0 編集部が注目した重点ポイント
① AI需要牽引により営業利益59.1%増を達成する
2026年3月期中間期において、AIサーバやネットワーク機器向けの冷却ファン需要が旺盛に推移し、売上収益は前年同期比9.2%増の507億円、営業利益は59.1%増の48億円と大幅な増益を達成しました。北米市場での活況が利益を押し上げ、収益性の高いビジネスモデルが着実に成果を上げています。
② 70億円を投じベトナムに大規模な新工場を設立する
生産体制の強靭化に向け、ベトナムのフンイエン省に総額70億円を投じて新工場を設立することを決定しました。2027年7月の稼働を予定しており、冷却ファン(月産約50万台)やサーボモータ等の供給能力を大幅に拡大します。ハノイ駐在員事務所との連携により、東南アジア全域でのマーケティングと迅速な製品提供を実現します。
③ 社内カンパニー制の深化で収益力と独立性を高める
導入2年目を迎えた「社内カンパニー制」が機能し、各カンパニーの独自施策により収益性が強化されています。特に中間期で38億円の利益を上げた冷却ファン事業のほか、生産技術エンジニアリングサービスという新ビジネスの開始など、独立性の高い組織運営によって市場ニーズへの即応体制が整っています。
1 連結業績ハイライト
出典:2025年度第2四半期 決算説明会 P.4
売上収益
507.8億円
+9.2%
営業利益
48.4億円
+59.1%
中間利益
35.0億円
+119.3%
中間連結会計期間の実績は、AI関連市場を中心とした活発な需要を取り込み、売上収益507億円、営業利益48億円と大幅な増収増益を記録しました。営業利益率は前年同期の6.5%から9.5%へと大幅に向上しており、高付加価値製品の販売比率が高まっています。中間利益に至っては前年同期比119.3%増の35億円に達し、力強い収益回復を示しています。
通期業績予想に対する営業利益の進捗率は42.0%となっています。同社の主要な販売市場であるファクトリーオートメーション(FA:工場の自動化)市場の回復には遅れが見られるものの、通信や社会インフラ向けの需要が堅調であることから、通期の計画達成に向けて概ね順調な推移と評価できます。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2025年度第2四半期 決算説明会 P.7
サンエースカンパニー
事業内容:冷却ファン(San Ace)等の設計・製造・販売。主にサーバや通信機器、産業機器の熱対策ソリューションを提供。
業績推移:売上収益203億円(前年同期比+12.3%)、受注高185億円(同+27.3%)。セグメント利益38億円と大幅増益。
注目ポイント:北米・日本を中心にAIサーバ向け需要が急増しています。GPUサーバの高度化に伴う大型・高風量ファンの技術開発が急務となっており、開発スピードを武器に市場シェアを拡大できる技術人材が活躍できるフィールドです。
エレクトロニクスカンパニー
事業内容:無停電電源装置(UPS)、パワーコンディショナ、サーボアンプ等の設計・製造・販売。
業績推移:売上収益103億円(前年同期比+3.7%)、受注高113億円(同+30.6%)。社会インフラ向けが回復基調。
注目ポイント:「SANUPS W83A」をはじめ、カーボンニュートラルや社会インフラ(鉄道、通信)向けの需要が安定。再エネ市場への新製品投入を加速させており、電力変換技術(パワエレ)に強みを持つ人材の需要が高まっています。
モーションカンパニー
事業内容:サーボモータ・ステッピングモータ等の設計・製造・販売。産業用ロボットや工作機械の核心部を支える。
業績推移:売上収益175億円(前年同期比+10.2%)、受注高207億円(同+43.9%)。中国市場の回復により黒字転換。
注目ポイント:中国の設備投資回復に加え、新ビジネスとして生産技術エンジニアリングサービスを開始。自社の自動化ノウハウを他社へ提供する新たな収益源を構築中で、装置設計や生産ライン構築の経験がダイレクトに活かせます。
日本・北米・海外地域別状況
事業内容:世界5地域(日本、北米、ヨーロッパ、東アジア、東南アジア)での販売・サービス展開。
業績推移:北米は売上収益114億円(同25.4%増)と極めて好調。日本国内も305億円(同7.0%増)と堅調。
注目ポイント:北米市場でのIT・通信向け需要が爆発的に伸びています。グローバル販売網の拡大に伴い、ハノイ駐在員事務所の新設などグローバルでの事業基盤強化が進んでおり、国際感覚を備えたマネジメント人材への期待が高まっています。
その他(電気機器販売・工事)
事業内容:産業用電気機器の販売および老朽化した電気設備の点検・補修・更新工事。
業績推移:売上収益25億円(前年同期比+1.5%)。鉄鋼や公共インフラ向けの需要が下支え。
注目ポイント:安定した鉄鋼業界向け工事に加え、医療機器関連への販路拡大を狙っています。グループ製品以外の取り扱いも多く、顧客の課題解決に向けた多角的な提案が求められる、商社・建設的な側面を持つ領域です。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2025年度第2四半期 決算説明会 P.18
2026年3月期の通期予想では、売上収益1,071億円、営業利益115億円と、前期比で大幅な増収増益を計画しています。背景にはAIサーバ需要の継続的な伸びに加え、回復が遅れていた中国市場やFA市場も下期から回復基調に乗るという見立てがあります。特に「殻を破る」を掲げた第9次中期経営計画の最終年度として、504件に及ぶ施策の完了を目指し、組織全体の筋肉質化を進めています。
将来の成長ドライバーとして、ベトナムでの新工場設立(2027年起工・竣工予定)に70億円の投資を実行。日本、フィリピンに続く第3の主要生産拠点を構築することで、地政学リスクへの対応とグローバル供給力の強化を両立させます。また、他社の真空技術と自社のサーボ技術を融合した「真空アクチュエータユニット」など、協業ビジネスによる新市場開拓も加速しており、従来の枠に囚われない共創型の人材が強く求められています。
4 求職者へのアドバイス
山洋電気の強みは、AIサーバから再エネ、FAロボットまで、現代社会の「動く・冷やす・支える」という根幹を支える技術力にあります。特に中間期で営業利益59%増という好業績を支えた冷却ファン事業の「スピード感」や、ベトナム新工場という「グローバルな拡大局面」を志望理由の軸に据えると、経営戦略と合致しやすくなります。社内カンパニー制による意思決定の速さを活かし、自らの専門性で事業の収益最大化に貢献したいという姿勢が評価されるでしょう。
「ベトナム新工場の設立によって、日本やフィリピンの拠点との役割分担や技術連携はどのように進化していく予定でしょうか?」
「社内カンパニー制2年目を迎え、カンパニーを跨いだ技術融合(例:SANUPSとSANMOTION)による新製品開発の成功事例や今後の展望についてお聞かせください。」
「『生産技術エンジニアリングサービス』という新事業において、外部顧客の課題を抽出しソリューション化するために、中途採用者に期待される外部知見は何でしょうか?」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
カスタマイズ製品を提案できる面白み
お客様に沿ってカスタマイズ製品を提案できることは、他社と比較しての面白みかもしれません。一般的なメーカー営業として、工場との折衝や、代理店との折衝が経験できます。
(20代後半・代理店営業・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料:
- 2026年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔IFRS〕(連結)
- 2026年3月期 第2四半期 決算説明会資料



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