※本記事は、株式会社大和証券グループ本社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月17日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
大和証券グループ本社は持株会社であり、単体従業員数は624名、グループ連結従業員数は14,984名です。
同社グループは、有価証券関連業を中核とする投資・金融サービス業を展開しています。連結子会社138社、持分法適用会社39社を擁し、有価証券やデリバティブ商品の売買、引受け、募集の取扱い、銀行業などの金融サービスをグローバルに提供しています。日本、欧州、アジア、米州の主要金融市場に営業拠点を持ち、世界中のお客様の資金調達と運用のニーズに対応しています。
主な国内グループ会社は、大和証券、大和アセットマネジメント(投資運用業・投資助言・代理業)、大和総研(情報サービス業)、大和証券ビジネスセンター(事務代行業)などです。
また、2025年7月には、大和アセットマネジメントが三井物産オルタナティブインベストメンツ株式会社を子会社化し、オルタナティブ資産運用分野へ本格参入しました。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
大和証券グループ本社は持株会社として、グループ全体の経営戦略を推進しています。同社グループは人材を競争力の源泉と位置付け、社員一人ひとりの成長と高いエンゲージメントを重視する人事戦略を展開しています。多様な働き方を支援する制度や、キャリア形成を後押しする育成プログラムが充実しており、社員が長期的に活躍できる環境づくりに注力していることがうかがえます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、平均勤続年数が比較的長く、平均年齢も安定していることから、社員が長期的なキャリアを築きやすい環境にあると考えられます。経験豊富な人材が多数在籍し、専門性を高めながら働き続けられる傾向が見られます。
なお、同社は持株会社であり、傘下の関係会社は以下のデータと同水準とは限りません。各社の求人情報や口コミサイト等を別途参照してください。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 17,934,308円 |
| 平均勤続年数 | 15.2年 |
| 平均年齢 | 41.6歳 |
| 単体従業員数 | 624人 |
| 連結従業員数 | 14,984人 |
| 単体のグループ内比率 | 4.2% |
同社および主な国内連結子会社は、給与や勤続年数に応じて給付額が決まる確定給付型制度と、会社が拠出した資金を従業員が運用する確定拠出型制度を採用しています。一部の在外連結子会社も確定拠出制度を採用しています。
退職一時金制度がありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。当連結会計年度末における退職給付債務は440億円、確定拠出制度への要拠出額は59.7億円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、企業理念の一つに「人材の重視」を掲げ、人材を競争力の源泉と位置付けています。人事戦略を経営戦略と一体で推進し、「採用」「育成」「人財ポートフォリオ」「評価・処遇」を主要な施策領域としています。社員一人ひとりの付加価値創出力の向上と行動変容を図ることで、企業の持続的な成長と中長期的な企業価値向上につなげています。
報酬については、Pay for Performanceの考え方に基づき、成果や実績に応じた競争力のある処遇制度を整備し、毎年見直しを行っています。2022年度以降5年連続で給与水準の引き上げを実施しており、2026年度の処遇改定ではグループ全体で給与水準を5%程度引き上げる方針です。また、2026年度よりグループ従業員持株会を通じた「特別奨励金拠出制度」を導入し、社員の企業価値向上への意識を高める取り組みも行っています。
人材育成では、社員が主体的に学び続けられる環境を整備するため、オンライン動画学習プラットフォーム「Udemy Business」を導入しています。資格取得支援や「デジタルITマスター認定制度」「Daiwa Digital College」を通じたデジタル人材育成にも注力しています。キャリア形成支援としては、上司との1on1ミーティング、自己申告制度、グループ内公募制度、タレントマネジメントシステムを活用し、適材適所の人財ポートフォリオ構築を進めています。
社内環境整備においては、エンゲージメントサーベイを定期的に実施し、社員の働きがいと生産性向上に取り組んでいます。ウェルビーイングの向上と健康経営推進にも力を入れ、オンライン診療や女性特有の健康課題をサポートする「Daiwa ELLE Plan+」、ウェルビーイングプラットフォーム「ハービット」のトライアル利用などを進めています。人権尊重やダイバーシティ&インクルージョンも重点分野であり、LGBTQ+に関する制度拡充や女性活躍推進の施策を通じて、多様な社員が能力を発揮できる職場環境を目指しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体のデータを示します。基準日は2025年度末です。出向者の取り扱いについては、社外への出向者を除き、社外からの出向者を含めています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率 | 19.9% |
| 男性育児休業取得率 | 100.0% |
