0 編集部が注目した重点ポイント
① 北米事業を完全子会社化し収益構造を刷新する
2025年度第1四半期より、持分法適用会社であった北米のTH FOODS, INC.を連結子会社化(完全子会社化)しました。これにより海外事業の売上高は前年同期比で約3倍に急拡大しており、グループ全体の成長を牽引する主軸へと進化しています。グローバル展開の加速に伴い、海外拠点の経営管理や生産技術供与を担える専門人材の重要性が極めて高まっています。
② 国内米菓事業の価格改定により大幅な増益を達成する
原材料価格の高騰に対し、2025年7月および9月に実施した価格改定の効果が本格的に現れ、国内米菓事業の営業利益は前年同期比15.4%増と大きく改善しました。「亀田の柿の種」や「ハッピーターン」といった重点ブランドへの集中投資と効率的な販促活動が功を奏しており、強固なキャッシュ創出力を持つ事業基盤の再構築が進んでいます。
③ 食品事業の新工場稼働で供給能力を飛躍的に高める
長期保存食を展開する尾西食品において、2026年1月より新工場が稼働を開始しました。原料米高騰の影響で当3Qは減益となりましたが、供給能力の増強により突発的な需要への対応力を強化しています。米粉パンや植物性乳酸菌など、米菓以外の「お米の価値」を広げる食品領域は、同社の次代を担う成長エンジンとして期待されています。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年3月期 第3四半期 決算補足資料 P.3
※調整後営業利益:76.6億円(利益率7.3%)。これは完全子会社化したTH FOODS, INC.(THF)に伴うのれん償却費等を控除した実質ベースの利益指標です。
当第3四半期累計期間は、まさに「新生・亀田製菓」への構造変化が数値に表れた結果となりました。北米のTHFを連結化したことで、海外売上比率が急速に高まり、グループ全体の利益構成も大きく変化しています。国内では原材料費の上昇に対し、価格改定と原価改善で打ち返すことで、収益性を着実に引き上げました。また、純利益の大幅増は、THFの連結化に伴う「段階取得に係る差益」205億円を1Qに計上したことが主因です。
通期予想に対する進捗率は、売上高が75.9%、営業利益が88.4%に達しており、業績は極めて順調に推移しています。特に営業利益は通期計画の70億円に対し、3Q時点で既に61.8億円を確保しており、達成の可能性が非常に高い状態です。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年3月期 第3四半期 決算補足資料 P.5
国内米菓事業
事業内容:亀田製菓、アジカル(土産物)、とよす(百貨店向け)等による、国内市場向けの米菓製造販売。
業績推移:売上高552億円(前年同期比4.2%増)、営業利益41.6億円(同15.4%増)と増収増益を達成。
注目ポイント:少子高齢化が進む国内市場において、単なる数量追求ではなく「価値訴求型」への転換を急いでいます。重点6ブランドの生産能力増強や、販促費の効率運用による利益率向上を推進。成熟市場でブランド力を維持・向上させるマーケティングの専門家や、スマート工場化を推進できる生産技術者の活躍機会が広がっています。
海外事業
事業内容:北米(TH FOODS等)、アジア(タイ、中国、ベトナム、カンボジア、インド)での製造販売。(注:北米THFは当期より連結開始のため、前年比の単純比較不可)
業績推移:売上高371億円(前年同期比196.0%増)、営業利益15.4億円(同3,384.7%増)と爆発的な成長。
注目ポイント:北米では自社ブランド「CRUNCHMASTER」がクラブストア等で好調。アジアでも輸出事業が改善の兆しを見せています。完全子会社化したTHFとのシナジー追求(技術供与や新商品開発)が今後の焦点。グローバルでの経営統合(PMI)や、多国籍なチームを牽引できるリーダーシップを持った人材が強く求められています。
食品事業
事業内容:尾西食品(長期保存食)、タイナイ(米粉パン)、マイセン(植物性代替肉)等による健康・防災関連ビジネス。
業績推移:売上高61億円(前年同期比0.8%減)、営業利益2.3億円(同46.7%減)。原料高騰が直撃。
注目ポイント:短期的な減益となったものの、2026年1月に実施した長期保存食の価格改定と新工場の稼働により、来期以降の収益回復を見込んでいます。植物性乳酸菌の米国展開をKerry社と推進するなど、BtoB市場の開拓が急務。法人営業や機能性素材の企画開発、新規事業開発の知見がある人材には非常に挑戦しがいのあるフェーズです。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年3月期 第3四半期 決算補足資料 P.11
同社は、2030年に向けた成長戦略において、米国を最重要地域と位置づけています。THFの完全子会社化により、単なる出資関係から「一体経営」によるグループシナジー創出へと段階が上がりました。具体的には、亀田製菓が持つ高度な米菓製造技術を北米市場に「Lift & Shift」し、新カテゴリーの拡大を狙う方針です。
国内では、原料米価格の高騰という不透明要因があるものの、徹底的なコスト削減と、重点ブランドへのリソース集中により、営業利益率の向上を目指しています。また、植物性乳酸菌などの機能性素材やプラントベースフード(植物性たんぱく質食材)といった「米の可能性を広げる」新領域への投資も継続されます。伝統的な米菓メーカーから、グローバルな健康・食品企業へと脱皮しようとするダイナミックな変革期にあり、異なる業界での経験を持つ「異能」を迎え入れる土壌が整っています。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
同社は現在、伝統的な米菓メーカーという枠を超え、「ライスイノベーションカンパニー」としての再定義を進めています。特に北米事業の完全子会社化は大きな転換点です。「国内で培った高い技術力やブランドを、いかにしてグローバル市場で新たな価値として展開できるか」という視点が鍵となります。自身が持つ専門スキル(生産管理、マーケティング、海外法務など)を、この「日本発・グローバル成長」の文脈でどう活かせるかを語るのが有効です。
面接での逆質問例
「北米TH FOODS社の完全子会社化に伴い、日本側の技術開発部門や経営企画部門には、具体的にどのようなシナジー創出への期待が寄せられていますか?」「食品事業の新工場稼働後、長期保存食以外の機能性食品や米粉パンの領域では、今後どのような市場開拓を優先される計画でしょうか?」など、変革期ならではの組織的・戦略的課題に踏み込んだ質問は、高い意欲とリサーチ力を示すことにつながります。
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
新潟を代表する商品を普及させる仕事に携わる
亀田製菓の米菓がとても気に入っているので、新潟を代表するそれらの商品たちを普及させる仕事に携われること自体にとてもやりがいを感じていました。社員の中にもそのような思いを持っていらっしゃる方は多かったので、その点はやりがいがあるのかなと記憶しています。
(20代後半・総務・男性) [キャリコネの口コミを読む]上司によって評価の軸がバラバラ
上司によって評価の軸がバラバラかもしれません。なぜ自分がこの評価を得たのか、来期はどのように過ごすべきかというフィードバックがもらえる場合ともらえない場合があります。
(20代前半・企画営業・女性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 2026年3月期 第3四半期 決算短信〔日本基準〕(連結)
- 2026年3月期 第3四半期 決算補足資料



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