0 編集部が注目した重点ポイント
① 通期純利益予想を500億円に上方修正する
2026年3月期の通期連結業績予想において、親会社株主に帰属する当期純利益を前回予想から50億円引き上げ、500億円としました。政策保有株式の追加売却による特別利益の増加が主因です。投資有価証券の売却で得た資金を成長投資や株主還元へ充当する方針を鮮明にしており、経営管理や財務戦略の専門性を備えた人材の重要性が高まっています。
② 資産回転型ビジネス推進に向け5社を新規連結する
当第3四半期より、不動産事業等の強化を目的として「リバーフロント水天宮L合同会社」や「合同会社LST」など、SPC5社を新たに持分法適用関連会社として連結範囲に加えました。開発した物件を一定期間運用した後に売却する資産回転型モデルへのシフトを加速させており、不動産開発からファンド組成、アセットマネジメント実務まで、多様なキャリア機会が拡大しています。
③ 米国医薬品物流ののれん減損で事業再生を急ぐ
米国子会社のCavalier Logistics(キャバリエ社)において、政府予算の縮減や新規施設の稼働遅れに伴い、第4四半期に約50億円の減損損失を計上する見込みです。負の遺産を早期に処理した上で、2027年度の満床稼働に向けた日本からの営業支援強化や管理体制の効率化を急いでいます。海外拠点のPMI(買収後の統合)や事業再生を担えるグローバル人材への期待が高まっています。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年3月期 第3四半期 決算説明資料 P.3
営業収益
2,050億円
前年比 △4.3%
営業利益
120億円
前年比 △25.1%
事業利益
139億円
前年比 +33.7%
四半期純利益
422億円
前年比 +89.4%
※事業利益 = 営業利益 + 持分法投資損益 + 資産回転型ビジネス損益(事業の経常的な収益力を測るための新指標)
第3四半期累計の営業収益は、前年同期に計上した大型分譲マンション「ザ・パークハウスグラン 三番町26」の販売反動により減収となりました。利益面では、販売益の剥落や米国・中国子会社の苦戦により営業利益は25.1%減の120億円となりましたが、ベトナムITL Corporation(持分法投資損益)の改善等により、実質的な稼ぐ力を示す事業利益は33.7%増と伸長しています。
親会社株主に帰属する四半期純利益は、政策保有株式の売却益217億円の増加により、前年同期比約1.9倍の422億円に達しました。修正後の通期予想(500億円)に対する進捗率は84.5%(単純な進捗率は修正前ベースで94%)と、利益の積み上がりは極めて順調です。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年3月期 第3四半期 決算説明資料 P.5
物流事業
事業内容: 倉庫、陸上運送、港湾運送、国際運送取扱事業を展開。医薬品や自動車部品等の特定分野に強みを持つ。
業績推移: 営業収益1,791億円(前年比+1.6%)、セグメント利益(事業利益)114億円(同+226.0%)。
注目ポイント: 倉庫事業はアパレルや自動車部品の取扱が好調。港湾運送もコンテナ貨物の取扱増加により13.9%の大幅増収となりました。一方で米国Cavalier社(注:第4四半期に減損予定)や中国子会社の上海菱華が苦戦しており、海外拠点のガバナンス強化や営業支援を担える中堅層以上の人材が急務となっています。
不動産事業
事業内容: オフィスビル・商業施設の賃貸および分譲マンション、資産回転型不動産開発を展開。
業績推移: 営業収益269億円(前年比△30.6%)、セグメント利益(事業利益)88億円(同△28.6%)。
注目ポイント: 減収減益はマンション販売の減少と「S-GATE日本橋本町」売却の反動によるものです。戦略の主軸は、開発後に早期売却して資産効率を高める「資産回転型ビジネス」へシフトしており、当期も賃貸住宅「ディアクレスト大井町」の売却益を計上。物流と不動産のシナジーを活かしたマルチテナント型物流施設の開発など、新たな開発手法の企画人材が求められています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年3月期 第3四半期 決算説明資料 P.16
経営計画 [2025-2030] の初年度として、資本効率の改善が加速しています。2026年3月末までに政策保有株式の比率を20%未満とする目標を掲げ、今期はすでに451億円を売却。第4四半期にも約160億円の追加売却を予定しており、売却資金は物流施設建設(マレーシア等)や資産回転型不動産への投資に積極的に活用されます。
質疑応答で言及された内容によると、米国のCavalier社は2026年度に稼働率3割、2027年度に満床稼働を目指す計画です。また、紅海ルート再開による運賃単価下落のダウンサイドリスクも認識されていますが、多様な輸送手段の提案により収益確保に努める方針です。不透明な環境下での収益モデルの多角化が進んでおり、レジリエントな経営体制構築に寄与できる戦略的人材の採用が期待されます。
4 求職者へのアドバイス
「伝統的な倉庫・物流から、不動産開発と物流ノウハウを融合させた資産回転型ビジネスへの進化に魅力を感じる」という視点は強力です。また、海外事業(特に米国Cavalier社)の再生や政策保有株式の縮減に伴う大胆なキャッシュアロケーションに関心を示すことで、経営計画に合致した高い視座をアピールできるでしょう。
- 「米国Cavalier社の事業再生において、日本本社の専門部署と現地の協業はどのような体制で推進されていますか?」
- 「資産回転型モデルを成功させる上で、物流現場の知見を不動産開発の企画にどのようにフィードバックさせていますか?」
- 「政策保有株式の売却で得た多額の資金による新規投資について、最も注力したい地域や技術領域を教えてください。」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
借り上げのマンションが用意されている
女性の場合は、借り上げのマンションが用意されています。寮費はおおよそ月額0.5〜1.0万円で、水道光熱費は会社が負担してくれます。
(20代前半・物流サービス・女性) [キャリコネの口コミを読む]適材適所の管理職配置もできていない
いまいち評価基準が曖昧で、何故この人が昇格するのかよくわからないことが多数ある。適材適所の管理職配置もできていないように思える。
(40代後半・代理店営業・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 2026年3月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
- 2026年3月期 第3四半期 決算説明資料
- 2026年3月期 第3四半期決算説明会 質疑応答



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