0 編集部が注目した重点ポイント
① 積極的な先行投資を吸収し、売上・営業利益ともに過去最高を更新する
ニューヨーク子会社の本格稼働や「World eSIM」の拡大、経理BPO業務の人的資本投資など、総額8.4億円におよぶ先行投資を実行しました。これらを完全に吸収した上で、売上高は前年同期比9.8%増、営業利益は同20.5%増を達成しており、投資と利益成長を両立させる強固な収益構造を証明しています。
② 2028年の営業利益率目標を20.0%へ引き上げ、筋肉質な経営へ舵を切る
中期経営計画の数値を一部見直し、売上目標を保守的に試算する一方で、営業利益100億円の目標は維持しました。デジタル化による物理コスト圧縮やAI活用による効率化を推進し、最終年度の営業利益率を従来の15.9%から20.0%へ上方修正しています。より高収益な体質への転換を目指す戦略的な意思決定といえます。
③ 法人利用シェア約74%の顧客基盤を活かし、クロスセル戦略を加速させる
グループ全体の売上高のうち、法人利用が約74%を占める盤石な顧客基盤を構築しています。グローバルWiFi事業での強固なつながりを起点に、情報通信サービスや経理BPOなどを提案する「データドリブンセールス」を強化。既存顧客の生涯価値(LTV)を最大化させることで、外部環境に左右されにくい安定成長を目指しています。
1 連結業績ハイライト
出典:2025年12月期 決算説明資料 P.5
2025年12月期の実績は、売上高が39,012百万円、営業利益が6,465百万円となりました。前年比で大幅な増益を実現しており、特に営業利益率は15.1%から16.6%へと向上しています。これは株主優待制度の変更による費用減少など、コスト管理の徹底も寄与しています。
通期業績予想に対する進捗状況は、売上高で97.5%、営業利益で100.4%、当期純利益で103.2%に達しました。各段階利益で予想を上回っており、業績は極めて堅調に推移したと評価できます。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2025年12月期 決算説明資料 P.8
グローバルWiFi事業
事業内容: 海外・国内向けのWiFiルーターレンタル、eSIMサービス「World eSIM」、訪日外国人向け「NINJA WiFi」等の提供。
業績推移: 売上高21,011百万円(前年比+5.7%)、セグメント利益6,351百万円(同+6.1%)。
注目ポイント: 出国者数の回復が緩やかな中、法人契約の積み上げと高単価プラン(無制限プラン)の浸透により、過去最高のセグメント利益を確保しました。特に「World eSIM」は前年比2.5倍と大幅に伸長しており、物理的な受け渡しを伴わない高効率モデルへのシフトが進んでいます。グローバル展開の加速に伴い、マーケティングや海外拠点管理の専門人材が重要性を増しています。
情報通信サービス事業
事業内容: 中小企業を対象としたモバイル通信機器、OA機器の販売、自社ストックサービスの提供、経理BPO業務等。
業績推移: 売上高16,406百万円(前年比+13.2%)、セグメント利益1,746百万円(同+3.1%)。
注目ポイント: 移動体通信機器(スマートフォン)の販売が好調で、これを「フック」にした多角的な提案が成果を上げています。特に、自社ストック収益が予算比+17.8%と上振れており、収益基盤の安定化に大きく貢献。戦略的に投資を継続している「経理BPO」は、顧客の成長フェーズに合わせたリソース提供を可能にしており、BPOコンサルティングのスキルを持つ人材の活躍の場が広がっています。
グランピング・ツーリズム事業
事業内容: 自社グランピング施設の運営および、高付加価値なインバウンド旅行手配(DMCモデル)の提供。
業績推移: 売上高1,588百万円(前年比+37.4%)、セグメント利益176百万円(同+47.2%)。
注目ポイント: 既存施設(山中湖・こしかの温泉)の安定稼働に加え、地域の魅力を体感価値へ変換するDMCモデルへの高度化が進んでいます。2027年には淡路島での新規開業も控えており、開発スピードが加速。単なる「手配」に留まらない、地域経営組織としての専門性を備えた観光人材へのニーズが急速に高まっています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2025年12月期 決算説明資料 P.28
次期の通期業績は、売上高42,000百万円(前年比7.7%増)、営業利益7,500百万円(同16.0%増)を見込んでいます。営業利益率は17.9%を計画しており、前年からさらに約1.3ポイント上昇させる強気の見通しです。成長を支える鍵は「データドリブンセールス」による全社的な営業効率化と、海外市場への「World eSIM」本格展開です。特にニューヨーク拠点をハブとしたグローバル事業の強化、および採用計画として40名の採用を掲げており、成長を牽引する中核人材を積極的に求めています。また、積極的なM&Aを通じた事業シナジーの最大化も戦略に盛り込まれており、組織としての拡張期にあることが伺えます。
4 求職者へのアドバイス
ビジョンは「投資と利益成長の両立」を高いレベルで実現している企業です。単なるインフラ提供に留まらず、「World eSIM」のような高効率な収益モデルへの転換や、「DMCモデル」への高度化など、事業自体の進化に携わりたいという意欲は高く評価されるでしょう。また、法人顧客シェア約74%という圧倒的な基盤を活かし、顧客の生涯価値を高めるコンサルティング型セールスに挑戦したいという動機も、同社の戦略と合致しています。
- 「2028年の営業利益率20%達成に向けて、AI活用やデジタル化による物理コスト圧縮において、現場社員にはどのような役割が期待されていますか?」
- 「データドリブンセールスを全社展開される中で、他事業部との連携やクロスセルの成功事例を共有する仕組みはどのようになっていますか?」
- 「World eSIMのグローバル展開が本格化する中で、日本国内のチームが担うべき役割や、求められる専門性について教えてください。」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル
※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 2025年12月期 決算説明資料(2026年2月13日発表)
- 2025年12月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年2月13日発表)



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