【平均年収533万円】鳥越製粉 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年12月期)

【平均年収533万円】鳥越製粉 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年12月期)

鳥越製粉は、製粉、食品、精麦、飼料などの幅広い事業をグループ各社とともに展開しています。連結従業員数は354名で、直近の連結会計年度では増収増益となりました。


目次

※本記事は、鳥越製粉株式会社 の有価証券報告書(2025年12月期、2025年1月1日 ~ 2025年12月31日、2026年3月26日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


鳥越製粉グループは、製粉、食品、精麦、飼料、その他(農産物保管)といった幅広い事業を展開しています。小麦粉やプレミックス、パン・菓子、生麺類、精麦製品、飼料の製造・販売をグループ各社とともに手掛けています。

鳥越製粉の単体従業員数は223名、連結従業員数は354名です。同社グループの事業区分は食料品、飼料、その他の3つです。

主な国内グループ会社は、鳥越グレインホールディングス、鳥越精麦、石橋工業、中島精麦工業(精麦及び飼料の製造・販売。)、カネニ(小麦粉、飼料、米穀等の卸売業。)などです。

鳥越製粉は2022年1月1日付で、精麦・飼料事業に関する権利義務を子会社の鳥越精麦へ吸収分割により承継しました。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


鳥越製粉は、製粉業を基盤とする安定した事業を展開しており、従業員の長期的なキャリア形成を重視する企業文化がうかがえます。人材を「人財」と捉え、個々の成長を支援する多様な育成プログラムや働きがいのある職場環境の整備に力を入れている点が特徴です。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社では、従業員が長く安心して働ける環境づくりに注力しており、平均勤続年数や平均年齢から、比較的定着率が高く、経験豊富な従業員が多い傾向が見られます。

項目 数値
平均年間給与 5,326,849円
平均勤続年数 17.4年
平均年齢 42.9歳
単体従業員数 223人
連結従業員数 354人
単体のグループ内比率 63.0%


当社は確定拠出年金制度を採用しており、一部の従業員には退職一時金制度を設けています。連結子会社は退職一時金制度のほか、中小企業退職金共済制度に加入しています。退職一時金制度があります。ただし支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。

なお、当社及び連結子会社の確定拠出制度への要拠出額は69百万円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社では「人は財産である」という考え方のもと、「人財」という言葉を用いて人的資本経営を推進しています。安心して働ける環境づくり、キャリア開発や計画的育成、より参画的で革新的な組織づくり、そして鳥越製粉の「らしさ」の継承を人事制度の4つの方針として掲げています。

これらの人事方針に基づき、ジョブローテーションによる人財育成、階層別研修やキャリア研修、通信教育、公募制による社外公開講座の受講、国内外への留学など、体系的な社員研修制度を構築し運用しています。また、全社員に対して年1回役員によるキャリア面談を実施し、将来のキャリア支援や悩みの共有・解消支援を行うなど、個々人に寄り添ったサポートを実施しています。

中期経営計画「TTC150 Stage3」では「働きがいのある職場環境の整備」を施策としており、従業員満足度の更なる向上や70歳までの雇用延長について検討を進めています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データです。男女賃金差異は、女性活躍推進法に基づく公表義務の対象項目として選択しておらず、公表されていません。連結子会社は法定開示の公表義務対象外のため、提出会社単体のデータを示します。

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 0.0%
男性労働者の育児休業取得率 27.3%

多様性・登用


当社では次世代法及び女性活躍推進法に基づく「一般事業主行動計画」にて目標を掲げています。2025年12月末現在、男性の平均勤続年数は16.5年、女性は11.9年であり、その差異は4.6年となっています。

指標 数値
男女の平均勤続年数の差 4.6年

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


鳥越製粉は、小麦粉やプレミックスなどの食料品を主軸に、飼料やその他事業も展開する企業です。幅広い製品を通じて、人々の食生活を支える基盤を提供しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、製粉、食品、精麦、飼料、その他という区分で事業を展開しています。食料品事業が中心であり、その中でも製粉、食品、精麦の3つの分野で多岐にわたる製品を提供しています。

製粉事業では、小麦粉やライ麦粉、ふすまの製造を行っており、卸売業者等を通じて販売しています。食品事業では、家庭用・業務用プレミックスや品質改良剤、日持向上剤などの加工食品を製造し、乾麺類の仕入れも行っています。また、連結子会社がパン・菓子や生麺類の製造・販売も手掛けています。精麦事業では、丸麦、押麦、もち麦などの製造や主食用商品の仕入れを行い、こちらも卸売業者等を通じて販売しています。

