※本記事は、セブン工業株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月19日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
セブン工業は、集成材などの住宅部材の生産販売を主軸とし、不動産の賃貸管理も手掛けています。内装建材や木構造部材の製造・販売を通じて、住宅市場に貢献しています。
単体従業員数は376名です。セグメントは内装建材事業、木構造事業、その他の3つです。
セブン工業は、集成材等を使用した住宅部材を品目別に生産販売しているほか、不動産の賃貸管理を行っています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
セブン工業は、従業員の働きがいと成長を重視し、多様な人材が活躍できる職場環境の整備に力を入れています。ワーク・ライフ・バランスの推進や健康・能力開発の促進を通じて、従業員が安心して長く働ける環境づくりを目指していることがうかがえます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、平均勤続年数が長く、平均年齢も比較的高いことから、従業員が長期的にキャリアを形成しやすい環境にあると考えられます。安定した人材基盤のもと、経験を積んだ従業員が活躍している傾向が見られます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,440,722円 |
| 平均勤続年数 | 16.1年 |
| 平均年齢 | 42.5歳 |
| 単体従業員数 | 376人 |
同社は、確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)の退職給付制度を採用しています。国内の従業員を対象とした確定給付企業年金制度を導入しており、退職給付債務は11.6億円、年金資産は17.2億円となっています。
なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
セブン工業は、社是の基本理念とコーポレートスローガンを体現し、事業の持続的成長を支える最重要経営資源として人材の育成・確保を第一義と位置付けています。公平かつ透明性の高い人事諸制度の構築と、安心・安全で働きやすい職場環境の向上を継続的に推進しています。向上心と挑戦意欲の醸成、高い倫理観の涵養を人事施策の核心と定めています。
同社の賃金体系は、従業員の発揮能力や職務範囲に応じて等級を定義する資格等級制度を骨子としています。これにより、キャリアパスの透明化とモチベーションの向上、客観的な基準に基づく公平な評価と処遇による納得感の確保を図っています。個人の実力向上に応じた柔軟な昇給・昇格を通じて、中長期的な視点に立った計画的な人材開発を実現し、従業員の自律的な成長を後押しすることで組織全体のパフォーマンス最大化を目指しています。
人材戦略の柱として、「多様な人材の確保と活躍推進」「戦略的な人材育成と能力開発」「働きがいのある職場環境の整備とエンゲージメント向上」を掲げています。具体的には、全従業員に「seven philosophy(社員手帳)」を配布し、価値観の共有と浸透を図っています。中堅社員を対象とする長期研修や管理職向けの定期研修を通じて、組織の中核を担う人材育成と士気の向上に取り組んでいます。
また、Web社内報による情報発信や職場・部門を超えた懇親機会の促進により、社内コミュニケーションの活性化と企業風土の醸成を推進しています。仕事と育児の両立支援や女性活躍推進にも注力し、「岐阜県ワーク・ライフ・バランス推進企業」に登録しています。男女問わず育児休業取得の促進や役職への登用における性別比率の均衡を目指しており、休日数の増加や賃金水準の見直し、外国人労働者の受入体制整備など、多様な人材が安心して就業できる環境構築を継続しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。男性育児休業取得率は、育児介護休業法に基づく公表義務の対象項目として選択しておらず、公表されていません。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率 | 0.0% |
| 男女賃金差異(全労働者) | 80.1% |
| 男女賃金差異(正規雇用) | 73.6% |
| 男女賃金差異(非正規雇用) | 91.5% |
人的資本及び多様性
| 指標 | 目標 | 実績(当事業年度) |
|---|---|---|
| 女性労働者の上位職への昇進率 | 2030年3月までに3% | 5.3% |
| 年次有給休暇の平均取得率 | 2030年3月までに60%以上 | 57.5% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
セブン工業は、集成材などの住宅部材の生産販売を主軸とし、不動産の賃貸管理も手掛ける企業です。同社は主に二つの事業セグメントを通じて収益を上げています。
同社グループは、セブン工業と関連会社1社で構成されています。集成材などを用いた住宅部材の生産販売に加え、不動産の賃貸管理も行っています。同社は本邦以外の外部顧客への売上高がなく、特定の主要な取引先への収益集中もありません。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
内装建材事業
内装建材事業では、階段、手摺、カウンター、和風造作材、框、洋風造作材といった内装部材を手掛けています。収益は、これらの内装部材の販売から得ています。直近では、戸建住宅市場の需要低迷や為替動向の影響を受け、収益は減少傾向にあります。
木構造事業
