【平均年収930万円】北野建設 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収930万円】北野建設 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

北野建設は、建設事業を主軸に、ゴルフ場やホテル、広告代理店事業など多角的な事業をグループ各社とともに展開しています。千名を超える従業員を擁し、直近期の業績は売上高が減少したものの、利益は増加となりました。


目次

※本記事は、北野建設株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月26日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


北野建設は、建設事業を主軸とする企業グループです。土木・建築工事の施工、太陽光発電事業のほか、ゴルフ場、ホテル、広告代理店事業など多角的な事業を展開しています。

単体従業員数は778名、連結従業員数は1,143名です。セグメントは建設事業、ゴルフ場事業、ホテル事業、広告代理店事業の4つです。

主な国内グループ会社は、川中嶋土地開発(ゴルフ場・事業)、ソロモンキタノメンダナホテルリミテッド(ホテル事業)、アサヒエージェンシー(広告代理店事業)などです。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


北野建設は、建設事業を主軸とし、ゴルフ場事業やホテル事業も展開する企業です。同社グループは「企業は人なり」を標榜し、人材を未来を育てる重要な資産と位置づけています。従業員一人ひとりが働きがいを感じ、成長できる環境づくりに注力していることがうかがえます。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社は、従業員のキャリア形成支援に力を入れ、多様な働き方を推進しています。平均勤続年数や平均年齢からは、長期にわたって安定して働く従業員が多い傾向が見られます。

項目 数値
平均年間給与 9,298,000円
平均勤続年数 15.9年
平均年齢 44.5歳
単体従業員数 778人
連結従業員数 1,143人
単体のグループ内比率 68.1%


同社は、確定給付型の制度として確定給付企業年金制度及び確定拠出年金制度を設けており、連結子会社は退職一時金制度又は確定拠出年金制度を設けています。これらの制度は国内の従業員に適用されます。

退職一時金制度がありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。なお、確定給付制度における退職給付債務は11.1億円、年金資産は25.1億円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社グループは「未来を育てる人がいる」をコーポレートステートメントに掲げ、人材を最も重要な経営資源と捉えています。人材の力を最大限発揮できる投資を行い、持続的な企業価値の向上を目指しています。

人事制度においては「脱年功序列」「柔軟な働き方」「公平な評価」を基本方針とし、従業員の継続的な成長と長期勤続を促す環境を整備しています。報酬は、従業員各人の役位、役割、責務に応じた固定報酬(月例報酬)と、経済状況や業績を勘案した業績連動型報酬(賞与)で構成されています。また、優秀な人材確保のため、採用競争力のある報酬水準を目指しています。

人的資本の強化をマテリアリティの一つとして特定し、人材確保、人材の多様性推進、健康経営、満足度の高い制度づくり、気候変動に伴う労働環境改善に取り組んでいます。具体的には、2021年よりキャリア採用プロジェクトを開始し、社員数の増加を実現しています。女性活躍推進では「北野こまち会」の活動や「えるぼし2段階認証」の継続取得、健康経営では「健康経営優良法人(大規模法人部門)」の認定を継続して受けています。社員意識調査の結果を新人事制度に反映させるなど、誰もが働きやすい職場環境づくりを進めています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データです。正規雇用労働者男女の賃金の差異は、職種や等級別の人員構成が主な要因であり、給与体系や評価などの制度上の取り扱いに男女差はありません。

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 5.1%
男性労働者の育児休業取得率 93.3%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 58.4%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) 62.2%
労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) 27.4%

多様性・登用

指標 数値
採用者に占める女性割合 25.0%

人材育成・エンゲージメント

指標 数値
社員の研修受講費用 総額 4,100万円

健康・安全

指標 数値
正社員一人当たり平均年間労働時間 2,258時間

有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


北野建設グループは、建設事業を主軸に、ゴルフ場事業、ホテル事業、広告代理店事業を展開しています。多角的な事業ポートフォリオを持つことで、安定した経営基盤を築いています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、建設事業を主要な事業としています。これに加えて、ゴルフ場やホテルの運営、広告代理店業務も手掛けており、それぞれの事業が収益を上げています。

建設事業

建設事業では、建築工事や土木工事、それに付帯する開発事業や太陽光発電事業を行っています。同社グループの事業の中で最も規模が大きく、前期と比較して売上高はやや減少しています。収益は、これらの工事や事業の請負から得ています。運営は、北野建設が行っています。

ホテル事業

ホテル事業では、連結子会社がソロモンキタノメンダナホテルやホテルデュパルクハノイのホテル経営を行っており、北野建設も長野市でホテル経営を行っています。この事業は前期と比較して売上高が拡大しています。収益は、宿泊や飲食などのホテルサービス提供から得ています。

