ミルボンの転職研究 2025年12月期3Q決算に見るキャリア機会

ミルボンの転職研究 2025年12月期3Q決算に見るキャリア機会

ミルボンの2025年12月期3Q決算は、米国事業の33%超の成長やデジタルプラットフォーム「milbon:iD」の会員100万人突破など、グローバルとデジタルの両面で成果が加速。一方で国内の収益性改善やサプライチェーンの最適化が急務となっており、組織変革を主導できる専門人材の役割を整理します。


0 編集部が注目した重点ポイント

米国事業が現地通貨ベースで前年同期比33.7%増の力強い成長を見せる

主力のヘアケアブランド「グローバルミルボン」が米国市場で高く支持され、販売代理店との協働により導入美容室数が大幅に増加しています。当3Q累計で売上高が30%を超える成長を遂げたことは、グローバル展開を加速させる同社にとって大きな成果です。海外市場での事業拡大を牽引できるグローバル人材のキャリア機会が拡大しています。

ECプラットフォームの登録会員数が100万人を突破しデジタル基盤が整う

美容室の店販品購入を支援するオンラインストア「milbon:iD」の登録会員数が、2025年10月に100万人を突破しました。対面購入に比べ平均購入額が約2.9倍、リピート購入率が65%と高い成果を出しており、美容業界のデジタルトランスフォーメーションを主導する基盤が完成しつつあります。データ活用やEC戦略に強みを持つ人材にとって魅力的な環境です。

予算精度向上と在庫管理の最適化に向けた管理体制の刷新を推進する

質疑応答において、経営陣は新製品の需要予測の精度や在庫の評価減を課題として明示しました。今後は市場変化に柔軟に対応できる生産体制の構築やSKUの適正化を検討していく方針です。サプライチェーンの最適化や経営管理体制の強化を主導できる専門人材の招聘が、今後の収益性改善に向けた重要な鍵となります。

1 連結業績ハイライト

海外売上高の好調により増収を確保する一方で、国内の在庫評価減や販管費の増加により利益面では課題の残る着地となりました。
連結損益計算書

出典:2025年12月期第3四半期決算説明資料 P.4

売上高

37,827百万円

+2.3%

営業利益

3,490百万円

-28.1%

当期純利益

1,681百万円

-50.4%

当3Q累計の売上高は、米国や韓国を中心とした海外事業の伸長により2年連続の増収を達成しました。利益面では、国内における染毛剤(ヘアカラー)の伸び悩みや、上期に発生した在庫評価減、人件費・物流費・万博関連費用の増加により大幅な減益となっています。しかし、価格改定による単価上昇効果が+3.4億円創出されるなど、収益改善に向けた土台作りは進んでいます。

進捗状況については、修正後の通期売上高予想(523億円)に対して進捗率72.3%と概ね順調に推移しています。一方、営業利益(53億円)に対する進捗率は65.9%と70%を下回る水準にありますが、会社側は10月発売の新ブランド「オーバイトーリ」の好調や費用の落ち着きにより、計画達成は可能であると評価しています。

2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド

国内の成熟市場をデジタルの力で活性化させる一方、海外では各地域のニーズに合わせたローカライズ戦略が奏功しています。
地域別業績

出典:2025年12月期第3四半期決算説明資料 P.8

国内事業

事業内容:国内の美容室向けヘアケア用剤、染毛剤の製造・販売、ECプラットフォーム運営。

業績推移:売上高27,819百万円(0.5%増)、営業利益2,645百万円(32.7%減)。

注目ポイント:ヘアケア製品は底堅く推移していますが、美容室間の競争激化により染毛剤が苦戦しています。これに対し、ECプラットフォーム「milbon:iD」や「スマートサロン」を通じた店販品の販売強化で美容室の収益性向上を支援する戦略をとっています。オムニチャネル戦略の企画立案者が求められています。

注目職種:EC戦略プランナー、オムニチャネル推進、リテールマーケティング

韓国事業

事業内容:韓国市場におけるヘアサロン向け製品の販売および教育活動。

業績推移:売上高4,126百万円(現地通貨ベース10.3%増)、営業利益987百万円(6.1%減)。

注目ポイント:政府の消費刺激策に加え、競合他社の撤退に伴うシェア奪取により、染毛剤が力強く伸長しています。ヘアカラーを核とした総合メーカーへの転換を図っており、現地でのマーケティング体制を強化できる人材が活躍できるフェーズです。

