0 編集部が注目した重点ポイント
① 英国Boss Design社の完全子会社化により海外事業を強化する
2025年4月1日付で、英国のBoss Design Limitedを完全子会社化しました。このM&Aにより、同社が強みとするデザイン性の高い「ルースファニチャー(移動可能な家具)」や「アコースティック製品(吸音製品)」を製品ラインナップに拡充しています。欧米市場における強固な事業基盤を獲得したことで、海外事業でのキャリア機会が飛躍的に拡大する可能性を示唆しています。
② 配当性向を40%以上に引き上げ株主還元を大幅に拡大する
株主還元の基本方針を変更し、連結配当性向を従来の33%から40%以上に引き上げました。2026年3月期の年間配当は、普通配当の増額に加え記念配当を加え、前期比10円増の104円を予想しています。利益創出を成長投資と還元にバランスよく配分する姿勢を明確にしており、安定した経営基盤を背景にした事業成長が期待されます。
③ 5.48%の大幅賃上げ実施で優秀な人材確保に注力する
物価上昇と人材獲得競争の激化に対応するため、当連結会計年度において5.48%の賃上げを実施しました。特に大卒初任給を30万円に引き上げるなど、人財への投資を経営の最優先事項の一つとしています。「人が活きる社会の実現」というパーパスを自ら体現する姿勢は、プロフェッショナル人材にとって非常に魅力的な就業環境と言えます。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年3月期第3四半期 決算補足資料 P.3
売上高
2,335億円
+5.7%
営業利益
114億円
+6.3%
当期純利益
135億円
+20.4%
当第3四半期累計期間は、主力のオフィス環境事業が牽引し、売上高、当期純利益ともに過去最高を記録しました。仕入価格の上昇や賃上げによるコスト増はありましたが、価格転嫁やコストダウンの取り組みにより売上総利益率は0.9ポイント改善しています。また、投資有価証券売却益57.0億円の計上も最終利益を大きく押し上げる要因となりました。
通期計画に対する売上高の進捗率は70.8%となっており、年度末に需要が集中する業界特性を考慮すると概ね順調に推移しています。営業利益については進捗率が47.5%に留まっていますが、例年第4四半期に業績が大きく伸びる傾向があり、会社側は計画達成に向けて順調であるとの判断を示しています。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年3月期第3四半期 決算補足資料 P.8
オフィス環境事業
事業内容:オフィス家具の製造・販売、ワークプレイスのデザイン・コンサルティング、海外展開。国内リニューアル需要への対応。
業績推移:売上高1,289億円(前年比17.9%増)、営業利益98.2億円(同86.0%増)と過去最高を更新しました。
注目ポイント:ハイブリッドワークの普及や人材確保を目的とした「行きたくなるオフィス」への投資が全国で旺盛です。新規連結したBoss Design社の貢献もあり、海外事業の拡大が加速しています。多様化する働き方を提案できる空間デザインやコンサルティング営業の経験者が、今最も求められています。
商環境事業
事業内容:店舗什器、冷凍冷蔵ショーケースの製造・販売。小売業の省人化・省力化を支えるソリューションの提供。
業績推移:売上高884億円(前年比0.8%減)、営業利益23.1億円(同39.4%減)の減収減益となりました。
注目ポイント:一部の大口案件中止が響きましたが、冷凍冷蔵ショーケースの販売は好調です。減益の要因は新工場稼働や賃上げによる人件費増、事業本部オフィスの移転費用4.8億円など一時的・戦略的費用が重なったためです。店舗のDX化や環境対応(省エネ)を推進できる技術・営業人材の役割が重要性を増しています。
物流システム事業
事業内容:自動倉庫、搬送システム等の物流自動化ソリューション。ソフトウェア「Optify」による倉庫最適化。
業績推移:売上高116億円(前年比34.9%減)、営業損失8.6億円と厳しい結果となりました。
注目ポイント:前期の大型物件対応にリソースが集中し、今期向けの新規受注活動が制約されたことが減収の主因です。しかし、人手不足を背景とした自動化需要は根強いものがあります。自社初のソフトウェア製品「Optify(オプティファイ)」による統合インテグレーターへの進化を目指しており、IT・ソフト領域に強いエンジニアの参画が待望されています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年3月期第3四半期 決算補足資料 P.20
通期では売上高3,300億円(前年比4.9%増)、営業利益240億円(同0.3%増)の計画を据え置いています。主力のオフィス環境事業において、2025年12月に実施した製品価格改定の効果が第4四半期に顕在化する見込みです。年度末需要の確実な取り込みに向け、在庫の充実と供給体制の整備を急ピッチで進めています。
成長に向けた投資についても積極的で、戦略投資枠500億円に対し、2025年3月期末までに約310億円、3年間累計では430億円の実施を見込んでいます。つくば、御殿場、須坂といった生産拠点の増強に加え、M&AやDX推進に多額の資金を投じる計画です。2026年6月には次期中期経営計画の発表を予定しており、さらなる長期的なキャリアパスが描ける局面と言えます。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
「人が活きる社会の実現」というパーパスと、それを支える大幅な賃上げ(5.48%)や初任給引き上げといった具体的施策を、自分の仕事観と結びつけるのが有効です。また、英国Boss Design社の買収によるグローバル展開の加速についても触れ、自身の専門性をどう世界市場で活かしたいかを伝えると、戦略への理解度が高いと評価されるでしょう。
面接での逆質問例
・「海外事業においてBoss Design社とのシナジーを最大化するために、現地のプロジェクトに日本からどのように関与する機会がありますか?」 ・「物流システムの統合インテグレーター化に向けて、自社ソフトOptifyの普及を技術面・営業面からどう加速させていく計画ですか?」 ・「次期中期経営計画の策定において、若手や中途採用人材の意見を取り入れるような仕組みや文化はありますか?」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
ライバルは少ないので昇進しやすい
社内の雰囲気として働きにくさを感じることはない。基本的にみんな女性に優しく気遣ってくれる。会社は女性活躍に力を入れているので、逆にやる気があればライバルは少ないので昇進しやすいと思う。
(20代後半・貿易事務・国際業務・女性) [キャリコネの口コミを読む]30時間超えはサービス残業になる
職種によって様々だが、土日に工事が集中することもあり、休日出勤を免れないことはある。 残業に関しては30時間までは支給されるが、それ以上になるとサービス残業になっているのが実態である。
(20代後半・建築・設備関連職・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 2026年3月期第3四半期 決算短信〔日本基準〕(連結)
- 2026年3月期第3四半期 決算補足資料



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