※本記事は、株式会社ルックホールディングス の有価証券報告書(2025年12月期、2025年1月1日 ~ 2025年12月31日、2026年3月27日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
ルックホールディングスは持株会社であり、単体従業員数は64名、グループ連結従業員数は884名です。
同社グループは、婦人服等の企画、製造、販売を手掛けており、子会社10社とともにグローバルに事業を展開しています。日本、韓国、欧州、その他海外の各地域でアパレル関連事業を展開するほか、生産及びOEM事業、物流事業も手掛けています。
主な国内グループ会社は、ルック(アパレル関連事業)、ルックモード(生産及びOEM事業)、エル・ロジスティクス(物流事業)などです。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
ルックホールディングスは、お客さま第一主義を経営理念に掲げ、新しいライフスタイルや価値の創造を通じて社会貢献を目指しています。同社グループは、人材を最も大切な資産の一つと捉え、多様な個性や感性を持つ人材が自由に挑戦できる環境を重視しています。従業員の心身の健康と働きがいのある職場環境の整備、そしてダイバーシティ&インクルージョンの推進にも積極的に取り組んでいます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
ルックホールディングスでは、平均年齢が比較的高く、平均勤続年数も長い傾向が見られます。これは、従業員が長期にわたりキャリアを築きやすい環境であることを示唆しています。多様な人材が活躍できる職場環境の整備にも力を入れており、安定したキャリア形成が期待できるでしょう。
なお、同社は持株会社であり、傘下の関係会社は以下のデータと同水準とは限りません。各社の求人情報や口コミサイト等を別途参照してください。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,405,757円 |
| 平均勤続年数 | 21.9年 |
| 平均年齢 | 48.7歳 |
| 単体従業員数 | 64人 |
| 連結従業員数 | 884人 |
| 単体のグループ内比率 | 7.2% |
同社グループは、確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の両方の退職給付制度を採用しています。これらの制度は、同社及び国内子会社、一部の海外子会社に適用されています。
退職一時金制度も設けられていますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
なお、2025年12月31日時点の退職給付債務は29.1億円、年金資産は45.3億円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
ルックホールディングスは、「お客さま第一主義」を経営理念とし、人材を最も大切な資産の一つと位置づけています。多様な個性や感性を持つ人材が年齢や性別にとらわれず、自由に挑戦できる環境を整え、創造性豊かな人材の育成を目指しています。
人材育成においては、マルチ・タスク人材やDX推進をリードできる人材の育成に注力し、教育・研修制度の充実や販売職から本部スタッフへの転換推進、若手の積極登用を進めています。
働きがいのある職場環境づくりにも力を入れており、従業員の心身の健康を重視した健康経営を推進し、「健康経営優良法人2025(大規模法人部門)」に認定されています。また、ダイバーシティ&インクルージョンを推進し、多様な働き方に対応した柔軟な職場環境の整備に努めており、「くるみん」認定も取得しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データは開示されていません。
連結子会社の法定開示
主要事業会社3社の数値のみ掲載します。
▼ ㈱ルック
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 12.5% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 50.4% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 56.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 66.3% |
▼ A.P.C.Japan㈱
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 79.6% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 78.9% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 95.3% |
人的資本・環境整備
国内グループの連結範囲で次の指標を用いております。(注)「-」は、対象者がいない場合を示しています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性の割合 | 17.4% |
| 従業員の所定外労働時間 | 月平均1.66時間(内勤者は月平均5.60時間) |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
株式会社ルックホールディングスは、アパレルおよびその関連商品の企画、生産、輸入、販売を国内外で展開する持株会社です。同社グループは、多様なブランドとチャネルを通じて、顧客にファッションアイテムを提供しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、アパレル関連事業を主軸に、生産及びOEM事業、物流事業を展開しています。特にアパレル関連事業は、日本、韓国、欧州、その他海外の地域に拠点を持ち、それぞれの市場特性に合わせた戦略で収益を上げています。
アパレル関連事業
同社グループの主要な事業であり、婦人服や紳士服、バッグ、財布などの皮革製品の企画、製造、販売を行っています。収益は、直営店舗、百貨店、Eコマース、専門店、卸売販売など、多様なチャネルからの商品販売によって得ています。
日本