| 男女賃金差異(全労働者) | 77.3% |
| 男女賃金差異(正規労働者) | 73.6% |
| 男女賃金差異(非正規労働者) | 73.1% |
連結子会社の法定開示
主要事業会社3社の数値のみ掲載します。
▼ 大和証券
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率 | 24.9% |
| 男性育児休業等取得率 | 91.5% |
| 男女の賃金の額の差異(全労働者) | 64.5% |
| 男女の賃金の額の差異(正規労働者) | 63.7% |
| 男女の賃金の額の差異(非正規労働者) | 66.2% |
▼ 大和アセットマネジメント
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率 | 20.5% |
| 男性育児休業等取得率 | 94.7% |
| 男女の賃金の額の差異(全労働者) | 66.1% |
| 男女の賃金の額の差異(正規労働者) | 62.9% |
| 男女の賃金の額の差異(非正規労働者) | 59.2% |
▼ 大和総研
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率 | 15.6% |
| 男性育児休業等取得率 | 100.0% |
| 男女の賃金の額の差異(全労働者) | 74.5% |
| 男女の賃金の額の差異(正規労働者) | 72.6% |
| 男女の賃金の額の差異(非正規労働者) | 80.8% |
グループ全体(連結)
算出基準は法定の算出方法と異なります。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率 | 22.0% |
| 男性社員の育児休業等取得率 | 93.2% |
| 男女の賃金の額の差異(全労働者) | 67.1% |
| 男女の賃金の額の差異(正規労働者) | 65.9% |
| 男女の賃金の額の差異(非正規労働者) | 67.8% |
ダイバーシティに関する指標
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性取締役比率(グループ本社) | 50.0% |
| 女性管理職比率(大和証券) | 24.9% |
| 女性管理職比率(連結) | 22.0% |
| 男性社員の育児休業等取得率(大和証券) | 91.5% |
| 男性社員の育児休業等取得率(連結) | 93.2% |
| キャリア採用比率(連結) | 26.9% |
人材育成方針
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| CFP・証券アナリスト資格取得者(CFP) | 1,775名 |
| CFP・証券アナリスト資格取得者(証券アナリスト) | 1,586名 |
| 教育投資にかかわる費用(連結) | 23.1億円 |
| 従業員一人当たりの教育投資にかかわる費用 | 0.18百万円 |
社内環境整備方針(エンゲージメント)
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 持続可能なエンゲージメント(大和証券) | 85% |
| 持続可能なエンゲージメント(連結) | 84% |
| 倫理性・誠実さ(連結) | 90% |
| タレントマネジメント(連結) | 85% |
| ウェルビーイング・フレキシビリティ(連結) | 84% |
| 業務運営体制(連結) | 52% |
| パフォーマンスマネジメント(連結) | 72% |
| デジタル化の取組み(連結) | 77% |
社内環境整備方針(健康経営)
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| プレゼンティーイズム損失割合(連結) | 14.5% |
| アブセンティーイズム平均値(連結) | 3.8日 |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
大和証券グループ本社は、有価証券関連業を中核とする投資・金融サービスをグローバルに展開する持株会社です。日本をはじめ、欧州、アジア、米州の主要な金融市場に営業拠点を持ち、世界中のお客様の資金調達と運用のニーズに応える幅広いサービスを提供しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、有価証券及びデリバティブ商品の売買やその委託の媒介、有価証券の引受け・売出しなどを通じて収益を上げています。お客様の資産管理・運用から、企業の資金調達、M&Aアドバイザリーまで、多岐にわたる金融サービスを提供することで利益を創出しています。
同社グループの事業は、主に「ウェルスマネジメント部門」「アセットマネジメント部門」「グローバル・マーケッツ&インベストメント・バンキング部門」の3つの報告セグメントと「その他」の事業で構成されています。特にウェルスマネジメント部門とグローバル・マーケッツ&インベストメント・バンキング部門が収益の大きな部分を占めており、アセットマネジメント部門がこれに続いています。
ウェルスマネジメント部門
この部門は、主に国内の個人投資家や未上場法人のお客様に対し、資産管理・運用に関する商品やサービスを提供しています。また、大和ネクスト銀行における預金の受入れと、それによる調達資金の運用から得られる利鞘収入も主な収益源です。
収益は、お客様の資産状況やニーズに応じたコンサルティング、ポートフォリオ提案、ソリューション提供、そして預金運用による利鞘から得ています。運営は、大和証券、大和ネクスト銀行が行っています。当連結会計年度は、純営業収益が前期から増加しました。