木構造事業では、プレカット加工材や住宅パネルなどの構造部材、および施設建築を提供しています。収益は、主にこれらの構造部材の販売と施設建築の案件から得ています。直近では、プレカット事業の低迷があったものの、非住宅分野の建装事業や省施工ニーズに対応したパネル事業が貢献し、収益は増加傾向にあります。
| セグメント | 売上高(2025年3月期) | 売上高(2026年3月期) |
|---|---|---|
| 内装建材事業 | 83.8億円 | 82.9億円 |
| 木構造事業 | 70.2億円 | 72.9億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
セブン工業の直近の業績は、売上高が増加傾向を示しています。しかしながら、利益面では営業損失、経常損失、当期純損失を計上しており、前期から収益性が悪化する結果となりました。これは、厳しい事業環境や主力事業における収益改善の遅れが影響しています。
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
セブン工業の従業員1人あたりの収益性および生産性に関する詳細なデータは、提供された構造化情報からは確認できません。そのため、個別の指標に基づいた分析は行えません。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
セブン工業の財務基盤は、成長に向けた投資を継続しつつ、自己資本比率は安定した水準を維持しています。一方で、収益性の改善が課題となっています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社の自己資本比率はプライム市場の製造業平均と比較して高い水準にあり、財務の健全性を示しています。しかし、ROEはマイナスとなっており、収益性の改善が求められる状況です。手元資金は一定の残高を確保していますが、今後の事業運営と収益改善の動向が、長期的な雇用や給与の安定性に影響を与える可能性があります。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | - | 60億97百万円 |
| 自己資本比率 | - | 55.7% |
| ROE(自己資本利益率) | 3.0% | △2.1% |
| 現金及び現金同等物 | - | 7億43百万円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
当期における営業活動によるキャッシュ・フローは△2億64百万円の支出となり、前期の3億28百万円の収入から減少しました。投資活動によるキャッシュ・フローは△6億74百万円の支出で、前期の△5億5百万円の支出からさらに増加しています。これは主に有形固定資産の取得による支出が増加したためです。
財務活動によるキャッシュ・フローは4億84百万円の収入となり、前期の2億44百万円の収入から増加しています。これは短期借入金の純増額や長期借入れによる収入があったためです。これらの結果、フリーキャッシュ・フローは当期△9億38百万円、前期△1億77百万円となり、当期は本業での資金創出が課題である一方で、設備投資など成長戦略に向けた投資を積極的に行っている状況を示しています。今後の収益改善と投資効果の実現が、事業の安定性と成長性、ひいては雇用や給与の安定に重要となります。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 3億28百万円 | △2億64百万円 |
| 投資CF | △5億5百万円 | △6億74百万円 |
| 財務CF | 2億44百万円 | 4億84百万円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △1億77百万円 | △9億38百万円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
住宅着工の動向が同社業績に影響を及ぼすリスクがあります。新築住宅市場向け製品が売上の大半を占めるため、木造住宅の着工戸数動向が直接的な影響要因となります。
特定販売先への依存もリスクとして挙げられています。売上高の相当部分を一部の特定顧客に依存しており、これらの顧客からの受注が大幅に減少した場合、同社の売上及び利益に重大な影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
人材の確保と育成に関するリスクがあります。優秀な人材の確保・育成が重要課題とされており、地域的な雇用環境によっては必要人材の確保が困難となる場合や、有能な人材の流出が生じた場合、事業運営に支障をきたし、将来的に業績へ影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
セブン工業は、「真実と努力」と「行持報恩」を基本理念に掲げ、公正性と透明性を重んじる企業倫理に基づいた事業活動を通じて、持続的な成長と企業価値の最大化を目指しています。お客様への最大の満足と安心の提供、そして地球環境との共生を重視する企業文化が特徴です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
セブン工業は、「真実と努力」と「行持報恩」を基本理念としています。真理に則った誠実な行動と、公正性・透明性を重んじる企業倫理に基づき、ステークホルダーから信頼される企業価値の創造と発展を目指しています。品質方針では「お客様へ最大の満足と安心を提供する」ことを掲げ、環境方針では「地球環境との共生」をテーマに環境配慮型の事業展開を推進しています。コーポレートスローガン「伝えたい 届けたい WOOD IDEA」の具現化を通じて、持続的な成長と企業価値の最大化を目指す方針です。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
