0 編集部が注目した重点ポイント
① 上期累計の事業利益が過去最高益を更新する
2026年3月期の上期実績において、売上高は前年比+5.7%の7,226億円、事業利益は前年比+34.1%の363億円に到達しました。豪州産牛肉の好調な販売環境や国産鶏肉の単価上昇に加え、ボールパーク事業への堅調な来場者数が収益を強力に牽引しており、1Qに続き過去最高益を達成しています。
② 海外事業本部を廃止し二事業本部体制へ刷新する
2025年4月より「海外事業本部」を廃止し、加工・食肉の各事業本部が海外拠点を管轄する二事業本部体制への組織再編を断行しました。これにより、国内で培ったノウハウと海外事業のスピード感を融合させる体制を構築。グローバル展開を目指す転職者にとって、各事業の専門性を持ちながら海外市場へ挑戦できるキャリア機会が拡大しています。
③ 通期業績予想を大幅に上方修正する
上期の好調な推移を受け、通期の事業利益予想を当初の540億円から590億円(前年差+165億円)へ上方修正しました。豪州事業の生産頭数拡大や生産性向上、ボールパーク事業の利益伸長が寄与する見込みです。国内加工事業ではDX・IT関連コストの前倒し計上等による計画見直しはあるものの、構造改革による利益確保を掲げています。
1 連結業績ハイライト
出典:決算説明会資料 P.4
※事業利益 = 売上高から売上原価、販売費及び一般管理費を控除し、当社グループが定める為替差損益を加味するとともにIFRS会計基準への調整及び非経常項目を除外して算出
2026年3月期上期は、外部要因として食肉事業における国産鶏肉市況の継続的な好調と豪州産牛肉の販売環境改善が追い風となりました。内部要因では、豪州のブランド牛肉拡大やボールパークでのチケット・飲食・グッズ収入の拡大が利益伸長に大きく寄与しています。ROEは4.4%(前年差+1.0%)、ROICは3.2%(前年差+0.8%)と共に向上しており、経営効率の改善も進んでいます。
通期予想の事業利益590億円に対し、上期累計の進捗額は363億円となり、進捗率は約61.5%と極めて高い水準にあります。通期利益予想の上方修正も行われており、業績の推移は順調であると評価できます。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:決算説明会資料 P.8
加工事業本部
事業内容:国内・海外におけるハム・ソーセージ、加工食品、乳製品の製造・販売を担う中核部門。
業績推移:売上高2,582億円(前年比2.3%減)、事業利益22億円(前年比52.7%減)。(注:2025年4月に旧海外事業本部の加工関連子会社を統合)
注目ポイント:北米での鶏肉価格高騰や工場稼働率の低下により減益となりましたが、国内では製造ライン数削減や高収益商品へのミックス改善が進行。ベトナムでのシャウエッセン製造開始など、グローバルブランド化に向けた供給体制の再構築が進んでいます。DX投資によるシステム刷新と製造現場の効率化を両立できる人材が求められています。
食肉事業本部
事業内容:国内・海外における食肉(牛・豚・鶏)の生産、肥育、加工、販売を一気通貫で展開。
業績推移:売上高5,067億円(前年比5.9%増)、事業利益276億円(前年比53.0%増)。
注目ポイント:豪州事業が前年比約3.9倍の事業利益77億円と爆発的に成長。フィードロット(肥育施設)拡充による生産頭数拡大と生産性向上が奏功しました。国内でも国産鶏肉の相場高騰を背景に生産部門で増益を確保。為替や市況変動に左右されないバリューチェーンの最適化を推進しており、国際的な調達・販売戦略を担える専門人材の重要性が高まっています。
ボールパーク事業
事業内容:プロ野球「北海道日本ハムファイターズ」の興行、球場運営、Fビレッジのマネジメント。
業績推移:売上高228億円(前年比16.5%増)、事業利益91億円(前年比28.9%増)。
注目ポイント:チームの好成績を背景に公式戦の観客動員数が過去最高を記録。非試合日の来場者も117万人(前年比+8万人)と拡大し、チケット・グッズ・飲食収入が三位一体で伸長しています。単なる興行にとどまらず、地域開発や観光コンテンツとしての価値向上に向けた投資を継続。エンターテインメントと不動産・地域開発を横断する複合的なビジネスプロデュースの経験者が活躍できる領域です。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:決算説明会資料 P.16
今後の成長戦略として、食肉事業では豪州における生産頭数拡大と生産性向上を継続。加工事業では、構造改革に伴う固定資産の減損損失約54億円を計上予定ですが、これは来期以降の収益性改善に向けた必要なステップとされています。
特に注目すべきは、DX・IT関連コストの戦略的な前倒し計上です。これにより、国内加工事業の営業体制を迅速に再構築し、消費環境の変化を捉えるスピードを向上させる方針です。また、海外展開ではベトナムを皮切りにインドネシア、タイでの展開を模索しており、海外事業の拡大を担うプロフェッショナルの採用意欲が高まっています。ボールパーク事業でも、JR新駅開業を見据えたさらなる成長投資を計画しており、持続的な価値向上に期待がかかります。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
「国内No.1の食肉供給インフラ」という強みに加え、豪州事業やベトナムでの製造開始といったグローバルな挑戦を志望動機の軸に据えるのが有効です。また、現在進行中の国内加工事業の構造改革やDX推進に自身の専門スキル(生産性向上、IT導入、組織変革など)をどう活かせるかを具体的に語ることで、即戦力としての期待値を高められます。
面接での逆質問例
・「海外事業本部を廃止し、各事業部が海外を直接管轄する新体制となりましたが、現場の意思決定スピードや国内との連携にどのような変化が生じていますか?」
・「国内加工事業で製造ラインの削減とDX投資を並行されていますが、現場のオペレーションにおいて最も期待されている変革は何でしょうか?」
・「ボールパーク事業で非試合日の来場者数をさらに伸ばすための、新たなコンテンツ戦略の展望について伺いたいです。」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
報酬は食品メーカーの中でも5本の指に入る
報酬は食品メーカーの中でも5本の指に入るくらいの高待遇で不満は一切ありません。残業代は分単位ででるし、家賃も8割ほど会社が見てくれます。
(30代前半・ルートセールス・男性) [キャリコネの口コミを読む]他社と差別化を図ることに苦慮している
加工肉市場自体がかなり煮詰まってきているので、安心・安全・美味しいは当たり前の時代で他社と差別化を図ることに苦慮している。
(30代前半・ルートセールス・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 日本ハム株式会社 2026年3月期 第2四半期決算短信〔IFRS〕(連結)
- 日本ハム株式会社 2026年3月期 第2四半期決算説明会資料



2019年より企業口コミサイト「キャリコネ」担当として、数多くの企業の口コミ情報、決算資料、中期経営計画を横断的に分析。現在はリサコ編集部長として、一次情報と現場の声を突き合わせた企業研究コンテンツの企画・編集・品質管理を統括し、転職希望者の意思決定に資する情報提供を行っている。