投資・支援を行うベンチャーキャピタル事業。CVC(コーポレート・ベンチャーキャピタル)として運営。
業績推移:売上高16億円、営業損失15億円。前年の大型売却の反動もあり、当期は損失計上となりました。
注目ポイント:業績数値は低調ですが、グループの中長期的な成長の「種まき」として、一貫した支援体制を維持しています。市場環境の変化を見極め、次世代のメガベンチャーを創出する支援能力が問われています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2025年度 通期決算説明資料 P.12
2026年度は、売上高8,800億円(同0.7%増)と横ばいながらも高水準の維持を計画。営業利益はゲーム事業の変動要因を考慮し、500~600億円のレンジ予想としています。特筆すべきはサクセッション計画の実行であり、山内隆裕氏を新社長とする新体制へと移行します。これは「社長交代を重ねても持続的に成長する会社」になるための重要なマイルストーンです。
メディア&IP事業では周辺事業の拡大による更なる収益化を、広告事業では生成AIによる構造改革の推進を掲げています。採用面では、新体制を支える「自走型」の次世代リーダー候補や、最先端のAI技術を実ビジネスに落とし込めるエンジニア・クリエイターの採用をさらに強化する方針です。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
メディア事業が黒字化したことで、同社の魅力は「成長期待」から「安定した収益基盤を持つメガベンチャー」へと変化しました。特にIP事業への進出を加速させており、アニメやマンガなどのコンテンツビジネスを技術とインターネットの力でスケールさせたいという想いは、強力な志望動機になります。また、サクセッション計画に伴う新体制への移行をポジティブに捉え、自身のリーダーシップを次世代組織の構築に活かしたいという姿勢も高く評価されるでしょう。
面接での逆質問例
- 山内新社長体制へ移行する中で、中途採用者に期待される役割や変化について教えてください。
- メディア&IP事業が黒字化フェーズに入りましたが、今後はどのような新規投資を予定されていますか?
- 広告事業における生成AI活用が進む中、専門人材にはどのようなスキルのアップデートが求められますか?
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
若い女性でも役員に抜擢されるチャンスがある
実力を認められれば、若い女性でも役員に抜擢されるチャンスがあるなど、キャリアアップの可能性は十分にあります。
(30代後半・人事・女性) [キャリコネの口コミを読む]社員の入れ替わりが多いのが現状
新卒の給与が高く、優秀な人材を引き寄せる力がある一方で、社員の入れ替わりが多いのが現状です。半年ごとの昇給制度があり、社内表彰での賞金制度も魅力的です。
(20代後半・コンサルティング営業・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 株式会社サイバーエージェント 2025年9月期 決算説明資料
- 株式会社サイバーエージェント 2025年9月期 決算短信〔日本基準〕(連結)



2019年より企業口コミサイト「キャリコネ」担当として、数多くの企業の口コミ情報、決算資料、中期経営計画を横断的に分析。現在はリサコ編集部長として、一次情報と現場の声を突き合わせた企業研究コンテンツの企画・編集・品質管理を統括し、転職希望者の意思決定に資する情報提供を行っている。