京成電鉄の転職研究 2026年3月期2Q決算に見るキャリア機会

京成電鉄の転職研究 2026年3月期2Q決算に見るキャリア機会

京成電鉄の2026年3月期2Q決算は、新京成電鉄との統合や成田空港需要の回復により売上高が4.2%増。イオンや京急との提携、不動産投資の拡大など、「体質変革期」として非鉄道事業を強化中です。「なぜ今、京成なのか?」「転職希望者がどの事業で、どんな役割を担えるのか」を整理します。


0 編集部が注目した重点ポイント

新京成電鉄の吸収合併と事業再編を推進する

2025年4月1日付で完全子会社であった新京成電鉄を吸収合併し、旧新京成線は「松戸線」として営業を開始しました。加えて、バス・タクシー・茨城県下事業において中間持株会社体制へ移行するなど、大規模な経営体制の刷新を断行。組織統合に伴うシステム改修や人的投資が活発化しており、グループ全体のシナジー創出を担う中核人材のキャリア機会が拡大しています。

他社との戦略的提携で非鉄道事業を強化する

2024年10月のイオン(株)との資本業務提携に続き、2025年10月には京浜急行電鉄(株)との共同検討を開始しました。イオン藤沢店の店舗建替や複合開発など、沿線外エリアでの不動産開発に注力。鉄道運行システム(無人化・自動運転)の共同研究も進めており、異業種・同業他社との連携による新規ビジネスやテクノロジー活用を推進できる専門職の需要が高まっています。

成田空港の機能強化に向け輸送力を増強する

成田空港の2028年度末の発着容量50万回化に向け、新型有料特急車両の導入や宗吾車両基地の拡充工事を推進しています。当中間期の成田空港発着の旅客運輸収入は前年同期比8.6%増と好調。インバウンド需要の長期的な増加を確実に取り込むべく、空港アクセス強化に特化したマーケティングやインフラ整備、サービス企画に携わるフィールドが大きく広がっています。

1 連結業績ハイライト

インバウンド需要の増加と不動産業の好調により営業収益は4.2%増。人的投資等の先行費用を吸収し、純利益は二桁増を達成しました。
2026年3月期 第2四半期 連結損益計算書サマリー

出典:2026年3月期 中間期決算説明会 P.2

営業収益

1,646億円

+4.2%

営業利益

208億円

-5.8%

中間純利益

237億円

+10.4%

2026年3月期の中間連結決算は、営業収益が1,646億28百万円(前年同期比4.2%増)と増収を確保しました。成田空港輸送の増加やインバウンド需要の着実な取り込み、不動産分譲住宅の引き渡しなどが寄与しています。営業利益は208億2百万円(同5.8%減)となりましたが、これは将来の成長に向けた人的投資(人件費増)や、新京成電鉄の吸収合併および事業再編に伴う一時的な費用増を織り込んだ結果です。

通期業績予想に対する進捗率は、営業収益で49.6%、営業利益で66.9%と極めて順調に推移しています。当初計画を上回る進捗を見せており、経営体制の刷新という過渡期にありながら、既存事業の収益力は非常に堅固であると評価できます。純利益については持分法投資利益の増加等により増益を達成しており、財務基盤の健全性も維持されています。

2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド

運輸・不動産の「2つの柱」を中心に、インバウンドと沿線活性化を軸とした多角的な事業展開が加速しています。
主要セグメントの輸送実績推移

出典:2026年3月期 中間期決算説明会 P.6

運輸業

事業内容:鉄道(京成電鉄、松戸線)、バス(京成バス等)、タクシー事業を包括。

業績推移:収益1,019億円(+4.3%)、利益122億円(-15.7%)。成田空港輸送は前年比9.8%増。

注目ポイント:新京成電鉄の吸収合併による組織基盤の拡大に加え、京急電鉄との次世代運行システム共同開発など、テクノロジーによる効率化を急いでいます。人手不足解消に向けた自動運転やAI活用を推進できる、IT・技術系人材への期待が極めて高い状況です。

注目職種:鉄道・バス運行システム開発、海外向けプロモーション企画、運輸DX推進

流通業

事業内容:京成ストア、水戸京成百貨店、コミュニティー京成等の店舗運営。

業績推移:収益296億円(+3.5%)、利益1億円(-33.1%)。マツモトキヨシ新店などが寄与。

注目ポイント:既存店が堅調に推移する一方、原材料・人件費の高騰が課題です。百貨店の大規模リニューアルや「AEON Pay」の導入など、顧客利便性と運営効率の向上を両立させる店舗運営・MD戦略のプロフェッショナルが求められています。

