0 編集部が注目した重点ポイント
① 物流事業の構造改革を完了し外部受託やグループ間効率化を加速させる
メディセオ事業において、物流に従事する従業員のグループ会社間での異動を伴う大規模な事業構造改革を2025年9月までに完了しました。これに伴い42億円の「事業構造改善費用」を特別損失に計上。今後は物流専門人材の育成を通じ、生産性向上と外部企業からの物流受託という新たな事業フィールドでのキャリア機会が拡大します。
② MPアグロがEC大手のシグニを子会社化しアニマル領域を圧倒的拡大する
連結子会社のMPアグロ株式会社が、動物病院向けEC事業に強みを持つシグニホールディングス株式会社を2025年12月に子会社化することを決定しました。全国11,000軒をカバーするECプラットフォームを獲得することで、コンパニオンアニマル(伴侶動物)市場での圧倒的な地位を構築。デジタルとリアルを融合させた新たな販売戦略の策定が急務となっています。
③ 全セグメントでの増収により売上高が1兆8,975億円と着実に伸長する
当中間連結会計期間の売上高は前年同期比4.0%増の1兆8,975億円に到達しました。主力のメディセオ事業、PALTAC事業ともに4.1%の増収を達成。将来成長への戦略投資を積極的に実行しながらも、事業投資費等を控除した「調整後営業利益」では3.6%増の増益を確保しており、強固な経営基盤のもとで未来志向の投資を継続できる環境にあります。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年3月期 決算説明資料 第2四半期 P.2
※調整後営業利益 = 2027メディパル中期ビジョン実現のための成長投資、及びそれに伴い発生したのれん・無形資産償却費を販売費及び一般管理費から控除した営業利益。
連結売上高は前年同期比4.0%増の1兆8,975億円と堅調に推移しました。営業利益は前年同期比7.7%減の250億円となりましたが、これは将来成長に不可欠な「事業投資費等」が前年比で30億円増加したことが主な要因です。こうした戦略的な投資費用等を除いた調整後営業利益では、増収効果により前年を上回る着地となっています。
通期予想に対する進捗率は、売上高が50.1%、調整後営業利益が48.8%と、概ね50%ラインを維持しており、中間期実績として想定通りに順調に推移していると評価できます。下期に向けては、物流構造改革の成果発現やアグロ・フーズ領域での新規子会社の寄与が期待されます。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年3月期 決算説明資料 第2四半期 P.9
医療用医薬品等卸売事業(メディセオ事業)
【事業内容】
株式会社メディセオを中核とし、病院や調剤薬局へ医療用医薬品、医療機器、検査試薬などを安定供給する基幹事業です。
【業績推移】
売上高 1,215,799百万円(前年同期比4.1%増)。市場成長率の+2.9%を上回る4.4%の医薬品売上伸び率を記録しています。
【注目ポイント】
高度な物流機能を持つALC(Area Logistics Center)と、専門知識で医療現場を支えるAR(Assist Representatives)の機能を強化。ARによる疾患啓発や患者発掘支援といった、単なる「配送」を超えた医療価値の創出に注力しています。地域医療連携のつなぎ役を担う専門性の高い営業人材の価値が高まっています。
化粧品・日用品、一般用医薬品卸売事業(PALTAC事業)
【事業内容】
株式会社PALTACが担い、ドラッグストアやスーパーへ化粧品、日用品、一般用医薬品(OTC)を供給しています。
【業績推移】
売上高 625,135百万円(前年同期比4.1%増)。インバウンド需要や健康志向の高まりを捉え、増収を達成しました。
【注目ポイント】
サプライチェーンのDXを推進するため、株式会社フェズとの資本業務提携を実施。また、業界全体の効率化を目指し、商品情報マスタを一元管理する新会社を2025年11月に共同設立しました。リテールデータプラットフォームの活用や、AI・ロボティクスによる物流の最適化など、テクノロジーを活用した流通変革を担う人材が求められています。
動物用医薬品・食品加工原材料卸売等関連事業(アグロ・フーズ事業)
【事業内容】
MPアグロ株式会社やMP五協フード&ケミカル株式会社を通じ、動物用薬や食品・化粧品原料、電子薬剤を展開します。
【業績推移】
売上高 58,613百万円(前年同期比0.0%)。セグメント利益は化成品の伸長により15.8%の大幅増益を達成しました。
【注目ポイント】
半導体市場の拡大に伴い、電子薬剤事業(フォトレジスト製造用材料等)への積極投資を継続。また、アニマル領域ではEC販路を持つシグニ株式会社の買収により、動物病院およびペットオーナー向けビジネスを急拡大させます。BtoBの化学品営業からBtoCに近いECプラットフォーム運営まで、活躍の幅が非常に広いセグメントです。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年3月期 決算説明資料 第2四半期 P.12
「2027メディパル中期ビジョン」の実現に向け、海外への進出を加速させています。JCRファーマ株式会社から超希少疾病用医薬品の事業化権利を取得し、世界で承認された治療法がない疾患(GM2ガングリオシドーシス等)の新薬候補物質の全世界での展開を目指しています。卸売業の枠を超えたグローバルな事業開発機会が創出されています。
また、財務戦略においても自己株式取得に約80億円を投じるなど、資本効率の向上と株主還元を積極的に推進。政策投資株式の削減も着実に進めており、創出したキャッシュをさらなる成長投資や強固な流通体制構築のための設備投資へバランスよく配分する計画です。安定した財務基盤を背景に、長期的な視点で変革に挑戦できる環境が整っています。
4 求職者へのアドバイス
「Change the 卸 Forever」のスローガン通り、従来の医薬品卸の枠組みを自ら破壊し再構築しようとする姿勢に共感することが重要です。特に物流の構造改革完了による新体制への移行や、アニマル領域でのEC販路拡大といった具体的な変革の節目にある今、自身の専門スキル(物流管理、IT/DX、新規事業開発など)が同社の「次なる流通価値」の創造にどう寄与できるかを語ることが強力なアピールになります。
・「物流改革費用として計上した42億円の投資効果として、外部受託事業を今後どの程度の規模まで拡大させる計画でしょうか?」
・「シグニ社の子会社化により、コンパニオンアニマル市場におけるデータマーケティングやEC戦略は、既存のリアル営業とどのように統合されていきますか?」
・「JCRファーマ社との提携による海外進出において、グローバル拠点や専門組織の構築は現在どのようなフェーズにありますか?」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
ドクターとの会話は学ぶことも多く成長できた
ドクターとの会話は学ぶことも多くまた薬学情報など常にアンテナを張る必要性もあったので、人間的に成長できたと感じている。
(40代前半・コンサルティング営業・女性) [キャリコネの口コミを読む]数字目標に達成しないと帰りにくい雰囲気があり
外回りから帰ってきてからの事務作業になるのでいつも残業を行っていた。しかし、数字目標に達成しないと帰りにくい雰囲気があり。
(40代前半・コンサルティング営業・女性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料:
- 株式会社メディパルホールディングス 2026年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)
- 株式会社メディパルホールディングス 2026年3月期 第2四半期 決算説明資料



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