0 編集部が注目した重点ポイント
① 為替除く実質ベースで過去最高益を更新する
2026年3月期第2四半期は、米国住宅市場の低迷や中国不動産不況といった厳しい外部環境下において、販売力強化とコストダウンを徹底しました。その結果、為替影響を除いた実質ベースで売上高102%、営業利益105%と成長し、中間期の利益として過去最高を更新しています。収益性の高い事業体質への転換が進んでいます。
② 米州住宅用空調のシェアを大きく挽回する
米州地域では冷媒規制に伴う製品切り替えという構造的変化に対し、低温暖化冷媒R32機の投入や環境プレミアム商品「Fit」の拡販を加速させました。顧客の取り戻しに成功したことで住宅用ユニタリーのシェアを大幅に挽回しています。北米市場での競争力再構築により、グローバルでのキャリア機会がさらに拡大する見通しです。
③ 統括会社本格稼働によりグローバル経営を刷新する
米州での事業基盤強化を目的に、2025年度よりRHQ-Americasを本格稼働させました。これにより、現地主導での迅速な意思決定と、日本本社との緊密な連携を両立する新体制へ移行しています。メキシコ新工場の立ち上げなど供給網の整備も完了しており、海外拠点の管理体制変更に伴う専門人材の需要が非常に高まっています。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年3月期 第2四半期 決算説明資料 P.3
中間連結会計期間の業績は、表面上の売上高・営業利益こそ前年並みとなりましたが、円高方向への振れによるマイナスの為替影響が715億円あったことを考慮すると、実質ベースでは大幅な成長を遂げました。特に空調事業において、北米のシェア挽回や日本国内での高付加価値商品の販売拡大が寄与し、利益率を維持・向上させています。
通期営業利益予想(4,350億円)に対する中間期の進捗率は56.7%に達しており、例年の下期偏重の傾向を考慮すると非常に堅調な推移といえます。不透明な市場環境にあっても、戦略的な売価施策とコストダウンによって収益を確保する「稼ぐ力」の強さが証明されています。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年3月期 第2四半期 決算説明資料 P.4
空調事業(日本・米州・中国・欧州・アジア)
事業内容:世界170ヶ国以上で展開するグローバルシェアトップクラスの空調機製造・販売事業です。
業績推移:売上高2兆3,069億円(100%)、営業利益2,323億円(106%)と増益を確保。
注目ポイント:日本では記録的な猛暑を背景に省エネ性能の高い「うるさらX」などの高付加価値商品が伸長。米州では住宅用ユニタリーのシェアを奪還し、営業利益率が向上しました。中国・アジアの景気低迷に対しても、アプライド(大型空調)や業務用ソリューションへリソースをシフトすることで、地域補完による安定成長を実現しています。地域ごとの緻密な市場戦略を立案・実行できる人材が、全世界で求められています。
化学事業
事業内容:フッ素樹脂・ゴムなどの高機能材料を提供し、半導体や自動車産業を支える事業です。
業績推移:売上高1,268億円(98%)、営業利益137億円(52%)と半導体需要の低迷により苦戦。
注目ポイント:足元では流通在庫調整の影響を受け減益となりましたが、データセンター向け電線の被覆材などAI関連の新用途開発が加速しています。半導体市場の回復期を見据え、EV向けリチウムイオン電池材料などの次世代領域で研究開発と販路開拓を強化しており、素材から産業の変革に貢献したい専門職にとって挑戦的な環境です。
その他事業(油機・特機・電子システム)
事業内容:油圧機器、酸素濃縮装置などの医療機器、設計・開発支援システムを展開しています。
業績推移:売上高452億円(96%)、営業利益6億円(47%)。
注目ポイント:油機事業では建設機械の需要停滞を受けつつも、省エネ性の高い新商品の投入で差別化を推進。特機事業では医療用酸素濃縮装置の専用機投入など、ニッチ市場でのソリューション提案を強化しています。空調以外の多角的な技術資産を持つダイキンにおいて、専門性を深めながら事業の体質改善をリードする醍醐味があります。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年3月期 第2四半期 決算説明資料 P.9
下期の事業環境は一段と厳しさを増す見通しですが、ダイキンは「販売力・営業力強化」や「新商品投入の加速」など、経営トップ直轄の全社横断6テーマを完遂することで年間計画の達成を目指します。特に懸念される米国の追加関税措置(直接影響 約420億円)に対しては、早期の価格転嫁と部材の材料置換といったコストダウンによって完全吸収する構えです。
また、中長期の成長の柱として、データセンター向けアプライド事業の拡大や、グローバルでの保守・修理サービスの収益化に注力しています。デジタルトランスフォーメーション(DX)による業務プロセスのイノベーションも重要課題に掲げており、デジタル投資の成果を最大化できるIT・データ分析人材の採用も、従来のメーカーの枠を超えて強化されています。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
ダイキンは「FUSION25」計画のもと、脱炭素や環境規制を逆手に取った「環境プレミアム商品」の拡販で世界をリードしています。地政学的な関税リスクや景気変動に対しても、自律的に対策を講じる「先手管理」の企業文化が根付いています。「変化をチャンスと捉え、自律的なコストダウンや価格交渉によって利益を守り抜く姿勢に共感した」ことや、「グローバルな拠点管理体制の刷新」に自身の専門スキルで貢献したいという軸は、現在の経営ニーズに非常に強く刺さります。
面接での逆質問例
「米州でのRHQ-Americas本格稼働により、日本の開発拠点や本社管理部門と現地の連携スピードは、以前と比べてどのように加速されましたか?」
「全社横断6テーマの中にある『材料置換によるコストダウン』において、品質維持と経済性の両立を支えるダイキン独自の技術的強みや現場の判断基準について教えていただけますか?」
5 転職者が知っておきたい現場의 リアル
人基軸の経営を第一に考えている
人基軸の経営を第一に考えています。 首切りを伴うリストラはしないという信念がおありで社員も安心して業務に集中できると思います。 株価の推移からも会社成長のかじ取りがうまくいっていると思います。
(50代前半・システムエンジニア・男性) [キャリコネの口コミを読む]住宅補助がなく都心部での生活は少し厳しい
福利厚生に関しては、住宅補助がないため、特に都心部での生活には少し厳しい面があります
※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- ダイキン工業株式会社 2026年3月期 第2四半期 決算説明資料
- ダイキン工業株式会社 2025年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)



2019年より企業口コミサイト「キャリコネ」担当として、数多くの企業の口コミ情報、決算資料、中期経営計画を横断的に分析。現在はリサコ編集部長として、一次情報と現場の声を突き合わせた企業研究コンテンツの企画・編集・品質管理を統括し、転職希望者の意思決定に資する情報提供を行っている。