注目職種:店舗開発・運営管理、流通系マーケティング、小売DXマネジャー

不動産業

事業内容:沿線および都内での賃貸・分譲マンション「サングランデ」開発・管理。

業績推移:収益186億円(+14.2%)、利益64億円(+12.5%)と過去最高の成長

注目ポイント:「第2の柱」としてD2プランで3年累計900億円の投資を計画。都内での賃貸物件取得やイオンとの沿線外開発(藤沢店等)を積極的に推進しています。鉄道事業に依存しない収益構造への転換を主導する、不動産投資・開発のスペシャリストにとって最高の挑戦環境です。

注目職種:不動産開発・アセットマネジャー、街づくりプロジェクト、建築施工管理

レジャー・サービス業・建設業・他

事業内容:ホテル(リッチモンド等)、バラ園、筑波観光鉄道、建設事業。

業績推移:建設業が建築工事の増加により収益18.4%増、利益13.2%増と大幅成長。

注目ポイント:レジャー部門では訪日外国人向け営業を強化し、建設部門では鉄道施設改良工事に加えグループ外受注も拡大。インバウンドとインフラ更新という、確実な外部需要を背景にした堅実なキャリア構築が可能です。

注目職種:ホテルマネジメント、土木・建築施工技術者、バラ園等イベント企画

3 今後の見通しと採用の注目点

「D2プラン」のもと、空港アクセス強化と外部環境への耐性強化を同時並行で進める「体質変革期」にあります。
中期経営計画 D2プラン概要

出典:2026年3月期 中間期決算説明会 P.15

中期経営計画「D2プラン」は、2025年度から2027年度を「体質変革期」と位置づけ、空港アクセス強化と非鉄道事業の成長を両輪で進めています。質疑応答資料によれば、下期の営業利益計画は約100億円と保守的に見えるものの、これは人材確保に伴う賃金引き上げや、鉄道事業の線路使用料増加といった恒常的な費用増を織り込んだもの。質の高い人材を確保するために処遇改善を行う姿勢は、求職者にとって大きな魅力となります。

また、資産の最適化についても「質疑応答で言及」されています。2025年1月の株式分割実施に加え、配当性向30%以上を目安とするなど株主還元を強化。M&Aや事業再編による効率化が利益貢献を始めており、オーガニックな成長と資本効率の向上を同時に追求する、攻めの経営フェーズに移行しています。

4 求職者へのアドバイス

HINT

志望動機のヒント

「伝統的なインフラ企業の変革期」に貢献したいという姿勢が評価されます。特に新京成電鉄の統合や、イオン、京急といった他社との提携を材料に、「組織の壁を越えた連携」や「非鉄道事業での収益基盤構築」に自身のスキル(営業、IT、企画、開発等)がどう役立つかを言語化しましょう。人への投資を強化している今こそ、チャレンジ精神を持った専門人材であることをアピールするのが効果的です。

Q&A

面接での逆質問例

「京浜急行電鉄との運行システム共同開発において、現場レベルで解決すべき技術的・組織的な課題は何ですか?」
「新京成電鉄との統合(松戸線)を経て、グループ全体の人材交流や研修プログラムは具体的にどう進化させていく方針ですか?」
「不動産部門でのイオン藤沢店再開発のような沿線外プロジェクトにおいて、中途採用者に最も期待される役割は何ですか?」

5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)

決算資料や公式発表だけでは見えにくい、現場で働く社員・元社員の実体験(口コミ)を、転職判断の参考となるよう編集部で選定しています。
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お給料に反映されるので不満はない

働いた分に応じてきちんとお給料に反映されるので不満はない。査定についても、スピードは早くないもののある程度は経験年数によって上がっていくので生活設計は比較的たてやすい方だと思われる。

(20代後半・物流サービス・男性) [キャリコネの口コミを読む]
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カレンダー通りの休みはない

駅での仕事はシフト勤務なのでカレンダー通りの休みはありません。残業もやりたい人とやりたくない人に分かれるのでやりたい人は月に80時間位、やらない人は全くしません。カレンダー通りの休みではないので友人と遊びに行ったりといった事は難しくなりますが

(40代前半・物流サービス・男性) [キャリコネの口コミを読む]

※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。

使用した主な公開資料

  • 京成電鉄株式会社 2026年3月期 第2四半期(中間期)決算短信
  • 京成電鉄株式会社 2026年3月期 中間期決算説明会資料
  • 京成電鉄株式会社 2025年度(2026年3月期) 中間期決算説明会における主な質疑応答

この記事の執筆者

2019年より企業口コミサイト「キャリコネ」担当として、数多くの企業の口コミ情報、決算資料、中期経営計画を横断的に分析。現在はリサコ編集部長として、一次情報と現場の声を突き合わせた企業研究コンテンツの企画・編集・品質管理を統括し、転職希望者の意思決定に資する情報提供を行っている。

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