高砂熱学工業の転職研究 2026年3月期2Q決算に見るキャリア機会

高砂熱学工業の転職研究 2026年3月期2Q決算に見るキャリア機会

高砂熱学工業の2026年3月期2Q決算は、売上高・各段階利益ともに過去最高を更新。産業系工場の旺盛な需要と、タイでのM&Aによる海外強化がトピックです。「なぜ今、高砂熱学なのか?」「施工DXや環境事業でどんな役割を担えるのか」を整理します。


0 編集部が注目した重点ポイント

独自の施工改革で売上総利益率が過去最高を更新

単体において蓄積してきた設計・施工ノウハウを活用し、生産性向上と採算改善を徹底した結果、第2四半期時点の売上総利益率は過去最高の25.9%に達しました。特に産業系の大型工場建設工事が順調に進捗しており、付加価値の高い施工体制が業績を強力に牽引しています。

タイの設備会社2社を新規連結し海外展開を加速

2025年6月にタイのTHS INNOVATIONS CO., LTD.およびPROMPT TECHNO SERVICE CO., LTD.の株式を取得し、当第2四半期より新規連結を開始しました。これにより東南アジア圏での保守・サービス体制が強化され、グローバル領域でのキャリア機会が大きく拡大する構造的変化が生じています。

通期予想の上方修正と累進配当の導入を決定

良好な受注環境と施工効率化の成果を踏まえ、通期の業績予想を全段階利益で上方修正しました。あわせて、配当性向40%を目途に利益成長に応じて配当を増やす「累進配当」を基本方針に据えており、株主還元姿勢を明確に打ち出すなど、経営基盤の安定性がさらに高まっています。

1 連結業績ハイライト

売上高・各段階利益ともに第2四半期として過去最高を更新し、極めて好調な決算となりました。
連結業績サマリー

出典:2025年度 第2四半期 決算説明資料 P.3

売上高

1,945億円

+21.6%

営業利益

246億円

+152.4%

中間純利益

202億円

+146.6%

当中間連結会計期間の売上高は1,945億円となり、前年同期比で大幅な増収を記録しました。特に営業利益は152.4%増と劇的な伸びを見せており、これは単体工事における徹底した採算改善と効率的な施工体制の構築が結実したものです。受注高も2,181億円と高水準を維持しており、将来の売上の源泉となる繰越高も4,000億円規模に積み上がっています。

通期計画に対する売上高の進捗率は46.2%となっています。一見すると半分を下回っていますが、産業系の大型物件が順調に進捗していることや、例年下期に完工が集中する業界特性、および10月に通期予想を上方修正している事実を踏まえると、業績は極めて「順調」に推移していると評価できます。

2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド

産業系空調の好調と海外拠点の拡充により、エンジニアから管理部門まで幅広い職種でチャンスが広がっています。
国際事業の状況

出典:2025年度 第2四半期 決算説明資料 P.8

設備工事事業(国内)

事業内容:オフィスビルや工場の空調設備設計・施工。リニューアル工事も含むコア事業。

業績推移:売上高1,908億円(+22.1%)、セグメント利益244億円(+155.1%)。

注目ポイント:半導体や電子部品などの産業系工場建設が極めて旺盛です。特に「T-Base」を活用したオフサイト施工の推進により、現場の労務負荷を大幅に軽減しながら施工能力を拡大しています。DXを活用した次世代の施工管理手法を身につけたいエンジニアにとって、理想的な環境が整っています。

注目職種:施工管理、設備設計、DX推進スタッフ

設備工事事業(海外)

事業内容:東南アジア、中国、インド等での空調設備工事。日系企業の海外進出をサポート。

業績推移:現地法人売上高347億円(+9.5%)。シンガポール、タイが牽引。

注目ポイント:インドでの電池・製薬関連案件が急増しており、受注高は17.7%増と好調です。タイでのM&Aによる2社の連結化(2025年6月)により、現地での保守サービス機能が強化されました。グローバルなプロジェクトマネジメントに携わりたい人材にとって、フィールドは急速に拡大しています。

注目職種:海外施工管理、プロジェクトマネジャー、海外拠点管理

設備機器の製造・販売事業

事業内容:クリーンルーム向け周辺機器や空調関連機器の開発・製造・販売。

業績推移:売上高39億円(+3.2%)、営業利益1.7億円(+38.0%)。

注目ポイント:「TCR-SWIT」など、独自のクリーンルーム技術を核とした製品展開を行っています。施工事業と連携したソリューション提案が強みであり、R&D(研究開発)と製造の両面から、最先端のモノづくりに関わることができます。

注目職種:機械設計、技術開発、法人営業

3 今後の見通しと採用の注目点

カーボンニュートラルや宇宙開発など、既存の空調の枠を超えた新領域への挑戦が始まっています。
中期経営計画KPI

出典:2025年度 第2四半期 決算説明資料 P.17

今後の成長の鍵を握るのは、脱炭素社会に向けた「環境クリエイター」としての取り組みです。キリンビール北海道千歳工場への大型水素製造装置の納品(2025年10月)や、未利用排熱を活用する「メガストック」の実証試験など、グリーンエネルギー供給事業の社会実装が加速しています。

また、宇宙・月面開発分野においても、ispaceへの出資を通じて月面での水素・酸素生成に挑戦するなど、中長期的な市場獲得を見据えた事業開発を継続しています。施工現場では、資機材管理システムとタグを連動させた情報の「見える化」を推進しており、建設DXの最前線でキャリアを築きたい人材にとって、魅力的なマイルストーンが次々と設定されています。

4 求職者へのアドバイス

HINT

志望動機のヒント

同社は従来の「下請け的な設備工事」から脱却し、元請比率を54.0%まで高めるなど、顧客のパートナーとしての地位を確立しています。特に「T-Base」による施工改革や水素関連の新規事業など、技術で業界を変える姿勢に共感することを伝えると、高い評価につながるでしょう。

Q&A

面接での逆質問例

・「タイでのM&Aやインドでの事業拡大など海外展開が加速していますが、グローバル人材に期待される役割を教えてください」
・「T-BaseなどのDX推進により現場の働き方はどう変化し、若手や中途採用者にどのようなスキルアップを期待されていますか」

5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)

決算資料や公式発表だけでは見えにくい、現場で働く社員・元社員の実体験(口コミ)を、転職判断の参考となるよう編集部で選定しています。
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出産後も働く女性がほとんど

出産後も働く女性がほとんど。技術職では本社や支店、設計や見積などの部署へ異動希望を出せば通る印象がある。内勤職は元々女性の割合が高いので理解を得やすい。子供が小3まで時短している方も多い。

(30代前半・経理・女性) [キャリコネの口コミを読む]
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新たな風習は受け入れられない感じ

社風は古くから、30年前?の風習が残っていて、新たな風習は受け入れられない感じ。ローカルルールは社内のルールが多い。それを知ってて周りに教育してきた人もいれば、知らない人もいる。

(30代後半・プラント施工管理・男性) [キャリコネの口コミを読む]

※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。

使用した主な公開資料

  • 高砂熱学工業株式会社 2026年3月期 第2四半期決算短信
  • 高砂熱学工業株式会社 2025年度 第2四半期 決算説明資料

この記事の執筆者

2019年より企業口コミサイト「キャリコネ」担当として、数多くの企業の口コミ情報、決算資料、中期経営計画を横断的に分析。現在はリサコ編集部長として、一次情報と現場の声を突き合わせた企業研究コンテンツの企画・編集・品質管理を統括し、転職希望者の意思決定に資する情報提供を行っている。

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