大和証券グループ本社の転職研究 2026年3月期3Q決算に見るキャリア機会

大和証券グループ本社の転職研究 2026年3月期3Q決算に見るキャリア機会

大和証券グループ本社の2026年3月期3Q決算は、ウェルスマネジメント部門とM&A収益が過去最高水準を記録。安定収益であるベース利益も中期計画を上回るペースで成長しています。「なぜ今、大和証券グループなのか?」コンサルティングとグローバルな投資銀行業務の進化から、転職者が担える役割を整理します。


0 編集部が注目した重点ポイント

ウェルスマネジメント部門の利益が過去最高水準に到達する

当第3四半期累計期間において、ウェルスマネジメント部門の経常利益は前年同期比37.2%増の788億円と大幅に伸長しました。大和証券(WM本部)単体でも12年ぶりの高水準を達成しており、預り資産残高は106兆円と過去最高を更新しています。資産運用コンサルティングへの注力が明確な成果として現れており、専門性の高い人材の重要性が増しています。

M&A関連収益が四半期ベースで過去最高を更新し成長を牽引する

グローバル・インベストメント・バンキング(GIB)において、M&A関連収益が当第3四半期に188億円を記録し過去最高となりました。国内外で大型案件を多数遂行しており、GIBの経常利益は前年同期比168.8%増の124億円と驚異的な伸びを示しています。アドバイザリー業務の強化に伴い、グローバルに活躍できるプロフェッショナル人材の採用機会が拡大しています。

安定収益であるベース利益が中期計画目標を上回るペースで推移する

同社が重視する安定的な利益指標「ベース利益」が、前年同期比28.2%増の1,283億円に達しました。これは中期経営計画の最終年度目標である1,500億円を上回るペースです。証券・銀行・アセットマネジメントの連携によるストック型ビジネスへの構造転換が着実に進んでおり、長期的なキャリア形成を望む転職者にとって魅力的な事業基盤が構築されています。

1 連結業績ハイライト

純利益は12年ぶりの高水準を達成。前年度の特殊要因による剥落をこなし、実質的な稼ぐ力が大幅に強化。
2025年度第3四半期 決算ハイライト

出典:2025年度 第3四半期 決算説明資料 P.3

純営業収益

5,225億円

前年比 +10.8%

経常利益

1,674億円

前年比 -3.6%

親会社株主純利益

1,254億円

前年比 +0.8%

2026年3月期第3四半期の連結業績は、純営業収益が10.8%増の5,225億円となりました。経常利益は前年同期比で若干の減益となっていますが、これは前年度に計上された「負ののれん発生益(株式会社あおぞら銀行の株式取得に伴う利益)」が剥落したことによる一時的な影響です。この特殊要因を除いた実態ベースの利益指標である「ベース利益」は28.2%増と、力強い成長を維持しています。

特に、市場投資活動の活発化を背景にウェルスマネジメント部門が好調を維持し、預り資産残高の増大に伴う信託報酬等のストック収益が拡大しています。また、M&Aや株式引受などのインベストメント・バンキング業務も収益に大きく貢献しており、証券グループとしての底力が示された決算内容となっています。

同社は業績予想を公表していませんが、中期経営計画で掲げたベース利益目標1,500億円に対し、第3四半期時点で1,283億円まで積み上がっている状況は、極めて順調な進捗と評価できます。

2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド

全部門で顧客ニーズを捉えた高付加価値サービスを展開。専門性を発揮できる領域が多角化。
セグメント別業績概要

出典:2025年度 第3四半期 決算説明資料 P.6

ウェルスマネジメント部門

事業内容:国内の個人投資家や未上場企業向けに資産管理・運用のアドバイザリーや、大和ネクスト銀行による銀行サービスを提供。

業績推移:純営業収益は前年同期比13.4%増の2,146億円、経常利益は37.2%増の788億円と最高水準を更新。

注目ポイント:「総資産コンサルティング」の深化により、ラップ口座や株式投信の純増額が過去最高を記録。大和ネクスト銀行の預金残高も4.9兆円まで拡大し、証券と銀行のハイブリッド戦略が強力な顧客基盤を形成しています。富裕層向けサービスの質を追求するため、コンサルティングスキルの高い人材が求められています。

注目職種:プライベートバンカー、ファイナンシャル・アドバイザー、銀行業務(企画・営業)

アセットマネジメント部門

事業内容:投資信託の運用(証券AM)、不動産運用(不動産AM)、ベンチャー投資やエネルギー投資(オルタナティブAM)を担当。

業績推移:純営業収益は18.4%増の858億円。経常利益は24.7%減の490億円(オルタナティブでの引当金計上等が影響)。

注目ポイント:大和アセットマネジメントの公募投資信託運用残高が36.5兆円、不動産AMの運用残高も1.7兆円と共に過去最高を更新しています。オルタナティブ領域では再生可能エネルギー関連の評価替えによる一時的な損失がありましたが、主力の証券・不動産運用は非常に堅調で、高度な運用・分析スキルを持つ人材の需要が高まっています。

