0 編集部が注目した重点ポイント
① 2026年1月に大同工業を完全子会社化し競争力を高める
2026年1月1日付で大同工業を完全子会社化しました。この経営統合により、海外ビジネスの拡大や既存事業でのクロスセル、新規事業の共同開発を加速させます。今回の3Q決算には業績反映されていませんが、今後はチェーン事業を中心にグローバル市場でのキャリア機会が大きく拡大する見通しです。
② モビリティ事業が営業利益18.1%増と収益を牽引する
主力のモビリティ事業において、日本や米州、欧州での自動車エンジン用タイミングチェーンシステムの販売が伸び、セグメント利益が前年同期比18.1%増と大幅な成長を遂げました。内燃機関向けの需要が底堅く推移しており、同社の高い技術力が収益改善に直結している点が強みです。
③ 米州の苦戦を他地域が補い連結ベースで増収を維持する
マテハン事業では米州の自動車業界向けシステム販売が減少しましたが、チェーンやモーションコントロール事業が国内外で好調を維持し、連結売上高は前年同期比1.4%増を確保しました。地域や事業の多角化により、特定の市場変動に左右されにくい安定した事業ポートフォリオが構築されています。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年3月期 第3四半期決算補足説明資料 P.2
当第3四半期累計期間の売上高は、自動車向けやモーションコントロール製品の堅調な需要により増収となりました。損益面では、原材料価格や人件費、物流コストの変動により営業利益は減益となりましたが、保有株式の売却益などを含む特別利益の計上により、最終的な四半期純利益は増益を確保しています。また、100億円規模の自社株買いを実施するなど、株主還元も積極的に行っています。
通期予想に対する進捗率は、売上高・営業利益ともに73.7%となっており、概ね順調に推移しています。経常利益と純利益の進捗は8割を超えており、通期目標の達成に向けた確かな地盤が整っています。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年3月期 第3四半期決算補足説明資料 P.3
チェーン事業
事業内容:産業用・自動車用チェーンなどの開発・製造を行い、世界トップクラスのシェアを誇る中核事業です。
業績推移:売上高は前年同期比+4.5%の747億円、営業利益は+1.4%の115億円と堅調です。
注目ポイント:日本・米州・欧州・環インド洋の主要地域すべてで増収を達成。大同工業の完全子会社化により、今後は生産・販売体制の再編やグローバル供給網の最適化を担う人材の重要性が一層高まります。
モーションコントロール事業
事業内容:減速機、カムクラッチなど動力伝達・制御機器を展開し、機械の自動化を支えています。
業績推移:売上高は前年同期比+5.1%の182億円、営業利益は+8.6%と高成長です。
注目ポイント:営業利益率が3.8%へ向上。日本国内での工作機械や産業ロボット向けの需要回復に加え、DX(デジタルトランスフォーメーション)に対応した次世代製品の開発に向け、電気・電子・ソフト系の専門職への期待が寄せられています。
モビリティ事業
事業内容:自動車エンジン用のタイミングチェーンシステムなどを供給し、燃費向上や環境対応に貢献しています。
業績推移:売上高は前年同期比+1.4%、営業利益は+18.1%と収益性が大幅に改善しました。
注目ポイント:日本・米州・欧州でのエンジン用チェーンの販売増が寄与し、営業利益率は大台の10%を超えました。世界シェアNo.1の地位を盤石にするため、既存技術の磨き上げと並行し、新エネルギー車向けコンポーネントの開発にも注力しています。
マテハン事業
事業内容:物流センターや工場内の自動搬送・仕分けシステムなどを提供し、人手不足解消を支援します。
業績推移:売上高は前年同期比▲4.0%、損益は9,900万円の営業損失(赤字)となりました。
注目ポイント:米州の自動車業界向け大型案件の減少が響きましたが、国内では建設機械や物流業界向けが好調です。現場の人手不足という深刻な社会課題に対応するため、自動化・省人化ニーズの掘り起こしができるコンサルティング型エンジニアの増員が急務となっています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年3月期 第3四半期決算補足説明資料 P.8
通期連結業績予想は売上高2,840億円(前期比1.7%増)を維持し、進捗も堅調です。2026年1月に連結化した大同工業の影響については現在算定中であり、織り込まれていませんが、来期以降の業績拡大に向けた大きなプラス要因となることが期待されます。福井美浜工場の竣工など、国内の生産能力増強も進んでおり、供給体制の強化が図られています。
経営陣は「中期経営計画2025」の完遂と、資本コストを意識した経営管理の強化に注力する姿勢を鮮明にしています。特にカーボンニュートラル実現を含むサステナビリティ活動の推進が掲げられており、環境負荷低減を実現する製品開発やプロセス改善の分野で、高い専門性を持つ人材の採用を継続する方針です。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
世界シェアNo.1製品を持つ「モビリティ」や、大型M&Aで変革期にある「チェーン」など、グローバルリーダーとしての安定性と、挑戦的な経営統合プロセスの双方に携われる点が魅力です。「日本の産業技術を世界へ広め、持続可能な社会に貢献したい」という軸で、自身の専門性をどう活かせるか言語化することが有効です。
面接での逆質問例
・「大同工業との統合により、具体的にどのような業務フローの改善や共同開発が期待されていますか?」
・「北米マテハン事業の課題を克服するために、今後どのようなソリューション展開を予定されていますか?」
・「カーボンニュートラルへの対応が求められる中、新技術開発の意思決定プロセスはどのように変化していますか?」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル
個々人の裁量が大きくやりがいは感じれる
個々人の裁量が大きく、やりがいは感じれると思う。無事稼働した時の安堵や喜びはこの仕事特有だと思う。人の生活に直結しているため、仕事そのものはとてもやりがいはあると思う。
(30代前半・制御設計・男性) [キャリコネの口コミを読む]労働環境に問題
業務効率化を謳うのであれば、まず会社側がやるべきことはきちんとやって然るべき。社内のITシステムがWin2000時代で止まっているのは首肯しかねるし、デスクの電話に限っては、2000年とかそういうレベルでは無い年代物が軒を連ねている。冗談ではなく未だに黒電話が置いてあり、しかも使われている部屋すらあるほどだ。中途採用の社員はその様に驚愕していたが、会社としてもそれがおかしいと自覚しなければならない。
(30代前半・セールスエンジニア・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 2026年3月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
- 2026年3月期 第3四半期決算補足説明資料



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