アセットマネジメント部門
この部門は、証券アセットマネジメント、不動産アセットマネジメント、オルタナティブアセットマネジメントで構成されています。投資信託の組成・運用、国内外の機関投資家への投資助言・運用サービス、不動産を投資対象とした投資法人・ファンドの運用、金銭債権やプライベート・エクイティなどへの投資を行っています。
収益は、投資信託の組成・運用報酬、不動産運用収益、投資先の売却益やキャピタルゲイン、管理報酬、成功報酬、配当、売電収入などから得ています。運営は、大和アセットマネジメント、大和リアル・エステート・アセット・マネジメント、大和証券リアルティ、大和証券オフィス投資法人、サムティ・レジデンシャル投資法人、大和企業投資、大和PIパートナーズ、大和エナジー・インフラが行っています。当連結会計年度は、純営業収益が前期から増加しましたが、経常利益は減少しました。
グローバル・マーケッツ&インベストメント・バンキング部門
この部門は、機関投資家や事業法人、金融法人、公共法人等のお客様向けに、株式、債券・為替及びそれらの派生商品のセールス・トレーディングを行うグローバル・マーケッツと、国内外における有価証券の引受け、M&Aアドバイザリー等を行うグローバル・インベストメント・バンキングで構成されています。
収益は、有価証券の売買に伴う顧客フロー収益、トレーディング収益、引受業務やM&Aアドバイザリー業務による手数料から得ています。当連結会計年度は、純営業収益、経常利益ともに前期から増加しました。
その他の事業セグメント
この部門には、主に大和総研によるリサーチ・コンサルティング業務やシステム業務などが含まれています。
収益は、システム開発サービス、情報処理サービス、調査サービス、コンサルティングサービスなどから得ています。運営は、大和総研が行っています。当連結会計年度は、純営業収益が前期から減少しました。
同社グループの純営業収益は日本が大部分を占めていますが、欧州、アジア・オセアニア、アメリカといった海外地域でも収益を上げており、グローバルに事業を展開しています。特定の外部顧客への収益集中は見られません。
| セグメント | 営業収益(2025年3月期) | 営業収益(2026年3月期) |
|---|---|---|
| ウェルスマネジメント部門 | 2,403億円 | 2,780億円 |
| グローバル・マーケッツ インベストメント・バンキング部門 | 2,322億円 | 2,555億円 |
| アセットマネジメント部門 | 1,243億円 | 1,349億円 |
| その他の事業セグメント | 169億円 | 152億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの営業収益は、過去5年間で増加傾向にあります。経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益も、一時的な減少があったものの、全体としては増加基調で推移しています。直近の当連結会計年度では、営業収益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益のいずれも前期から増加しました。
営業活動によるキャッシュ・フローは年度によって変動が見られます。当連結会計年度はプラスに転じましたが、投資活動によるキャッシュ・フローはマイナスで推移しています。財務活動によるキャッシュ・フローは安定した水準で推移しており、期末の現金及び現金同等物の残高は前期から増加しました。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 営業収益 | 6,195億円 | 8,661億円 | 1兆2,775億円 | 1兆3,720億円 | 1兆4,680億円 |
| 経常利益 | 1,358億円 | 869億円 | 1,746億円 | 2,247億円 | 2,345億円 |
| 経常利益率 | 21.9% | 10.0% | 13.7% | 16.4% | 16.0% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 949億円 | 639億円 | 1,216億円 | 1,544億円 | 1,753億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 63.06 | 43.53 | 84.94 | 109.53 | 126.04 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり営業収益は、当連結会計年度において前期から増加しました。また、従業員1人あたり営業利益も前期から増加しており、従業員一人ひとりの稼ぐ力が向上している傾向が見られます。これらの指標の改善は、組織全体の効率性や収益性の強化を示唆しています。
| 指標 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり営業収益(連結) | 92.8百万円 | 98.0百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 11.3百万円 | 13.8百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループは、強固な財務基盤を維持しつつ、事業拡大に向けた投資を継続しています。資金の出入りは活発であり、成長フェーズにあることがうかがえます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、安定した自己資本と潤沢な手元資金によって支えられています。自己資本比率はプライム市場の非製造業平均と比較すると低い水準ですが、ROE(自己資本利益率)はプライム市場平均を上回る水準で推移しています。手元資金も厚く、不測の事態への耐性も備えている状況です。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 1兆9,233億円 | 2兆458億円 |
