※本記事は、セルソース株式会社 の有価証券報告書(2025年10月期、2024年11月1日 ~ 2025年10月31日、2026年1月28日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
セルソースグループは、再生医療関連事業を展開しています。医療機関向けに血液や脂肪由来の組織・細胞加工受託・保管サービス、再生医療等法規対応や経営管理支援サービスを提供しています。また、医療機器販売や化粧品販売も行っています。
単体従業員数は148名、連結従業員数は148名です。同社グループの事業セグメントは再生医療関連事業の単一です。
主な国内グループ会社は、(連結子会社)ハイブリッドメディカル(医療機関支援サービス)などです。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
セルソースは、再生医療関連事業を専門とする企業です。同社グループでは、事業の成長フェーズにおいて、従業員一人ひとりの活躍を重視する方針が示されています。給与水準や働き方に関する具体的なデータから、同社グループの職場環境を詳しく見ていきましょう。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
セルソースでは、平均勤続年数から、比較的若い組織であることがうかがえます。事業の成長フェーズにある同社グループにおいて、多様な人材が活躍している状況が示されています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,632,000円 |
| 平均勤続年数 | 3.2年 |
| 平均年齢 | 37.6歳 |
| 単体従業員数 | 148人 |
| 連結従業員数 | 148人 |
| 単体のグループ内比率 | 100.0% |
セルソースは確定拠出年金制度を採用しています(会社が拠出した資金を従業員が運用する)。この制度は国内グループ会社に適用されます。
なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
当連結会計年度における確定拠出制度への要拠出額は26百万円です。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
セルソースグループは、社歴が浅く小規模な組織であることから、今後の事業拡大と企業価値向上に向けて、人材の確保を重要な課題と認識しています。従業員一人ひとりが成果を最大化し、持続的な成長を続けることが重要であると考え、「HSF経営(人=Human・社会=Social・未来=Future)」を推進することで、社会的存在意義の体現と社会的使命の実現を目指しています。
同社グループでは、全ての従業員に公平かつ透明性の高い評価制度を設け、優秀な人材を積極的に登用する方針です。また、多様性確保においては、女性や外国人の具体的な目標比率は設定していませんが、全ての属性に対して公平かつ積極的に採用・登用を進めています。
人材育成制度の整備にも力を入れており、社内外での研修・教育の強化を通じて、人材が企業と共に成長できる体制を整えています。採用においては、優れた能力だけでなく人間性を重視した選考を心がけており、機動的な人材活用も制度的に実施しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体のデータを示します。男性労働者の育児休業取得率および労働者の男女の賃金の差異は、育児介護休業法および女性活躍推進法に基づく公表義務の対象項目として選択しておらず、公表されていません。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 23.8% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
セルソースは、再生医療関連事業を主軸に、医療機関への多角的なサービス提供と化粧品販売を展開しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、再生医療等安全性確保法と医薬品医療機器等法の施行を受けて、再生医療関連事業の産業化推進と新たな価値創出を目指して設立されました。主な事業内容は、再生医療を提供する医療機関向けの「組織・細胞の加工受託・保管サービス」、再生医療等法規対応や経営管理を支援する「医療機関支援サービス」、「医療機器販売」、そして「化粧品販売その他」です。
「組織・細胞の加工受託・保管サービス」では、医療機関から血液や脂肪などを預かり、多血小板血漿(PFC-FD)の作成や脂肪由来幹細胞の抽出・培養・凍結保存、脂肪組織の長期保管(FatBankサービス)を行っています。これらのサービスは、医療機関や患者の負担軽減に貢献しています。
「医療機関支援サービス」では、再生医療の提供に必要な各種申請・届出業務のサポートや、KPIによる経営管理手法の導入・運営支援などを提供しています。また、「医療機器販売」では、医療機関が血液や脂肪などの組織を採取するために必要な医療機器を販売しています。
「化粧品販売その他」では、自社Webサイトやインターネットショップを通じて一般消費者向けの化粧品ブランド「シグナリフト」を展開するBtoCモデルと、化粧品原料の提供やOEM製造を行うBtoBモデルがあります。同社グループの化粧品は、再生医療関連事業の研究成果に基づき開発された独自成分「シグナペプチド」を配合している点が特徴です。
同社グループの事業は、再生医療関連事業の単一セグメントで構成されています。特定の顧客への売上集中が見られ、医療法人社団活寿会、メトラス株式会社、医療法人社団THE CLINIC Instituteが主要な取引先となっています。
| セグメント | 売上高(2024年10月期) | 売上高(2025年10月期) |
|---|---|---|
| 加工受託サービス | - | 2兆4,464億円 |
| 医療機器販売 | - | 7,569億円 |
| 化粧品販売その他 | - | 3,260億円 |
