※本記事は、株式会社コモ の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月24日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
コモは、パネトーネ種を使用したロングライフパンの製造・販売を手がける企業です。同社グループは、連結子会社1社とともに、製品の保管、仕分業務請負、配送手配代行業務も展開しています。
単体従業員数は173名、連結従業員数は196名です。
なお、コモは2026年4月1日付で連結子会社のコモサポートを吸収合併しました。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
コモは、食品製造業として人々の食生活を支える製品を提供しています。従業員の平均年齢や勤続年数から、長期的なキャリア形成が可能な環境であることがうかがえます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、従業員の平均勤続年数が長く、平均年齢も比較的高めであることから、安定して長く働く社員が多い傾向にあると考えられます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,217,621円 |
| 平均勤続年数 | 18.4年 |
| 平均年齢 | 42.0歳 |
| 単体従業員数 | 173人 |
| 連結従業員数 | 196人 |
| 単体のグループ内比率 | 88.3% |
同社グループは、規約型確定給付企業年金制度を採用しています。これは、給与や勤続年数に応じて将来の給付額が決まる制度です。この制度は国内グループ会社に適用されています。
なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
コモは、持続的な企業価値向上に向けた人材戦略として、安全で働きやすい就業環境の整備、多様性の確保、働きがいを実感できる職場の実現を掲げています。具体的には、労働安全衛生活動の実施、国籍・学歴・性別・年齢を問わない採用、OJTや外部研修による能力開発支援、推奨資格取得への表彰、職務能力評価に基づく処遇などを推進しています。
従業員の給与は、職務分類制を基礎とし、職位ごとの知識、職務遂行能力、問題解決能力、技能、経験、勤務成績に基づいて決定されます。基本給の昇給や賞与は人事考課の結果に応じた額が、職務手当は資格等級、職位、技能ごとに定められた額が支給されます。基本給の水準は物価水準や社会経済情勢を考慮して決定され、賞与は企業業績に応じて定められます。
また、女性活躍社会の実現に向けて女性幹部の育成に配慮し、男女若手社員を対象とした次世代幹部の養成を重視しています。外部研修への派遣など、能力開発のための環境整備を推進する方針です。採用面では、新卒採用に加え、中途採用活動も年間を通して積極的に行い、人材の多様性確保に努めています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社及び連結子会社は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく公表義務の対象ではないため、法定開示データは開示されていません。
グループ全体(連結)
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 17.3% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
コモは、パネトーネ種を用いたロングライフパンの製造と販売を主軸とする企業です。賞味期間が60日から90日と長く、多様な販路を通じて消費者に提供されています。
同社グループは連結子会社のコモサポートが製品の保管や仕分け、配送手配を担い、製造から販売まで一貫した体制を構築しています。主要な販売先は生活協同組合や自動販売機オペレーターであり、量販店などへの売上増加も図っています。
新たな製品の発売や原材料価格の上昇に伴う製品価格の改定を進め、適正な取引の推進に努めています。海外への売上高はなく、国内市場に特化しています。
特定の顧客への収益集中が見られ、日本生活協同組合連合会とサントリービバレッジソリューション株式会社が主要な取引先となっています。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの直近5期間の業績を見ると、売上高は増減を繰り返しながらも、当期は前期から増加に転じました。経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益は、前期と比較して大きく増加しています。
これは、製品価格の改定や販路拡大への注力、新製品の投入などが寄与した結果とみられます。利益面では、当期に顕著な改善傾向を示しています。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 65.1億円 | 70.4億円 | 73.1億円 | 71.1億円 | 73.2億円 |
| 経常利益 | 2.2億円 | 51百万円 | 89百万円 | 72百万円 | 1.2億円 |
| 経常利益率 | 3.4% | 0.7% | 1.2% | 1.0% | 1.6% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 1.4億円 | 31百万円 | 42百万円 | 43百万円 | 77百万円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 40.59 | 8.80 | 12.10 | 12.27 | 22.14 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高(連結)は、前期と比較してわずかに減少しています。しかし、従業員1人あたり営業利益(連結)は前期から大きく増加しました。
この変化は、売上高の増加率を上回る利益率の改善があったことを示唆しています。組織全体の収益性が向上している傾向が見られます。
| 指標 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 38.0百万円 | 37.4百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 0.4百万円 | 0.9百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループの財務状況は、事業活動で得た資金を投資に回しつつ、安定した資金を確保している状況を示しています。本業で着実に利益を上げ、将来に向けた投資も行いながら、健全な資金の流れを維持していることがうかがえます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、自己資本比率が前期から改善し、45.2%となっています。これはプライム市場の製造業平均と比較するとやや低い水準です。ROE(自己資本利益率)は3.7%で、プライム市場平均を下回っています。手元資金である現金及び預金は3.1億円と増加しており、資金の流動性を確保している状況です。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 20.4億円 | 21.4億円 |
| 自己資本比率 | 43.2% | 45.2% |
| ROE(自己資本利益率) | 2.1% | 3.7% |
