スズキの転職研究 2026年3月期2Q決算に見るキャリア機会

スズキの転職研究 2026年3月期2Q決算に見るキャリア機会

スズキの2026年3月期2Q決算は、売上高2.8兆円超で5期連続増収。EV世界戦略車「eビターラ」の発表やインドの減税措置など、グローバルでの攻勢が鮮明です。新中期経営計画でのDX・技術戦略投資も加速。「なぜ今スズキなのか?」転職者がどの事業で、どんな役割を担えるのかを整理します。


0 編集部が注目した重点ポイント

世界戦略車eビターラでEV市場へ本格参入する

スズキ初となるバッテリーEVの世界戦略車「eビターラ」が発表されました。2025年春からインドでの生産を開始し、欧州や日本を含むグローバル展開を予定しています。従来の環境対応から一歩踏み出し、次世代モビリティ領域でのキャリア機会が飛躍的に拡大する重要なマイルストーンとなります。

インドの税制改正で小型車の需要回復を見込む

インド政府によるGST(物品・サービス税)の改定により、スズキの強みである小型車の減税幅が最大13%に達しました。2024年9月後半から施行されており、インド市場でのシェア回復に向けた強力な追い風となります。主力市場の構造変化は、グローバルマーケティングや営業職にとって大きな挑戦の舞台となるでしょう。

新中期経営計画でDXと技術戦略を加速させる

2025年度から始動する新中期経営計画「By Your Side」に基づき、DX戦略と技術戦略2025を相次いで発表しました。エネルギーの極少化と本質価値の極大化を掲げ、ソフトウェア開発や高度な生産技術への投資を強化しています。伝統的な自動車製造から、IT・デジタル技術を融合した新フェーズへの転換期にあります。

1 連結業績ハイライト

売上収益は過去最高水準を維持。為替や原材料価格の上昇を受けつつも、通期目標に向けて着実な歩みを見せています。
2026年3月期 第2四半期決算総括

出典:2026年3月期 第2四半期決算説明会 P.5

売上収益

2兆8,642億円

+0.3%

営業利益

2,765億円

▲17.5%

中間利益

1,928億円

▲11.3%

2026年3月期第2四半期の売上収益は、日本市場の四輪車販売増や二輪事業の好調により、5期連続の増収を達成しました。一方で利益面では、インドルピー安などの為替影響や原材料価格の高騰、研究開発費の増加が重なり、5期ぶりの減益となっています。しかし、外部要因を除いた実力ベースでは、原価低減活動の推進により一定の収益性を確保しています。

通期予想の営業利益5,000億円に対し、第2四半期末時点での進捗率は55.3%に達しており、業績は順調に推移しています。下半期に期待されるインドの需要回復や新型車の投入効果により、通期目標の達成に向けた基盤は整っています。

2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド

四輪・二輪ともにグローバルで台数増を狙う攻めの姿勢。各セグメントで専門性を活かす機会が豊富です。
事業別業績

出典:2026年3月期 第2四半期決算説明会 P.8

四輪事業

事業内容:軽自動車、小型・普通自動車の製造販売。スズキの連結売上の約9割を占める基幹事業です。

業績推移:売上収益は2兆5,881億円(前年並み)、営業利益は2,373億円(前年比▲19.1%)と利益面で苦戦しました。

注目ポイント:国内では軽自動車シェア第1位(34.6%)を維持し、登録車も新型「クロスビー」投入などで28.0%の大幅増を記録。インドでは税制改正後の需要回復に向けたSUV戦略を強化しており、グローバルな商品企画や生産管理、サプライチェーンの再構築を担える人材へのニーズが高まっています。

注目職種:EV開発エンジニア、グローバルサプライチェーンマネージャー、海外営業企画

二輪事業

事業内容:二輪車、バギーの製造販売。インドや中南米などの成長市場が主戦場です。

業績推移:売上収益は2,098億円(+5.8%)、営業利益は225億円(前年並み)と増収を確保しました。

注目ポイント:インドネシアやパキスタン、コロンビアでの販売が好調で、世界販売台数は前年比8.6%増と伸長。コロンビアでは累計生産200万台を達成するなど、新興国でのブランド地位を確立しています。市場ごとの多様なニーズを製品に反映させる技術者や、現地法人の経営管理を担える人材が求められています。

