京浜急行電鉄の転職研究 2026年3月期2Q決算に見るキャリア機会

京浜急行電鉄の転職研究 2026年3月期2Q決算に見るキャリア機会

京浜急行電鉄の2026年3月期2Q決算は、交通・レジャー事業が好調で通期予想を上方修正。不動産子会社の買収や1,570億円の融資、高輪の大規模開発など、構造改革が加速しています。「なぜ今、京急なのか?」、転職希望者が不動産回転型ビジネスや都市開発で担える役割を整理します。


0 編集部が注目した重点ポイント

不動産事業の強化に向け投資用マンション会社を取得する

2025年11月に、横浜・川崎エリアで投資用マンションを展開する株式会社グリップの全株式を取得し、連結子会社化することを決定しました。これにより、在庫回転の速い分譲事業の強化と安定的な管理報酬の獲得を目指します。不動産回転型ビジネスへの転換を加速させる、転職者にとっても事業領域拡大の大きなチャンスです。

大規模開発資金として1,570億円の融資契約を締結する

品川駅西口地区の開発資金として、2025年10月に1,570億円のシンジケートローン契約を締結しました。これは2029年度開業予定の「高輪3丁目地区開発」に向けた重要な資金確保であり、グループの命運を懸けた巨大プロジェクトが本格始動しています。都市開発や不動産金融の専門知見を持つ人材の活躍の場が広がっています。

2035年度の温室効果ガス削減目標を70%へ上方修正する

鉄道全線での再エネ由来電力への切り替えが完了したことを受け、中間目標を従来の30%削減から70%削減(2019年度比)へと大幅に上方修正しました。サステナビリティ推進を経営の核心に据え、EVバスの導入や森林プロジェクトも推進。環境意識の高い求職者にとって、先進的な取り組みに携われる環境が整っています。

1 連結業績ハイライト

交通・レジャー事業が力強く牽引。品川の用地譲渡による特別利益もあり、通期利益予想を大幅に上方修正しました。
連結決算実績概要

出典:2026年3月期第2四半期(中間期) 決算説明会資料 P.4

営業収益 1,425億円 +1.1%
営業利益 185億円 -2.3%
中間純利益 152億円 +11.7%

中間期の売上高にあたる営業収益は1,425億円となり、前年同期を上回る結果となりました。営業利益は前年の事業用地売却の反動により微減したものの、当初予想を20億円上振れて着地しています。特筆すべきは純利益で、品川駅西口の用地譲渡に伴う特別利益53億円を計上したことで大幅な増益を達成しました。

修正後の通期利益予想310億円に対し、上期終了時点での営業利益進捗率は59.8%となっており、業績は順調に推移しています。下期の費用消化を織り込んでも、なお好調な基調を維持しています。

2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド

羽田空港輸送が好調な交通事業に加え、ビジネスホテル業が大幅な増益を達成。各セグメントで専門性を活かせる局面が増えています。
セグメント別実績

出典:2026年3月期第2四半期(中間期) 決算説明会資料 P.7

交通事業

事業内容:鉄道、バス、タクシーを運営。京急線全線での再エネ由来電力導入など環境対策も先行。

業績推移:営業収益 609億円(+2.7%)、営業利益 118億円(+1.3%)。羽田空港輸送が好調を維持。

注目ポイント:羽田空港2駅の輸送人員が前年比7.1%増と伸びており、空港アクセスの利便性向上が成長の鍵。バス事業でも運賃改定の効果が現れています。2025年10月からは京成電鉄との運行共通化に向けた共同検討も開始しており、広域的な輸送インフラの再構築を主導できる人材が求められています。

注目職種:ダイヤ改正・輸送計画、鉄道運行管理、MaaS企画

不動産事業

事業内容:マンション分譲などの販売業と、横浜シンフォステージ等のオフィス・商業施設を運営する賃貸業。

業績推移:営業収益 192億円(-18.9%)、営業利益 15億円(-54.1%)。前年の反動が影響。

注目ポイント:短期的には減益ですが、賃貸マンション用地の取得や私募リート組成の準備を着々と進行中。2025年10月にはAM会社を「京急SMTBアセットマネジメント」へ商号変更し、三井住友信託銀行グループとの連携を強化しました。2026年度のリート運用開始に向け、不動産証券化や資産運用のプロフェッショナルには最適なフィールドです。

注目職種:アセットマネージャー、用地仕入、開発推進

レジャー・サービス事業

事業内容:ビジネスホテル「京急EXホテル・EXイン」の運営およびボートレース等のレジャー施設運営。

業績推移:営業収益 173億円(+14.7%)、営業利益 35億円(+57.2%)と絶好調。

注目ポイント:国内・インバウンド需要の増加により平均客室単価が上昇し、稼働率も90.3%と高水準。今後はビジネス中心からレジャー・インバウンド向け客室構成への転換を加速させます。三浦半島エリアでは三井不動産と協定を結び、油壺エリアのリゾート開発も推進。ホテル経営の改革を担う人材のニーズが高まっています。

