【平均年収888万円】新日本建設 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収888万円】新日本建設 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

新日本建設は、建設事業と開発事業等を主たる業務とし、グループ各社とともに建築・土木工事から不動産開発まで一貫して手掛けています。直近の業績は増収増益となりました。


目次

※本記事は、新日本建設株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


新日本建設グループは、建設事業と開発事業等を主たる業務としています。建築・土木工事の企画、設計、施工から、土地取得、建物建設、分譲、賃貸まで一貫して手掛けています。

単体従業員数は539名、連結従業員数は689名です。セグメントは建設事業、開発事業等の2つです。

主な国内グループ会社は、新日本コミュニティー(建設事業及び開発事業等)、新日本不動産(開発事業等)、建研(建設事業)などです。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


新日本建設は、建設事業と開発事業等を展開する企業です。同社グループでは、従業員の定着と育成を重視し、多様な人材が活躍できる環境づくりに力を入れています。給与水準や働き方に関する具体的なデータから、同社の職場環境の傾向を把握することができます。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社は、平均勤続年数が比較的長く、従業員が安定してキャリアを築いている傾向が見られます。平均年齢も30代後半であり、経験豊富な人材が多数在籍していることがうかがえます。

項目 数値
平均年間給与 8,879,186円
平均勤続年数 12.5年
平均年齢 38.1歳
単体従業員数 539人
連結従業員数 689人
単体のグループ内比率 78.2%


同社及び一部の連結子会社は、確定給付型の制度として退職一時金制度を、確定拠出型の制度として確定拠出年金制度を採用しています。確定給付型は給与や勤続年数に応じて給付額が決まる制度、確定拠出型は会社が拠出した資金を従業員が運用する制度です。

退職一時金制度はありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。当連結会計年度末における確定給付制度の退職給付債務は9.1億円です。また、確定拠出制度への要拠出額は88百万円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社グループは、「人を育てる経営」を基本スタンスとして、人材育成と社内環境整備に取り組んでいます。従業員の生活基盤の安定とモチベーション向上、労働市場での競争力強化、定着率向上を目指し、賃金引き上げも実施しています。

給与は、各人の職務内容や役割、成果等に応じた基準内給与と、勤務実績等に応じた基準外給与で構成されています。賞与は、会社の業績と個人の貢献度を総合的に勘案し、インセンティブ機能を持たせて支給されています。

人材育成では、獲得した人材の定着率向上を目標とし、各年次・職位ごとに求められる能力・専門知識の習得を目的とした研修制度やOJTによる指導を行っています。スキルの維持・向上のためのリスキルや学び直しにも継続的に取り組んでいます。

また、労働者不足への対応、生産性向上、女性活躍推進の観点から、新卒女性採用比率や女性管理職数を目標に設定しています。性別や年齢、国籍等に関わらず多様な人材が活躍できる環境を整備し、新卒採用に加え中途採用も積極的に行っています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データです。

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 0.0%
男性労働者の育児休業取得率 42.9%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 62.1%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) 62.1%
労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) 70.0%

連結子会社の法定開示


主要事業会社3社の数値のみ掲載します。

▼ ㈱建研

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 5.6%
男性労働者の育児休業取得率 100.0%


▼ ㈱新日本コミュニティー

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 5.0%
男性労働者の育児休業取得率 0.0%

人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針

指標 数値
新卒女性採用比率 17.6%
女性管理職数 3名
社員定着率(3年間) 80.8%

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


新日本建設は、建設事業と開発事業等を主軸に、企画から設計、施工、そして不動産の分譲や賃貸、管理までを一貫して手掛ける事業構造を持っています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、建設事業と開発事業等の二つの報告セグメントで事業を展開しています。建設事業では、建築・土木工事の請負を中心に、企画、設計、施工までを一貫して行っています。開発事業等では、土地の取得から建物の建設、分譲、一括譲渡、さらにはオフィスビル等の賃貸までを手掛けています。収益は主に工事の完成や不動産の販売・賃貸から得られており、国内市場が中心となっています。

建設事業

建設事業では、建築・土木工事を請負い、企画、設計及び施工を行っています。子会社の建研は、プレキャスト及びプレストレストコンクリート部材を主材とする建築・土木工事や耐震補強工事を請負い、施工しています。また、子会社の新日本コミュニティーは、小規模工事やマンションの大規模修繕工事等を請負い、施工しています。
収益は、建築・土木工事の請負から得ています。運営は、新日本建設、建研、新日本コミュニティーが行っています。

開発事業等

開発事業等では、土地を取得して建物を建設し、分譲または一括譲渡を行っています。また、オフィスビル等を保有し、賃貸も手掛けています。子会社の新日本コミュニティーは、同社保有物件や販売・建築物件の一部について、マンション・ビル管理及び賃貸管理を受託しています。
収益は、不動産の分譲・譲渡や賃貸から得ています。運営は、新日本建設、新日本コミュニティー、新日本不動産が行っています。

