【平均年収766万円】かどや製油 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収766万円】かどや製油 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

かどや製油は、ごま油や食品ごまなどのごま関連製品を製造・販売しています。連結従業員数は530名規模です。直近期は販売数量の増加を主因として増収増益となりました。


目次

※本記事は、かどや製油株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月19日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


かどや製油グループは、ごま油や食品ごまなどの製品を製造・販売しています。2025年4月に制定したパーパス「ごまの価値を極限まで高めることで世界に貢献する」に基づき、家庭用から業務用まで幅広いごま関連製品を展開しています。

単体従業員数は407名、連結従業員数は530名です。セグメントはごま油、食品ごまの2つです。

主な国内グループ会社は、(連結子会社)カタギ食品などです。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


かどや製油は、食品製造業として安定した事業基盤を持つ企業です。同社グループでは、持続的な企業価値向上に向けた人的資本への投資を重視しており、人材育成や働きやすい環境づくりに力を入れています。給与水準や在籍傾向、多様性に関する指標から、同社グループの働き方の特徴を把握できます。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社は、平均年齢が40代前半、平均勤続年数が15年を超える水準にあります。このことから、従業員が比較的長く勤める傾向があり、安定したキャリアを築きやすい環境であると考えられます。

項目 数値
平均年間給与 7,655,372円
平均勤続年数 15.5年
平均年齢 42.4歳
単体従業員数 407人
連結従業員数 530人
単体のグループ内比率 76.8%


同社グループは、退職一時金制度と確定拠出年金制度を採用しています。退職一時金制度があります。ただし支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。

退職給付債務は16.4億円です。確定拠出制度への要拠出額は53百万円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社グループは、持続的な企業価値向上のためには人的資本が重要課題であるとの観点から、PVV(パーパス・ビジョン・バリュー)に基づく経営および組織運営を支える人材基盤の構築を基本方針としています。給与その他の給付の額及び内容については、各人の役割や責任、会社の方針との整合性を踏まえた成果や行動の発揮状況等を考慮し、人事制度に基づいて決定しています。

2025年度にはPVV策定を契機として、人材育成、人事制度、要員計画、働き方等の人事施策について整理を行いました。特に、社員一人ひとりが会社の方針と同じ方向を向いて役割を果たし、挑戦や行動を通じて価値創出に向き合うことを後押しする観点から、人事制度や育成施策の見直しを進めています。

具体的には、2025年度に全社管理職研修、PVVワークショップ、オンライン学習プラットフォーム(Udemy Business)導入、360度サーベイなどを実行し、管理職層を中心とした人材育成と組織活性化を図りました。また、2026年4月1日付で等級制度・評価制度・報酬制度の改定を運用開始しており、成果だけでなく、役割に向き合う姿勢や挑戦のプロセスも評価対象とし、過去実績や在籍年数に偏らず役割と責任に基づく等級・処遇に整理しています。

働き方・職場環境の整備としては、労働時間管理や職場環境に関する制度および運用の見直しを行い、適切な労働時間管理の徹底に取り組んでいます。心の健康と職場基盤の強化のため、ストレスチェックおよびエンゲージメントサーベイを実施し、組織ごとの課題認識や業務改善に活用しています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


連結子会社は法定開示の公表義務対象外のため、提出会社単体のデータを示します。なお、同社は2026年4月に導入した人事制度において管理職の定義を見直しており、今後の女性管理職比率等の指標は従来の基準との単純比較が困難となる可能性があります。

指標 数値
女性管理職比率 11.9%
男性育児休業取得率 100.0%
労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) 75.4%
労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) 83.3%
労働者の男女の賃金の額の差異(パート・有期労働者) 52.7%

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


かどや製油は、ごま油や食品ごまの製造・販売を主軸とする企業グループです。家庭用から業務用まで幅広い用途でごま製品を提供し、食文化に貢献しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、ごま油事業と食品ごま事業を主要な報告セグメントとしています。ごま油事業が最大の収益源であり、食品ごま事業がこれに続く事業構造です。収益は主に製品の販売から得ており、国内では出荷時に、輸出では船積み時に収益を認識するモデルとなっています。

ごま油事業

家庭用および業務用のごま油や、ごま油の副生成物である脱脂ごま等の製造・販売を行っています。収益は、ごま油製品の販売から得ています。運営は、かどや製油が行っています。当期は販売数量が増加し、売上高も前期から増加しました。

食品ごま事業

家庭用および業務用のいりごまやねりごま等の製造・販売を行っています。収益は、食品ごま製品の販売から得ています。運営は、かどや製油および連結子会社であるカタギ食品が行っています。当期は高付加価値商品の販売拡大により売上高は前期から増加しました。

その他の事業セグメント

仕入商品販売などを行っています。収益は、仕入商品の販売から得ています。運営は、かどや製油が行っています。当期は売上高が前期から減少しました。

同社グループの売上高は日本が最大の市場であり、アメリカ、その他の北米、欧州等がこれに続いています。海外市場では、特に北米市場を中長期的な成長ドライバーと位置づけ、事業基盤の整備を進めています。

