0 編集部が注目した重点ポイント
① 住宅事業を分社化し既存住宅市場への攻勢を強める
2025年4月1日付で、リフォームの「新築そっくりさん」と「注文住宅」の両事業を統合した新会社「住友不動産ハウジング株式会社」を設立しました。将来有望な既存住宅マーケットに対し、新体制による人的資本投資の拡充と陣容拡大を図る方針です。住宅分野でのキャリア形成を目指す求職者にとって、成長加速に向けた組織刷新は大きな魅力となります。
② インド・ムンバイへ1兆円を投じ海外収益の柱を築く
成長著しいインド市場を第2の拠点と位置付け、総額1兆円規模の投資を断行しています。ムンバイの主要エリアにおいて、東京に匹敵するプライム資産の開発を推進しており、第1号物件は来秋の竣工を予定しています。国内で培った高い開発力を海外で発揮したい専門人材にとって、スケールの大きな挑戦機会が提供されています。
③ 過去最高益の更新に伴い通期利益予想を上方修正する
オフィスビル賃貸と分譲マンションの好調を背景に、中間期の営業利益、経常利益、純利益が過去最高を更新しました。これを受け、通期の純利益予想を期初計画から50億円引き上げ2,100億円としています。業績拡大に伴い、従業員向けの勤続功労株式報酬制度を導入するなど、還元姿勢を強化している点も転職者にとって安心材料です。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結) P.1
売上高
5,322億円
△1.4%
営業利益
1,674億円
+7.4%
経常利益
1,639億円
+5.0%
中間純利益
1,183億円
+8.1%
当中間連結累計期間は、主力事業の収益性改善により、売上高が微減となったものの利益面では全指標で過去最高の更新を達成しました。特に不動産賃貸事業が既存ビルの稼働率改善により牽引し、分譲マンションの利益率向上も大きく寄与しています。自己資本比率も33.8%と健全な財務体質を維持しています。
通期予想に対する進捗率は、修正後の営業利益ベースで57%、親会社株主に帰属する当期純利益で56%に達しており、中間期として極めて順調な推移となっています。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2025年9月期 決算説明会資料 P.6
不動産賃貸事業
事業内容:東京都心を中心としたオフィスビル、高級賃貸マンション「ラ・トゥール」の管理・運営。
業績推移:営業利益1,043億円(前年同期比+107億円)。中間期の過去最高益を更新。
注目ポイント:都心5区の空室率は5.4%へ改善し、賃料増額ステージへ移行しています。東京No.1ビルオーナーとしての「ビルのデパート戦略」を掲げ、今後10年でさらに60万坪の開発を計画中。安定収益を基盤に、長期的な視点で資産価値の最大化を担うアセットマネジメント人材が必要とされています。
不動産販売事業
事業内容:分譲マンション、戸建、収益物件の企画・販売。マンション管理機能も統合。
業績推移:営業利益638億円(前年同期比+15億円)。利益率の大幅な改善が寄与。
注目ポイント:マンション分譲に加え、新たに「収益物件分譲事業」を二本目の柱に据えました。開発分譲型事業を強化する「分譲開発事業本部」を立ち上げ、2,000億円規模の非プライム資産を最有効活用する方針です。マーケットの目利き力と、高付加価値を生み出す企画力が強く求められる局面です。
ハウジング事業(住友不動産ハウジング)
事業内容:戸建リフォーム「新築そっくりさん」および注文住宅事業。2025年4月より分社化。
業績推移:営業利益3億円。建築基準法改正等の影響により期初計画比では苦戦。(注:当期より新規連結)
注目ポイント:新体制下で「既存住宅マーケット」への軸足を強めています。高断熱リフォームの普及を成長の鍵に掲げ、早期の売上3,000億円達成を目指しています。分社化により柔軟な人事制度の構築も進んでおり、施工体制の共通化や人的資本投資を加速させるためのプロフェッショナルが求められています。
ステップ事業(住友不動産ステップ)
事業内容:不動産売買・賃貸の仲介、受託販売事業。住友不動産販売より商号変更。
業績推移:営業利益112億円(前年同期比+19億円)。取扱単価の上昇が寄与。
注目ポイント:「公正で透明な取引」を掲げ、ステップオークションの浸透や店舗集約による業務効率化を推進中。中古住宅流通の増加傾向を背景に、専門人材の育成強化と人的資本の再配置を積極的に行っています。IT活用による見える化と、高い専門知識を併せ持つ人材の活躍の場が広がっています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2025年9月期 決算説明会資料 P.14
持続的成長戦略の「現在地」として、営業キャッシュフローで成長投資を賄えるステージに到達したことを強調しています。東京再開発に今後10年で2兆円を投資し、さらに60万坪の資産を積み上げる計画です。同時に、インド・ムンバイでの1兆円投資プロジェクトが本格化しており、利回り10%超の実現を目指しています。
人的資本経営においては、2027年6月の監査等委員会設置会社への移行など、ガバナンス体制の刷新を進めています。また、政策保有株を10年で4,000億円売却し、その資金を成長投資や機動的な自社株買い(今回300億円)に充当。成長と還元の両立を加速させる経営判断が示されており、変革期を支えるファイナンスや法務、経営管理の専門人材にとっても注目すべき動向です。
4 求職者へのアドバイス
「東京No.1オーナー」という圧倒的な優位性に加え、「インド1兆円投資」や「住宅事業の分社化」という大胆な経営判断への関心を軸にするのが有効です。既存の成功モデルを維持しながらも、既存住宅市場の拡大や海外成長という「新方針」に対し、自らの専門スキルがどう貢献できるかを具体的に示すことで、変革期にある組織から高く評価されるでしょう。
・「住宅事業の分社化に伴い、中途採用者へ期待される役割や評価制度にどのような変化がありましたか?」
・「ムンバイでの1兆円投資プロジェクトにおいて、国内の開発部門との技術交流や人材ローテーションはどのように行われていますか?」
・「オフィス賃貸が好調な中、あえて『収益物件分譲』を二本目の柱に据えた戦略的背景と、現場での組織体制の変更について教えてください。」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル
育児と仕事の両立を支援する制度が整う
特に、休暇の取得がしやすく、時短勤務も可能なので、子育て中の社員にとっては働きやすい環境です。 福利厚生も充実しており、産休や育休、生理休暇などがしっかりと用意されています。 全体として、柔軟な働き方をサポートする体制が整っていると感じます。
(40代後半・人事・男性) [キャリコネの口コミを読む]利益を重視する姿勢が強く求められる
利益を重視する姿勢が強く求められる環境で、時にはその追求が過剰に感じられることもあります。
(40代前半・コンサルティング営業・女性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 住友不動産株式会社 2026年3月期 第2四半期(中間期)決算短信
- 住友不動産株式会社 2025年9月期 決算説明会資料



2019年より企業口コミサイト「キャリコネ」担当として、数多くの企業の口コミ情報、決算資料、中期経営計画を横断的に分析。現在はリサコ編集部長として、一次情報と現場の声を突き合わせた企業研究コンテンツの企画・編集・品質管理を統括し、転職希望者の意思決定に資する情報提供を行っている。