| 現金及び預金 | 2.7億円 | 3.1億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローは、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローが4億3千6百万円のプラスとなりました。これは税金等調整前当期純利益や減価償却費などによるものです。投資活動によるキャッシュフローは2億3千5百万円のマイナスで、主に有形固定資産や無形固定資産の取得による支出が要因となっています。その結果、フリーキャッシュフローは2億1百万円のプラスとなり、本業で得た資金が投資を上回る状況を示しています。財務活動によるキャッシュフローは1億5千9百万円のマイナスで、長期借入金の返済や配当金の支払いなどによるものです。当期は営業活動で得た資金で投資を賄い、さらに余剰資金を生み出しており、安定した事業運営と将来への投資を両立している状況がうかがえます。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 30百万円 | 4.4億円 |
| 投資CF | △3.1億円 | △2.4億円 |
| 財務CF | △1.1億円 | △1.6億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △2.8億円 | 2.0億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループの製品は本社工場のみで製造し、全国に販売しているため、事故や自然災害により本社工場が操業停止となった場合、製品供給が全面的に停止する可能性があります。また、主要原材料である小麦粉、砂糖、油脂等の農産物の一次加工品や、卵、レーズン等の農産物の需給逼迫、原油価格上昇による燃料や包装材料の価格上昇が生じる可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
人材・組織に関するリスクの記載はありません。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
コモは、ロングライフパンのトップメーカーとして、お客様に価値ある製品とサービスを提供し続けることを目指しています。おいしさを通じたコミュニケーションの提供と、持続的な成長を追求する企業風土を大切にしています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、パネトーネ種の素材を生かし、おいしさを通じて人々により多くのコミュニケーションを提供したいという基本理念を掲げています。この理念を実現するため、常に価値ある製品・サービスを創造し続け、お客様とともに喜びを分かち合い信頼される企業をめざしています。
ロングライフパンのトップメーカーとしてのブランドを高めつつ、持続的な成長と企業価値の向上に努めることを経営方針としています。中長期的に資本コストを上回るROE(自己資本利益率)の向上を目指す価値創造企業でありたいと考えている会社です。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、お客様にご満足いただける心のこもった製品開発に努めることを運営指針の一つとしています。また、新しいことに積極的に挑戦する企業風土を育てること、和の心で助け合い、学び合い、自己啓発し、自己実現をめざすことを大切にしています。
労働安全を第一に労働環境を整備し、従業員の生活安定に配慮した健康経営により、いきいきとした活力のある職場づくりをめざしています。公平公正な人事評価や福利厚生の充実、社内グループウェアを活用したコミュニケーションの活性化等を通じて、明るく働きやすい健全な社風の醸成やエンゲージメントを高めるための社内施策を推進しています。
人材の多様性確保にも努めており、女性、外国人、中途採用者を問わず、管理職に相応しい能力・資質が認められれば登用の対象とする方針です。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、食品製造業として、製造する食品の安全・安心がお客様からの信頼を支える源であり、事業の継続・発展の基礎となることから、品質の一層の向上を目指しています。子会社の吸収合併等を含む業務の合理化にも努めていく方針です。
サステナビリティに関する重要課題を特定し、具体的な目標達成に向けた取組を推進することで、事業を通じた社会的課題解決に繋げていくことを目指しています。全てのステークホルダーとの協働関係を重視し、ビジネスモデルの進化と中核的事業の強化を図る方針です。
サステナビリティに関する取り組みを推進する体制として、社内のSDGs推進統括部署を総務部とし、主要な社内会議を通じて勉強会や進捗状況の報告等を行い、活動の定着化を図っています。取締役会にも報告され、モニタリング機能発揮の観点から討議されています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
コモは、迅速な意思決定を可能にする少人数の取締役会と監査役会を設置し、公平かつ透明性の高い経営体制を構築しています。コンプライアンス重視の経営を徹底するため、的確な情報把握と迅速な意思決定ができる組織体制を整備しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
コモの株主構成を見ると、個人株主が上位に名を連ねています。筆頭株主は舟橋一輝氏と舟橋康太氏が同率で、その後に事業会社である富士エコーが続いています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 舟橋 一輝 | 4.52% |
| 舟橋 康太 | 4.52% |
| 富士エコー | 4.32% |
| 十六銀行 | 4.30% |
| 日清製粉 | 1.47% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は8名(男性8名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は木下克己氏が務めています。社外取締役比率は20.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 木下 克己 | 代表取締役社長 | 2000年6月に十六銀行業務部主任調査役、2001年4月に同社入社。財経部長、常務取締役、管理本部長などを経て、2012年6月より同社代表取締役社長より現職。 |
| 鈴木 憲幸 | 常務取締役 | 2012年4月に十六銀行大曽根支店長、2013年5月に同社入社。総務部長、取締役関連会社統括本部長などを経て、2025年6月より同社常務取締役より現職。 |
| 伊藤 政幸 | 取締役 製造本部長 | 1984年11月に旧コモ入社。西日本営業部部長補佐、中日本営業部長、営業本部長などを経て、2023年6月より同社取締役製造本部長より現職。 |
| 中島 文孝 | 取締役 営業本部長 | 1991年4月に同社入社。東日本営業部課長、東京営業所長、中部営業所長などを経て、2023年6月より同社取締役営業本部長より現職。 |
社外取締役は、馬渕貴好氏(岐阜放送監査役)です。
同社は監査役会設置会社であり、社外取締役は高い独立性を保持しています。社外取締役は、常勤監査役や内部監査部門と連携し、監督や監査を通じて経営の健全性を確保する役割を担っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
コモの役員報酬は、株主総会で決議された報酬総額の限度内で、担当職務や各期の業績、貢献度を総合的に考慮して決定されています。当事業年度における役員報酬は固定報酬のみで構成されており、取締役会が個別の報酬額を決定しています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 5名 | 72百万円 | 14.3百万円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 10百万円 | 10.1百万円 |
| 社外役員 | 3名 | 13百万円 | 4.4百万円 |
なお、取締役の報酬等の額には、使用人兼務取締役の使用人分給与は含まれていません。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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