| 医療機関支援サービス | - | 1,821億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループは、当連結会計年度より連結財務諸表を作成しており、それ以前の連結業績は開示されていません。当連結会計年度の業績は、売上高が37.1億円、経常利益が1.7億円、親会社株主に帰属する当期純利益が0.1億円となっています。主事業である加工受託件数の減少や、医療機器販売、化粧品販売その他が前期実績を下回ったことが売上高減少の要因となりました。一方で、全社的なコストコントロールを進めましたが、売上高の減少をカバーするには至りませんでした。
| 項目 | 2021年10月期 | 2022年10月期 | 2023年10月期 | 2024年10月期 | 2025年10月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | - | - | - | - | 37.1億円 |
| 経常利益 | - | - | - | - | 1.7億円 |
| 経常利益率 | - | - | - | - | 4.5% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | - | - | - | - | 11百万円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | - | - | - | - | 0.54 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの当連結会計年度における従業員1人あたりの売上高は25.1百万円、従業員1人あたりの営業利益は1.1百万円となっています。当連結会計年度が初の連結決算であるため、前期との比較はできませんが、これらの数値は同社グループの事業規模と従業員数に基づいた生産性を示しています。同社グループは、特定の医療機関への依存度を低減しつつ、ハイブリッド型整形外科へのサービス浸透を加速させることで、1院あたりの受注件数の安定化と再成長に努める方針です。
| 指標 | 2025年10月期 |
|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 25.1百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 1.1百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループの財務基盤の状況と資金の流れから、経営の安定性について見ていきます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、自己資本比率がプライム市場の非製造業平均と比較して高い水準にあります。手元資金も潤沢に確保されており、安定した経営基盤を維持していることがうかがえます。一方で、ROE(自己資本利益率)はプライム市場平均を下回る水準となっています。
| 指標 | 2024年10月期(前期) | 2025年10月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 60.4億円 | 60.2億円 |
| 自己資本比率 | - | 84.0% |
| ROE(自己資本利益率) | - | 0.2% |
| 現金及び預金 | 43.2億円 | 47.1億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローは、本業で安定的に資金を獲得し、投資活動による支出を上回るフリーキャッシュフローを生み出している状況です。営業活動によるキャッシュフローは、減価償却費の計上や税金等調整前当期純利益などにより資金を獲得しています。投資活動によるキャッシュフローは、関係会社株式の取得による支出があったものの、敷金及び保証金の回収による収入もあり、使用した資金は限定的です。財務活動によるキャッシュフローは、短期借入金の純増額があった一方で、配当金の支払いも行われています。
これらの資金の流れから、同社グループは本業で安定した資金を創出しつつ、将来の事業拡大や新規事業領域への投資を含めた資金配分の最適化を目指していることが示されています。
| 項目 | 2024年10月期(前期) | 2025年10月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | - | 3.3億円 |
| 投資CF | - | △3百万円 |
| 財務CF | - | 61百万円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | - | 3.3億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、国内再生医療市場の拡大が不確実であることや、法令諸規則の制定・変更、治療効果の動向によって医療機関における治療件数の増加が鈍化する可能性をリスクとして認識しています。また、将来的に保険診療の対象となった場合には、委託費の価格引下げ圧力が生じる可能性もあります。
特定の取引先への依存度もリスクとして挙げられています。当連結会計年度の売上高のうち、医療法人社団活寿会および同法人が運営するクリニックに対する売上が総売上高の36.5%を占めており、高い依存度を示しています。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、今後の企業価値最大化のために優秀な人材の確保が重要な経営課題であると認識しています。人材の確保・育成が計画通りに進まない場合や、優秀な人材の流出が発生した場合には、事業拡大に支障が生じる可能性をリスクとしています。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
セルソースは、再生医療分野の産業化を推進し、社会課題の解決を通じて新たな価値創造を目指す企業です。
「未来を変える」というパーパスのもと、医療に革命を起こし、すべての人生に自由をもたらすことを使命としています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
セルソースグループは「Change Our Future(未来を変える)」をパーパス(社会的存在意義)として掲げています。
