※本記事は、オーナンバ株式会社 の有価証券報告書(2025年12月期、2025年1月1日 ~ 2025年12月31日、2026年3月30日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
オーナンバグループは、電線・ケーブル、ワイヤーハーネス、新エネルギー関連製品、ハーネス加工用機械・部品の製造販売を手掛けています。連結子会社16社、持分法適用関連会社1社、非連結子会社3社で構成され、幅広い事業を展開しています。
単体従業員数は163名、連結従業員数は3,556名です。セグメントは日本、欧米、アジア(日本を除く)の3つです。
主な国内グループ会社は、オーナンバインターコネクトテクノロジー(略称 OIT)(電線の製造・加工)、ユニオンマシナリ(略称 UMJ)、アスレ電器(略称 ASLE)(電線の加工品販売)などです。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
オーナンバは、電線やハーネス製品の製造・販売をグローバルに展開する企業です。同社グループの働き方は、長年にわたる事業活動を通じて培われた安定性と、従業員の定着を重視する姿勢が特徴として挙げられます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
オーナンバの従業員は、平均年齢が高めで勤続年数も比較的長く、人材が定着しやすい傾向にあることがうかがえます。これは、長期的なキャリア形成を視野に入れている方にとって、安定した環境で働き続けられる可能性を示唆しています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,386,000円 |
| 平均勤続年数 | 12.2年 |
| 平均年齢 | 48.6歳 |
| 単体従業員数 | 163人 |
| 連結従業員数 | 3,556人 |
| 単体のグループ内比率 | 4.6% |
同社グループは、確定給付型と確定拠出型の退職給付制度を採用しています。確定給付型は給与や勤続年数に応じて給付額が決まる制度、確定拠出型は会社が拠出した資金を従業員が運用する制度です。これらの制度は国内および海外のグループ会社に適用されています。
退職一時金制度も存在しますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。なお、退職給付債務は15.8億円、年金資産は5.7億円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
オーナンバは、経営理念に基づき、事業の持続的発展と企業価値向上をサステナビリティ方針として掲げています。この方針のもと、中長期ビジョンに基づいた社会的課題の解決や、公正かつ透明性の高い経営、ステークホルダーとの強固な信頼関係構築を目指しています。
人材育成においては、国籍、人種、性別を問わず人物主義に基づき、各従業員の発揮能力と成果によって人事評価を行い、昇進等の処遇を決定しています。社員の働きやすさを第一に考え、年間休日128日以上(有給休暇5日以上取得義務化)、フレックスタイム制度、産休育休・看護休暇制度、社宅(寮)制度などを整備しています。
また、健康経営優良法人認定への取り組み、メンター制度、スキル取得支援など、多様な働き方を支援する職場環境の整備にも力を入れています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体のデータを示します。男性労働者の育児休業取得率および労働者の男女の賃金の差異は、公表義務の対象項目として選択しておらず、公表されていません。連結子会社は法定開示の公表義務対象外のため、記載を省略しています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 1.4% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
オーナンバは電線・ケーブル、ワイヤーハーネス、新エネルギー関連製品、ハーネス加工用機械・部品の製造販売を手掛けるグローバルな企業グループです。幅広い産業分野に製品を提供し、社会のインフラを支えています。
同社グループは、電線・ケーブル、ワイヤーハーネス、新エネルギー関連製品、ハーネス加工用機械・部品の製造販売を事業としています。連結子会社16社、持分法適用関連会社1社、非連結子会社3社で構成されており、国内外で事業を展開しています。製品の加工を国内・海外子会社に委託し、仕入れた製品を得意先に販売する形態と、自社で製造した製品や海外子会社から仕入れた製品を販売する形態があります。収益は、主にこれら製品の販売から得ています。
同社グループの事業は、主に「日本」「欧米」「アジア(日本を除く)」の3つの報告セグメントに区分されています。
日本
環境関連市場での需要が増加する一方、一部の市況の回復遅れや顧客の在庫調整により、売上高は減少しました。しかし、環境関連の高付加価値商品の需要拡大による品種構成の改善により、営業利益は増加しています。収益は、電線・ケーブル、ワイヤーハーネス、新エネルギー関連製品、ハーネス加工用機械・部品の販売から得ています。
欧米
北米の自動車関連市場での需要減少により、売上高は減少しました。メキシコ工場での生産性改善や原価低減活動、為替変動の影響により、営業利益は増加しました。収益は、電線・ケーブル、ワイヤーハーネス、新エネルギー関連製品、ハーネス加工用機械・部品の販売から得ています。
アジア(日本を除く)
中国市場の低迷が続くものの、一部顧客での需要回復が見られ、売上高は増加しました。売上高の増加に加え、品種構成の改善や原価低減活動により、営業利益も増加しています。収益は、電線・ケーブル、ワイヤーハーネス、新エネルギー関連製品、ハーネス加工用機械・部品の販売から得ています。
同社グループは欧米やアジアでも事業を展開しており、為替相場の変動が経営環境に影響を与える可能性があります。外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先はないため、特定の顧客への収益集中は見られません。
| セグメント | 売上高(2024年12月期) | 売上高(2025年12月期) |
|---|---|---|
| 日本 | 242億円 | 240億円 |
| 欧米 | 131億円 | 119億円 |