セグメント 売上高(2025年3月期) 売上高(2026年3月期)
ごま油 311億円 314億円
食品ごま 82.7億円 86.1億円
その他の事業セグメント 99百万円 16百万円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの売上高は、過去5年間で増加傾向にあります。経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益は、増減を繰り返しながらも直近の期では増加となりました。当連結会計年度は、販売数量の増加を主因として増収増益を確保しています。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 322億円 337億円 357億円 394億円 400億円
経常利益 39.7億円 32.3億円 34.1億円 33.9億円 40.6億円
経常利益率 12.3% 9.6% 9.6% 8.6% 10.1%
親会社株主に帰属する当期純利益 27.7億円 22.2億円 22.6億円 23.6億円 27.2億円
1株当たり当期純利益(円) 100.33 80.40 81.71 85.37 98.66

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたり売上高は、前期から増加しています。また、従業員1人あたり営業利益も前期から増加しており、生産性が向上している傾向が見られます。これは、同社グループが効率的な事業運営を進めていることを示唆しています。

指標 2025年3月期 2026年3月期
従業員1人あたり売上高(連結) 72.4百万円 75.5百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 5.8百万円 7.2百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


かどや製油は、堅実な財務基盤と安定したキャッシュフローを維持しています。本業で得た資金を効率的に活用し、将来に向けた投資も行っている状況です。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


かどや製油の財務基盤は、高い自己資本比率によって強固な状態を示しています。当期の自己資本比率は79.1%であり、プライム市場の製造業平均と比較しても高い水準にあります。これは、外部からの借入に依存せず、自社の資金で事業を運営できる安定性を示しています。

ROE(自己資本利益率)は当期7.5%となっており、前期の6.8%から改善しています。プライム市場平均と比較するとやや低い水準ですが、収益性の向上が見られます。手元資金である現金及び預金は当期末で120億円に増加しており、不測の事態への耐性も高い状態です。

これらの財務状況は、同社グループが安定した経営を継続し、従業員の雇用や給与水準を維持していく上での基盤が盤石であることを示しています。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 353億円 374億円
自己資本比率 81.0% 79.1%
ROE(自己資本利益率) 6.8% 7.5%
現金及び預金 78.8億円 120億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


かどや製油のキャッシュフローは、本業で安定的に資金を創出している状況を示しています。当期の営業活動によるキャッシュフローは56.9億円の収入となり、前期の3.8億円から大きく増加しました。これは、税金等調整前当期純利益の計上や仕入債務の増加などが主な要因となっています。

投資活動によるキャッシュフローは△6.7億円の支出となり、前期の△2.6億円から支出が増加しています。これは主に工場の設備投資等に関する有形固定資産の取得によるものです。財務活動によるキャッシュフローは△9.2億円の支出で、配当金の支払いが主な要因となっています。

結果として、フリーキャッシュフローは50.2億円のプラスとなり、前期の1.3億円から大幅に増加しました。これは、本業で得た資金が投資を上回り、手元に資金が残る優良な状態を示しています。このキャッシュフローの状況は、同社グループが安定した事業運営を継続し、将来の成長に向けた投資余力も確保していることを示しています。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF 3.8億円 56.9億円
投資CF △2.6億円 △6.7億円
財務CF △9.3億円 △9.2億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 1.3億円 50.2億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループは、原材料調達および製品販売の両面で海外取引が多く、地政学的リスクや国際通商環境の変化による影響を受ける可能性があります。特にごま種子の海外依存度が高く、原料価格の変動や調達安定性に影響が生じる可能性があります。

また、国内景気や人口減少も事業に影響を及ぼすリスクとして挙げられています。国内市場の縮小に伴う製品販売数量の減少や、人材確保の困難が生じる可能性があり、新たな需要創出や海外市場展開を推進しています。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループは、国内の人口減少に伴い、企業成長の基盤となる人材の確保が困難となる可能性をリスクとして認識しています。十分な人材を確保できない場合、事業計画の推進に支障が生じる可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


かどや製油は、「ごま」の価値を追求し、社会貢献と持続的成長を目指す企業です。
ファンベース経営を軸に、社員と会社が共に成長できる組織文化を育んでいます。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


かどや製油グループは、パーパスとして「ごまの価値を極限まで高めることで世界に貢献する」ことを掲げています。
ビジョンは「ごまを通じて社会課題の解決に取り組み、社員と会社の両方が持続的に成長する」ことです。
これらの理念に基づき、同社グループはファンを基盤とした「ファンベース経営」を実践し、ステークホルダーへの価値提供と中長期的な企業価値向上を目指しています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループは、以下の5つのバリューを大切にしています。
「ごまのパイオニアであり続ける」「お客様第一主義」「誠実・公平・偽りなく行動」「差別なく、異なる考え方・文化・社会に敬意を払い続ける」「自ら挑み、常に変化を生む」です。
同社は、社員一人ひとりがパーパス・ビジョン・バリュー(PVV)と方向をそろえ、自らの役割を果たしながら成果につながる挑戦や行動を行うことを重視しています。
成果だけでなく、役割に向き合う姿勢や挑戦のプロセスも評価対象とし、主体的な行動と成長を後押しする目標管理体制を整えている状況です。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、ブランド価値の向上に取り組んでいます。
パーパス・ビジョン・バリュー(PVV)に基づく理念体系のもと、ファンベース経営を通じてステークホルダーとの接点を強化し、品質、安全・安心、健康価値、社会的価値を含めたブランド価値の向上を目指しています。