広告代理店事業

広告代理店事業は、連結子会社が広告代理店を経営しています。前期と比較して売上高はやや減少しています。収益は、広告の企画・制作・出稿代理などから得ています。

ゴルフ場事業

ゴルフ場事業では、連結子会社が川中嶋カントリークラブの経営を行っています。この事業は前期と比較して売上高が拡大しています。収益は、ゴルフ場の利用料などから得ています。

セグメント 売上高(2025年3月期) 売上高(2026年3月期)
建設事業 770億円 749億円
ホテル事業 28.1億円 29.3億円
広告代理店事業 7.5億円 7.2億円
ゴルフ場事業 2.5億円 2.6億円


同社グループの売上高は、本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の大部分を占めており、海外比率は低い傾向にあります。当連結会計年度においては、特定の顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先はありません。

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの過去5期の業績を見ると、売上高は一度大きく伸びた後、直近2期は緩やかな減少傾向にあります。一方で、経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益は、増減を繰り返しながらも直近の当期は増加しています。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 601億円 853億円 850億円 809億円 788億円
経常利益 28.6億円 43.6億円 50.7億円 40.7億円 50.1億円
経常利益率 4.8% 5.1% 6.0% 5.0% 6.4%
親会社株主に帰属する当期純利益 17.4億円 19.9億円 39.0億円 33.8億円 34.9億円
1株当たり当期純利益(円) 70.14 81.94 168.40 140.55 143.54

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたりの売上高は前期から減少していますが、従業員1人あたりの営業利益は前期から増加しています。これは、売上高が減少する中でも、事業運営の効率化や収益性の改善が進んでいることを示しています。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
従業員1人あたり売上高(連結) 73.2百万円 68.9百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 3.3百万円 4.1百万円

業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


財務の安定性の観点から、北野建設グループの現在の財務状況と資金の流れを見ていきます。本業の資金繰りや投資活動の状況から、今後の事業展開や雇用への影響を読み解きます。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


北野建設グループの自己資本比率は64.2%となっており、プライム市場の平均と比較して高い水準を示しています。これは、財務基盤が安定していることを示しています。

一方で、ROE(自己資本利益率)は7.1%であり、プライム市場の平均と比較するとやや低い水準となっています。手元資金を示す現金及び預金は前期から減少しています。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 472億円 522億円
自己資本比率 61.7% 64.2%
ROE(自己資本利益率) 7.5% 7.1%
現金及び預金 188億円 132億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


北野建設グループの営業活動によるキャッシュフローは、前期に引き続きマイナスとなっていますが、減少幅は縮小しています。これは、税金等調整前当期純利益がプラスである一方で、売上債権の増加や未成工事受入金の減少が主な要因です。

投資活動によるキャッシュフローは、定期預金の預入による支出や有形固定資産の取得などにより、前期から減少幅が拡大しています。財務活動によるキャッシュフローは、親会社の配当金による支出が主な内訳であり、前期から減少幅が縮小しています。

これらの結果、フリーキャッシュフローは引き続きマイナスとなっていますが、減少幅は縮小しています。建設業においては、工事期間中に未成工事支出金が積み上がることで営業キャッシュフローが一時的にマイナスとなる場合があります。同社グループは、本業の資金繰りにおいて短期的な運転資金需要を金融機関からの借入で対応する方針を示しており、今後の資金の流れを注視していくことが重要です。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF △61.7億円 △41.6億円
投資CF △8.5億円 △12.8億円
財務CF △12.4億円 △6.8億円
フリーCF(営業CF+投資CF) △70.2億円 △54.4億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク


継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク


同社グループが事業活動を行う市場である我が国の経済環境の動向は、同社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。具体的には、景気後退懸念による企業の設備投資抑制による受注機会の減少や、資材・エネルギー価格の高騰等による原価高騰が挙げられます。

また、同社グループの建設事業では海外工事を受注しており、現地における政変・暴動の発生等による工事の中断や中止、現地政府の政策変更による原価高騰など、カントリーリスクが業績に影響を及ぼす可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク


建設業界全体で労働者不足や労務費の上昇が続いており、同社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。これは、人材の確保と維持に関する課題を示しています。

④ 雇用安定性・リストラ


解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


北野建設は、「品質管理」「安全管理」「コンプライアンス遵守の徹底」を事業活動の三原則とし、地域社会に根差した経営を推進しています。同社グループは「未来を育てる人がいる」をコーポレートステートメントに掲げ、持続的な成長と社会貢献を目指しています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


北野建設グループは、「顧客からの信頼を第一義に考え、高品質・高付加価値なものづくりに徹し、社会の期待に応え、ともに発展する」ことを経営理念としています。同社グループは「未来を育てる人がいる」というコーポレートステートメントのもと、次世代を担う人材の育成と技能・知識の継承に注力しています。

