ウェルディッシュ 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

ウェルディッシュ 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

東証スタンダード上場。麦茶やビーフジャーキー等の食品販売や介護施設向けサービスを行うウェルネス事業、医療化粧品を扱うメディカルコスメ事業を展開しています。決算期変更に伴う5ヶ月間の変則決算ですが、売上高13億円、経常利益0.4億円を計上し、黒字基調を維持しています。


※本記事は、株式会社ウェルディッシュ の有価証券報告書(第69期、自 2025年4月1日 至 2025年8月31日、2025年11月28日 提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準は Japan GAAP です。

1. ウェルディッシュってどんな会社?


食品事業から医療・福祉サービスへ領域を拡大し、健康と美容を軸に多角化を進める企業です。

(1) 会社概要


1957年に石垣食品として設立され、1965年には「ミネラル麦茶」の製造販売を開始しました。2004年にジャスダック証券取引所へ上場を果たし、中国での生産拠点設立などを経て事業を拡大しました。2024年にはウェルディッシュへ商号変更し、2025年には決算期を8月に変更するなど、組織再編やM&Aを通じて事業構造の転換を進めています。

連結従業員数は51人、単体では13人です。筆頭株主は投資事業有限責任組合で、第2位は法人、第3位は銀行(常任代理人)となっています。

氏名 持株比率
SK FUND投資事業有限責任組合 9.20%
IT 8.10%
CITIBANK HONG KONG PBG CLIENTS H.H. 7.50%

(2) 経営陣


同社の役員は男性9名、女性0名の計9名で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は小松 周平氏が務めています。社外取締役比率は55.6%です。

氏名 役職 主な経歴
小松 周平 取締役社長(代表取締役) メリルリンチ日本証券株式会社を経て、株式会社チャットドクター共同創業、AERWINS Technologies Inc創業。2024年4月同社入社、6月より現職。
安井 浩倫 取締役 山田ビジネスコンサルティング株式会社、有限責任監査法人トーマツを経て、株式会社Medical Management Consulting創業代表取締役。2025年11月より現職。
野曽原 浩治 取締役 株式会社住友銀行、株式会社パソナ常務執行役員、株式会社ベネフィット・ワン常務取締役等を経て、2025年5月同社入社。2025年11月より現職。
間野 賢治 取締役 株式会社メディアート設立、Shu Uemura美容インストラクター、三重中央学園学校長等を歴任。2025年11月より現職。


社外取締役は、伊藤 正喜(弁護士)、古島 守(公認会計士・弁護士)、山田 長正(弁護士)、巳波 弘一(公認会計士)、眞鍋 淳也(弁護士・公認会計士)です。

2. 事業内容


同社グループは、「ウェルネス事業」「メディカルコスメ事業」および「その他」事業を展開しています。

(1) ウェルネス事業


麦茶・健康茶などの飲料製品やビーフジャーキーなどの食品販売を行うほか、医療・福祉介護機関向けにサービスの提供を行っています。食品分野では、中国の連結子会社であるウェイハン石垣食品有限公司が一部製品を製造し、ウェルディッシュが販売を担っています。

主な収益源は、製品の販売代金やサービス提供に伴う対価です。運営は主にウェルディッシュが行っており、一部の製造やサービス提供に関しては、連結子会社であるウェイハン石垣食品有限公司や株式会社グランドルーフが関与しています。

(2) メディカルコスメ事業


医療化粧品事業として、化粧品等の販売を行っています。以前は競合他社向けのOEMや法人向け販売に特化していましたが、今後は一般消費者向けにオリジナル商品の販売展開も進めています。

収益は、化粧品等の商品を顧客へ販売することで得ています。運営は、ウェルディッシュおよびその子会社によって行われています。

(3) その他


報告セグメントに含まれない事業として、医療サプリメント事業を行っています。

収益は、医療サプリメント等の販売代金です。運営は主にウェルディッシュが行っています。

3. 業績・財務状況


同社の連結業績をデータで分析します。

(1) 業績推移


売上高は減少傾向にありましたが、直近では回復の兆しが見られます。利益面では、かつて赤字が続いていましたが、前連結会計年度に黒字転換を果たし、当連結会計年度においても利益を確保しています。なお、当期は決算期変更により5ヶ月間の変則決算となっています。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2025年8月期
売上高 24億円 30億円 20億円 20億円 13億円
経常利益 -1.2億円 -1.5億円 -1.7億円 0.5億円 0.4億円
利益率 -4.9% -4.9% -8.4% 2.4% 2.9%
当期利益(親会社所有者帰属) -1.7億円 -1.2億円 -3.4億円 2.7億円 1.1億円

(2) 損益計算書


売上原価率が改善し、売上総利益率が向上している傾向が見られます。販売費及び一般管理費は一定の規模で発生しており、営業利益の確保に向けてコストコントロールが重要となっています。