セブン工業は、「真実と努力」と「行持報恩」を社是とし、すべてのステークホルダーからの信頼を得ることを基本姿勢としています。従業員には、向上心と挑戦意欲の醸成、高い倫理観の涵養が求められ、これらの価値観・行動指針を明示した「seven philosophy(社員手帳)」を全従業員に配布し、意識の共有と浸透を図っています。
人事制度では、風通しの良い企業風土の醸成や職場環境の整備、ワーク・ライフ・バランスの推進を重視しています。また、健康・能力開発の促進や生活基盤の支援にも取り組んでいます。採用・登用においては人物本位の公正な選考を実施し、仕事と育児の両立支援や女性活躍推進にも注力しています。男女問わず育児休業取得の促進や役職への登用における性別比率の均衡を目指し、多様な人材が安心して就業できる職場環境の構築を継続しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
セブン工業は、ガバナンス体制の強化やリスク管理規程の制定を進め、事業継続計画(BCP)に基づく対応体制を構築しています。
人的資本の面では、向上心と挑戦意欲の醸成、高い倫理観の涵養を人事施策の根幹に据えています。多様な人材が安心して就業できる職場環境の構築を目指し、仕事と育児の両立支援や女性活躍推進、外国人労働者の受入体制整備にも取り組んでいます。地球環境問題に対しては、木材利用促進や省施工化対応、ISO14001に基づく環境マネジメント、太陽光発電設備の拡充を通じて、持続可能な社会の実現に貢献する方針です。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
セブン工業は監査役制度を採用し、経営と執行の分離を図る執行役員制度を導入しています。取締役会には社外取締役が参加し、独立した見地から経営の意思決定を監督する体制を構築しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
セブン工業の株主構成を見ると、筆頭株主は都築木材であり、その次に西垣林業が続きます。これらはいずれも事業会社であり、同社の事業に関連する企業が上位株主として名を連ねています。また、セブン工業社員持株会も主要株主の一つです。特定の事業会社が上位に位置することで、経営に一定の影響力を持つ資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 都築木材 | 40.13% |
| 西垣林業 | 10.12% |
| セブン工業社員持株会 | 3.02% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は11名(男性11名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長執行役員は木下浩一氏が務めています。社外取締役比率は50.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 木下 浩一 | 代表取締役 社長執行役員 | 1983年4月 三菱商事㈱入社、2009年4月 米国三菱商事会社ロサンゼルス支店長、2013年6月 三菱商事建材㈱取締役常務執行役員木材建材本部長、2021年4月 同社代表取締役社長執行役員就任より現職。 |
| 横井 勝 | 取締役 副社長執行役員 事業部門統括 | 2002年10月 同社入社、2011年6月 同社取締役就任、2024年4月 同社取締役副社長執行役員就任、事業部門統括より現職。 |
| 都築 寛明 | 取締役会長 | 1978年4月 都築木材㈱入社、1993年5月 同社代表取締役副社長、2012年4月 同社代表取締役社長、2016年6月 同社取締役会長就任より現職。 |
| 井上 聡二 | 取締役 執行役員 内装建材事業本部長 | 1986年3月 同社入社、2011年1月 同社化粧建材部長、2018年4月 同社内装建材事業本部長、2021年4月 同社執行役員内装建材事業本部長、2021年6月 同社取締役就任より現職。 |
社外取締役は、西垣貴文氏(西垣林業代表取締役副社長)、下平真治氏(都築木材常務取締役)、吉田靖朗氏(都築木材常務取締役)、上嶋修一氏(元ミサワセラミックス常務取締役名古屋工場長)です。
同社は監査役制度を採用しており、取締役会には社外取締役が参加することで、客観的かつ中立的な提言を通じて経営全般の監督機能を強化しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
セブン工業の役員報酬は、月額の固定報酬、取締役賞与、および役員退職慰労金で構成されています。固定報酬は各職責と業績を考慮して取締役会で決定され、取締役賞与は年度業績に基づいて支給の有無と総額が判断されます。監査役の報酬は株主総会で定められた限度額内で、監査役会の協議により決定される仕組みです。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 4名 | 61百万円 | 15.2百万円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 11百万円 | 11.0百万円 |
| 社外役員 | 7名 | 20百万円 | 2.9百万円 |
なお、上記の退職慰労金には、退任取締役への支払額と当事業年度中の役員退職慰労引当金繰入額が含まれています。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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