また、人的資本を中心とした経営基盤の強化も重点テーマです。
人材育成やDXの推進を通じ、変化する事業環境に対応できる経営基盤の構築を進めています。

さらに、持続可能な原料調達体制の強化として、サプライチェーン全体を通じた品質管理や人権・環境への配慮を推進しています。
公正取引委員会からの命令に対しては、社内教育や内部統制の改善、独占禁止法遵守規程の制定を通じて、コンプライアンス体制の強化と遵守の徹底に努めている状況です。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


同社は、事業の継続的発展と企業価値向上のため、経営の透明性と健全性を確保する体制の確立に取り組んでいます。取締役会による意思決定機能の確保に加え、監査役監査や内部監査を通じて、適法かつ適正で効率的な経営に努めています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


かどや製油は、三菱商事株式会社を筆頭株主とし、三井物産株式会社、小澤物産株式会社といった主要な事業会社が上位株主として名を連ねています。複数の事業会社が主要な株主として同社を支える資本構成となっています。

株主名 持株比率
三菱商事 26.88%
三井物産 21.91%
小澤物産 11.53%
小澤商事 4.64%
国分グループ本社 3.03%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は12名(男性11名・女性1名)で構成され、女性役員比率は8.3%です。代表取締役会長は久米敦司氏、代表取締役社長は北川淳一氏が務めています。社外取締役比率は0.0%です。

氏名 役職 主な経歴
久米 敦司 代表取締役会長 三井物産株式会社入社後、同社石油部長、金融市場副本部長、執行役員、常務執行役員、専務執行役員などを歴任。2018年同社入社、取締役副社長執行役員、代表取締役社長を経て、2025年4月より現職。
北川 淳一 代表取締役社長 三菱商事株式会社入社後、同社油脂部、Agrex Inc.出向、Sesaco Corporation社長などを歴任。2024年4月同社出向、執行役員社長付、取締役執行役員経営企画部長を経て、2025年4月より現職。
長澤 昇 取締役副社長執行役員 海外販売本部長 三井物産株式会社入社後、同社クアラルンプール支店食料部長、Wilsey Foods Inc.兼 Ventura Foods LLC副社長などを歴任。2020年3月同社出向、執行役員海外事業本部長、取締役常務執行役員などを経て、2026年4月より現職。
井尻 尚宏 取締役専務執行役員 生産本部長 同社入社後、研究開発部副部長、油脂部長、執行役員油脂部長、取締役執行役員事業開発プロジェクト室長などを歴任。2020年5月より取締役執行役員生産本部長、2025年4月より現職。
齋藤 聖美 取締役 株式会社日本経済新聞社、ソニー株式会社を経て、モルガン・スタンレー投資銀行入行。株式会社ジェイ・ボンド代表取締役社長、東短インフォメーションテクノロジー株式会社代表取締役社長などを歴任。2021年6月より現職。
大西 賢 取締役 日本航空株式会社入社後、株式会社JAL航空機整備成田代表取締役社長、日本航空株式会社代表取締役社長、代表取締役会長などを歴任。2021年6月より現職。
竹田 真 取締役 弁護士登録後、ニューヨーク州弁護士登録。東京法務局訟務部部付、法務省大臣官房民事訟務課課付を経て、東京芝法律事務所入所。2018年4月より同社顧問弁護士、2022年6月より現職。


社外取締役は、齋藤聖美氏(ジェイ・ボンド東短証券代表取締役社長・指名報酬諮問委員会委員)、大西賢氏(元日本航空代表取締役社長・指名報酬諮問委員会委員)、竹田真氏(東京芝法律事務所弁護士・指名報酬諮問委員会委員)です。

同社は監査役会設置会社であり、監査役が取締役の職務執行に対する監査を行っています。社外取締役は、取締役会の意思決定の妥当性・適正性を確保するための助言・提言を行い、経営監督の実現を図っています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


同社の役員報酬は、固定報酬である基本報酬、短期の業績連動報酬である役員賞与、および役員株式報酬により構成されています。役員賞与は連結の親会社株主に帰属する当期純利益と連動して算定され、役員株式報酬は中長期的な業績向上と企業価値増大への貢献意識を高める目的で導入されています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 5名 3.2億円 64.4百万円
監査役(社外除く) 2名 24百万円 12.0百万円
社外役員 8名 78百万円 9.8百万円


なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した役員を含みます。また、取締役(社外取締役を除く)に対する非金銭報酬等の内訳は、役員株式報酬(BBT)9百万円です。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。