項目 2025年3月期 2025年8月期
売上高 20億円 13億円
売上総利益 7億円 4億円
売上総利益率(%) 33.5% 29.3%
営業利益 2億円 0.3億円
営業利益率(%) 10.2% 2.5%


販売費及び一般管理費のうち、のれん償却費が1.0億円(構成比29%)、給料手当が0.5億円(同14%)を占めています。

(3) セグメント収益


ウェルネス事業が売上の大半を占めており、安定した利益を生み出しています。メディカルコスメ事業も黒字を確保しており、収益の柱として機能しています。全社費用等の調整額が利益を押し下げる要因となっています。

区分 売上(2025年3月期) 売上(2025年8月期) 利益(2025年3月期) 利益(2025年8月期) 利益率
ウェルネス事業 11億円 11億円 2.1億円 0.8億円 6.8%
メディカルコスメ事業 2.6億円 1.9億円 0.8億円 0.4億円 22.7%
インターネット通信販売事業 5.7億円 - 0.0億円 - -
その他 0.0億円 0.0億円 0.0億円 0.0億円 23.8%
調整額 - - -0.9億円 -0.9億円 -
連結(合計) 20億円 13億円 2.0億円 0.3億円 2.5%

(4) キャッシュ・フローと財務指標


営業CFがマイナス、投資CFがマイナス、財務CFがマイナスの『末期型』です。

項目 2025年3月期 2025年8月期
営業CF 0.2億円 -2.0億円
投資CF 0.4億円 -3.3億円
財務CF 7.9億円 -1.7億円


企業の収益力を測るROE(自己資本利益率)は1.6%で市場平均を下回る一方、財務の安定性・安全性を測る自己資本比率は85.4%で市場平均を上回っています。

4. 経営方針・戦略


同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。

(1) 経営理念


同社グループは、「良い新製品を開発、製造して利益をあげ国家社会に貢献する」ことを社是としています。人が生きていくために必要な食品・飲料への需要に応え続け、高齢化社会における食品の在り方のモデルケースとなることで、企業価値の向上に努めるとしています。

(2) 企業文化


お客様が「購入してよかった、また購入したい」と思っていただける商品を開発、製造、販売することに経営努力を注ぐ文化を持っています。グローバルな視点で外部環境の変化に対応しつつ、様々な事業に取り組む姿勢を重視しています。

(3) 経営計画・目標


同社グループは、経営指標として「EBITDA」を主に重視しており、営業利益額の増加およびフリーキャッシュフローの増大を目標としています。再建フェーズを終了し、今後は3ヶ年中期経営計画の達成に向けて、食品・飲料事業を中心に投資を行い、事業拡大を目指しています。

(4) 成長戦略と重点施策


食品事業では新規商品の取扱いや海外販売の強化、保存食観点からのブランディングを推進しています。また、医療・福祉介護機関向けサービスの拡充や、M&Aを通じた事業領域の拡大を図っています。特に、吸収合併等によるシナジー創出と、営業基盤の拡大、ガバナンス強化の両輪で成長を目指す方針です。

5. 働く環境


同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。

(1) 人材戦略・方針


事業の継続には多様な人材が必要不可欠であり競争力の源泉であると考え、個々の能力に応じた適切な登用と育成により組織強化を図っています。また、人材がパフォーマンスを発揮し、円滑なコミュニケーションが行えるオフィス環境の整備にも取り組んでいます。

(2) 給与水準・報酬設計


同社(単体)従業員の平均年間給与はスタンダード市場の平均をやや下回る水準です。

項目 平均年齢 平均勤続年数 平均年間給与
2025年8月期 40.2歳 5.4年 5,371,756円


※平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

(3) 人的資本開示


同社および連結子会社は「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」等の規定による公表義務の対象ではないため、有報には本項の記載がありません。

6. 事業等のリスク


事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。

(1) 特定国での生産への依存


連結売上高の一部を占めるビーフジャーキーは中国の生産子会社で製造されています。日中の政策変更や貿易環境の変化、中国国内の突発的な政策等により、日本への輸入や中国国内での販売が困難になった場合、同社グループの業績に大きな影響を与える可能性があります。

(2) 健康飲料市場の競争激化


飲料市場は消費者の節約志向や少子化による縮小傾向にあり、競争が激化しています。商品のリニューアル等で対応していますが、単価下落や顧客減少、販売促進費の増加等が発生した場合、売上に悪影響を及ぼす可能性があります。

(3) 投資の減損


企業価値向上のためにM&Aを推進していますが、買収後の事業環境の変化等により計画通りに進まなかった場合、のれんの減損損失や株式評価損が発生し、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(4) 内部管理体制


企業価値向上のためにコーポレート・ガバナンスや内部管理体制の充実を図っていますが、事業の急速な拡大に体制構築が追いつかない場合、適切な事業運営が困難となり、業績に影響を与える可能性があります。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。