注目職種:海外生産管理、地域統括マーケティング、二輪設計エンジニア

マリン事業

事業内容:中大型を主軸とした船外機の製造販売。高い技術力でグローバルに展開しています。

業績推移:売上収益は600億円(+5.9%)、営業利益は148億円(▲12.9%)となりました。

注目ポイント:販売自体は堅調なものの、米国の関税影響等が利益を押し下げました。しかし、営業利益率24.7%という圧倒的な高収益モデルは健在です。環境負荷低減に向けた電動船外機の開発など、環境技術を強みにした新たな市場開拓において、先行開発経験を持つエンジニアの活躍の場が広がっています。

注目職種:流体解析・機械設計エンジニア、海外代理店管理

その他事業

事業内容:電動車いす、太陽光発電、不動産事業などを展開。生活に密着したサービスを提供します。

業績推移:売上収益は63億円(+14.4%)、営業利益は19億円(前年並み)と安定推移しています。

注目ポイント:福祉車両に関連する電動車いすなど、超高齢社会の課題解決に資する製品を扱っています。派手な成長率ではありませんが、スズキの「人に寄り添う」哲学を体現する事業として、地域密着型の企画・営業職において、顧客視点の深いキャリアが構築できます。

注目職種:法人営業、新規事業開発(ヘルスケア・環境関連)

3 今後の見通しと採用の注目点

中期経営計画の実現に向けた成長投資を継続。インドの需要回復とEV戦略の進捗が鍵となります。
通期業績予想

出典:2026年3月期 第2四半期決算説明会 P.16

通期業績予想については、売上収益6兆1,000億円、営業利益5,000億円の据え置きを決定しました。インドでの小型車減税による需要回復への期待や、円安効果が見込まれる一方、依然として半導体供給の制約や地政学的リスクを慎重に見極める姿勢です。

特筆すべきは、減益予想の中でも「中期経営計画の実現に向けた成長投資を継続する」という明確な方針です。研究開発費は前年同期比で114億円増加しており、人的資本投資、デジタル投資、設備投資を積極的に行い、収益基盤の強化を急いでいます。これは転職者にとって、新規プロジェクトへの参画や、最新設備環境下でのスキルアップの機会が豊富にあることを意味しています。

4 求職者へのアドバイス

HINT

志望動機のヒント

スズキが掲げる「By Your Side(お客様のそばに)」という哲学と、インド市場での圧倒的なシェアを基盤としたグローバル展開に注目してください。特に、新たに発表されたEV世界戦略車「eビターラ」への参画や、DX戦略による製造現場の変革など、自身の専門スキルがどのように社会課題の解決(カーボンニュートラルや新興国の発展)に貢献できるかを具体的に語ることが有効です。

Q&A

面接での逆質問例

1. 「新中期経営計画で掲げられているDX戦略の実現に向けて、現在中途採用者に最も期待されている役割や、直近で解決すべき技術的課題は何でしょうか?」
2. 「インドの税制改正や新型EVの投入により、グローバルなサプライチェーンの最適化が急務だと思いますが、貴社の強みを活かすために現場でどのような工夫をされていますか?」

5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)

決算資料や公式発表だけでは見えにくい、現場で働く社員・元社員の実体験(口コミ)を、転職判断の参考となるよう編集部で選定しています。
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アイデアが実際の製品に反映される喜び

製造業での経験を通じて、アイデアが実際の製品に反映される喜びを感じました。特に、国内外の市場に触れる機会があり、視野が広がったことは大きな収穫です。仕事自体は覚えやすく、すぐに慣れることができるため、初めての方でも安心して取り組める環境です。全体として、創造性を発揮できる場面と、ルーチンワークのバランスが取れていると感じます。

(40代後半・コンサルティング営業・女性) [キャリコネの口コミを読む]
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勤務時間は部署ごとに大きな差があり

働きやすさは部署によって違います。特に勤務時間は部署ごとに大きな差があり、休憩時間は給与に含まれないため、注意が必要です。

(20代後半・システムエンジニア・女性) [キャリコネの口コミを読む]

※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。

使用した主な公開資料

  • 2026年3月期 第2四半期決算説明会資料
  • 2026年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔IFRS〕(連結)

この記事の執筆者

2019年より企業口コミサイト「キャリコネ」担当として、数多くの企業の口コミ情報、決算資料、中期経営計画を横断的に分析。現在はリサコ編集部長として、一次情報と現場の声を突き合わせた企業研究コンテンツの企画・編集・品質管理を統括し、転職希望者の意思決定に資する情報提供を行っている。


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