| 自己資本比率 | 4.6% | 4.6% |
| ROE(自己資本利益率) | 9.8% | 10.3% |
| 現金及び預金 | 3兆7,567億円 | 3兆7,902億円 |
なお、銀行は預金が主な負債のため、一般的な計算式による自己資本比率は構造上低くなります。規制上は国内基準4%以上・国際統一基準8%以上が求められます。
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローは、当連結会計年度において営業活動による資金の出入りがプラスに転じました。これはトレーディング商品の増減や有価証券担保貸付金及び有価証券担保借入金の増減などが主な要因となっています。投資活動による支出は継続しており、有価証券の取得による支出などが影響しています。
財務活動による資金調達は引き続き行われており、短期借入金の純増減額などがその要因です。フリーキャッシュフローはマイナスですが、前期と比較して改善しています。これらの資金の流れは、同社グループが事業拡大や成長戦略に積極的に取り組んでいることを示しており、将来に向けた投資が雇用や給与の安定性、さらなる成長に繋がる可能性があります。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | △4,541億円 | 4,390億円 |
| 投資CF | △3,534億円 | △5,836億円 |
| 財務CF | 1,990億円 | 1,994億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △8,075億円 | △1,446億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループの主たる事業である有価証券関連業務は、厳しい競争環境にあります。株式の売買委託手数料率の自由化やファイアーウォール規制の見直し等、大幅な規制緩和を契機に競争が激化している状況です。
また、有価証券関連業務、アセットマネジメント業務、投資業務は、お客様との取引から得られる手数料やトレーディング損益等が大幅に変動するという特性を持っています。経済・金融情勢が著しく悪化した場合には、同社グループの業績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、有価証券関連業務を中心に高度な専門性を必要とする業務を行っています。金融業界内外において人材獲得競争が激しく、優秀な人材の採用と育成が困難な状態や、競合他社への大量流出等が生じた場合には、同社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
大和証券グループ本社は、「お客様の資産価値最大化」をグループ経営基本方針に掲げ、金融市場における「貯蓄から投資」の流れを確かなものにすることを使命としています。また、企業理念として「人材の重視」を掲げ、社員一人ひとりの成長と高いエンゲージメントを重視する企業文化を築いています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
大和証券グループ本社は、グループ中期経営計画「“Passion for the Best”2026」において、「お客様の資産価値最大化」をグループ経営基本方針として掲げています。お客様のニーズや課題を深く理解し、状況や経済環境に応じた最善・最適で質の高いソリューションを提供することを強力に推進しています。
同社グループは、新たな成長軌道を描き始めた日本において、「貯蓄から投資」の流れを確かなものにすることを使命と捉えています。資産運用立国の実現と、わが国の成長型経済への移行に貢献することを目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
大和証券グループ本社は、企業理念として「人材の重視」を掲げ、競争力の源泉を人材に置いています。社員一人ひとりが多様な価値観や専門性を最大限に活かし、主体的な成長と高いエンゲージメントをもって付加価値を創出できる組織の実現を目指しています。
「お客様の資産価値最大化」を経営の軸とし、お客様への深い理解に基づく質の高いコンサルティングと最適なソリューション提供を重視する企業風土です。ダイバーシティ&インクルージョンを経営戦略上の重要課題と位置づけ、多様性や専門性を経営に取り入れることで持続的な競争力強化を図っています。
社員のウェルビーイング向上と健康経営を推進し、心身ともに健康で働き続けられる環境整備に積極的に取り組んでいます。人権尊重も重視し、「人権方針」を制定して企業活動における人権への負の影響を防ぐ責任を果たしています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
大和証券グループ本社は、地政学リスクや原油価格の変動に直面する中でも、「貯蓄から投資」の流れを確かなものにすることを使命と捉えています。総資産コンサルティングの高度化を推進し、外部環境に左右されにくい強固な収益構造の構築に取り組んでいます。
