※本記事は、ダイワボウホールディングス株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月24日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
ダイワボウホールディングスは持株会社であり、単体従業員数は47名、グループ連結従業員数は3,072名です。
同社グループは、子会社10社で構成され、情報機器の販売や工作機械等の製造販売を主に行っています。ITインフラ流通事業と産業機械事業の2つの事業を展開しています。
主な国内グループ会社は、ダイワボウ情報システム、オーエム製作所、ディーアイエスサービス&ソリューション、アルファテック・ソリューションズ、オーエム機械などです。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
ダイワボウホールディングスは、持株会社としてグループ全体の人材戦略を推進しています。同社グループは「個を高め、個をむすび、つながる力で、未来の価値をいろどる」を人事理念に掲げ、多様な人材の確保と育成、従業員エンゲージメントの向上を重視しています。ウェルビーイング経営を実践し、従業員の働きがいと労働生産性の向上を目指す企業文化が特徴です。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
ダイワボウホールディングスでは、従業員の平均年齢が45歳を超え、平均勤続年数も16年を超える水準となっています。このことから、長期的なキャリア形成を志向する人材が定着しやすい環境にあることがうかがえます。多様な人材の確保と育成に注力し、従業員が長く活躍できる環境づくりに取り組んでいます。
なお、同社は持株会社であり、傘下の関係会社は以下のデータと同水準とは限りません。各社の求人情報や口コミサイト等を別途参照してください。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 9,315,000円 |
| 平均勤続年数 | 16.5年 |
| 平均年齢 | 45.1歳 |
| 単体従業員数 | 47人 |
| 連結従業員数 | 3,072人 |
| 単体のグループ内比率 | 1.5% |
なお、直近の主要子会社のデータは以下の通りです。
| 会社名 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年間給与 |
|---|---|---|---|
| ダイワボウ情報システム株式会社 | 36.7歳 | 13.6年 | 6,955,000円 |
ダイワボウホールディングスは、従業員の退職給付制度として、確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の両方を採用しています。これらの制度は、同社および連結子会社が従業員の退職給付に充てるために適用されています。
なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
当連結会計年度末における退職給付債務は140億円、年金資産は138億円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
ダイワボウホールディングスは、「個を高め、個をむすび、つながる力で、未来の価値をいろどる」を人事理念に掲げ、人材戦略の中心に「ウェルビーイング経営」を据えています。従業員エンゲージメントの向上を通じて、労働生産性や成長率の改善、ひいては経営戦略の実現を目指しています。
従業員の給与やその他の給付額は、職務、責任、および成果に応じた公正な処遇を基本とし、会社業績や将来的な固定費の増加に配慮した持続可能な水準で決定されています。これにより、競争力のある処遇を確保し、採用力と定着力の向上、従業員のウェルビーイング向上に努めています。
人材の育成においては、多様な個性、能力、知識、経験を持った人材の確保と育成が不可欠であるとし、グループ経営理念で「多様性と尊重」を重視しています。採用では、新卒採用に加えてキャリア採用による専門スキルを有する人材の確保に注力しています。
育成面では、集合研修やOJTに加え、eラーニングを活用した資格取得・自己啓発支援、階層別・職種別研修プログラムを実施しています。特に持株会社では、2026年3月期から個々の従業員のキャリアや適性にあわせた選抜型研修を導入し、中長期的な教育計画のもとで知識・スキルを高める育成を進めています。従業員エンゲージメントを高めるため、コミュニケーションの充実や成果の適正還元、職場環境の改善にも取り組んでいます。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データは本記事では取得できていません。
多様性・登用
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率(2030年目標) | 3.0%以上 |
| 新規採用者の中途採用比率(2026年3月期) | 18.5% |
| 国内雇用者における外国籍社員数(2026年3月期) | 20名 |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
ダイワボウホールディングスは、純粋持株会社としてグループ全体の経営戦略を統括しています。同社グループは、主に情報機器の販売を行うITインフラ流通事業と、工作機械等の製造販売を行う産業機械事業の二つの事業を展開しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、持株会社体制のもと、情報機器の販売や産業機械の製造販売を主要な事業としています。収益は、主に顧客への財の移転によって得られており、一部サービス提供による収益も存在します。
ITインフラ流通事業
この事業では、コンピュータ機器及び周辺機器の販売を主軸とし、IT機器の導入支援、設置、保守といった技術サービス、さらにシステム開発やネットワーク構築などのソリューションビジネスも手掛けています。ITインフラや情報系アプリケーションのサービス提供、ハードウェア・ソフトウェア・クラウドサービスの販売も行っています。収益は、クライアントPCや文教向けの堅調な需要、Windows10のサポート終了を見据えた更新需要、クラウド製品を中心としたリカーリングビジネスの強化などから得られています。運営は、ダイワボウ情報システム、ディーアイエスサービス&ソリューション、アルファテック・ソリューションズといった子会社が行っています。
産業機械事業
この事業では、工作機械やその他産業機械の製造販売、自動機械の製造販売を行っています。収益は、国内の造船、エネルギー、航空機業界からの受注、金型業界向けの大型機販売、自動機械の大型案件などから得られています。運営は、株式会社オーエム製作所、株式会社オーエム機械、オーエム金属工業、オムテック、O-M(U.S.A.),INC.、欧安睦(上海)商貿有限公司といった子会社が行っています。