注目職種:レベニューマネジメント、ホテル開発、リゾート企画

流通事業

事業内容:百貨店、ショッピングセンター(SC)、スーパーマーケット「京急ストア」の運営。

業績推移:営業収益 417億円(+6.5%)、営業利益 11億円(+19.9%)。

注目ポイント:スーパーマーケット業では既存店の客数が好調。百貨店・SC業では専門店化の推進による人件費の減少などで利益率が改善しています。地域密着型の店舗運営から、デジタルを活用した購買体験のアップデートなど、小売業の変革を志す人にとって魅力的なフェーズです。

注目職種:MD(マーチャンダイザー)、店舗開発、販促企画

その他

事業内容:建設、土木、電気設備工事、ビル管理業務、鉄道用機器の修理など。

業績推移:営業収益 183億円(+8.0%)、営業利益 4億円(-9.1%)。

注目ポイント:完成工事高の増加により増収を確保。自動車学校事業の譲渡による利益減はありましたが、建物総合管理事業の好調が利益を下支えしています。グループの大規模開発を影で支える技術者集団として、安定した受注基盤があるのが強みです。

注目職種:建築・電気施工管理、ビルメンテナンス、設備保全

3 今後の見通しと採用の注目点

品川・高輪の再開発が本格化。2029年度の開業に向け、リーシングやエネルギー供給などの新事業も動き出しています。
通期業績予想修正

出典:2026年3月期第2四半期(中間期) 決算説明会資料 P.22

通期の営業利益予想を310億円に引き上げるなど、業績見通しは明るいものです。特に「高輪3丁目地区開発」では、オフィスリーシングが順調で、高水準の賃料でも強い需要を確認しています。また、東京ガスとの共同出資により「京急TGエナジーコネクト」を設立し、再開発地区へのエネルギー供給という新たなインフラビジネスにも着手しました。

不動産事業では株式会社グリップの取得により、横浜・川崎エリアでの「投資用マンション販売から管理までの一貫体制」を構築。従来の鉄道会社としての枠を超え、資産価値を最大化する「不動産回転型ビジネス」へのシフトが急務となっており、金融や不動産開発のプロフェッショナル採用がさらに加速する見込みです。

4 求職者へのアドバイス

HINT

志望動機のヒント

「交通事業を基盤としつつ、不動産回転型ビジネスへの構造改革に挑戦している点」に触れるのが有効です。特に高輪3丁目開発やリート組成など、攻めの投資フェーズにあることを理解し、自身の専門性がどう貢献できるかを語りましょう。また、カーボンニュートラル目標の70%削減など、社会的責任の果たし方に共感を示すのも好印象です。

Q&A

面接での逆質問例

「三井住友信託銀行グループ等との外部連携が強化されていますが、中途採用者が異なる文化を融合させる上で期待されている役割は何ですか?」や、「2029年度開業の高輪3丁目開発において、現在のリーシング好調を他エリアの価値向上にどう波及させていく計画ですか?」など、未来志向の質問が効果的です。

5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)

決算資料や公式発表だけでは見えにくい、現場で働く社員・元社員の実体験(口コミ)を、転職判断の参考となるよう編集部で選定しています。
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福利厚生面は満足

福利厚生においては京急グループにおけるホテルが割引があったり、社パスで品川、横浜、羽田空港に行けるのはいい。バスも乗れる。スーパー銭湯や温泉に力を入れており、それが割引で利用できるのは、仕事の疲れを癒すのにちょうど良い。他にも、連携している飲食店などで特典を受けられたり、ヨドバシカメラでのポイント還元率が12%だったり福利厚生面は満足。

(20代前半・物流サービス・男性) [キャリコネの口コミを読む]
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とにかく保守的である

とにかく保守的である。新しいものに取り組もうとする際、必ずといっていいほど前例踏襲型になる。また意思決定スピードも遅く、業界全体が危機に瀕している現状でも緊張感が全く感じられない。

(30代前半・その他・男性) [キャリコネの口コミを読む]

※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。

使用した主な公開資料

  • 京浜急行電鉄株式会社 2026年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)
  • 京浜急行電鉄株式会社 2026年3月期 第2四半期(中間期) 決算説明会資料

この記事の執筆者

上場企業の四半期決算から、面接で差がつく「志望動機」や「逆質問」のヒントを導き出す専門チーム。3ヶ月ごとの業績推移と戦略の遂行状況をキャリコネ独自の現場データと照合し、求人票だけでは見えない企業の「現在地」を可視化します。投資家向け情報を、転職希望者が選考を有利に進めるための武器に変える、実戦的な企業研究を配信中。

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