飼料事業では、飼料の製造販売や飼料用商品の仕入販売を行っています。その他事業では、農産物の保管業務を担っています。同社グループの売上高は、主に国内の外部顧客からの収益で構成されており、特定の顧客への収益集中は見られません。

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの売上高は、過去5年間で緩やかな増加傾向にあります。直近の連結会計年度では、前期からわずかに増加しました。経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益も、変動はあるものの、直近の連結会計年度では前期を上回る水準で推移しています。

項目 2021年12月期 2022年12月期 2023年12月期 2024年12月期 2025年12月期
売上高 227億円 244億円 264億円 262億円 263億円
経常利益 12.0億円 15.0億円 13.8億円 14.0億円 16.5億円
経常利益率 5.3% 6.1% 5.2% 5.4% 6.3%
親会社株主に帰属する当期純利益 8.3億円 9.3億円 9.7億円 9.5億円 11.3億円
1株当たり当期純利益(円) 35.74 40.04 41.51 40.81 48.62

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたり売上高は、前期からわずかに増加しました。また、従業員1人あたり営業利益は、前期と比較して増加しています。これらの指標は、同社グループの生産性が向上している傾向を示しており、組織全体の効率的な運営が進んでいることがうかがえます。

指標 2024年12月期 2025年12月期
従業員1人あたり売上高(連結) 73.9百万円 74.2百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 3.0百万円 3.7百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社グループの財務状況は、事業活動で安定的に資金を生み出し、将来への投資も行いつつ、手元資金を確保している状態です。ここでは、財務基盤の厚みと資金の流れから、同社グループの経営の安定性を見ていきます。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの自己資本比率は79.1%であり、前期から横ばいで推移しています。これはプライム市場の製造業平均(46.8%)と比較して高い水準を示しており、強固な財務基盤を築いていることがうかがえます。

ROE(自己資本利益率)は当期3.1%で、前期の2.7%から上昇していますが、プライム市場平均(9.4%)を下回っています。手元資金である現金及び預金は当期末で89.6億円を確保しており、不測の事態にも対応できる流動性があると考えられます。これらの財務状況は、長期的な雇用や給与の安定性につながる要素となります。

指標 2024年12月期(前期) 2025年12月期(当期)
純資産 359億円 368億円
自己資本比率 79.1% 79.1%
ROE(自己資本利益率) 2.7% 3.1%
現金及び預金 104億円 89.6億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループの当連結会計年度における営業活動によるキャッシュフローは31.0億円の収入となり、前期の19.2億円から増加しました。これは主に棚卸資産の減少や仕入債務の増加によるものです。本業で安定的に資金を生み出している状況を示しています。

投資活動によるキャッシュフローは△22.0億円の支出となり、前期の△3.9億円の支出から大幅に増加しました。これは主に有形固定資産の取得によるものであり、将来に向けた積極的な投資が行われていることがうかがえます。

財務活動によるキャッシュフローは△14.9億円の支出となり、前期の5.0億円の収入から支出に転じました。これは配当金の支払いや長期借入金の返済が主な要因です。結果として、自由に使える資金を示すフリーキャッシュフローは9.0億円のプラスとなっています。同社グループは本業で安定した資金を創出し、成長のための投資も行いつつ、健全な財務活動を維持している状況であり、これは入社後の雇用や給与の安定性につながる基盤であると考えられます。

項目 2024年12月期(前期) 2025年12月期(当期)
営業CF 19.2億円 31.0億円
投資CF △3.9億円 △22.0億円
財務CF 5.0億円 △14.9億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 15.3億円 9.0億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループは、環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(CPTPP)や日・EU経済連携協定(EPA)などの貿易自由化の進展により、主原料や製品の輸入動向に大きな影響を受ける可能性があります。

また、原料麦の安定調達や品質、各種コストに関する問題もリスクとして挙げられています。天候や地政学的リスクによる原料麦の生産量変動、為替変動による調達コスト上昇、人件費や物流費の上昇分を製品価格に十分に転嫁できない場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループは、人件費の上昇を各種コストに関する問題の一つとして認識しています。この上昇分を製品価格に十分に転嫁できない場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


鳥越製粉グループは、「世の中になくてはならない企業になる」という企業理念のもと、社会貢献と持続的な成長を目指しています。人財を大切にする文化と、変化に対応する革新的な取り組みを通じて、企業価値の向上を図っています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