同社グループの売上高は、本邦の外部顧客への売上高が連結売上高の90%を超えており、国内市場が事業の中心となっています。また、売上高の10%以上を占める単一の外部顧客は存在せず、特定の顧客に収益が集中している状況ではありません。
| セグメント | 売上高(2025年3月期) | 売上高(2026年3月期) |
|---|---|---|
| ITインフラ流通事業 | 1兆1,239億円 | 1兆3,365億円 |
| 産業機械事業 | 129億円 | 144億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの過去5期間の業績を見ると、売上高、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益のいずれも増加傾向を示しています。特に当連結会計年度においては、売上高および営業利益以下の各利益が過去最高の実績となりました。これは、中期経営計画で掲げた「事業ポートフォリオ変革による躍進期」における取り組みが成果に結びついていることを示しています。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 7,638億円 | 9,039億円 | 9,678億円 | 1兆1,368億円 | 1兆3,509億円 |
| 経常利益 | 246億円 | 286億円 | 314億円 | 355億円 | 449億円 |
| 経常利益率 | 3.2% | 3.2% | 3.2% | 3.1% | 3.3% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 170億円 | 191億円 | 42.8億円 | 248億円 | 320億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 178.14 | 202.79 | 45.82 | 271.37 | 362.07 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたりの売上高は前期から増加しており、従業員1人あたりの営業利益も同様に増加しています。これらの指標は、同社グループの生産性が向上し、収益体質が強化されている傾向を示しています。組織全体の効率化が進み、従業員一人ひとりの貢献度が高まっていることがうかがえます。
| 指標 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 388.3百万円 | 439.7百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 11.9百万円 | 14.4百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
ダイワボウホールディングスは、堅実な財務基盤と安定したキャッシュフローを維持しています。本業で着実に利益を上げながら、将来に向けた投資も行っている状況です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
ダイワボウホールディングスの財務基盤は、安定した経営を支える要素となっています。当期の自己資本比率は36.8%であり、プライム市場の非製造業平均と比較して高い水準を示しています。ROE(自己資本利益率)も19.9%と、プライム市場平均を大きく上回る実績です。手元資金である現金及び預金は452億円を確保しており、事業運営に必要な流動性を維持しています。これらの財務指標は、同社グループが安定した経営状況にあることを示しており、入社後の雇用や給与の安定性にもつながる基盤があると言えます。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 1,523億円 | 1,698億円 |
| 自己資本比率 | 34.6% | 36.8% |
| ROE(自己資本利益率) | 16.8% | 19.9% |
| 現金及び預金 | 554億円 | 452億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
ダイワボウホールディングスのキャッシュフローは、本業で安定的に資金を生み出し、それを成長投資と株主還元に充てている状況を示しています。営業活動によるキャッシュフローは146億円の収入となり、前期から増加しました。これは主に仕入債務の増加などによるものです。投資活動によるキャッシュフローは△62億円の支出となり、有形固定資産や無形固定資産の取得による支出が増加しています。財務活動によるキャッシュフローは△197億円の支出となり、配当金の支払いや自己株式の取得による支出が増加しました。その結果、フリーキャッシュフローは84億円のプラスとなっており、本業で得た資金を投資に回しつつも、余剰資金を生み出せる健全な状態です。この資金の流れは、同社グループが安定した事業運営を継続し、将来の成長に向けた投資も行っていることを示しており、雇用や給与の安定性にもつながる基盤があると言えます。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 59億円 | 146億円 |
| 投資CF | △26億円 | △62億円 |
| 財務CF | △174億円 | △197億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 33億円 | 84億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループのITインフラ流通事業は、パソコン本体を主要な取扱商品としており、市場全体の伸び悩みや競合激化による売上利益率の低下が業績に影響を与える可能性があります。また、産業機械事業は景気変動の影響を受けやすく、設備投資や個人消費の動向が業績を悪化させる要因となる場合があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、従業員一人ひとりが自らの業務とリスクの関係を理解し、主体的に向き合うことが不可欠であると認識しています。定期的な教育を通じてリスクとその低減活動に関する情報を共有し、健全なリスクカルチャーの醸成に取り組んでいます。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
ダイワボウホールディングスグループは、バリューチェーンを通じて人・社会・未来をつなぐことをパーパスに掲げ、多様な価値観を尊重しながら持続的な成長を目指しています。ウェルビーイング経営を実践し、従業員一人ひとりの可能性を最大限に引き出す企業風土を醸成しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
