0 編集部が注目した重点ポイント
① 通期利益予想を900億円上方修正し株主還元を強化する
2025年度の連結経常利益予想を、前回発表から900億円引き上げ4,900億円へと上方修正しました。為替や燃料価格の変動影響に加え、エネルギー事業や送配電事業の効率化が寄与しています。業績好調を受け、年間配当予想も15円増配の75円へと見直されており、収益力の着実な向上が転職者にとってもポジティブな成長材料といえます。
② 成長事業へ3,000億円規模を投じ収益基盤を多角化する
2025年度単年で3,000億円程度の成長投資を計画しており、情報通信や不動産、海外電力といった非エネルギー領域の強化を鮮明にしています。特にデータセンター事業や海外洋上風力案件への注力が目立ち、エネルギーの枠を超えた広範な領域で専門人材の活躍フィールドが拡大しています。2035年度に向けた「非エネルギー利益」の拡大は、同社でのキャリアにおける重要なキーワードです。
③ 次世代技術への参画により脱炭素経営を加速させる
2025年9月に米国のフュージョンエネルギー(核融合)スタートアップ、コモンウェルス・フュージョン・システムズへの出資を公表しました。電力供給の脱炭素化を同時に実現し得る次世代エネルギー源の早期商用化を目指す動きであり、同社のエネルギートランジションへの本気度が伺えます。最先端技術に関わるプロジェクトマネジメントや技術開発の機会が、中長期的に創出される見通しです。
1 連結業績ハイライト
出典:2025年度 第2四半期(中間期) 決算説明資料 P.4
2025年度第2四半期累計期間は、燃料価格の低下に伴う燃料費調整制度の影響などにより、連結売上高は前年同期比1,283億円の減収となりました。一方で、原子力利用率の低下などのマイナス要因を、為替・燃料価格の変動による増益影響や送配電事業の効率化でカバーし、経常利益は3,149億円と高水準を維持しています。
当第2四半期時点での経常利益(3,149億円)は、上方修正後の通期予想(4,900億円)に対して64.3%の進捗となっており、年間の業績達成に向けては極めて順調なペースで推移していると評価できます。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2025年度 第2四半期(中間期) 決算説明資料 P.6
エネルギー事業
事業内容:関西電力本体を軸とした、発電および電気・ガスの小売販売を担う中核セグメント。
業績推移:売上高 1兆7,403億円(前年比 △5.9%)、経常利益 2,400億円(前年比 △7.7%)。
注目ポイント:原子力利用率の低下があったものの、通期では前回予想比+500億円の上方修正を行っています。姫路第一発電所の高効率コンバインドサイクル(最新のガスタービン発電方式)への設備更新検討など、電力の安定供給と脱炭素化を両立するエンジニアリング需要が非常に高まっています。
送配電事業
事業内容:関西電力送配電による一般送配電事業。電力インフラの維持・運用を担う。
業績推移:売上高 5,283億円(前年比 △1.2%)、経常利益 311億円(前年比 △1.9%)。
注目ポイント:通期利益予想を380億円上方修正しており、需給調整取引に係る費用の減少が利益を押し上げています。系統用蓄電池の導入や次世代ネットワーク化への投資が継続しており、安定した収益基盤の上でインフラのDXを推進する技術者が求められています。
情報通信事業
事業内容:株式会社オプテージを中心に、光回線サービス「eo光」やMVNOサービス「mineo」を展開。
業績推移:売上高 1,526億円(前年比 +2.2%)、経常利益 256億円(前年比 +13.3%)。
注目ポイント:法人向けサービスの増や効率化による営業費用の削減により増収増益を達成しています。ハイパースケールデータセンター(HSDC)への投資を強化しており、コネクティビティ領域での成長が期待されています。ITインフラと通信を融合させた新サービス開発の機会が豊富です。
生活・ビジネスソリューション事業
事業内容:関電不動産開発などによる不動産事業や、くらしに関連する多角的サービス。
業績推移:売上高 900億円(前年比 △25.9%)、経常利益 133億円(前年比 △22.7%)。
注目ポイント:分譲マンションの引渡戸数減により一時的に減益となっていますが、空室率は1.8%と極めて低い水準を維持しています。首都圏や海外不動産への投資を強化しており、住宅から賃貸・物流施設までポートフォリオを拡大中です。デベロッパーとしての開発案件が継続的に発生しています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2025年度 第2四半期(中間期) 決算説明資料 P.8
同社は、短中期的に原子力利用率の向上と送配電の安定利益確保により、1株当たり当期純利益(EPS)を着実に成長させる計画です。2025年度通期利益の上方修正は、その道筋の確かさを示しています。また、分散型エネルギー(系統用蓄電池など)や海外電力事業でのリターン(IRR1桁後半〜2桁期待)を積み上げることで、中長期的な収益基盤の質を変革させようとしています。
採用面では、既存の電力インフラ維持を担う技術者に加え、M&Aや次世代エネルギー(水素・核融合等)への新規投資をリードできるビジネス開発人材の重要性が増しています。また、データセンターなどのデジタル基盤投資も加速しており、IT領域での大規模プロジェクト経験は高く評価されるでしょう。安定性と変革の両面を求める転職者にとって、非常に魅力的なフェーズにあります。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
「エネルギーの安定供給」という社会的使命を土台にしつつ、同社が強力に推進する「ゼロカーボンへの挑戦」や、情報通信・不動産など「非エネルギー領域での成長」への意欲を語ることが有効です。特に米国の核融合スタートアップへの出資や、海外での洋上風力開発など、既存の枠組みを超えたグローバルな視点での貢献を強調すると、現在の戦略方向性に合致しやすくなります。
面接での逆質問例
「2025年度の成長投資3,000億円において、特に私の専門領域が活かせるプロジェクトでの投資判断基準や期待される成果について伺いたいです」や、「中長期的な利益成長イメージにおいて、M&Aによる更なるアップサイドをどの程度重視し、その際の現場の実行体制はどう構築されていますか?」といった質問は、経営計画への深い理解と、自身の実戦的な姿勢を示すことができます。
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
自己啓発を支援する制度が整っている
自己啓発を支援する制度が整っており、資格取得やTOEICの高得点に対しては祝い金が支給されることもあります。オンライン研修も充実しており、スキルアップの機会は豊富です。
(40代後半・システムエンジニア・女性) [キャリコネの口コミを読む]承認プロセスが多くスピード感に欠ける
伝統的な電力事業は外部の影響を受けやすく、安定性に欠ける面があります。さらに、プロジェクトを進める際には承認プロセスが多く、スピード感に欠けることがしばしばです。これにより、効率的な進行が難しくなることがあります。
(30代前半・コンサルティング営業・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 2025年度 第2四半期(中間期) 決算説明資料
- 2026年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)



2019年より企業口コミサイト「キャリコネ」担当として、数多くの企業の口コミ情報、決算資料、中期経営計画を横断的に分析。現在はリサコ編集部長として、一次情報と現場の声を突き合わせた企業研究コンテンツの企画・編集・品質管理を統括し、転職希望者の意思決定に資する情報提供を行っている。