注目職種:海外事業企画(韓国担当)、国際マーケティング

中国事業

事業内容:中華圏におけるハイエンドサロン向け製品の販売および現地工場の運営。

業績推移:売上高1,819百万円(現地通貨ベース5.3%増)、営業利益78百万円(8.4%増)。

注目ポイント:厳しい市場環境下でも、美容室への徹底した提案活動が評価され、導入軒数が順調に増加しています。2022年から稼働を開始した現地工場の活用も含め、中華圏でのサプライチェーン管理や営業戦略の更なる高度化が期待されています。

注目職種:SCM、海外営業管理(中国担当)、製造管理

米国・その他事業

事業内容:北米市場および東南アジア、欧州、中東での製品展開。

業績推移:米国売上高1,863百万円(現地通貨ベース33.7%増)、その他地域も増収を維持。

注目ポイント:米国ではヘアケアと染毛剤のクロスセルが進み、大幅な増収を記録しました。欧米専用のヘアカラーブランド「ソフィストーン」の投入など、エリア特化型の製品開発が結実しており、現地の販売代理店をコントロールできる高度な海外営業経験者が不足しています。

注目職種:海外営業(北米担当)、グローバルブランディング

3 今後の見通しと採用の注目点

「2026年中期事業構想」の達成に向け、デジタル戦略の進化とグローバルなサプライチェーンの最適化を急ピッチで進めています。
通期見通し

出典:2025年12月期第3四半期決算説明資料 P.15

ミルボンは、修正後の通期利益目標を据え置き、4Qにおける国内市場の回復と新製品「オーバイトーリ」の貢献に期待を寄せています。特に、質疑応答で言及された「プランニング精度の改善」は、今後の最優先課題です。市場変化に即応できる柔軟な生産体制の構築や、SKU(在庫最小管理単位)の絞り込み、リードタイムの短縮といった構造的な改革が計画されています。

また、中期事業構想(〜2026年)のROE目標達成に向け、収益性と資本効率の向上を加速させる方針です。国内での「スマートサロン」の全国展開(2025年Q3累計で78軒導入)や、物流効率化に向けたロート製薬・Haleonジャパンとの3社共同配送の運用開始など、業界の垣根を越えた変革を推進中。こうした新しい試みを主導できるバイタリティあふれる人材の需要が高まっています。

4 求職者へのアドバイス

HINT

志望動機のヒント

ミルボンは「美容室の増収増益」を徹底して追求する独自のビジネスモデルを持ち、若手社員の愛社精神と向上心が高い企業風土です。志望動機では、同社が現在注力している「グローバル市場での日本ブランドのプレゼンス向上」や「デジタルプラットフォーム(milbon:iD)を通じた業界の効率化」に、自身の専門性をどう掛け合わせるかを言語化することが有効です。特に「海外事業の課題解決」や「デジタルの社会実装」に意欲的な姿勢は高く評価されるでしょう。

Q&A

面接での逆質問例

「質疑応答で指摘されていた予算予測精度の課題に対し、具体的にどのようなIT基盤や組織的な変更を検討されていますか?」
「milbon:iDが会員数100万人を超えた今、蓄積されたデータを活用したCRMや製品開発へのフィードバックは今後どのような進化を遂げますか?」
「海外生産拠点(タイ・中国)と国内拠点の連携において、地政学リスクやコスト最適化を両立させるための次なる一手は何でしょうか?」

5 転職者が知っておきたい現場のリアル

決算資料や公式発表だけでは見えにくい、現場で働く社員・元社員の実体験(口コミ)を、転職判断の参考となるよう編集部で選定しています。
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比較的満足しながら働ける

調整次第で朝を遅くすることや、昼間に時間をつくるといったことはできます。 それと比較的給与もいいと思います。 やりがいを感じるときもあるので体力がある方であれば比較的満足しながら働けると思います。

(20代前半・代理店営業・男性) [キャリコネの口コミを読む]
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汎用的なスキルは身につかない

美容師と関わるのは面白い。 オーナーと直接やりとりできるので経営者視点での思考が身につく。しかしビジネスマナーや汎用的なスキルは身につかない。

(20代後半・ルートセールス・女性) [キャリコネの口コミを読む]
※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料:
  • 2025年12月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
  • 2025年12月期第3四半期決算説明資料
  • 2025年12月期第3四半期決算説明会 主な質疑応答(要約)

この記事の執筆者

上場企業の四半期決算から、面接で差がつく「志望動機」や「逆質問」のヒントを導き出す専門チーム。3ヶ月ごとの業績推移と戦略の遂行状況をキャリコネ独自の現場データと照合し、求人票だけでは見えない企業の「現在地」を可視化します。投資家向け情報を、転職希望者が選考を有利に進めるための武器に変える、実戦的な企業研究を配信中。