また、「高品質・高付加価値なものづくり」を通じて、快適で安全な環境を提供し、社員や家族のゆとりと豊かさの実現、そしてステークホルダーとのより良い未来の共有を使命としています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループは、「品質管理」「安全管理」「コンプライアンス遵守の徹底」を事業活動の三原則としています。これらは、高品質な商品提供と技術者育成、労働災害防止、法令・社会規範遵守を徹底するものです。

経営方針としては、「高品質・高付加価値なものづくり」「コンプライアンスの重視とコーポレート・ガバナンスの強化」「地域密着型経営」「積極かつ堅実経営」を掲げています。

また、同社グループは「企業は人なり」という考え方を標榜し、人材を最も重要な経営資源と捉え、採用・育成に積極的な投資を行う方針です。多様な人材の確保と育成、働きやすい職場環境の整備を通じて、持続的な企業価値向上を目指しています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、「コンプライアンスの重視とコーポレート・ガバナンスの強化」を重要な経営課題と認識し、全役職員への啓蒙を継続しています。企業を取り巻く各種リスクへの適切な対応のため、コーポレート・ガバナンスの強化に取り組んでいます。

また、「品質管理・安全管理・コンプライアンス遵守の徹底」を事業活動の三原則として重点管理し、経営効率の改善を推進しています。建設系人材の採用が難しい環境にあるため、積極的なキャリア採用も重点テーマの一つとしています。

会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


北野建設は監査役制度と執行役員制度を採用しています。経営上の意思決定・監督機能と業務執行機能を分離し、迅速かつ戦略的な経営体制の構築を図っています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


北野建設の株主構成を見ると、筆頭株主は一般財団法人北野財団です。公益財団法人北野美術館や北野管財合同会社といった「北野」を冠する財団や関連会社が上位株主として名を連ねています。これらの株主グループが同社の経営に一定の影響力を持っていることがうかがえます。

株主名 持株比率
一般財団法人北野財団 13.16%
公益財団法人北野美術館 8.23%
北野管財合同会社 7.96%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は9名(男性8名・女性1名)で構成され、女性役員比率は11.1%です。代表取締役会長兼社長執行役員社長情報企画本部長は北野貴裕氏が務めています。社外取締役比率は33.3%です。

氏名 役職 主な経歴
北野 貴裕 代表取締役 会長兼社長 執行役員社長 情報企画本部長 (上席執行役員) 平成3年8月同社入社社長室長。平成4年6月同社取締役社長室長を経て、平成19年7月より同社代表取締役会長兼社長執行役員社長。令和6年7月より現職。
山﨑 義勝 取締役 専務執行役員 技術本部長兼建築事業本部長 (上席執行役員) 昭和45年4月同社入社。平成19年7月同社執行役員本社建築本部長、平成20年6月同社取締役常務執行役員を経て、平成23年6月より同社取締役専務執行役員。令和6年4月より現職。
久保 聡 取締役 執行役員 人事本部長兼ブランディング・広報戦略室長 兼CSR推進室長 (上席執行役員) 昭和60年4月同社入社。平成28年4月同社執行役員人事本部長を経て、令和4年6月同社取締役執行役員。令和7年12月より現職。
秋田 孝之 取締役 執行役員 経営管理本部長兼 特命案件担当 (上席執行役員) 昭和61年4月三菱銀行(現 三菱UFJ銀行)入行。生化学工業取締役上席執行役員を経て、令和5年7月同社入社執行役員。令和6年6月より現職。


社外取締役は、矢崎ふみ子氏(税理士法人山田&パートナーズ顧問)、杉浦康之氏(三菱商事顧問)です。社外監査役は、西田孝氏(元百五銀行監査役)、酒井光一氏(元ルビコン代表取締役専務)です。

同社は監査役会設置会社であり、経営の意思決定・監督機能と業務執行機能を分離する執行役員制度を採用しています。社外取締役は客観的な立場から経営を監督し、企業統治の強化に貢献しています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


北野建設の役員報酬は、固定報酬、業績連動型報酬、非金銭報酬で構成されています。業務執行取締役にはこれら全てが支給され、非業務執行取締役には固定報酬のみが支給される仕組みです。中長期的な企業価値向上へのモチベーションを高めるため、譲渡制限付株式による非金銭報酬も導入されています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 5名 2.8億円 55.0百万円
監査役(社外除く) 1名 30百万円 30.0百万円
社外役員 5名 33百万円 6.6百万円


なお、取締役・監査役の報酬の額には、役員賞与引当金の繰入額62百万円が含まれています。

個人別報酬が開示されている役員は、北野貴裕氏(1.12億円)です。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

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この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。