ミッションは「Freedom of Life with Medical Revolution(すべての人生に自由を 医療に革命を)」であり、高齢化問題、少子化問題、財政問題という3つの社会課題の解決を通じて新しい価値を創出することを目指しています。
同社グループは、再生医療等安全性確保法に基づく自費診療分野に注力し、確固たる事業基盤を構築することを経営基本方針としています。
提携医療機関との緊密な関係性を強みとし、自家細胞治療やエクソソーム関連治療・開発に重点的に資源を投入しています。
また、医療・患者データの収集やマーケティング支援等を通じて、再生医療のリアルプラットフォーマーとして周辺ビジネスへの商圏拡大を図っています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
セルソースグループは、以下の6つのバリュー(価値観)を大切にしています。
「Ideas Into Reality(アイデアを現実へ)」、「Issue Driven(課題ドリブン)」、「ZERO-Based Decision(ゼロベースで考える)」、「Simple and Clear(シンプルで明確に)」、「Respect and Fun(リスペクトと楽しさを)」、「Be Happy , Make Happiness(幸せになり 幸せにしよう)」です。
同社グループは、人・社会・未来に焦点を当てた「HSF経営」を推進し、持続可能な社会の実現に貢献することを目指しています。
人材の確保を重要な課題と認識しており、公平かつ透明性の高い評価制度を設け、優秀な人材を積極的に登用する方針です。
採用においては優れた能力だけでなく人間性を重視し、社内外での研修・教育強化を含む人材育成制度の整備を進めています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
セルソースグループは、経営戦略を推進する上でいくつかの課題を認識し、その解決に取り組んでいます。
新たな選択肢としての再生医療の認知拡大は重要な課題であり、リーディングカンパニーとしてエビデンスに基づいた情報提供や啓発活動を続けています。
また、加工受託件数の増加に対応するため、拠点集約による加工受託処理能力の効率化と向上を進めています。
治療・診療データの蓄積とエビデンスの確保も不可欠な課題と捉え、その手法の強化と改善を図っています。
さらに、内部統制、内部管理・法令遵守・情報管理体制の強化、知財戦略の維持・確保、デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進も重要な経営課題として取り組んでいます。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
セルソースは、2023年1月より監査等委員会設置会社へ移行しています。社外取締役が過半数を占める監査等委員会が、中立・独立の立場から取締役会の意思決定を監督する体制です。
また、経営の監督と執行の役割分担を明確にするため、執行役員制度を導入しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
セルソースの株主構成を見ると、代表取締役社長CEOである山川雅之氏が筆頭株主となっています。また、山川氏が代表取締役を務めるシリアルインキュベート株式会社も上位に名を連ねています。
創業者が上位株主として経営を支える体制であり、特定の株主グループが経営に強い影響力を持つ資本構成であると言えます。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 山川 雅之 | 36.19% |
| シリアルインキュベート | 9.59% |
| 裙本 理人 | 6.84% |
| 日本マスタートラスト信託銀行(信託口) | 5.49% |
| 日本カストディ銀行(信託口) | 0.86% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は5名(男性5名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長CEOは山川雅之氏が務めています。社外取締役比率は40.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 山川 雅之 | 代表取締役社長CEO | 聖心美容外科クリニック開設、シリアルインキュベート株式会社設立代表取締役、同社設立代表取締役を経て、2025年11月より同社代表取締役社長CEO。 |
| 伊賀 智洋 | 取締役 | 株式会社日本長期信用銀行入行、フォースバレー・コンシェルジュ株式会社入社を経て、2026年1月より同社取締役CFO。 |
社外取締役は、尾﨑恒康氏(尾崎経営法律事務所代表・監査等委員)、紙野愛健氏(青山アクセス税理士法人代表社員・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、社外取締役が過半数を占める監査等委員会が取締役会の監督機能を強化しています。社外取締役は専門的な見地から経営監視を行い、的確な提言と監視機能を果たしています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
セルソースの役員報酬は、社外取締役と監査等委員である取締役を除き、基本報酬と業績連動報酬等で構成されています。業績連動報酬は、事業年度ごとの業績向上を意識した現金報酬と、業績連動型譲渡制限付株式報酬による株式報酬が採用されています。
社外取締役と監査等委員である取締役には基本報酬のみが支払われます。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 3名 | 89百万円 | 29.8百万円 |
| 監査等委員(社外除く) | 1名 | 9百万円 | 9.0百万円 |
| 社外役員 | 4名 | 57百万円 | 14.3百万円 |
報酬等の総額が1億円以上である者が存在しないため、個人別の報酬開示はありません。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。