セグメント 売上高(2025年3月期) 売上高(2026年3月期)
建設事業 733億円 836億円
開発事業等 584億円 548億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの業績は、過去5期にわたり売上高、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益ともに増加傾向を示しています。特に当連結会計年度においては、売上高が前期と比べて増加し、それに伴い経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益も大きく伸びています。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 1,071億円 1,137億円 1,335億円 1,317億円 1,384億円
経常利益 156億円 172億円 177億円 184億円 208億円
経常利益率 14.6% 15.1% 13.2% 14.0% 15.0%
親会社株主に帰属する当期純利益 108億円 120億円 123億円 128億円 152億円
1株当たり当期純利益(円) 184.68 205.49 210.06 219.13 260.30

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたり売上高(連結)は、前期から当期にかけて増加しています。また、従業員1人あたり営業利益(連結)も同様に前期から増加しており、従業員一人ひとりの生産性が向上している傾向が見られます。これらの指標の改善は、同社グループの収益体質の強化と組織効率の向上を示唆しています。

指標 2025年3月期 2026年3月期
従業員1人あたり売上高(連結) 199.5百万円 200.9百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 27.7百万円 29.6百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


新日本建設の財務状況は、事業活動を通じて安定した資金を生み出し、将来への投資も行いながら、手元資金を厚くしている状況を示しています。これにより、同社グループの経営基盤は安定していると言えます。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


新日本建設は強固な財務基盤を構築しています。自己資本比率は72.6%と、プライム市場の非製造業平均(24.2%)を大きく上回る水準を示しており、安定した経営体制がうかがえます。ROE(自己資本利益率)も11.9%と、プライム市場平均(9.4%)を上回っており、効率的な資本活用ができていることを示しています。手元資金である現金及び預金も958億円と潤沢であり、不況時にも耐えうる資金力を有していると言えます。これらの財務指標は、同社グループが安定した事業運営を継続し、従業員の雇用や給与の安定性にも寄与する基盤を持っていることを示しています。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 1,223億円 1,345億円
自己資本比率 70.7% 72.6%
ROE(自己資本利益率) 10.9% 11.9%
現金及び預金 827億円 958億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


新日本建設のキャッシュフローは、当連結会計年度において、本業で安定的に資金を生み出している状況を示しています。営業活動によるキャッシュフローは172.4億円のプラスとなり、前期から増加しました。これは主に税金等調整前当期純利益によるものです。投資活動によるキャッシュフローは△75.6億円のマイナスですが、前期の△344.3億円からマイナス幅が大きく縮小しています。これは主に定期預金の預入による支出が要因となっています。財務活動によるキャッシュフローは△35.2億円のマイナスで、配当金の支払額が主な要因です。

その結果、フリーキャッシュフローは96.9億円のプラスとなり、前期のマイナスから大きく改善しました。これは、本業で得た資金で投資を賄い、なお余剰資金がある状態を示しており、同社グループが安定した事業運営を継続し、将来の成長に向けた投資余力も確保していることを示しています。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF 26.5億円 172.4億円
投資CF △344.3億円 △75.6億円
財務CF △37.4億円 △35.2億円
フリーCF(営業CF+投資CF) △317.8億円 96.9億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

新日本建設グループが属する建設業界では、建設市場の縮小による競争激化や、建設労働者および資材価格の急激な上昇とその確保難といったリスクが存在しています。また、開発事業が属する不動産業界では、地価の動向や物件の需給環境、景気悪化、金利上昇等の経済情勢の変化が業績に影響を与える可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク

建設事業においては、建設労働者の確保が困難になるリスクが存在しています。同社グループは、既存の協力業者だけでなく新規協力業者の開拓に常に取り組むなど、建設労働者を安定的に確保するための活動を行っています。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


新日本建設は、建設事業と開発事業を両輪とする独自のビジネスモデルを展開し、社会貢献と企業価値向上を目指しています。変化する時代のニーズに対応しながら、持続的な成長を追求する企業風土が特徴です。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


新日本建設は、「建設を通じ社会に貢献することを崇高な使命とする」を経営理念に掲げています。この理念のもと、「自主先進の経営」、「戦略的経営」、「人を育てる経営」を基本スタンスとしています。

同社グループは、社会構造と顧客ニーズの変化に柔軟に対応できる、高度なデベロッパー機能を持つ高資質な総合建設業を目指しています。顧客や株主の期待と信頼に応えられる企業グループとなることを目標としています。

また、従来の建設受注産業から建設販売産業への転換を目指し、企業規模の拡大と組織強化による優れた収益力と強固な財務基盤を構築し、企業価値の向上を図ることを経営戦略の基本方針としています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