具体的には、デジタルマーケティングによるお客様に合わせたタイムリーなサービス提供体制の深化や、外部提携・ワークプレイスビジネス、銀行ビジネスを活用した顧客基盤の拡大を目指しています。また、大和総研グループでは、シンクタンクとして社会・経済の健全な発展と資産運用立国への貢献を掲げています。
AI・データサイエンスの活用によるお客様の企業価値最大化への貢献や、ヘルステック事業を通じた人的資本経営への貢献も重点テーマとしています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
大和証券グループ本社は、持株会社体制によるグループ経営を実践しており、透明性・客観性の高いガバナンス態勢を構築しています。同社は指名委員会等設置会社を採用し、迅速な意思決定と効率的なグループ経営を目指しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社の株主構成を見ると、筆頭株主は日本マスタートラスト信託銀行(信託口)であり、複数の信託銀行が上位に名を連ねています。その他、太陽生命保険などの機関投資家も主要な株主として名を連ねています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 日本マスタートラスト信託銀行(信託口) | 14.74% |
| 日本カストディ銀行(信託口) | 4.63% |
| 太陽生命保険 | 2.96% |
| 日本生命保険相互会社 | 2.24% |
| 日本郵政 | 2.16% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は22名(男性15名・女性7名)で構成され、女性役員比率は31.8%です。代表執行役社長最高経営責任者(CEO)は荻野明彦氏が務めています。社外取締役比率は50.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 荻野 明彦 | 代表執行役社長 最高経営責任者(CEO) | 1989年4月同社入社、2019年4月同社専務執行役企画担当兼法務担当兼人事管掌、2024年4月同社代表執行役社長最高経営責任者(CEO)より現職。 |
| 佐藤 英二 | 代表執行役副社長 最高執行責任者(COO) | 1991年4月同社入社、2019年4月同社執行役最高財務責任者(CFO)兼企画副担当兼海外副担当、2026年4月同社代表執行役副社長最高執行責任者(COO)より現職。 |
| 新妻 信介 | 執行役副社長 アセットマネジメント担当 兼 証券アセットマネジメント担当 | 1988年4月同社入社、2022年4月同社執行役副社長リテール担当、2026年4月同社執行役副社長アセットマネジメント担当兼証券アセットマネジメント担当より現職。 |
| 櫻井 裕子 | 執行役副社長 コンプライアンス担当 | 1988年4月同社入社、2023年4月同社専務執行役コンプライアンス担当、2026年4月同社執行役副社長より現職。 |
| 中田 誠司 | 取締役会長 | 1983年4月同社入社、2017年4月同社代表執行役社長最高経営責任者(CEO)兼リテール部門担当、2024年4月同社取締役会長兼執行役より現職。 |
| 田代 桂子 | 取締役 | 1986年4月同社入社、2019年4月同社取締役兼執行役副社長、2026年4月同社取締役兼顧問より現職。 |
| 花岡 幸子 | 取締役 | 1990年4月同社入社、2019年4月同社執行役員、2019年6月同社取締役より現職。 |
社外取締役は、河合江理子氏(京都大学名誉教授・報酬委員長)、西川克行氏(弁護士・監査委員長)、岩本敏男氏(元㈱NTTデータグループ代表取締役社長・指名委員長)、村上由美子氏(㈱MPowerゼネラルパートナー兼取締役)、伊岐典子氏(公益財団法人21世紀職業財団特別顧問)、柚木真美氏(公認会計士柚木真美事務所所長・監査委員・報酬委員)、市川晃氏(住友林業㈱代表取締役会長・指名委員・報酬委員)です。
同社は指名委員会等設置会社であり、取締役会から執行役への大幅な権限委譲により迅速な意思決定を行っています。また、独立性の高い社外取締役が過半数を占める指名委員会・監査委員会・報酬委員会の三委員会を設置し、経営の透明性と公正性の向上を図っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の役員報酬は、基本報酬、株価連動型報酬、業績連動型報酬で構成されています。株主価値の増大に寄与し、短期および中長期の業績向上へ結びつくインセンティブが有効に機能するよう設計されています。また、グローバルに展開する証券グループとして、国際的にも競争力のある水準を保つことを目指しています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役 | 1名 | 52百万円 | 52.0百万円 |
| 執行役 | 11名 | 20.6億円 | 1.87億円 |
| うち社外取締役 | 7名 | 1.5億円 | 21.3百万円 |
なお、取締役と執行役の兼任者(6名)の報酬は、執行役に対する報酬等の支給額の欄に記載されています。業績連動型報酬は、当期分として支給予定の額を記載しています。
個人別報酬が開示されている役員は、中田誠司氏(3.47億円)、荻野明彦氏(4.89億円)、新妻信介氏(2.84億円)、田代桂子氏(2.04億円)、村瀬智之氏(2.03億円)、佐藤英二氏(1.65億円)、櫻井裕子氏(1.65億円)、芹澤潤一氏(1.64億円)、小林奨氏(1.64億円)、吉田光太郎氏(1.23億円)です。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。