鳥越製粉グループは、「企業活動を通じて、同社を支えて頂いている全ての人に豊かさと夢をもたらし、地域社会、日本そして世界の人々の生活文化の向上に貢献し、世の中になくてはならない企業になる」という企業理念を掲げています。お得意様や消費者に信頼される製品の安定的供給を通じて社会に貢献することを経営の基本方針としています。

2024年を初年度とする中期経営計画「TTC150 Stage3」では、厳しい経営環境下でも持続的に成長するための仕上げの期間と位置づけ、企業価値の向上を目指しています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


鳥越製粉では、「人は財産である」という考え方のもと、「人材」ではなく「人財」という言葉を用いています。人的資本経営において、安心して働ける環境づくり、キャリア開発や計画的育成、より参画的で革新的な組織づくり、そして鳥越製粉の「らしさ」の継承という4つの方針に沿って人事制度を構築・運用しています。

同社グループは、企業理念の実現のため、サステナブル経営を推進しており、代表取締役会長兼社長がサステナビリティ課題に関する経営判断の最終責任を担っています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、物価上昇による消費者の節約志向の高まりや販売競争の激化といった厳しい経営環境が続くと予想しています。このような状況に対し、中期経営計画「TTC150 Stage3」の最終年度として、持続的な成長と企業価値の向上を図ることを重点課題としています。

具体的には、デジタル技術を活用した事務管理の定着と営業全体の生産性向上、IR活動の強化を通じた株主・投資家との建設的な対話、そしてグループ一丸となったサステナブル経営の推進に取り組んでいます。また、従業員満足度の更なる向上や70歳までの雇用延長についても検討を進めています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


鳥越製粉は監査役制度を採用しており、取締役会と監査役会が取締役の職務執行を監視・監督しています。経営における意思決定・監督機能と業務執行機能の分離のため、執行役員制度を導入しています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


鳥越製粉の株主構成を見ると、筆頭株主は有限会社鳥越商店であり、創業家との関連がうかがえます。その他、三井物産や複数の金融機関が上位株主として名を連ねており、幅広い事業会社や金融機関に支えられている資本構成となっています。

株主名 持株比率
有限会社鳥越商店 6.0%
三井物産 5.5%
福岡銀行 4.9%
三菱UFJ銀行 4.9%
広島銀行 3.1%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は10名(男性10名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役会長兼社長は鳥越徹氏が務めています。社外取締役比率は33.3%です。

氏名 役職 主な経歴
鳥越 徹 代表取締役 会長兼社長 1988年4月株式会社三和銀行(現、三菱UFJ銀行)入行。2000年2月同社入社、2002年3月取締役経営企画室担当。2016年3月より代表取締役会長兼社長を務め、現職。
高峰 和宏 取締役副会長 製造本部管掌 1976年3月同社入社。2002年3月取締役研究開発部長、2012年3月代表取締役社長執行役員を歴任。2016年3月より取締役副会長 製造本部管掌を務め、現職。
中川 龍二三 取締役常務 執行役員 管理本部長 1983年4月同社入社。2010年3月取締役執行役員経理部長、2016年3月取締役常務執行役員 管理本部長、経理部長を歴任。2020年3月より取締役常務執行役員 管理本部長を務め、現職。
阪東 一光 取締役常務 執行役員 研究開発本部長、 営業部管掌 1985年4月同社入社。石橋工業代表取締役社長、鳥越グレインホールディングス代表取締役社長を歴任。2025年1月より取締役常務執行役員 研究開発本部長、営業部管掌を務め、現職。


社外取締役は、倉富純男氏(西日本鉄道代表取締役会長)、酒見俊夫氏(西部ガスホールディングス相談役)です。

同社は監査役会設置会社であり、取締役会および監査役、監査役会が取締役の職務執行の監視・監督を行っています。社外取締役2名と社外監査役2名が独立した立場で経営を監視し、客観性と中立性を確保しています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


鳥越製粉の役員報酬は、企業価値の持続的な向上を促すインセンティブとして設計されています。社外取締役を除く取締役の報酬は、固定報酬である基本報酬、業績連動報酬としての賞与、そして株式報酬で構成されています。一方、社外取締役の報酬は固定報酬の基本報酬のみとなっています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 4名 1.5億円 36.6百万円
監査役(社外除く) 2名 33百万円 16.5百万円
社外役員 4名 11百万円 2.7百万円


同社の役員報酬の総額は1億90百万円であり、報酬の支給対象となった役員は合計10名です。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。