ダイワボウホールディングスグループは、パーパス(存在意義)として「バリューチェーンで人をつなぐ、社会をつなぐ、未来へつなぐ」を掲げています。この「未来へつなぐ」というメッセージには、多様で先進的なIT製品・サービスの普及や研究開発を通じて、未来の「快適さ」「安心と安全」、そして「人と社会の幸せ」の実現を目指すという思いが込められています。
同社グループは、中長期ビジョン『2030 VISION』において、IT分野を軸に新たな事業領域へ経営資源を投入し、バリューチェーンのさらなる発展につながるグループ体制の構築を目指しています。2030年には、社会に求められる事業モデルを創造する「なくてはならない企業グループ」となること、そしてディストリビューションをコアにIT市場全体をつなぐ「All-in-One Solution Company」となることを目標としています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
ダイワボウホールディングスグループは、パーパス実現のために5つのバリュー(共通の価値観、社員の行動指針、事業活動の判断基準)を選定しています。これらは「パートナーシップ」「多様性と尊重」「感謝と熱意」「誠実と公正」「価値創造への挑戦」です。特に「パートナーシップ」を重視し、バリューチェーン全体で連携・協調することで社会課題の解決を目指しています。
同社グループは「個を高め、個をむすび、つながる力で、未来の価値をいろどる」を人事理念に掲げています。グループ経営理念では「多様性と尊重」を共通の価値観とし、お互いの人権と個性を尊重し、多様な能力とアイデアを個々の成長と企業価値向上につなげることを目指しています。また、従業員の幸せや働き甲斐の充実を追求する「ウェルビーイング経営」を基本方針として実践しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
ダイワボウホールディングスグループは、中期経営計画において「事業ポートフォリオ変革による躍進期」と位置付け、グループ基本方針として「ホールディングス体制での成長」「“過去最高”へのチャレンジ」「ステークホルダーエンゲージメントの向上」を掲げています。中長期ビジョン『2030 VISION』の実現に向け、企業価値の向上に取り組んでいます。
同社グループは、コーポレートガバナンスを経営上の最重要課題の一つと認識し、内部統制機能の強化と最適なガバナンス体制の確立に努めています。また、ステークホルダーとの信頼関係を保ちながら、サステナビリティ活動の充実や自己変革を通じて、企業の社会的責任を果たすことに取り組んでいます。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
ダイワボウホールディングスは、取締役会設置会社および監査役会設置会社として、純粋持株会社体制のもとでグループ経営を行っています。取締役会はグループ戦略の立案や業務執行の監督に専念し、効率的で機動的な経営体制を構築しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社の株主構成を見ると、筆頭株主は信託銀行であり、複数の機関投資家が上位に名を連ねています。これは、幅広い投資家層に支えられている資本構成を示しています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 日本マスタートラスト信託銀行(信託口) | 14.27% |
| JP MORGAN CHASE BANK 380055 | 4.42% |
| 日本カストディ銀行(信託口) | 4.40% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は11名(男性7名・女性4名)で構成され、女性役員比率は36.0%です。代表取締役社長は西村幸浩氏が務めています。社外取締役比率は62.5%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 西村 幸浩 | 代表取締役社長 | 1985年4月ダイワボウ情報システム株式会社入社、2017年6月同社取締役常務執行役員 グループ本社担当、2020年4月同社代表取締役社長より現職。 |
| 猪狩 司 | 専務取締役 | 1994年11月ダイワボウ情報システム株式会社入社、2022年6月同社取締役 経営戦略担当 兼 経営戦略室長、2025年4月同社専務取締役 経営戦略担当より現職。 |
| 山下 隆生 | 常務取締役 | 1990年3月ダイワボウ情報システム株式会社入社、2024年6月同社常務取締役 経営管理担当 兼 法務コンプライアンス室長、2026年1月同社常務取締役 経営管理担当 兼 ウェルビーイング推進室室長より現職。 |
社外取締役は、吉丸由紀子氏(積水ハウス社外取締役)、藤木貴子氏(グーグル合同会社上級執行役員)、堀哲朗氏(JSR代表取締役CEO社長執行役員・報酬委員長・指名委員長)、岸波みさわ氏(ニデック社外取締役・報酬委員・指名委員)、堂埜茂氏(元パナソニック取締役副社長くらしアプライアンス社社長)です。
同社は監査役会設置会社であり、取締役会は8名(うち5名が社外取締役)で構成されています。監査役会は3名(うち2名が社外監査役)で構成されており、独立した立場で経営に対する監督強化に努めています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の役員報酬は、取締役(社外取締役を除く)に対して基本報酬、業績連動型金銭報酬、業績連動型株式報酬を組み合わせています。業績連動型金銭報酬は連結売上高や連結営業利益の達成度合いに基づいて算定され、業績連動型株式報酬は中長期の企業価値向上に連動する仕組みです。社外取締役および監査役の報酬は、その独立した役割に鑑み、基本報酬のみで構成されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 3名 | 2.9億円 | 95.0百万円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 19百万円 | 19.0百万円 |
| 社外役員 | 8名 | 63百万円 | 7.9百万円 |
なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した役員を含みます。
個人別報酬が開示されている役員は、西村幸浩氏(1.28億円)です。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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