0 編集部が注目した重点ポイント
① 明星電気を100億円で買収し「宇宙・気象」へ領域を拡大する
2026年2月に明星電気の全株式を100億円で取得し、子会社化することを決定しました。従来の「屋内・火災」中心の防災から、明星電気の強みである地震計や気象計、人工衛星搭載の観測機といった「屋外・宇宙」領域へと事業を広げます。これにより、総合防災グループとしてのキャリア機会が飛躍的に拡大する見込みです(前年同期は未連結のため単純比較不可)。
② 5年連続で第2四半期の受注高過去最高を更新する
2026年3月期中間期の受注高は、前年同期比7.2%増の860億円に達し、5年連続で中間期の過去最高を更新しました。売上高も570億円(同4.5%増)と2年連続で過去最高を記録。データセンターや半導体工場、大型再開発物件など、防災設備の高度化・更新需要を背景に、極めて堅調な市場環境が続いています。
③ 中長期の営業利益率目標を12%以上へ上方修正する
新中期経営計画「ステージIII」の開始にあたり、2029年3月期の数値目標を上方修正しました。当初10%以上としていた営業利益率目標を12.0%以上に引き上げ、ROE(自己資本利益率)目標も10.0%以上に設定。高収益物件へのシフトとDX活用による業務効率化を徹底し、より高い付加価値を創造できる企業への変革に挑戦しています。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年3月期 第2四半期(中間期)決算説明会 P.4
受注高
86,064百万円
+7.2%
売上高
57,020百万円
+4.5%
営業利益
2,877百万円
▵20.1%
中間期の売上高は57,020百万円(前年同期比4.5%増)となり、第2四半期として2年連続の過去最高を更新しました。利益面では、採算性の低い大型物件の影響や、中長期ビジョン推進に向けた人件費・研究開発費等の販管費増加(同12.8%増)により営業利益は2,877百万円(同20.1%減)となりましたが、これらは成長投資としての側面が強く、計画の範囲内です。
通期予想に対する進捗状況については、売上高が40.5%にとどまっていますが、同社の業績は物件の竣工が集中する第4四半期に大きく偏重する傾向があります。高水準な受注残高(99,010百万円)を背景に、期末にかけて利益率は改善する見通しであり、通期計画の達成に向けては概ね順調に推移していると評価できます。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年3月期 第2四半期(中間期)決算説明会 P.5
火災報知設備
事業内容:自動火災報知設備、煙監視システム等の製造・販売および取付工事。オフィスビル、マンション、物流倉庫等が主対象。
業績推移:売上高21,141百万円(前年比7.3%増)。受注高は中間期の過去最高を更新し、受注残高も17.9%増と大幅伸長。
注目ポイント:リニューアル市場の活況により工事付案件が拡大中です。データセンターや半導体工場向けに、火災を予兆レベルで捉える超高感度煙監視システム「PROTECVIEW」の引き合いが強く、高度なシステム設計・施工管理の経験が求められています。
消火設備
事業内容:スプリンクラー、ガス消火、泡消火設備等の製造・工事。プラント、道路トンネル、文化財等の特殊物件に強み。
業績推移:売上高18,882百万円(前年比1.2%増)。セグメント利益は2,991百万円(同20.4%増)と大幅増益。
注目ポイント:利益率が15.8%(前年比2.5pt改善)と好調です。プラントやトンネルといった特殊物件での強みを背景に、受注可否の厳選と価格改定が浸透。大規模かつ特殊な現場を管理できる、経験豊富なエンジニアの価値が高まっています。
保守点検等
事業内容:消防用設備の法定点検、不具合修繕、リニューアル工事(補修工事)。
業績推移:売上高14,789百万円(前年比7.0%増)。受注高・受注残高・売上高すべてが3年連続で中間期の過去最高。
注目ポイント:安定収益の源泉です。リニューアル提案の強化により補修工事が10.7%増と大きく伸びています。点検・施工体制の強化に向けて人員増強を継続中であり、顧客と長期的な関係を築けるメンテナンス担当者が切望されています。
その他
事業内容:駐車場車路管制システムの設計、製造、施工、販売、保守など。
業績推移:売上高2,378百万円(前年比7.7%減)。セグメント利益は133百万円(同8.8%増)と増益。
注目ポイント:売上は減少したものの利益率は向上。既存の防災技術を応用したニッチな領域での収益性強化が進んでいます。領域特化型の営業や開発に興味がある方にとって、堅実なキャリア選択肢となります。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年3月期 第2四半期(中間期)決算説明会 P.21
2026年3月期の通期予想は、売上高140,600百万円(前期比5.2%増)、営業利益16,500百万円(同5.2%増)と、過去最高益の更新を見込んでいます。この強気な計画を支えるのが、積極的な人的資本投資です。中長期ビジョン「ステージIII」において、能美防災単体で400名の純増、グループ全体で500名の増員を計画。施工・メンテナンス体制を確立し、受注機会の損失を防ぐ狙いがあります。
また、明星電気の買収(100億円規模)に加え、函館の北興通信や石川のセフトなど、地域に根ざしたM&Aも積極的に展開。屋内から屋外、そして宇宙までをつなぐ「かつてないスケールの防災ソリューション」の構築を掲げています。DX実現に向けたリソース増強や、生成AIによる業務改善も推進しており、レガシーな防災業界を変革するエンジニアやDX人材にとって、非常に魅力的なフェーズに突入しています。
4 求職者へのアドバイス
能美防災は今、「火災報知器のメーカー」から「宇宙・気象までを網羅する総合防災企業」へと脱皮を図る歴史的な転換点にあります。100億円規模の明星電気買収や、利益率目標の12%への上方修正など、攻めの経営姿勢に共感し、その変革を支える一員になりたいという意欲が評価されるでしょう。特に、人手不足を解決するためのDX推進や施工体制強化への貢献は、同社の最優先課題(マテリアリティ)に直結する強い動機となります。
「明星電気の買収により、火災以外の防災領域(気象・宇宙)でのキャリアの可能性や、技術シナジーをどのように創出しようとしていますか?」
「営業利益率12.0%以上という高い目標に向けて、DX(デジタル変革)が現場の業務効率化や付加価値向上にどのように具体的に寄与していますか?」
「4年間で500名の増員という意欲的な採用計画がありますが、入社後の早期戦力化に向けた育成体制や、キャリアパスの多様性について教えてください。」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料:
- 2026年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)
- 2026年3月期 第2四半期(中間期)決算説明会資料



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