注目職種:ファンドマネージャー、アナリスト、不動産アセットマネージャー、ESG投資専門家

グローバル・マーケッツ&インベストメント・バンキング部門

事業内容:機関投資家向けの有価証券売買(GM)や、企業向けの引受・M&Aアドバイザリー業務(GIB)を展開。

業績推移:純営業収益は5.5%増の1,819億円、経常利益は31.2%増の385億円と大幅増益。

注目ポイント:GIB(グローバル・インベストメント・バンキング)部門において、国内外のM&A案件が活況を呈し、M&A関連収益が過去最高を更新しています。また、マーケッツ領域でも日本株・外国株ともに顧客フローが拡大し増益に寄与。グローバルな投資銀行業務の拡大に向け、案件獲得や実務遂行を担う人材の採用が強化されています。

注目職種:M&Aアドバイザー、カバレッジ・バンカー、トレーダー、ストラクチャリング専門職

3 今後の見通しと採用の注目点

安定的な利益基盤へのシフトが加速。証券・銀行・信託の「三位一体」でのコンサルティングが競争力の源泉。
連結経常利益とベース利益の推移

出典:2025年度 第3四半期 決算説明資料 P.8

大和証券グループは、中期経営計画において掲げる「ベース利益1,500億円」の達成に向けて、順調な足取りを見せています。特に「ベース利益」が中期計画目標を上回るペースで推移している点は、転職希望者にとって注目すべきポイントです。これは、従来のフロー収益(売買手数料)依存から、預り資産残高に基づくストック収益への転換が成功していることを示しており、事業の安定性が格段に向上しています。

今後の成長戦略として、ウェルスマネジメント部門では「総資産コンサルティング」をさらに深化させ、お客様の資産の「増やす」だけでなく「守る・つなぐ」というニーズに応える体制を強化しています。これには、大和ネクスト銀行との連携に加え、外部パートナーとの協業による付加価値提供も含まれます。

投資銀行部門では、M&Aやデジタル証券(STO)などの最先端の金融ソリューションに注力しており、国内外で案件を創出できる高い専門性を持った人材が、今後も同社の成長を牽引する重要なキーマンとなります。マーケットの変動に左右されにくい強固な収益構造の構築が進んでおり、挑戦しがいのあるフィールドが広がっています。

4 求職者へのアドバイス

HINT 志望動機のヒント

同社は「証券からウェルスマネジメントへ」の構造転換を掲げ、顧客の人生に寄り添う「総資産コンサルティング」を推進しています。単なる商品の販売ではなく、銀行や信託の機能を統合したプラットフォームで、いかに顧客の課題を解決したいかを具体的に語ることが有効です。また、M&A関連収益の過去最高更新に見られるように、グローバルな案件創出力が強化されている点に触れ、自身の専門性をどう貢献させたいかを伝えるのも強力な武器になります。

Q&A 面接での逆質問例
  • 「ベース利益が中期計画を上回るペースで推移していますが、さらなる成長に向けて現場の人材に最も期待される役割は何でしょうか?」
  • 「M&A収益が過去最高を更新する中、クロスボーダー案件の獲得・遂行能力を今後どのように強化していく方針ですか?」
  • 「預り資産100兆円を超え、さらに預金残高も拡大していますが、証券と銀行のシナジーを最大化するために解決すべき課題はありますか?」

5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)

決算資料や公式発表だけでは見えにくい、現場で働く社員・元社員の実体験(口コミ)を、転職判断の参考となるよう編集部で選定しています。
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制度自体は極めて手厚い

福利厚生は良い。介護や子育てなども十分に考えられており、非常に心強いと思う。

(40代前半・その他・男性) [キャリコネの口コミを読む]
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収益の構造改革が必要

金融庁の指導方針との絡みでリテールが全く稼げなくなっているので、その点を改善しなければならない。

(40代前半・その他・男性) [キャリコネの口コミを読む]

※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。

使用した主な公開資料

  • 2026年3月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
  • 2025年度 第3四半期 決算説明資料(2026年2月2日公表)

この記事の執筆者

上場企業の四半期決算から、面接で差がつく「志望動機」や「逆質問」のヒントを導き出す専門チーム。3ヶ月ごとの業績推移と戦略の遂行状況をキャリコネ独自の現場データと照合し、求人票だけでは見えない企業の「現在地」を可視化します。投資家向け情報を、転職希望者が選考を有利に進めるための武器に変える、実戦的な企業研究を配信中。


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