婦人服等の企画、国内外からの商品仕入れ、販売を株式会社ルックが担っています。また、A.P.C.Japan株式会社は「A.P.C.」ブランドの紳士服、婦人服等の輸入、ライセンス商品の生産、販売を行っています。主力インポートブランドは新規出店やコラボレーション施策により堅調に推移し、特に「イル ビゾンテ」や「マリメッコ」の販売が好調でした。
韓国
独自企画または海外から仕入れた婦人服等を、主に韓国内の百貨店やショッピングセンター、自社ECサイト「I.D.LOOKモール」で販売しています。運営は株式会社アイディールックと株式会社アイディージョイが行っています。セール販売が拡大した一方で、秋物販売の不振や為替レートの変動が業績に影響を与えました。
欧州
バッグや財布などの皮革製品を中心とした独自企画商品を自社およびイタリア国内の協力工場で生産し、イタリア国内外への卸売販売、Eコマース、直営店舗での販売を行っています。運営はIl Bisonte S.p.A.とIl Bisonte France S.a.r.l.が行っています。欧州域内の受注は減少しましたが、日本の受注が増加し、イタリアの直営店は観光需要を背景に堅調に推移しました。
その他海外
主に米国において、「イル ビゾンテ」ブランドの皮革製品の直営店舗での販売や卸売販売を行っています。運営はIl Bisonte USA Inc.が行っています。卸売事業が堅調に推移しました。
生産及びOEM事業
同社グループ内およびグループ外のアパレル関連商品の生産、OEM生産を担っています。運営は株式会社ルックモードが行っており、一部は株式会社ラボ・オーフナトに加工委託しています。グループ内・外ともに売上高は減少しました。
物流事業
主に国内子会社3社のアパレル関連商品の検査・物流業務を受託しています。運営は株式会社エル・ロジスティクスが行っています。グループ内・外ともに売上高は増加しました。
同社グループの収益は、日本と韓国のアパレル関連事業が大きな割合を占めています。海外事業も展開しており、為替レートの変動が業績に影響を与えることがあります。
| セグメント | 売上高(2024年12月期) | 売上高(2025年12月期) |
|---|---|---|
| アパレル関連事業 | 539億円 | 515億円 |
| 韓国 | 283億円 | 257億円 |
| 日本 | 242億円 | 243億円 |
| 欧州 | 9.6億円 | 10.1億円 |
| 生産及びOEM事業 | 7.3億円 | 5.1億円 |
| その他海外 | 4.1億円 | 4.6億円 |
| 物流事業 | 63百万円 | 1.0億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの過去5期間の業績を見ると、売上高は直近で減少傾向にあり、それに伴い営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益も減少しています。特に直近の会計年度では、売上高の減少幅よりも利益の減少幅が大きくなっています。
| 項目 | 2021年12月期 | 2022年12月期 | 2023年12月期 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 411億円 | 547億円 | 555億円 | 547億円 | 521億円 |
| 経常利益 | 27.2億円 | 40.0億円 | 35.8億円 | 28.8億円 | 20.9億円 |
| 経常利益率 | 6.6% | 7.3% | 6.4% | 5.3% | 4.0% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 18.1億円 | 26.6億円 | 24.6億円 | 19.2億円 | 14.7億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 236.66 | 355.24 | 333.49 | 259.79 | 197.62 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたりの売上高は前期からわずかに増加しており、生産性の維持に努めている様子がうかがえます。一方で、従業員1人あたりの営業利益は前期から減少しており、収益性の改善が課題となっていることが示されています。
| 指標 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 58.3百万円 | 59.0百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 2.7百万円 | 2.0百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループの財務状況は、事業活動で安定的に資金を生み出し、将来に向けた投資も行っていることを示しています。これにより、経営の安定性と成長への取り組みがうかがえます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、高い自己資本比率と潤沢な手元資金によって安定している状況です。自己資本比率はプライム市場の非製造業平均を上回っており、強固な財務体質を示しています。一方で、ROEはプライム市場平均を下回る水準となっています。手元資金も十分に確保されており、事業運営の安定性につながる要素です。
| 指標 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 378億円 | 405億円 |
| 自己資本比率 | 61.5% | 63.2% |
| ROE(自己資本利益率) | 5.3% | 3.8% |
| 現金及び預金 | 81.4億円 | 86.9億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローは、本業で安定的に資金を生み出している状況を示しています。当連結会計年度の営業活動によるキャッシュフローは25.5億円の収入となり、前期から増加しました。これは主に税金等調整前当期純利益の増加や減価償却費の計上によるものです。
投資活動によるキャッシュフローは、有形固定資産の取得による支出などにより、△7.2億円の支出となりました。前期と比較して支出額は減少しています。財務活動によるキャッシュフローは、配当金の支払いや借入金の純減額などにより、△13.6億円の支出となり、前期から支出額が増加しました。