| アジア(日本を除く) | 74.8億円 | 85.4億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの売上高は、直近5年間で増加傾向にありましたが、当期は前期からほぼ横ばいとなりました。経常利益は、変動はあるものの、当期は前期を上回る結果となっています。親会社株主に帰属する当期純利益は、前期に特別利益を計上した反動もあり、当期は減少しました。営業活動によるキャッシュ・フローは安定的にプラスを維持しており、本業で着実に資金を創出している状況です。
| 項目 | 2021年12月期 | 2022年12月期 | 2023年12月期 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 370億円 | 436億円 | 448億円 | 448億円 | 444億円 |
| 経常利益 | 12.9億円 | 29.1億円 | 25.3億円 | 23.3億円 | 24.4億円 |
| 経常利益率 | 3.5% | 6.7% | 5.7% | 5.2% | 5.5% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 10.2億円 | 21.3億円 | 19.8億円 | 27.8億円 | 15.1億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 83.50 | 175.09 | 162.84 | 228.42 | 124.29 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高(連結)は、前期から当期にかけて増加しています。従業員1人あたり営業利益(連結)も、前期から当期にかけて増加しており、生産性の向上がうかがえます。これらの指標の改善は、同社グループが効率的な事業運営を進めていることを示唆しています。
| 指標 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 12.0百万円 | 12.5百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 0.6百万円 | 0.7百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
オーナンバは、安定した財務基盤を維持しつつ、事業活動を通じて資金を創出しています。一方で、将来に向けた投資も行い、資金の流れに変化が見られます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、自己資本比率が高く、安定した状態を示しています。手元資金も十分に確保されており、事業運営における資金の柔軟性がうかがえます。ROE(自己資本利益率)は前期から減少していますが、依然として一定の収益性を維持している状況です。
| 指標 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 266億円 | 284億円 |
| 自己資本比率 | 65.5% | 66.0% |
| ROE(自己資本利益率) | 11.4% | 5.6% |
| 現金及び預金 | 73.4億円 | 72.3億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
当連結会計年度における同社グループの営業活動によるキャッシュフローは、18.1億円の収入となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益や減価償却費、仕入債務の増加などが資金の増加要因となったためです。投資活動によるキャッシュフローは、有形固定資産の取得による支出などにより、△15.2億円の支出となりました。
財務活動によるキャッシュフローは、長期借入金の返済や配当金の支払いなどにより、△7.4億円の支出となっています。これらの結果、フリーキャッシュフローは2.9億円の収入となり、本業で得た資金を投資に充てつつ、余剰資金を創出している状況です。
| 項目 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 23.2億円 | 18.1億円 |
| 投資CF | 0.2億円 | △15.2億円 |
| 財務CF | △18.1億円 | △7.4億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 23.4億円 | 2.9億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、海外に生産販売拠点を展開しており、為替の変動や各国の法規制・税制の変更が経営成績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。また、主要原料である銅・塩ビコンパウンドの市況価格の急激な変動も、経営成績及び財政状況に大きな影響を与えるリスクとして認識されています。
③ 人材・組織に関するリスク
研究開発活動において、最新の技術動向や環境変化への対応、優秀な人材の継続的な確保・育成が重要であると認識されています。技術革新の進展などにより、当初の目的達成が困難になる可能性もリスクとして挙げられています。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
オーナンバは、革新的な価値創造とグローバルな視点を重視し、持続可能な社会への貢献を目指す企業です。環境保護と品質至上を掲げ、世界のお客様に貢献する総合配線システムメーカーとしての道を歩んでいます。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループの経営理念は、「常に革新を起こし特徴ある価値の創造により世界に貢献する」「常に世界的視野に立って事業を推進する」「常に世界のお客様の満足のため環境重視、品質至上、スピードある行動を実践する」の三つです。
電線で培った生産技術力や、民生機器用・産業機械用・車載用ワイヤーハーネスで培ったグローバルな生産・販売体制を強みとしています。太陽光発電配線ユニットなどの新エネルギー関連製品や、ハーネス加工用機械・部品で培った技術開発力をさらに向上させています。