新日本建設は、経営の基本スタンスとして「自主先進の経営」、「戦略的経営」、「人を育てる経営」を大切にしています。同社グループ独自のビジネスモデルである建設事業と開発事業を併せ持つ一貫体制を強みとしています。

時代のニーズに応える技術力、建設の需要を生み出す企画提案型営業、環境に配慮した取り組み、高齢者向け施設の開発といった「価値を創造する力」を最大限に活かすことを重視しています。先見性を持って環境の変化に柔軟に対応し、着実に安定成長することを目標としています。

サステナビリティに関する取り組みでは、気候変動をはじめとした地球規模の環境問題への配慮、人権の尊重、従業員を含む全てのステークホルダーへの公正・適正な事業活動を事業機会と捉え、推進しています。人材育成の前提として獲得した人材の定着率向上を図り、性別や年齢、国籍等に関係なく様々な人材が活躍できる環境の整備を推進しています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


新日本建設は、建設事業と開発事業のシナジー効果の更なる拡充による一層の企業価値向上を目指し、様々な課題に取り組んでいます。具体的には、企画開発力と営業力の強化を重点テーマとしています。

また、自社製販一貫体制の更なる改善による高品質な商品・サービスの提供、労務・資材の安定確保とコスト上昇への対応も重要な課題です。人材関連投資の拡充にも力を入れ、賃金の引き上げや働きやすい環境の整備による優秀な人材の確保、研修制度の拡充による人材育成の強化を進めています。

さらに、働き方改革を踏まえた継続的な業務改善による生産性向上、リスク管理とコンプライアンスの徹底にも取り組んでいます。DX推進による業務効率化や施工管理手法の改善、法令遵守の徹底、現場事故ゼロ運動の徹底などを通じて、持続的な成長を目指しています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


新日本建設は監査役会設置会社であり、社外役員を選任することで経営の監督・監査機能の強化を図っています。取締役会は経営に関する重要事項を決定し、監査役会は業務執行の適法性・妥当性を監査しています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


シンニホンコムが筆頭株主であり、ユニオンサイトも上位株主として名を連ねています。これらの関連会社が同社の資本構成において重要な位置を占めており、経営に一定の影響力を持つ可能性があります。機関投資家や信託銀行も上位株主として同社を支えています。

株主名 持株比率
シンニホンコム 33.68%
ユニオンサイト 11.56%
日本マスタートラスト信託銀行(信託口) 7.15%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は11名(男性10名・女性1名)で構成され、女性役員比率は9.1%です。代表取締役社長社長執行役員は髙見克司氏が務めています。社外取締役比率は37.5%です。

氏名 役職 主な経歴
髙見 克司 代表取締役社長社長執行役員 1989年4月三菱UFJ銀行入行。2003年4月同社入社。2004年6月同社取締役、2009年6月同社代表取締役副社長を経て、2013年6月より現職。
高橋 苗樹 取締役専務執行役員管理本部長兼経営企画室長 1991年4月三菱UFJ銀行入行。2006年6月同社入社。2010年6月同社取締役管理本部長兼経営企画室長を経て、2023年6月より現職。
金綱 康人 取締役専務執行役員開発事業本部長兼不動産開発部長兼横浜支店長 2004年9月双日入社。2007年4月同社入社。2018年6月同社取締役執行役員を経て、2025年4月より現職。
木津 進 取締役専務執行役員建設営業統括本部副本部長兼第一建設営業本部長兼企画開発部長 1987年4月同社入社。2013年6月同社取締役執行役員建設営業本部企画開発部長、2022年6月同社専務執行役員を経て、2026年4月より現職。
金綱 一男 取締役会長 1964年10月㈲金綱工務店設立代表取締役社長。1972年4月新日本建設に商号変更。2013年6月同社代表取締役会長会長執行役員を経て、2019年6月より現職。


社外取締役は、高橋真司氏(芝大門法律事務所弁護士)、鈴木達也氏(元千葉市副市長)、大嶋幸児氏(税理士法人大嶋会計代表社員)です。

同社は監査役会設置会社であり、社外取締役3名と社外監査役2名を選任することで、経営の監督・監査機能の強化を図っています。社外取締役は客観的かつ中立的な立場から、取締役の職務執行に対する監督・監視を行っています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


同社は、役員報酬について確定額報酬を基本とした体系を採用しています。業績連動報酬や非金銭報酬は設定されていません。報酬額は役位や業績見込み、世間相場などを勘案して決定され、株主総会で承認された総額の範囲内で支給されます。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 7名 2.4億円 34.0百万円
監査役(社外除く) 1名 7百万円 7.0百万円
社外役員 6名 16百万円 2.7百万円


個人別報酬が開示されている役員は存在しません。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。


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