これらの結果、フリーキャッシュフローは18.2億円のプラスとなり、本業で得た資金で投資を賄い、なお余剰資金がある「優良パターン」を示しています。この状況は、同社グループが安定した事業運営を継続し、将来に向けた投資余力も確保していることを示しており、雇用や給与の安定性にもつながる要素であると考えられます。
| 項目 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 24.5億円 | 25.5億円 |
| 投資CF | △11.9億円 | △7.2億円 |
| 財務CF | △4.0億円 | △13.6億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 12.7億円 | 18.2億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループの売上高の約50%は海外子会社の売上によるものであり、為替レートの大幅な変動や海外市場の政治・経済の混乱が業績に影響を及ぼす可能性があります。また、国内市場における個人消費の水準やファッショントレンドの急激な変化も、同社グループの売上及び収益に影響を及ぼすリスクとして挙げられています。
③ 人材・組織に関するリスク
人材・組織に関するリスクの記載はありません。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
ルックホールディングスは、「お客さま第一主義」の経営理念のもと、ファッションを通じて新しいライフスタイルや価値を創造し、生活文化の向上に貢献することを目指しています。顧客満足度を高めながら、働く人々の豊かな生活の向上も追求する企業です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、「お客さま第一主義」を経営理念として掲げています。ファッションを通じて顧客満足度を高めることを基本とし、企画・製造・販売の一貫した営業活動により、新しいライフスタイルや価値の創造を通じて生活文化の向上に貢献することを目指しています。
また、確かな実績で株主に応えるとともに、働く人々の豊かな生活の向上も追求することを基本方針としています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
ルックホールディングスグループは、「お客さま第一主義」を経営理念の根幹に置き、新しいライフスタイルや価値の創造を通じて顧客満足を追求し、生活文化の向上に貢献することを大切にしています。持続可能な社会の実現に向けて「サステナビリティ基本方針」を定め、環境配慮、働きがいのある環境づくり、人権と多様性の尊重、誠実で公正な事業活動、品質・サービスへの責任をマテリアリティ(重要課題)としています。
同社グループは、人材を最も大切な資産の一つと捉え、多様な人材が年齢や性別にとらわれず自由にチャレンジできる環境を整え、創造性豊かな人材の育成を方針としています。従業員の心身の健康を重視し、多様な働き方に対応した柔軟な職場環境の整備に努め、女性活躍をはじめとしたダイバーシティを推進しています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
株式会社ルックホールディングスは、取締役会と監査役会を設置する監査役会設置会社です。経営の意思決定と監督機能を強化するため、取締役会の諮問機関として指名・報酬委員会も設置されています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社は、事業会社である八木通商株式会社が筆頭株主として経営を支えています。また、美津濃株式会社などの事業会社や、従業員持株会、労働組合も上位株主として名を連ねています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 八木通商 | 10.03% |
| 日本マスタートラスト信託銀行(信託口) | 6.72% |
| 美津濃 | 4.74% |
| 三共生興 | 3.21% |
| 日本カストディ銀行(信託E口) | 3.18% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は9名(男性8名・女性1名)で構成され、女性役員比率は11.1%です。代表取締役社長は澁谷治男氏が務めています。社外取締役比率は40.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 多田 和洋 | 代表取締役会長 | 1988年3月同社入社、2015年3月同社代表取締役社長、2025年3月同社代表取締役会長より現職。 |
| 澁谷 治男 | 代表取締役社長 | 1987年3月同社入社、2019年3月同社取締役、2025年3月同社代表取締役社長より現職。 |
| 斉藤 正明 | 常務取締役 | 1992年3月同社入社、2017年3月同社取締役執行役員経営企画室長兼販売人事部長、2024年3月同社常務取締役より現職。 |
社外取締役は、井上和則氏(株式会社リーダーズ代表取締役)、秋葉絢子氏(慶應義塾大学病院 整形外科)です。
同社は監査役会設置会社であり、経営監視機能の客観性・中立性を確保するため、社外取締役2名、社外監査役2名を選任しています。独立した立場からの助言・提言を通じて、取締役会の意思決定の妥当性・適正性を高める体制が構築されています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の役員報酬は、固定報酬としての基本報酬、業績連動報酬としての賞与、および非金銭報酬としての譲渡制限付株式報酬で構成されています。報酬額は、独立社外取締役が過半数を占める指名・報酬委員会の答申を経て決定されます。業務執行を担う取締役の報酬は、基本報酬が50~60%、業績連動報酬と非金銭報酬がそれぞれ20~30%を目安としています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 3名 | 1.7億円 | 56.3百万円 |
| 社外取締役 | 2名 | 19百万円 | 9.5百万円 |
| 監査役(社外除く) | 2名 | 31百万円 | 15.5百万円 |
| 社外監査役 | 2名 | 16百万円 | 8.0百万円 |
報酬等の総額が1億円以上の役員は存在しないため、個人別の開示は行われていません。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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