0 編集部が注目した重点ポイント
① 新戦略「IP成長戦略」への組織再編を推進する
既存の巨大フランチャイズを拡張する「垂直方向」と、新作から大ヒットを生む「水平方向」の成長を軸とする新IP成長戦略を策定しました。これに伴い、特定の地域やプラットフォームに依存しない柔軟な開発体制への移行を進めており、世界市場で勝てるライブサービス運営と新規IP創出の双方で、エンジニアやプランナーのキャリア機会が拡大しています。
② 新作「ARC Raiders」が世界1位を獲得し成功を収める
2025年10月30日にローンチした新作『ARC Raiders』が、Steamの世界売上ランキングで1位を獲得しました。販売本数は既に400万本を突破し、同時接続者数も70万人を超えるなど、新たな収益の柱が誕生しています。グローバル展開を加速させる同社において、最先端のゲーム開発に携わる機会は非常に魅力的です。
③ 期末配当を倍増させ経営の自信を鮮明にする
期末配当予想額を1株あたり15円から30円へ倍増することを発表しました。既存IPの再活性化と新作の成功により、将来のキャッシュフロー創出力に対する強い自信が示されています。強固な財務基盤と成長への投資意欲が両立しており、長期的なキャリア形成を見据えた転職先として安定感が増しています。
1 連結業績ハイライト
出典:決算説明資料 2025年度第3四半期 P.10
売上収益
3,515.0億円
(前年同期比 4.1%減)
営業利益
1,168.4億円
(前年同期比 7.2%減)
四半期利益
812.0億円
(前年同期比 21.0%減)
第3四半期累計の売上収益は3,515億円、営業利益は1,168億円となりました。前年同期の爆発的なヒット作『アラド戦記モバイル』等の反動で減収減益となったものの、韓国における『メイプルストーリー』の売上が前年同期比3倍と驚異的な伸びを見せるなど、主力IPのライブ運用能力が際立っています。また、10月後半にリリースされた新作の寄与は第4四半期に本格化する見通しです。
通期業績予想に対する売上高の進捗率は、レンジ上限の4,808億円に対して約73.1%となっており、第4四半期に新作タイトルの通期寄与や季節性の高いアップデートを控えていることから、業績達成に向けて概ね順調な推移と評価できます。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:決算説明資料 2025年度第3四半期 P.11
韓国:メイプルストーリーが再活性化し収益を牽引
【事業内容】 NEXON Koreaを中核とし、主要3大フランチャイズ(メイプルストーリー、FC、アラド戦記)のライブ運用とモバイル展開を行う市場です。
【業績推移】 第3四半期の売上収益は691億円と前年比46%の大幅増。特に『メイプルストーリー』が夏季アップデートの成功により業績予想を大きく上回りました。
【注目ポイント】 長期運営タイトルを最新トレンドに合わせてアップデートし続ける「ライブ運用」のノウハウが凝縮されています。既存IPを最新のプラットフォームやジャンルへ横展開するプロジェクトが多数進行しており、大規模開発と運営を同時に経験できる稀有な環境です。
中国:アラド戦記PC版が安定成長を継続
【事業内容】 提携会社テンセントを通じて『アラド戦記』PC版を提供。膨大なプレイヤーベースを背景とした安定収益源です。
【業績推移】 第3四半期の売上収益は284億円。PC版『アラド戦記』は国慶節アップデートの好調により、前年同期比で2桁成長を達成しています。
【注目ポイント】 現地プレイヤー固有の嗜好に適合させる「ハイパーローカライゼーション」が鍵となります。テンセントとの共同開発コンテンツも拡大しており、異文化間のビジネス調整やグローバル基準のIP管理スキルの需要が高まっています。
北米及び欧州:ARC Raidersの成功で重要性が急上昇
【事業内容】 Embark Studiosを中心に、PC・コンソール向けのハイエンドタイトルの開発と配信を強化している市場です。
【業績推移】 第3四半期売上は95億円。新作『ARC Raiders』のローンチ直後から大きな成功を収め、2026年にかけて大幅な増収が見込まれています。
【注目ポイント】 FPSやPVPvEといった競技性の高いジャンルで、世界トップレベルの評価を受けるタイトルを創出しています。欧米発の新規IPをグローバルに普及させるためのマーケティングやプラットフォーム戦略の役割が重要視されています。
日本・その他の地域:プラットフォーム事業の成長に期待
【事業内容】 日本市場での運営及び、アジア・中南米等を含む成長途上の市場でのIP提供と『MapleStory Worlds』の展開を行います。
【業績推移】 日本は34億円、その他の地域は84億円。コンテンツ作成プラットフォームである『MapleStory Worlds』が前年比8倍以上の成長を遂げています。
【注目ポイント】 ユーザーがゲーム資産を活用して独自のゲームを作れるUGC(ユーザー生成コンテンツ)モデルが好調です。単なる「ゲーム提供」から「プラットフォーム運営」への転換が進んでおり、コミュニティマネジメントやクリエイター支援の職域が広がっています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:決算説明資料 2025年度第3四半期 P.28
今後の展望として、既存IPの「垂直方向の成長」が加速します。韓国では主力タイトルの冬季アップデートが控えており、中国では『THE FINALS』のオープンベータ開始や『アラド戦記』の旧正月アップデート準備が進行中です。これらは安定した収益基盤を支え、中長期的なプロジェクト予算を担保する役割を果たします。
採用の注目点としては、2026年に向けた豊富なパイプラインが挙げられます。日本でも『マビノギモバイル』のリリースが予定されているほか、『Project DX』や『Project OVERKILL』など、アラド戦記やDurangoといった人気IPの派生作が複数控えています。既存の成功に甘んじず、常に「次の10年」を作るための研究開発に投資し続けており、最先端技術を活用したアクションゲーム開発への関心が高い人材にとって、挑戦しがいのある時期といえます。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
同社が掲げる「IP成長戦略」への深い共感を示すことが重要です。単に面白いゲームを作るだけでなく、既存のブランドをいかに垂直・水平に広げ、10年以上にわたって持続可能なサービスへと昇華させるかという、同社独自の「ライブ運用への誇り」を志望動機の軸に据えると、経営方針との合致度が高まります。
面接での逆質問例
「今回の決算では新作『ARC Raiders』の成功が際立っていますが、この新たな収益の柱を中長期的な看板IPへと育てるために、開発や運用の現場ではどのようなグローバル基準のフィードバック体制が組まれているのでしょうか?」
このように、成功を一時的なものにせず、持続的な成長へと繋げる再現性のある仕組みについて問う姿勢は高く評価されるでしょう。
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
ゲーム会社の中ではホワイト
ゲーム会社の中ではホワイトで男性でも育休を取得したりする方もいます。また、時短勤務の方も多く、女性だからということでキャリアが途絶えることはありません。
(30代前半・ゲームプランナー・女性) [キャリコネの口コミを読む]日本で1から始まるサービスは無い
日本で1から始まるサービスは一切無く、面白味は正直少ない。ここ数年ヒットもなく、すぐサービス終了となることが多かった。
(30代前半・広報・女性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 株式会社ネクソン 2025年12月期 第3四半期決算短信〔IFRS〕(連結)
- 株式会社ネクソン 決算説明資料 2025年度第3四半期



2019年より企業口コミサイト「キャリコネ」担当として、数多くの企業の口コミ情報、決算資料、中期経営計画を横断的に分析。現在はリサコ編集部長として、一次情報と現場の声を突き合わせた企業研究コンテンツの企画・編集・品質管理を統括し、転職希望者の意思決定に資する情報提供を行っている。