0 編集部が注目した重点ポイント
① 2025年7月に株式会社エス・イー・アールを連結子会社化する
新たな成長ドライバーの構築を目的に、2025年7月、半導体テスト製品の製造・販売事業を展開する株式会社エス・イー・アールを連結子会社化しました。これにより半導体関連分野でのキャリア機会が拡大する可能性があります。前年同期は未連結のため単純比較はできませんが、事業領域の戦略的な拡大を示す重要な構造的変化です。
② 一般産機市場の回復により通期の業績予想を上方修正する
当初の想定を上回る一般産業向けビジネスの回復と為替動向を反映し、2026年3月期の通期売上収益予想を2,000億円(前回発表比90億円増)へ引き上げました。特に産業機器分野での物量増が牽引しており、特定市場での競争力が強化されています。営業利益も400億円へと上方修正され、成長投資を継続できる財務基盤を維持しています。
③ 材料費高騰や人件費増に対し物量増と高付加価値化で対応する
金属材をはじめとする材料費や人件費、設備投資に伴う減価償却費の増加が利益の押し下げ要因となりましたが、営業利益率20.1%を確保しています。スマートフォン市場での価格対応等の影響を、産業用機器や自動車用機器市場でのシェア拡大で補う構造となっており、高度化する市場ニーズへの迅速な開発体制が功を奏しています。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年3月期 第2四半期決算説明会 P.3
2026年3月期第2四半期(累計)の業績は、売上収益が過去最高の1,020億円に到達しました。産業用機器市場向けが回復トレンドを維持し、自動車関連も堅調に推移したことが増収に寄与しています。一方で利益面では、金属材料費や人件費の増加、および生産設備増強に伴う償却費の発生により、営業利益は前年同期を下回りました。
修正後の通期売上収益予想2,000億円に対する中間期の進捗率は51.0%となっており、業績の進捗は順調と評価できます。一般産機分野での期初計画を上回る進捗を受け、通期の各利益項目も上方修正されており、下期に向けてさらなる成長が期待される状況です。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年3月期 第2四半期決算説明会 P.24
一般産機
事業内容:FA機器、医療機器、計測・制御機器等の産業用機器向けコネクタを提供。2025年7月より半導体テスト製品事業も含む。
業績推移:売上収益285億円(前年同期比+26%)。構成比は29%まで拡大。
注目ポイント:回復トレンドが継続しており、期初予想を大幅に超える水準で推移しています。新子会社エス・イー・アールの技術を融合し、半導体市場でのソリューション提供を強化中。高度な技術営業やフィールドアプリケーションエンジニアの需要が高まっています。
自動車・モビリティ関連
事業内容:カーエレクトロニクス、EV/HEVパワートレイン部品向け高電圧コネクタ等を展開。
業績推移:売上収益265億円(前年同期比+8%)。構成比26%。
注目ポイント:「ZE150HVシリーズ」がCES Innovation Awards 2026を受賞するなど、製品力が世界的に評価されています。電動化に伴う高電圧・大電流対応のニーズが急増しており、車載品質基準に精通した設計・品質保証人材の重要性が増しています。
スマートフォン・携帯端末
事業内容:スマートフォン、タブレット、ウェアラブル端末向けの超小型・薄型コネクタを供給。
業績推移:売上収益226億円(前年同期比-3%)。構成比23%。
注目ポイント:物量は想定通り推移していますが、特定顧客向けの価格調整が収益に影響しました。一方で、高度な実装技術や省スペース化への要求は依然として高く、先行開発での差異化が求められるフィールドです。スピード感のある製品開発経験が活かせます。
地域別分析(全地域網羅)
事業内容:日本、中国、韓国、およびその他(欧米・東南アジア等)でのグローバル展開。
業績推移:中国が38.0%と最大。日本16.5%、韓国17.4%、その他28.1%。
注目ポイント:「その他」地域が28.1%へ伸長しており、欧米等での事業拡大が加速しています。中国では不動産市場の影響で不透明感が残るものの、韓国や日本国内では底堅く推移。グローバルなSCM(サプライチェーン管理)や海外拠点管理のスキルが非常に重視されています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年3月期 第2四半期決算短信 P.5
ヒロセ電機は、一般産業向けビジネスの力強い回復を受け、2026年3月期の通期売上収益を前回予想から90億円上方修正しました。特に一般産機分野では、当初の7%増予想から23%増へと大幅に上方修正しており、市場シェアの拡大が顕著です。
経営陣は、材料費高騰や為替変動、人件費増といった外部コスト要因を認めつつも、物量増と高付加価値新製品の投入でこれらを克服する方針です。3年に1度の「ヒロセ技術展 CONNECTION2025」が盛況に終わるなど、顧客との共創による課題解決型ソリューションの提供が今後の成長の鍵となります。電動化や半導体テスト分野など、新たな技術領域での専門人材採用がさらに活性化すると予想されます。
4 求職者へのアドバイス
志望動機では、同社の強みである「先行・先端・差異化」の製品開発力に注目してください。特に、2025年7月に完了した半導体テスト事業の連結子会社化や、CESでのアワード受賞に見る車載・モビリティ分野への挑戦は、新しいキャリアを築く上で強力な訴求ポイントになります。
「一般産機市場の好調を背景に、半導体テスト分野とのシナジーをどのように具体化していく計画ですか?」や、「材料費や人件費の増加を高付加価値製品の価格転嫁や設計合理化でどうカバーしていく方針ですか?」といった質問は、経営課題への深い理解を示せる有効な逆質問となります。
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
若手のころから大手の担当を任せてもらえる
営業では若手のころから大手の担当を任せてもらうこともでき、仕事のやりがいはある。横浜に他部署が集まっており、部署をまたいでの打ち合わせもしやすい環境にある。
(30代後半・海外営業・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料:
- 2026年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔IFRS〕(連結)
- 2026年3月期 第2四半期決算説明会資料



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