グローバルネットワークの強化拡充を進めることにより、エネルギー新時代に即した「グローバルな総合配線システムメーカー」の実現を目指し、世界のお客様に貢献していくことをビジョンとしています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、経営理念に基づく高い企業倫理のもと、意思決定や執行における適法性・妥当性を確保し、事業の持続的発展を図ることを基本的な考え方としています。
環境にやさしく、安全に配慮した製品・技術・サービスを提供し、より良い地球環境の実現と社会の発展に寄与することを企業の使命と捉えています。公正かつ誠実な企業活動を行うことにより、社会から信頼されることを重視しています。
サステナビリティ方針として、経営理念の実践を通じた持続的な企業価値の向上、中長期ビジョンに基づく社会的課題の解決、真のグローバル企業としての公正かつ透明性の高い経営、そして全てのステークホルダーとの強固な信頼関係構築を掲げています。人材育成においては、国籍、人種、性別を問わず人物主義を基本とし、各従業員の発揮能力と成果に基づいた人事評価と処遇を行っています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループを取り巻く経営環境は、ロシア・ウクライナ紛争の長期化や中国市場の低迷、原材料価格の高騰や為替相場の変動に加え、米国の追加関税等の保護主義政策に伴う世界経済への影響など、依然として先行き不透明な状況が続いています。
このような環境の下、同社グループは中期経営計画「PROGRESS 2026」に基づき、エネルギー新時代に即した「グローバルな総合配線システムメーカー」の実現に向けた取り組みを継続しています。
具体的には、脱炭素社会の実現に貢献する取り組みの更なる強化、グローバルでの情報基盤構築と社内DX推進、そしてグローバル人材の育成を重点テーマとしています。また、気候変動への対応として「地球環境保護と汚染の防止」を環境方針に掲げ、「限りなく美しい地球を未来につなぐ」をスローガンに環境管理に取り組んでいます。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
オーナンバは監査役会設置会社として、社外取締役や社外監査役の視点を取り入れたガバナンス体制を構築しています。取締役会が意思決定を行い、経営の監督機能を果たしています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
オーナンバの株主構成を見ると、筆頭株主はESG投資事業組合であり、複数の機関投資家や事業会社が上位に名を連ねています。多様な属性を持つ株主によって支えられている資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| ESG投資事業組合 | 8.31% |
| カネカ | 6.80% |
| 日本生命保険相互会社 | 4.99% |
| 住友電気工業 | 4.51% |
| 三菱UFJ銀行 | 4.25% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は11名(男性10名・女性1名)で構成され、女性役員比率は9.1%です。代表取締役社長は木嶋忠敏氏が務めています。社外取締役比率は25.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 木 嶋 忠 敏 | 代表取締役社長 | 1980年松下電器産業株式会社(現パナソニック株式会社)入社。2010年パナソニックチャイナ有限公司パナソニックホームアプライアンス社(中国)総経理。2017年同社執行役員、2018年取締役、2019年常務取締役、2020年専務取締役管理部長を経て、2021年より現職。 |
| 宮 本 敦 浩 | 代表取締役副社長 | 1983年松下電器産業株式会社(現パナソニック株式会社)入社。2016年同社オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社経理センター所長。2020年同社執行役員、2021年取締役、2022年常務取締役、2024年専務取締役管理統括部長を経て、2026年より現職。 |
| 山 田 秀 明 | 常務取締役 | 1989年ユニオンマシナリ株式会社入社。2013年同社取締役兼鈞星精密部件(恵州)有限公司総経理。2018年同社代表取締役社長を経て、2022年同社取締役、2026年より現職。 |
| 熊 谷 康 浩 | 常務取締役 管理統括部長 | 1987年同社入社。2014年Czech Republic Onamba s.r.o.取締役社長。2019年営業統括部東日本営業部部長。2022年執行役員、2025年取締役を経て、2026年より現職。 |
| 朝 見 直 仁 | 取締役生産開発統括部長 | 1989年松下電器産業株式会社(現パナソニック株式会社)入社。2013年同社AIS社電装システム事業部ヒータデバイス事業総括。2014年同社パナソニックオートモーティブシステム中国副総経理。2020年同社PAS社車載システムズ事業部EMBU BU長。2025年同社執行役員を経て、2026年より現職。 |
| 堀 内 吏 | 取締役営業統括部長 | 1992年同社入社。2014年欧南芭(上海)貿易有限公司董事兼総経理。2018年欧南芭(上海)貿易有限公司董事長兼総経理。2021年営業統括部本社営業部部長。2024年執行役員を経て、2026年より現職。 |
社外取締役は、藤井英彦氏(関西外国語大学外国語学部教授)、笠藤歩氏(協和綜合法律事務所弁護士)です。
同社は監査役会設置会社であり、社外取締役および社外監査役の外部的視点を取り入れ、取締役会による意思決定と監督を行っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
オーナンバの役員報酬は、定額報酬と年間業績に連動する業績連動報酬(役員賞与)で構成されています。経営目標の達成と監督機能への対価として設計されており、役員退職慰労金は廃止されています。社外取締役および監査役の報酬は定額報酬のみとなっています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 9名 | 1.4億円 | 15.2百万円 |
| 監査役(社外除く) | 2名 | 10百万円 | 5.0百万円 |
| 社外役員 | 4名 | 23百万円 | 5.8百万円 |
個人別報酬が開示されている役員は存在しません。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。